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2024年夏 最新版 完全解説 モンセラット(モンセラート)

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カタルーニャの聖地と呼ばれるモンセラット(モンセラート)は、バルセロナから約1時間で気軽に行くことができ見所も多く、ショートトリップのスポットとしては一番の人気を誇っています。

バルセロナ滞在で日程に余裕があれば、是非一度は訪れてみて下さい。

概要

カタルーニャ語で「のこぎりの山」という意味のモンセラット。

この不思議な風景に多くのカタルーニャの芸術家が影響を受けました。

その中でも一番よく知られているのが、あのガウディ。

彼の残した作品で誰もが知るサグラダファミリアは、モンセラットの影響を受けあの様なデザインを思いついたとも言われています。

また、モンセラットが聖地として重要な地位を占める理由の一つとなったのが、19世紀初頭のスペイン独立戦争。

当時フランスの皇帝であったナポレオンがスペインに侵攻、その際に地元の民兵が立てこもり最後まで抵抗を続けた場所として知られています。

また近代のスペイン史に残る悪名高き独裁フランコ政権時代には、家以外の公の場で話すことが禁止されていたカタルーニャ語を断固として使い続けミサを行っていた唯一の教会でもありました。

それらの理由で地元の人々の心の故郷として、また精神的なよりどころとなっています。

ところでバルセロナの女の子に付ける名前の人気NO1を知っていますか?

現在でこそ名前にも色々なバリエーションがありますが、少し前まではバルセロナの女の子の名前人気NO.1は「モンセラット」。

この事実からも、いかに地元の人達に愛されているか分かるでしょう

saguraji 【サグラダファミリア】
ガウディがここモンセラットを訪れた際に受けたインスピレーションが、その後の彼の創作活動に大きない影響を与えたと言われています。それが最も表れているのが、あのサグラダファミリア。尖塔はまさにモンセラットの山そのもの。

@
furachan 【フランコ将軍とは?】
1936年に始まったスペイン内戦で反乱軍を指揮し勝利、その後に30年に渡り独裁政権をしいた元首で当時より独立意識が強かったカタルーニャにおいては、カタルーニャ語の使用禁止するなど強硬な姿勢をとり続けバルセロナでは最も忌み嫌われる存在となっています。

 

新着情報

2023年5月3日より、大聖堂、黒マリア、聖歌隊(ミサ)の見学は有料、そして以下の公式サイトより予約必須となりましたのでご注意ください

以下のリンクより、予約のページに飛んで予約して下さい。
チケットは1か月前より販売されます。
tickets.montserratvisita.com/en

①大聖堂入場のみ 6€

②大聖堂入場+黒マリア像参拝 8€

③大聖堂入場+聖歌隊(ミサ)入場 8€

④大聖堂入場+黒マリア+聖歌隊 12€(黒マリア時間指定なし)

お勧めチケットしては④のセットチケット。
このチケット、聖歌隊は13時指定ですが黒マリア像の参拝時間を指定できませんが、その代わりにどの時間にも入場が出来るので時間に縛られる事無くお勧めです。

但し、聖歌隊の歌わない日や既に聖歌隊のチケットが完売の日は④は不可となります。

*夏、聖歌隊は夏季休暇(2023年7月1日~8月26日)のためお休みです。
また、通常土、日曜日の13時のミサは歌いません、詳細はここでご確認ください。

 

【入場チケット手配】

現在、手数+2.5€で入場チケットの手配をしています。
自分でご購入される場合と違い、チケットの取り間違いリスクがゼロ。
よろしければ是非ご利用ください、詳細は以下。
バルセロナウォーカー、格安チケット購入代行。

 

山の起源

日本では見かけない単体の岩で出来た山、モンセラット。長さ10キロ(青)、幅5キロ(赤)、周囲25キロ(紫)の楕円形の山は、元々は海に4000~3400万年前にかけ川が流れ込んで出来た扇状地。

上流から砂、砂利、泥が流れ込んで堆積、その厚さは1300メートルににも達しますがやがて自重によりそれらが圧縮され、砂岩礫岩、いわゆる堆積岩となります。

そのあと、今から2,500万年前に始まったアルプス・ヒマラヤ造山運動により徐々に地殻が隆起、その後の長年の浸食により現在、私達が目にする特徴的な形の山になりました。

ただ、地殻の隆起とその後の浸食に関しては、日本でも普通に起きるありふれた自然現象です。

にも拘らず、ここモンセラットだけが、世界的にも珍しい奇岩になっているのには理由があります。

全体的に山が白く見えるモンセラットは、いわゆる石灰岩(セメントの主原料)を大量に含んでいて、それが砂利と砂利をくっつける接着剤の役割をしていて、このことが岩が周りの土より浸食に強く、ここだけがぽつんと残った大きな理由です。

現在、切り立った岩山はロッククライミングの名所にもなっています。

 

頭上に落ちる巨岩

更に付け加えると、土よりは浸食に強かったのですが岩と言っても小石の塊なので長年の雨、風、太陽光によって徐々に小石が剥がれ落ちていき、それがこの独特の風景を造りだしたもう一つの要因でもあります。

尚この浸食は今も続いていて、小さい小石はもちろんですが十年単位で大きな岩の塊が落下しています(2019年12月に落下の様子)。

ちなみに、モンセラットの教会の上を見ると….

教会の真上に下半分が既に落ちた巨大な岩の塊があり、いつか落下してくると言われています。

その為に岩にはセンサー(写真右の緑)が取り付けられて日々監視はしていますが、10年後もしくは100年、千年、それより後のいつか必ず落ちて教会を大破させることは必至で、それは正に神のみぞ知ると言うところ。

ちなみに、ここカタルーニャでは地震は殆どなく、前回あった地震は約600年前の1427年ので、取り敢えず頭の上の岩の事は忘れて楽しく観光しましょう。

 

戦国江戸時代に訪れた日本人

モンセラット観光から少し話はそれますが、 今から400年程前にこのモンセラットを訪れた日本人達がいたのをご存知ですか? 

その一つが、九州のキリシタン大名ローマ法王に名代として藩士の少年達を派遣した天正遣欧少年使節。

そしてもう一つが、伊達政宗仙台藩とスペインとの貿易(太平洋貿易)交渉のために送った慶長遣欧使節です。

どちらの使節団も旅の道中で、このモンセラットに立ち寄り数日滞在しています。

遥か昔、ちょんまげに着物姿の日本人が現在の私達と同じモンセラットの岩山を見ていたと思うと感慨深いものがあります。

ちなみに、天正遣欧使節が帰途の際に着物の下に着るように宣教師から贈られたのが、ポルトガル製の肌着(ポルトガル語でGibao)。

これが後に日本では着物の下に着る長襦袢として一般化するのですが、ポルトガル語のGibao(ジバゥン)がなまって襦袢となったわけです。

 

天正遣欧使節

1582年(天正10年)に九州のキリシタン大名、大友宗麟大村純忠有馬晴信の名代としてローマへ派遣された4名。

日野江城下にあったセミナリヨ(神学校)で学ぶ生徒の中から選ばれた4人の少年(左下写真)(伊東マンショ々石ミゲル原マルティノ中浦ジュリアン)を中心とした使節団は、ヴァリニャーノ司教により編成されました。

伊東マンショと法王グレゴリウス13世の謁見の場面の絵も現存します。(右下写真)。

日本からインドのゴアを経由しポルトガルのリスボンまで2年半をかけ、その後イタリア、メディチ家が統治ルネッサンス文化の中心フイレンツエを通りバチカンへ。

帰路にバルセロナ、ここモンセラットに立ち寄り、そして当時世界最強のスペイン国王の居城マドリッド、再びリスボンそして日本へ。日本人として初めてヨーロッパの地を踏んだ彼らは、合計8年にも及ぶ長旅を経て1590年(天正18年)に帰国しました。

またその時の逸話として、旅の途中で立ち寄ったトスカーナ大公国で舞踏会に招かれた少年達、その中で伊藤マンショはトスカーナ大公妃に指名され一緒に踊ったと言う記録が現存します。

襦袢の他にも、持ち帰ったグーテンベルク印刷機によって日本語書物の活版印刷が歴史上初めて行われるなどの功績にも関わらず、豊臣秀吉によるバテレン追放令発布後、1人は処刑、1人は追放、1人は棄教(信仰を捨てる)となります。

嵐や座礁による難破、熱病、海賊などの危険にさらされながらの、正に命がけの航海にも関わらず悲しい結末を迎えました。

ちなみに、かつて存在した日本の戦国イケメン「アイドルグループ・天正遣欧使節」を知っていますか?

横文字と歴史ウンチクのまじったポップな歌詞にカッコいいラップパート、そして短剣を使ったアクションダンスは歴史から学ぶことの重要性と、これから進むべき私達の日本人の未来へのヒントを授けてくれます

 

慶長遣欧使節団


天正遣欧少年使節が「キリシタンの本山詣で」であったこととは違い、伊達政宗が仙台藩とスペインとの貿易(太平洋貿易)交渉のために送っ使節が慶長遣欧使節団です。

その使節を率いた支倉常長(写真左下)は 日本を出てメキシコのアカプルコに着いたあとに陸路で大西洋まで歩き、そこからもう一度船に乗りスペイン到着。

更にイタリアまで旅しヴァチカン宮殿でローマ教皇パウロ5世と謁見します。

また、常長は東洋人として初めてローマ市民権を与えられローマ貴族にも列せられました。

この慶長遣欧使節団の遺した逸話として、到着した港コリア・デル・リオには支倉常長ら本隊とは別に仙台藩の藩士や使節として加わった商人の一部や水夫が日本に帰国の日まで支倉の帰りを待ちながら港町に長期滞在します。

この間に日本人達とスペイン人が恋に落ち、結局そのまま日本に帰らずスペインに残った者もいました。

興味深いのは、この町にはハポン(Japón=日本)姓をもつ人が約六百人住んでいます。

尚、400年経ったせいもあり現在は日本人の面影はその人達の顔には残っていませんが、彼らこそがその末裔(写真右下)と言われています。

 

見どころ

さて、ここで主な見どころをピックアップすると、まず山の中腹(標高725m)に建立された、ベネディクト会のサンタ・マリア・モンセラット修道院付属大聖堂、並びにそこに安置されている黒マリア像、少年合唱団、遠くピレネー山脈を望む眺望などがあります。

また、自然を楽しむトレッキングコースなどもあり、週末は地元スペイン人達で賑わいます。

と言うわけでモンセラットの見どころは、非常に分かり易く、一は自然、もう一つの見どころは聖堂。

ここでは、時間を有効に使うために、分かり易くそれら見どころを数字化てみますと。。

自然60%、聖堂25%、黒マリア10%、聖歌隊が残り5%と言うのが、これまで訪れた人の平均的な満足度です。

この中でなんと言っても一番重要なのは自然で、そういう意味では天候が悪いとモンセラットの楽しみは半減してしまいます。

季節によっての天候の特徴、また天気予報は以下で確認し旅行計画の参考にしてみて下さい。

 

2014042916444838c 「バルセロナの気候、時差、祝祭日」
バルセロナは年間通して比較的温暖で、雨の少ない地中海性気候は….

モンセラット便利マップ

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①聖堂 ②聖堂内部 ③修道院 ④博物館 ⑤ギフトショップ ⑦ホテル
Abat Cisneros
⑧アパート
Cel-les
⑨ATM ⑩登山電車駅 ⑪サンジョアン行き
ケーブルカー
⑫サンタコバ行き
ケーブルカー
⑬ロープウェイ駅
⑯レストラン ⑰カフェテリア ⑱ギフトショップ ⑲トイレ ⑳ユース ㉑カフェテリア

観光のメインとなるモンセラットの山上のこの地図は、それぞれ施設の位置関係が番号で示されています。

観光で来られた方が一番利用するものを、ここで幾つか抜粋し解説します。

 

【到着】モンセラットの山上は横に長く広がった土地に、聖堂をはじめとした建物が建っています。

登山電車(Cremallera)で来た場合はに着き、ロープウエイ(Aeri)で来た場合はに着きます。

地図で見て分かる様に、ロープウエイの場合は下車してから坂を上って4分程、登山電車駅まで歩く必要があります。

登山電車駅、ロープウエイどちらで来ても聖堂へ行くのには、登山電車駅正面の階段を上がっていくことになりますが、青の点線で歩いて頂くと階段が無く楽に上がっていけます。

【トイレ】登山電車駅から青い点線に沿って歩くと、その途中のところにトイレがあります。

またのカフェテリアのレジの奥にもあり、あと㉑のカフェテリアにも小さいトイレがあります。

穴場としてはホテルAbat Cisnerosのレセプションその奥の地下にホテルのトイレがあり、ここが一番利用者が少なく静かです。

【お土産屋】ギフトショップはインフォメーションの前と、登山電車駅の前のの2軒があります。の方が断然、品揃えが豊富ですので、あえて⑤は利用する必要は無いでしょう。

またに小さな食品店があり、水やお菓子など簡単な物が買えます。

尚、地元の農産物のお土産、名産マトーチーズはのカフェテリアから100メートル右に行ったところに、その屋台が10軒ほど並んでいます。

にATMがありますが山上では屋台をはじめどの店でも、たとえ少額の支払いであってもカードが使えます。

【レストラン】⑰㉑のカフェテリア以外に、レストランが2つあります。

一つはホテルAbat Cisnerosの中、には外の景色が眺められるレストランと食べ放題のビュッフェ式レストランの2つがります。

ただし注意が必要なのはそちらの2軒は冬は閉鎖されますので、その際はホテルのレストランもしくはカフェテリアでの軽い食事となります。

大聖堂

モンセラット山上での一番の観光スポットは、ここベネディクト会のサンタ・マリア・モンセラット修道院付属大聖堂(Monasterio de Montserrat)。

元あった大聖堂はスペイン独立戦争 (1808-1814)の際、フランスのナポレオン軍の砲撃により破壊され、現在の建物は19~20世紀に再建されたものです。

 

聖堂正面

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正面が大聖堂の前廊、左が修道院、黒マリア像へ続く通路は一番右の入り口を真っ直ぐ進んだところ。

サグラダファミリアやバルセロナ市内最大規模のカテドラルとは、同じ教会でもその構成は大きく違います。

聖堂の正面に立つとまず目につくのが左側にある建物。

これがサンタマリア・デ・モンセラット修道院。

ここでは大聖堂はこの修道院の付属扱いで、メインはあくまでも修道院。なので大聖堂の真横に同規模の建物が、並んでいると言うわけです。

 

ちなみに、ここでは現在でもベネディクト会の80人ほどの修道士(男のみ)が修行し暮らしています。

修道院の起源に関しては正確には分かっていませんが、9世紀には簡単な4つの礼拝堂が建てられたと考えられています。

これらの礼拝堂では、現在の修道院で行われている修行とは全く異なり、隠修士と呼ばれる僧侶が孤独な祈りの生活を送っていました。

それはどの様な修行かと言うと日本の山岳信仰の山伏の様な感じでした。

具体的には自給自足の生活を送りながら洞窟や祠に籠って孤独、禁欲に耐えただひたすら祈ることにより、より高度な観想を得る。

いわゆる私達の身近な仏教でいうところの、悟りの境地を求めました。

【山の起源】で、述べましたが大聖堂上にある、いつ崩れるか分からない大岩②。

その岩の上を見ると朽ちた小屋の跡が見えますが、それが昔使われていた祠です。

修道院には観光客は入れませんが小さなパティオ(入口はここ)が見学可能なので、時間があれば見てみて下さい。

また、そこに立つ石柱の上部には、ロマネスク時代の典型とも言える漫画チックな彫刻が見れます。

 

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/10/monjesmonserat.jpg 【ベネディクト会とは? 】
カトリック教会最古の修道会で、服従、清貧、童貞(純潔)の厳しい戒律を持つ一方、中世ヨーロッパにおいては宗教のみならず・芸術・建築・土木において大きな役割を果たしました。また、黒い修道服を着ていることから「黒い修道士」とも呼ばれています。
1-colourplates-8 【隠修士とは?】
神との一致と完徳を求める孤独生活の修道士のことで、その起源は3世紀初めエジプト,パレスティナ,シリアの荒野や砂漠に現れます。ただその後、キリスト教は隠修様式から家族様式へと発展したことにより一旦は廃れますが11世紀~13世紀には複数の隠修士会が復活。いわゆる仏教でいうところの洞窟修行にあたります。

 

正面の壁に注目

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大聖堂に入る前に壁に注目してみて下さい。

【山の起源】の項でも述べましたが大昔このモンセラットは、川によって山から運ばれた砂利や砂が千メートル以上堆積したものです。

天気が穏やかな時には砂の層が生成され、大雨などの際には上流から砂利が一気に運ばれた跡が見てとれます。

また岩が全体に赤っぽいのはイタリアをはじめとする地中海沿岸に広がる赤土地帯、その赤土が湖に流れ込んで堆積岩を赤く染めたからです。

 

聖堂の正面の広場右にあるアーチの塀③。

その塀の向こうには後に解説するサン・ミゲル展望台の十字架が望めます。

また聖堂の入り口をくぐると聖堂の前廊(写真右)にあたり、ここには2つの棺が置かれています。

左がジョアン・ダラゴー、右が13世紀の海軍提督にして海賊でもあったバルナット・デ・ビラマリー。これらは16世紀に作られたものです。

 

パティオ

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1800年の初頭に、ナポレオンにより完全に破壊された後に再建された大聖堂は、いろいろな建築様式が混在するものとなっています。

この正面のファサードは、ガウディ以前にサグラダファミリアの設計を最初に任されていたフランシスコ・ビリャール (Francisco Villar)によるネオプラテレスク様式で建てられたものです。

ちなみに、プラテレスク様式とは16世紀にスペインで流行したもので、ゴシック様式の構造体にルネサンス装飾を施し更にイスラム寺院などに見られる細かな装飾が施されたものです。

ここでは最初の流行から300年後、再び使われた建築様式と言うことで「新プラテレスク様式」と言う事ですね。

 

尚、午前中は11時に毎日ミサがおこなわれ、その前の10:40頃からは大聖堂の鐘が一斉に鳴りだします。

建物に囲まれたパテイオ内を、その鐘の音がまるで狂ったように響きわたり、なんだかあの世にトリップした様な気になります。

興味がある方、是非体験してみると面白いはずです。

 

聖堂前のパティオの中心には、海の生物が描かれたモザイクがります。

これは、洗礼のシンボルと言える水から生まれたキリスト教徒のみが、聖体の象徴と言える魚を食することが出来ると言うことを意味しています。

ちなみに、この絵で面白いのは描かれた中で一番大きいイラストのクラゲ4匹が十字架の形に配置されているところです。

またこのモザイク画の中心の円はパワースポットと知られ、腕を広げて瞑想すると不思議な力が蘇ると言われています。

黒マリアへの回廊

マリア像への入り口①はパティオの右端。

その横の壁を飾る絵②は「掻き絵」と呼ばれるものです。

その制作方法は、まず壁に2色の漆喰を例えばモンセラットの場合だと下地に白、その上に黄土色というふうに塗り重ねた後に尖った鉄の刃先で黄土色の漆喰を取り除き、下から現れた白の部分と残された黄土色の部分でデザインされています。

次に、聖堂の中へ入ると教会内に並ぶ礼拝堂の壁の横を切り抜いた狭い通路③があります。

これは参拝者が直接、黒マリアまで行ける様に作られたこの聖堂だけのものです。

ちなみに礼拝堂の一つサンジョセップ・デ・カラサンスの祭壇④は、ガウディの弟子の一人でもあるフランセスク・ベレンゲール・メストレによるもので、よく見ると祭壇の中の一部にモデルニスモ装飾が含まれています。

ここでは、お楽しみに敢えて言いませんので行ったら探してみて下さい。

 

通路を進んで行くと、この大聖堂の見どころの一つの階段に着きます。

そこにある雪花石膏で出来たアーケードには幾つもの音楽を奏でる天使の彫刻があることから、天使の扉と呼ばれています。

ちなみに、一見すると大理石に見える雪花石膏ですが特徴として大理石に比べ透明度に優れている一方で非常に柔らかく、石像の足のつま先はこれまで多くの信者さん達が触ったことにより丸く、まるで靴下を履いているようになっています。

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天使の扉を越え階段を上ると、左右の壁に日本の漆器にも似た、ビザンティン美術を彷彿させるモザイク画が見えます。

これらは1947年サンティアゴ・パドロスによって製作されたもので、正に見る者を圧倒します。

 

ここに描かれている左右24人の聖人は、マリアの処女性と母性、それぞれ2つの異なった面を表現しています。

階段の下から見て右側が処女の聖女達、そして左側が母の聖女達と並んでいます。

 

黒マリア様を祭った教会の奥の部屋へは、この急な階段を上ります。その入り口には賽銭箱を持った、どこか悲し気な聖歌隊の少年の木彫り像があります。

ちなみに、さい銭箱が小さくてすぐに一杯になるのではとよく聞かれますが、心配は要りません。

実は像の中は空洞で、手の賽銭箱に入れた小銭は足元の大箱に落ち貯まるようになっていて、その表情とは裏腹にちゃっかりした子供です。

 

黒マリア

キリ ストをひざに抱き聖堂に祀られているのが、“ラ・モレネータ”(黒い女の子)の愛称で親しまれている黒いマリア様。

このマリア様が右手にもつ玉は世界(全宇宙)を象徴するものです。

像はガラスに収められていますが、手に持った球の部分だけがガラスが切り抜かれ触ることが出来るようになっています。

昔からその玉に触れて願い事をすれば叶うと言われ、長い行列が連日出来ています。

尚、修道院の公式見解ではもともと白かったマリア像が、長い年月をかけて表面に塗られたニスが劣化して色が変化した。

もしくは多くの人に触れら色が徐々に黒くなった、蝋燭のすすによって黒くなったとか諸説はありますが、はっきりしたことは分かっていません。

ちなみに科学的検証では何度となく修理がされていて、作られたのは12世 紀のものだとか..  (伝説の年代と異なります)。

いろいろな謎がある黒マリア様ですがお昼休みを挟んで一日2回、面会できます。

ただ、シーズン中はその行列の最後尾は大聖堂入口の外にまで達し1時間以上待つことはざら。

シーズン以外(11月~3月クリスマスを除く)の平日なら10~20分くらい並べば入ることができますが、なるべく午前の早い時間に着いているのがベストです。

 黒マリア様の面会時間  ①7:00~10:30 ②12:00~18:15 ③19:30~20:00(7/1~9/15)

*スマホは画面を横表示にすると正しく表示されます。

 

a0277094_1421698 黒マリア伝説】
その昔880年、とある土曜日の午後のこと。山の麓に住む人々が天からのメロディーとともに山の中腹に光が灯されているのを見ました。次の土曜日にも同じことが起こったので司祭が洞窟に入ってみるとマリア像が佇んでいたのです。近くの町マンレザへ運ぶのに降ろそうと持ち上げるとマリア像が重くて動かず仕方なくそこに教会を建て今に続いたと言われています。(注)イメージ画像

*黒マリア発見に関しては、諸説が幾つもあります。

 

祭壇と身廊の眺め

黒マリアの置かれている部屋は、壁、天井と、煌めくばかりにモザイクが施されています。

その天井を見上げると、ちょうどマリアの膝に抱かれたキリストの頭上にあたる位置に鳩がいます。

これは、精霊を象徴していて、更に上を見ると4人の翼を持った天使。

また、その中心の丸い円の中には、神の右手が描かれています。

黒マリア様の持つ玉に触り、願い事を頼んだら今度は背後を見て下さい。

眼下に教会の身廊が、そこにひろがっています。キリストは普段いつも、この視点で上から私たちを眺めていたんだと、新たな発見。

更に、身廊の一番奥には巨大なステンドグラスの円形のバラ窓からの輝く光りが、一直線にマリアそしてキリストに注がれています。

黒マリアの裏部屋

祭壇から階段を降りたところに小さな入り口、その奥には礼拝堂があります。

ミサをやっていると観光客は入場できませんが、運よく開いていれば是非、中へ入ってみて下さい。

ゴシックとロマネスク、さらに初期モデルニスモも加わった様式の礼拝堂は1876年から8年かけて建てられたもので、工事の監督にはなんとあのガウディも加わっていました。

この礼拝堂でユニークなのは、先ほど見た黒マリア様の後ろ姿が見えることです。

そう、この部屋がちょうど黒マリア像の真後ろにあたります。

こちらの礼拝堂でもマリア様のご利益を得られるようにとその部分だけが切り取られた壁。

誰が考えたのか分かりませんが珍しいリバーシブル構造となっています。

あと、この部屋の後方に立つ像がカタルーニャの聖人のサン・ジョルディ。

このモンセラットの解説記事の冒頭にも触れた様に、カタルーニャで生まれてくる女の子に付けられる名前のトップはモンセラットですが、男の子の場合はジョルディがそのトップで地元スペイン人からはモンセラットと共に絶大な人気を誇っています。

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サン・ジョルディの伝説】
王女がドラゴンにとらえられ、生贄にされるところを白い白馬に乗ったサン・ジョルディが現れドラゴンを退治、その時の剣の一刺しによって流れたドラゴンの血から薔薇が咲き、サン・ジョルディは、その中で最も美しい薔薇を手折り、永遠の愛のシンボルとして王女に贈ったと言われています。

 

聖水盤

教会の最後の部屋には聖水盤が置かれていますが、これは今、解説した黒マリアの裏の礼拝堂用のものです。

ちなみに、何の為にあるかと言うと、信徒が受洗したことを常に忘れないようにするためと、礼拝堂に入る時に身を清める意味です。

具体的には、聖水に指を浸し身体の前で十字を切ります。

ところで、他のヨーロッパでは大理石の皿が一般的ですが、スペインの場合は巨大な”シャコガイ”がよく使われています。

理由は、フイリピンがスペインの植民地だった時代に大量に持ち込まれていたからです。

尚、コロニア・グエル教会①やサグラダファミリアの生誕、受難のどちらのファザードともに、入り口を入ったところにシャコ貝の聖水盤②が置かれています。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/10/senreig.jpg 【受洗とは】
カトリックでは「幼児は原罪によって神の恵みを失って生まれてくるため、洗礼によって新たに生まれ直す必要がある」とされています。ここで言う原罪とは人類の祖アダムとイブが、あの食べてはならないと言われていたにも関わらずこっそり食べたリンゴ。それを知った神の怒りにより、エデンの園から追放されることになった訳ですが、その罪がまだ今の時代にも延々と私達の中に引き継がれているのです。
http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/hotate-001.jpg?resize=141%2C105 【ビーナス誕生の貝】
イタリアの有名な絵画にボッティチェリの「ヴィーナス誕生」という絵画がありますが、ヴィーナスが台にしているのも貝ですが、あれは”ホタテ貝”。ちなみに、スペインの有名なサンティアゴ巡礼の際は、巡礼者は食器の変わりにホタテ貝の貝殻を持ち歩きます。それは聖ヤコブの杖に、ほたて貝の貝殻がついていたことが由来です。

 

 

アベ・マリアの道

黒マリア様の参拝が終わって教会の外に出ると、前にある通路がアベ・マリアの通りです。

教会と古代この場所が湖の底だったのを示すモンセラットの山の岩肌に挟まれた、場所にはたくさんの色とりどりの蝋燭が並んでいます。

これがいわゆる献灯と言われるもので、ここでは蝋燭1本が長い方で3€、短い方で2€ほどで売っています。

実際の蝋燭の原価はその半額程の物ですが、参拝者が蝋燭を購入することにより、その差額分が教会に寄付と言う形になります。

先程、子供の木像でみ見たような賽銭箱も教会内にありますが、火をつけ供える時に再びお願い事もできると言うことから、より信者に人気があるのがこの献灯です。

ちなみに、日本の一部の寺院にも、蝋燭や線香を購入して供えるところがありますが、それと同じです。

バルセロナ市内はどこも入場料を取り、またそれが非常に高いわけですが、この教会はこれ程見せてくれて無料。なのでもしよろしければ、入場のお礼に蝋燭を一本買ってみてはどうでしょう。

蝋燭は火をつけ供えるだけでなく、お土産に日本に買って持って帰っても、それはそれで教会の収入になりますので喜ばれます。

ちなみに、蝋燭は短い方で半日、長い方では約一日持ちます。また、日中の参拝者が供えていった後の夕方から夜は蝋燭の数も多く、更に薄暗いこともあり一番きれいに見える時間帯です。

もし、モンセラットに宿泊される方は、観光客が帰った後の夕方のミサの前後に、その幻想的な蝋燭の灯を一度見に行かれることをお勧めします。

 

身廊

黒マリアの参拝のあとは、ゆっくり聖堂内を見て回りますが、疲れたら休憩がてらに長椅子に腰掛けて静寂に浸るのも良いかと思います。

既に述べましたが、18世紀初頭にナポレオンにより完全なまでに破壊された後の再建だけあってよく見ると、スペインの他の教会に比べ新しいものです。

建築様式としては基本はゴシックですが、かなりルネッサンスの様式も入った折衷主義の要素が色濃い教会になっています。

その一例として壁や柱は漆喰で塗られ白く全体的に明るく、もしバルセロナのカテドラルに行く予定の方でしたら、その違いを見るのも非常に興味深いはずです。

また、この教会の独特な造りとしては祭壇の真上、非常に低い位置にキリストの十字架があることで実際に司教がそこに立つと正に頭の上に十字架が乗っている様にも見えます。

では、なぜこんなに低いのかと言うとそれには訳があります。聖堂の一番奥に鎮座する黒マリアを、礼拝堂の椅子から眺めようとすると、キリストの十字架が上にあると見えなくなります。

なのでマリアの邪魔にならない様に、本来そこにあるべき位置(写真右を参照)からキリストが下に降りてきているわけです。

もうお分かりになられた方も、おられるかも知れませんが。これらの意味するものは、この教会においての主役はキリストではなく、あくまでマリア。

そう、ここではなんと主役が逆転しているのです。

 

奉献されたランプ

聖堂の左右にはそれぞれ6つの礼拝堂があり、その前にずらりとランプが並んでいます。

これらは中世においては巡礼者達、現在では地元の信者と言っても有力者や企業、団体になりますがそれらが奉献として贈った物です。

日本で言うと、神社の参道に並ぶ個人名や会社名の入った灯篭がこれにあたります。

左右に並ぶたくさんのランプのうち、祭壇に向かって左側の一番前のランプが地元サッカーチームFCバルセロナから奉献されたものです。

尚、一番前にあると言う事は、それイコールどのランプよりも重要視されていると言う事です。

ちなみに、もしこのモンセラットの大聖堂で重要度を順位付けするなら、①黒マリア、②キリスト、③FCバルセロナの順となり、バルセロナでいかにサッカーの人気が高いかお分かり頂けるかと思います

あと、聖堂の横にならぶ礼拝堂の一つに全くこの場所にそぐわないと思われるモダンアートの様な礼拝堂がありますが、これはサグラダファミリアの受難のファザードを作った彫刻家スビラックス作品。

既にサグラダファミリアを訪れた方なら、入り口のドアの装飾を見ると誰もが容易にそれに気づくと思います。

ところで歴史ある教会になぜこんなモダンな物が、と思うかも知れませんが、イタリアと並び敬虔なカトリック教徒が大半を占めていた、そんなスペインも今や昔。

現在は、教会のミサに来るのは80歳以上のお年寄りがその殆どで、その数も僅かしかいません。

そんな中、教会としては何とか若い人に来て欲しい、興味を持って欲しいと言うことで、旧態依然の教会の古い概念を払拭し敷居を下げようとするその努力の結果とも言えます。

また、歴史は長く由緒あるものの、ナポレオンにより完全に破壊された後の再建と言うこともあり、下手に古い建物を残すことにこだわりや、しがらみがないと言うのも逆にあって実際今でも数年おきに教会のどこかを作り変えたりしています。

それはある意味、文化財としてしか存在しなくなったヨーロッパの多くの教会に比べ今なお活発に活動している、生きている教会と言えるのかもしれません。

 

最後に登山電車駅から、黒マリア像までたどり着くまでの一連の流れを動画にしましたのでチエックしてみて下さい。

 

 

少年聖歌隊 (エスコラニア)

最後に、紹介するのがヨーロッパ最古の少年聖歌隊といわれている、モンセラット・エスコラニア。

9歳から約14歳までの声変わりする前の少年たちが、平日13時と18時45分から始まるミサの後半に聖歌を2曲(10分くらい)歌います。

その美しい歌声を聴いていると、心が洗われるようです。

お休みの日も結構あるので見たい方は必ず、予め調べてから行くようにして下さい。

以下、聖歌隊の公式サイトのスケジュールの見方を、日本語で補助解説していますのでご確認ください。

(この部分は宣伝)
尚、一日に2回ある聖歌隊が歌うミサですが、お勧めは夕方18時45分から始まる方で、観光客だらけの日中13時のものより落ち着いて聞くことが出来ます。ただし、ミサに参加すると登山電車の終電に乗れませんので不可となりますが、以下バルセロナウォーカーの午後ツアーに参加頂くと可能です!

DSCF1005 【少年聖歌隊のスケジュール】
天使の歌声を聞くには必ず時間を確認して行きましょう。日本語で解説しています。
2-c4-grand-picasso--644x362 【モンセラット午後ツアー】
専用車で行く楽ちんツアーは、カミムラがガイドしご案内します!。

 

美術館

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201005_170134.jpg

ピカソやエル・グレコ、ミロなどをはじめとした、スペインとカタルーニャを代表する画家の作品を中心に展示。

また、近現代の作品だけでなくメソポタミアや古代エジプト文明の道具なども展示されており、非常に幅の広い美術館です。

 

ただし、所蔵されている作品の殆どが信者から寄付されたもので構成されているせいもあり、しっかりしたコンセプトで運営されている美術館に比べ作品のジャンルと年代が幅広いことイコール、全体的に取り留めの無い展示内容になっています。

その例が、なぜカトリック教会の美術館に古代エジプトの遺跡の品が?

グレコの絵と近代前衛芸術のピカソやダリが一緒と言うぐあいで、有名画家の作品があるにはありますが、たった1点なのでわざわざお金を払ってモンセラットまで来て見なくても、バルセロナ市内でちゃんとピカソ美術館やフィゲラスのダリ美術館で見る方が良いと思います。

本来なら教会に昔から伝わる美術品や、宗教儀式に使われていた品が展示されるはずなのですが、ここには残念ながらそう言う物は一切ありません。

それには理由があって、1800年初頭のナポレオン軍の侵攻の際、残念なことにそれまで教会にあったはずの数々の貴重な美術品などが全て略奪されてしまったからです。

尚、旅行中に他の美術館へ行く時間が無い方なら見る価値はあるかも知れません。特にピカソが14歳の時に描いた老いた漁師は、他の数ある展示作品を圧倒する秀作です。

 

1930 ピカソ美術館】★★★★☆
バルセロナで青春時代を過ごしたピカソ。その頃の作品を中心に展示。
IMG_1109-001 【ダリ劇場美術館】★★★★☆
バルセロナから高速鉄道で1時間。ダリの神髄を知るならここしかない!

 

ギフトショップ

一通りの観光が済んだら、お約束事のお土産探し。

ギフトショップは2軒ありますが、登山電車駅の前にあるお店が大きくて、こちらがお勧め。どこの観光地も同じかも知れませんが、大体の物はそろっています。

面白いのは、この教会でしか売っていないCAVA(スパークリングワイン)とか、修道院につきもののリキュール(食後酒)。

また、黒マリア様の大小様々なレプリカもあって、日本の方もたまに「家に飾ってマリア様の前で主人に毎日、懺悔させます」と言って買われる方もいます。

 

お勧め展望台

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_446ak.jpg

景色を見ながら山上まで上り、その後に大聖堂と黒マリア様を見てそれで、ほぼモンセラット観光は終わりです。

実際、多くのツアーの行程がその様になっています。

個人旅行の方でしたら、これから紹介するお勧めも予定に付け加えてみると、更に満足度がアップするはずです。

では、ここからは大聖堂の周りにいただけでは分からない絶景スポットと、地元名産のチーズが食べられるお店などを紹介します。

 

サン・ミゲル展望台

大聖堂前の広場の横に並ぶ、アーチの壁の間から、遥か向こうの岩の上に十字架が建っているのが見えますが、そこがサン・ミゲル【 Creu de Sant Miquel】展望台です。

ちなみに、モンセラットのポスターや絵葉書になる定番のビューポイントがここで、大聖堂と岩山の両方の全景が見れる唯一のスポット。

晩秋から春は、遠くフランスとの国境ピレネー山脈も望むことができ、天気が良ければ太陽の陽を反射し輝く地中海も見え、もし歩くのが苦手でなければ一押しスポットです。

所要時間は大聖堂から歩いて片道20分、往復40分。展望台で写真を撮ったり、景色を眺めたりするのに20分追加すると、合計で約1時間程の散歩となります。

ちなみにこれまで日本から来られた方を数百人ここに案内しましたが、満足度は非常に高く皆さん来て良かったと言われる、まさにこれが鉄板のスポット。

またここの良いところは、この後に紹介しますがケーブルカーを使っていくサン・ジョアンやサンタ・コバと違って、歩いていくので無料です。

また、ケーブルカーのように時間に縛られることも、乗車する際に行列に並ぶ事も無くお勧めです。

動画 サン・ミゲル展望台への行き方

ケーブルカー

次に解説する、サン・ジョアン、サンタ・コバへは、ケーブルカーを使って行きます。

乗り場は登山電車駅から観光インフォメーションの前を通って、その先を左に進んだところです。

画像を見てもらって分かる様に、サンタ・コバ行き②は位置関係で言うとちょうど登山電車駅の真上。

また、サンジョアン行き①は、入り口をその先30メートル程行った右側です。

季節、曜日によって微妙に運行時間が変わりますので、上のカレンダーでご確認ください。

尚、最新の時刻表は公式サイトにも載っています。料金は以下となり、サンタ・コバ行きは安く、サンジョアンとサンタコバの両方セットになったチケットは割引が適用されます。

シーズン中は、サン・ジョアン行きのケーブルカーが混むことが多く、乗車するのに30分以上行列に並ぶこともあります。

この後、詳しく紹介しますがバルセロナを早朝出るコースでモンセラットを観光すると、黒マリアと大聖堂の観光が大体終わるのが10時前ぐらいです。ケーブルカーの始発も10時。

その時間なら混むことは無いので、サン・ジョアンに行かれる方は、大聖堂の見学後に予定を持ってくるとベストです。

 

 

サン・ジュアンSant Joan

大聖堂がある中腹の標高は725m。

もちろん、そこからでも遠くの景色を見ることが出来ますが、その上のケーブルカーで上がる標高972メートルの山上は、まるで天空にいるかのよう。

また、これまで見ていたモンセラットの山の反対側も見えます。

 

駅舎の上に展望台があり、さっき見て来た教会が眼下に見下ろせます。

また、展望台の中には水などの自販機と、簡単なモンセラット山に関する展示があります。

尚、この先のサン・ジョアン祈祷所や、山頂のサン・ジェロニへ行かれる方は、この先には一切、売店はおろかトイレもありません。

なので、特にサン・ジェロニへは往復3時間はかかるので、必ず駅にあるトイレで済ましておきましょう。

 

【サン・ジョアン祈祷庵、サン・ジェロニ山頂、サンタ・マグダレナ祈祷庵跡】
ガイドブックなどに書かれていて、見所の一つとなっている隠修士が住んでいたサン・ジュアン祈祷庵までは、頂上駅から歩いて往復約30分程。

また、モンセラットの最高地点の1236mサン・ジェロニ頂上は、既に述べた通り往復でで約3時間半です。

よく日本の方に聞かれる質問に「サン・ジュアンや、サン・ジェロニへ行く価値がありますか?」

ここでそれに答えますと、サン・ジュアン祈祷庵は扉が閉まっていて中に入れない上、行った日本人の中に「まるで古い倉庫みたい」と言った人がいるぐらいで特にこれと言って何も見る物はありません。

それは山中にある建物全てに言え、豪華な大聖堂を見た後に山小屋を見ても何の感動も起きないのはしょうがないところです。

あと、サンジョアンの更に先にサンタ・マグダレナがありますが、それはさらに酷くたどり着いた先はただの瓦礫で何もなく満足感ゼロ。道が危険なこともあり行く価値は全くありません。

また、サン・ジェロニの頂上は360度見渡せる景色ですが、それなりにトレッキングに来たと言う意識で行かなと往復3時間の行程はかなり辛いと言えます。もしどうしても行かれるなら、モンセラットに1泊されると無理が無いと思います。

個人的には、ケーブルカー頂上駅の駅舎上の展望台からの眺めと、駅を出て左へ数分のところの道のカーブが少し高台になっているので、そこからモンセラットの山の裏側の景色を楽しむだけで十分満足できると思います。

それ以上は疲れるわりに得る物が少なく、特に夏場は陽を遮る物がないので熱中症には十分注意が必要です。

動画 サン・ジョアン行フニクラ(ケーブルカー)

帰りの、フニクラの下りの解説

動画 モンセラット頂上サン・ジェロニへの歩き方

 

サンタ・コバ

教会の守護神の黒マリアが発見された洞窟サンタ・コバへは、ケーブルカーに乗って下の駅まで行き更にそこから洞窟サンタ・コバへは、岩肌を縫って続く道をひたすら歩きます。

黒マリア様が発見された洞窟(写真右下)までは約20分です。

 

見どころの礼拝堂③④はこじんまりとした物で特に感動する人はいませんが、サン・ジョアンなど山中にある祈祷所に比べれば、まだこちらの方が見る価値はあります。

また、その途中の洞窟に通じる道は「ロザリオの道」と呼ばれ、そこには地元カタルーニャの著名な芸術家によって作られた15の彫刻作品②が点在しています。

尚、その中にはガウディが制作に参加した「キリストの復活」①もありますが、ガウディの3大がっかり作品の一つとも言われるもので、これにはあまり期待しないでください。

尚、このサン・タコバもサン・ジョアンへも、ケーブルカーを使わず歩いても行けます。

若い人で普段から歩き慣れているなら、舗装もされているので問題なく行けますし時間はかかりますがその分、節約にもなります。

ただ、それ程にも体力に自信が無いと言う方でしたら迷わずケーブルカーの利用をお勧めします。

ちなみに下りなら楽だと言う事で片道をケーブルカーにして、下りを徒歩にされる方もいますが私の経験則で言うと案外と下りの坂の方が脚膝にきます。

また、歩く時間が長くなると、その間の景色の変化も乏しく途中で飽きて来るのも事実です。

 

歩きたくない方向けに

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/10/miradoruhasi.jpg

モンセラットに来られる方の中には既にバルセロナの市内観光で歩き疲れて、もう歩きたくないと言う方も結構おられました。

また、高齢で山道を歩くのとてもと言う方もおられます。

そう言う方でしたら、上の地図の一番右端に展望台がるので行かれてみてはどうでしょう。

整備された歩道は坂も無いですし、片道で10分弱。

展望台(写真下左)からは遠く登山鉄道の麓の駅が見え、また10月末から4月の頭までは、遠く彼方に雪化粧したフランス国境にあたるピレネー山脈が見渡せ、また⑯のレストランの少し手前の辺りからは、岩に貼りついて建つサンタコバの礼拝堂が見ることが出来ます。

地元名産チーズ

モンセラットに来られたら是非食べて欲しいのが、この地域で作られる山羊のフレッシュチーズ。Mató(マトー)と呼ばれるこのデザートチーズは脂肪分が少なくクセもなく、まるでお豆腐のような感じでもあり日本人好みの味。

軽く食べられる小さいカップに入ったものが2€で売られていて、その場でハチミツを掛けてくれます。

尚、屋台が並ぶ場所はメインのカフェテリア、ギフトショップから右に少し行ったところで、どこも同じような物を売っています。

食べる時のポイントは、下の方から混ぜながら食べるとハチミツの甘味が全体にいきわたるので、最後まで甘味を感じながら美味しく頂けます。

もし、蜂蜜が足りなくなったらカップを指し出して「入れてと」日本語で言えば、機嫌よく幾らでも掛けてくれますよ。

マトーチーズ以外にも、色々売っていてお土産になりそうなものではチーズ。

6種類ほどあって、全部試食させてくれますので、食べてから買うか買わないか決めれます。

お勧めは、ローズマリーのハーブをまぶしたチーズ、トリフ入りチーズ、スペインを代表するマンチエゴチーズなど。

値段は半分に切った拳ぐらいの大きさで10~15ユーロ程。

確認済みですが日本の税関の検疫も問題なく通れますし常温で3か月、冷蔵庫に入れておくと半年はもちます。

あと、面白いところでは蜂が集めて来た花粉。これはお茶にスプーン一杯、混ぜて飲むと風邪をひかないと言われています。

あと乾燥イチジク、蜂蜜などなんでも試食させてくれます。

尚、ここの良いところは観光客だからと吹っ掛けたりせずに、普通の地元値段で売っていますから安心ですので是非試してみて下さい。

ちなみに友人の”ニコ”(上記の写真右下)が売り子をやっていて、イイやつなので見つけたら寄ってやって下さい。

チーズやいちじくを、これでもかと言うぐらい色々と試食させてくれます。

別に買わないからと言って嫌な顔ひとつしませんし、お喋り好きなのでひやかしがてらにどうぞ。ちなみに、私が教えた怪しい日本語「コンニチワ、タベテクダサイ、コレオイシイ、ヒツジ、ヤギ、ウシ…等々の単語」が盛りだくさんに聞けます。

 

お勧めモデルコース

これまでの経験から満足度の高いコースを組み立てました。

ただとりあえず言えるのが、モンセラットは朝一に来るのがベストです。

理由は後のまとめ&アドバイスの述べますが、特に混む春から秋は頑張って是非7:36分のスペイン広場駅(Plazca Espanya)から行って下さい。

ここでは13時の聖歌隊を聴くと言う設定にしていますが、それを入れなければ観光のコースにかなり柔軟性を持たせることが出来ます。

個人的には、10分程で終る歌を聴くのに、シーズン中は場所取りに1時間前かそれ以上を椅子に座って待たなければいけないわけで、それ程に価値があるのかは正直微妙なところです。

その辺は、それぞれご自分で判断ください。

 

【バルセロナ・スペイン広場駅 ➡ Monistrol de Montserrat 駅
7:36発の電車に乗ると約一時間で、登山電車の乗り換え駅のMonistrol de Montserrat駅に8:41に到着。

下車したら、同じホーム前方に停まっている登山電車に乗り換えます。

【Monistrol Enllaç 駅 ➡ Montserrat Monestir 駅】
登山電車の出発時間は8:48 で頂上駅には9:08分着。

ちなみに、同じ駅で更にホームも連続していますが、それぞれ電車と登山電車で駅名が違います。

【頂上に着いたら一番に黒マリアを目指す】
ポイントは何はともあれ一目散に黒マリアへ。

Montserrat Monestir 駅を出たら、前方に見える階段を上り右手へ進むと聖堂が見えるので、黒マリアへの入口はその右側に向かいます。

【引き続き大聖堂の内部や外を見学】
黒マリアの見学が終わったら、次は教会内部を見学します。

ちなみに昼前には観光客で一杯になるモンセラットですが、まだこの時間だとまばらで、パワースポットでもゆっくり写真撮影することも可能!

【サン・ミゲル展望台へ】
モンセラットの山と、教会を一緒に見れるサン・ミゲル展望台へ。

片道20分程で、向こうの見学と写真撮影など入れて約1時間程の行程です。ケーブルカーを使わないので、時間に縛られることもありません。

【カフェテリアで休憩、お土産物を見て回る】
サンミゲル展望台の後は、また戻ってカフェテリアでゆっくりお茶して休憩したり、ギフトショップを覗いたり、地元名産品の試食をしたりしながら過ごします。

【13時のミサ、少年聖歌隊の歌声を聞く】
天使の歌声の少年聖歌隊のミサに参加。

合唱が始まる最低30分前にはほとんど空席がなくなり立ち見になりますので早めに席を確保しましょう。

休みの日も多いのでスケジュール確認はこちら

【少年聖歌隊の歌が終わったら、バルセロナへ戻る】

聖歌隊の歌は10分程で終わりそれが終われば、夏場や週末は13:35発の登山電車に乗りバルセロナに戻った後に更に市内観光や買い物をする時間があります。

上記のコースは黒マリアと、大聖堂の見学の基本を押さえつつ、サン・ミゲル展望台へも行きます。13時の聖歌隊まで時間的に余裕があるので、かなりゆっくりできます。

もし、ホテルで朝食を取れなかった人は大聖堂の見学の後にカフェで朝食を取ってから、サン・ミゲルへ行ってもOK。黒マリアを見た後はもう混む心配はありませんから。

あと、モンセラット観光に丸一日費やしバルセロナ戻りを夕方から夜(19時)にするなら、更に山の上のサン・ジョアンや黒マリアの発見されたサンタ・コバへも行けます。

ただし、日差しの強い夏はかなりヘビーな観光となるのでその点は注意して下さい。

 

密かに教える裏技

この記事では日帰り観光を想定していますが、本当に落ちついてモンセラットを楽しみたい方へは1泊すると言う裏技の方法もあります。

春から秋のシーズン中は、早朝を除いてとにかく混みます。行列の待ち時間や、せっかくの子供達の天使の歌声も、人が多すぎると良さが半減してしまいます。

夜は静寂の教会と満天の星を眺めリラックス時間に余裕がある方へは一泊してゆっくりとモンセラットを堪能されるのもお勧めしています。

詳しくは、説明していますのでご覧ください。

1-IMG_1701 【モンセラット観光の裏技はコレ】
観光客で溢れかえる日中のモンセラットも、そこし時間をずらすだけで静寂の世界..
hilltyan 【週刊HILLチャンネル 第10回】
お馴染み語れり尽くせりHILLチャンネル、この回はモンセラット特集です

 

バルセロナからの行き方

動画解説)登山電車編

 

動画解説)ロープウエーイ編

行き方、駅でのチケットの買い方、注意点などの更に詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

また、コロニアグエル教会と一緒に一日で周りたい方は、攻略法があるので参考にしてみて下さい。

DSCF1078 【モンセラットへの行き方】
スペイン広場からFGCに乗って1時間少し。駅では色々なコンビネーション….
IMG_2185-001 【モンセラット&コロニアルグエル教会1日攻略法】 モンセラットとグエル教会を一日で周りきる方法をお教えします。

 

番外編)麓から徒歩で

元気が余っている若い人や、普段から山登りが好きな方でしたら、徒歩(1時間半)でも上がれます。

ただし天候(雨の日は不可)と、旅先の事ですので体調にはくれぐれも注意の上でお願いします。

登山のスタート地点は、登山電車の出る駅から徒歩10分程の村の広場。

場所と駅から行き方は:https://goo.gl/maps/bkapvy4B8PfWHwJo7

 

レストラン&カフェテリア

モンセラットのレストラン

最後に、モンセラットでの食事について解説します。

まず最初に人里離れた山上の観光地なので物価が非常に高いと思う人が多いですが、その心配は無用。モンセラットは、わりとリーズナブルですのでご安心ください。

カフェテリアは2軒あって、場所はこのモンセラットの解説記事の最初に載せた地図で確認ください。

どちらも、基本的にはフランスパンのサンドイッチや、クロワッサンなどの菓子パンが中心の軽い軽食となります。

しっかり食べたい方は、レストランになりますが、注意が必要なのは3軒あるうち2軒は秋から冬のオフシーズンに閉まることです。

詳細は以下の、モンセラットレストラン検証記事をご覧ください。

1-IMG_3171 【モンセラットのレストラン検証】
山上にある2軒のレストランを実際に食べて比較検証してみました..

【見所を集めたフォトムービー】

 

まとめ&アドバイス

 バルセロナから日帰りできるスポットとしては、なんと言ってもここが一番人気。

バルセロナの街の人ごみに疲れたら、ここで自然に癒されてみてはどうでしょう。

ただし、春夏秋の観光ハイシーズンのモンセラットは、この動画を見てもらうと分かりますが、市内と何ら変わらずかなり混み合います。

アドバイスとしては、バルセロナ市内からは1時間おきに電車がありますが、ズバリお勧めは朝の7:36発の電車でしょう。

理由は、この電車で行くと未だ観光客がモンセラットに来る前なので効率よく、そして落ち着いて観光が出来ます。

8時台の電車だと黒マリアを見るのにはギリギリで、運悪く行列が並んでいると10時半の午前の最終入場時間に「ハイ、ここまでの人で終わり!」

と切られてしまいかねず、その後の観光の予定が全て狂ってしまい、悪くすると行列に何時間も費やすことになります。

早起きは三文の徳、できれば頑張って早起きして下さい。

尚、山の見どころを全部を回ると、まる一日かかるので特にケーブルカーに乗るサン・ジョアンやサンタ・コバは省略し教会だけ、もしくは教会+サン・ミゲル展望台で終わらすのもありかと思います。

体力に自信の無い方や、夏場は特に無理は禁物。

ちなみにお勧め度合いをランク付けすると。。
①登山時の麓からの車窓
②黒マリアと教会
③サン・ミゲル展望台からの眺め
④サン・ジョアンからの眺め
⑤サンタ・コバ
⑥少年聖歌隊
⑦地元名産のマト(Mató)チーズ

それぞれの理由としては。。
①なんといってもモンセラット観光の最大の魅力はその景色
②山腹の聖地に建つ大聖堂はもちろん、黒マリアも外せない
③途中坂が続きますが徒歩で簡単に行ける手軽さ+景色
④教会より更に高いだけあって、眺めが良い
⑤上記の③④の次になりますが、まずまずお勧め
⑥13時のミサは非常に混んでスマホの森となり、イマイチ雰囲気が味わえず順位が落ちます
⑦カップ1杯2ユーロで、これがわりと美味しく日本人に好評

①②までは必須で、プラス1時間と歩くのが嫌で無ければ③と、安くて美味しいと好評の⑦がお勧め。

それ以降は例えばバルセロナに戻ってからも少し観光したい方、コロニア・グエル教会も一緒に回りたい方、市内に戻りお土産の買い物したい方は④⑤⑥は飛ばしても後悔することは無く、あくまでメインは①と②。

もちろんそれぞれの体力、好みによるかと思いますが、これまで日本人で行かれた方の声をまとめると、上記のようになります。

 

【現地ツアーの注意事項】
時間のかかるモンセラットはツアーに参加される方も多いかと思いますが、ツアーの内容によっては魅力が半減するものもあります。

まず一つ目は、麓から山上へは登山電車を利用するツアーをお勧めします。

バスで山上まで行くツアーだと途中に繰り広げられる絶景の景色があまり見えず、なんのことはない日本の峠道と同じで、ただカーブが続くだけのいろは坂のつまらない景色となりますし酔いやすい人は気持ち悪くなりかねません。

次に、黒マリアが必ず見れ触れることを確約しているツアーで無いと、せっかく行っても日本に戻って「名物の見てないの?」と言われかねず、後々まで悔いが残ります。

以上、2点が入っているかを確認してから申し込まれると良いでしょう。

 

宣伝になりますが、もし早朝電車で乗り換えて行くのが面倒、慣れない地で疲れたくないと言う方、年配の方お子様連れ、旅程がタイトで半日で効率よくモンセラットを訪れ午後は市内観光に時間を使いたい方。

バルセロナウォーカーが主催のプライベートオリジナルツアーをご利用されてみてはいかがでしょうか。

専用車(他のお客様との混載無し)でホテルまでお出迎え、お送り、またバルセロナ空港送迎の途中に訪れることも可能。

ツアーは当サイトを運営するカミムラもしくは、弊社日本人スタッフが同行しますので安心です。料金はお一人110€~。

 

2-c4-grand-picasso--644x362 【モンセラット半日ツアー】
ホテルまでの送迎がついているのでドアツードアで安心、そして楽ちんツアー。


お勧め度:18点/20点
★★★★★(4.50)


住所 Montserrat  【地図はこちら】
URL http://www.montserratvisita.com/en/index.html
開館時間 大聖堂 7:30~20:00
インフォメーション・カフェテリア・ショップ 9:00~18:45(土日祝9:00~20:00)
ビュッフェ・レストラン 12:15-16:00 (冬季はお休み)
美術館 10:00~17:45 (土日祝10:00~18:45)
最寄駅 FGC R5線 Montserrat-Aeri駅もしくは、Monistrol de Montserrat駅
詳しい行き方は【モンセラットへの行き方】参照ください。


記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

 

【この記事を書いた人:カミムラ】京都府生まれ1989日本を離れバックパックを担いで海外へ1997よりバルセロナ在住。最終更新:2024.02.24

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2024年夏 最新版 万が一スリや置き引き被害に遭ってしまったら

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スリや置き引き被害は前もってその対策を怠らなければ、殆どの場合は防げます。

ただ、そうは言っても気の緩みやミスは人間なので全くゼロではありません。

もし運わるく被害に遭ったらどうするのか、ここで詳しく解説していきます。

被害後にやるべき事

はじめに、残念ながらバルセロナでスリや置き引きの被害に遭ったら、盗られたものが出てくる可能性は限りなくゼロに近いのが実情です。

たまに財布が見つかる事もありますが中身は確実にカラです。

お金に関しては諦めるしかないのですが、それ以外に盗難に被害に遭った場合に直ぐにやらなけばならないことが幾つかあります。

 

クレジットカードを止める

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まず、カードが盗難にあった場合は一刻も早くカード会社に連絡を取り、止めてしまわないと悪用される危険性があります。

なので被害を拡大させない為に一番最初にするのがこれです。

その場合は街中の公衆電話などは使わず取りあえず急いで一旦ホテルに戻り、お部屋もしくはレセプションから落ち着いて日本へ電話します。

ちなみに海外旅行保険に入っていれば、この時の電話代はあとで通信費として請求できますので安心してください。

尚、緊急時の連絡先は旅行前に日本で事前に調べ控えておくのと、そうでないのではいざと言うときに大きな違いがでます。

カード番号、有効期限も控えておくと手続きがスムーズですので、面倒くさがらずに準備しておきましょう。

 

*これらの連絡先の電話番号は先で変更される可能性がありますので、事前にお持ちのカード会社のHPでお調べされることをお勧めします。また通常カードの裏に緊急の連絡先が記載されているので、メモして保管しておきましょう。

会社名 連絡先
三井住友VISAカード 00-800-1212-1212
セゾンVISAカード 900-988-123
VISAカード 900-998-947
アメックスカード 900-994-447
UCカード 00-800-8005-8005
DCカード 00-800-3770-1818
NICOSカード 00-800-99-860-860
AEONカード 900-988-138
ダイナーズカード 00-81-45-523-1196
JCBカード 900-978-178
マスターカード 900-971-231
シティバンク・シティカード 00-81-45-330-2890

 

携帯を止める

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携帯を失くした場合は、それぞれの契約しているキャリアに連絡して利用停止の手続きをしなければなりません。

ただしほとんどの方はロック画面を有効にしておられるので安心かとは思います。

また、昔と違って盗まれたスマホが悪用されると言う可能性は低く、中身を完全に消去されて転売(主にアフリカ諸国へ)されるので、その点では緊急性は低いです。

また、日本に連絡しなくてもご自分の契約しているキャリアのマイページにログインして、その中のメニューの中から「盗難・紛失・利用停止」から、ご自分で操作し止めることも可能です。

 

会社名 連絡先
NTT Docomo +81-3-6832-6600       【公式HPによる詳細】
AU +81-3-6670-6944  【公式HPによる詳細】
SoftBank +81-92-687-0025  【公式HPによる詳細】
楽天モバイル +81-50-5434-4633  【公式HPによる詳細】

 

警察へ被害届(重要)

海外傷害保険に入っている方で保険請求する場合、またパスポートの再発行にも必ず警察で盗難証明(JUSTIFICANTE DE DENUNCIA) を発行してもらう必要があります。

盗難証明書はスペイン語で(Denuncia:デヌンシア)と言います。

盗難証明を申請する際は調書をとられ以下の様な事を聞かれます。

・盗難の日時と場所
地図でどの場所か示せる様にしておくと説明しやすいです。時間も大体で大丈夫。

・盗難の状況
気付いたら鞄が無かった、地下鉄で二人に囲まれてなどですが分からなかったら無理に答えず分からないで済ませて下さい。

・犯人の風貌
背格好、体格、年齢、髪の色、人種、犯人の服装やその色など

・盗られた物
鞄ごと盗られた場合などは色々入っていたと思いますが、全部だと面倒なので貴重品、旅行保険で請求出来る物だけでOK。カメラ、スマホはメーカー名も聞かれます。

・盗られたものをおおよその値段の総額
買って何年も経つものもあったりして値段を思い出せなくても、あくまで大体で大丈夫です。

以上、全て答えると調書が出来上がり警官が本人の前で読み上げるので、OKでしたサインして最後に盗難証明が発行されます。所要時間は、混み具合によりますが1時間はみておいた方が良いでしょう。

尚、上記を警察に行く途中にでもいいですから頭の中でそれらを整理しておきましょう。

*2017年2月14日よりカタルーニャ州内の緊急電話(112)が日本語対応を開始しました。尚、緊急電話番号は警察・消防・救急車の要請3つ全て共通番号です。

通訳人へ電話が繋がるまで約30秒要するとのことですが、これでかなり安心できるかと思います。

警察の場所

主な警察署は以下
・①スペイン広場沿い Placa d’Espanya, 1 
地図行き方
・②領事館のすぐ近く Travessera de les Corts, 319 
地図行き方

・③グエル邸から徒歩4分 Carrer Nou de la Rambla, 76 
地図行き方

盗られた場所や状況によって、上記の警察の中から選んでください。

一番手続きが早いと言われているのが①のスペイン広場にある警察(写真下)。

もしパスポートが盗られたら日本領事館の近くの②。そして旧市街で盗られたら③の警察(写真一番下)

スペイン広場の警察

日本領事館近くの警察

 

1-mosomos

グエル邸の前の道の先の警察

 

パスポート紛失

パスポートをなくしたら領事館へ行って再発行をしてもらいます。

ただし、その前に必ずしなければならないことがあります。

それは、上記で説明した警察でパスポートの盗難証明を取ること

盗難証明がないと領事館では一切の再発行手続きができませんので、必ず先に警察へ行って下さい。

証明無しに領事館へ行ってしまうと、二度手間になるので要注意。

 

地図と行き方

日本領事館はバルセロナ市を斜めに貫く大通りAV.DIAGONAL沿いにあります。

最寄駅は地下鉄Maria Cristina  L3   またバスでも行けます。

ただ地下鉄駅から距離があるのでタクシーで行くのが一番便利でお勧め、市内の中心からなら10ユーロもしません。

またバス停は近くにありますが、緊急時にバスに乗って”ちんたら”行ってる場合ではありません。

taxi 【TAXI】
日本に比べて安く、市内なら10€もしませんので疲れた時は気楽に利用してください。 
CIMG2055 【地下鉄 Metro メトロ】
バルセロナ市内を観光するなら、地下鉄の利用の仕方を知っておくと、とても便利!….

 

領事館に着いたら

領事館のあるビルに着いたらビルの中央に入り口があります。

入ってすぐ左手に受付があるので、そこで日本国総領事館(Consulado General del Japón コンスラード・ヘネラル・デル・ハポン)へ行きたいというと、領事館のある2階へのエレベーターに乗るための入館カードを渡してもらえます。

尚、その際に身分証明書が必要になりま すが、パスポートが盗難で無いので代わりに警察で発行してもらった盗難証明を見せれば大丈夫です。

 

再発行に必要書類

パスポートのために用意する書類は以下となります。

● 戸籍謄本(発行日から6ヶ月以内のもの)1通

● 写真(縦4.5cm X 横3.5cm、無帽、無背景、6ヶ月以内に撮影したもの)2枚

● 当地警察発行の盗難・紛失証明書。

これらを持参し、領事館にて所定の申請書に記入。

写真に関しては、サイズに厳しい規定があるので領事館で、それに対応してくれる近くの写真館を紹介してくれます。

上記の書類が全て揃えば通常は申請日の翌日に交付されます。

尚、朝一番開館すぐの申請なら、上手くいけばお昼頃に受け取れます。

領事館の手数料はここで確認ください。

 

ここまで再発行の流れを書きましたが、パスポートの盗難に遭ったら何はともあれ取り敢えず領事館にすぐに電話して指示を仰いでください。あなたの状況にあった、一番適切な指示アドバイスをしてくれます。

【バルセロナ総領事館】
住所 Avenida Diagonal, 640, 2a Planta D, 08017, Barcelona     【地図】
最寄り駅 地下鉄3号線マリア・クリスティーナ(Maria Cristina)駅から徒歩8分
HP http://www.barcelona.es.emb-japan.go.jp/japones/
電話 93 280 3433
開館時間 月曜~金曜(休館日を除く)の以下の時間<通常期間>査証手続き:9:00~13:00、 旅券・証明等その他手続き:9:00~13:00、15:00~16:00
<6/23~8/31>査証手続き、旅券・証明等その他の手続:8:30~13:30

 

申請の際の落とし穴

パスポートは再発行できるので、お金の盗難より被害は少ないと考えられがちですが実は予想外に手間が掛かり、どうかするとお金を失うより大変なことになります。

その理由は再発行の申請には戸籍謄本の原本が必要となるからです。

日本なら役所へ行けばこんな物は簡単に取れる書類ですが、海外からこれを自分で取り寄せるのは不可能です。

ではどうするかと言うと、この場合は日本の家族に連絡して代わりに取って来てもらうことになります。

ただ、最近は個人情報の管理が厳しく同じ籍に入っていない場合は兄弟でも発行してもらえず、父母や祖父母、子や孫のみとなっています。

それ以外で戸籍謄本を取ってもらう場合は申請者の自筆の委任状が必要になりますが、バルセロナに本人が居るのですからそれは不可能。

ただ、これは事情を役所で海外でパスポートの盗難にあった旨、緊急事態を説明し頼みに頼み込めばほとんどの場合は出してもらえるようです。

さて、これで終わったのでしょうか?


いいえ実はそれで終わらず、次に問題になるのは日本とスペインとの時差。

日本の家族に連絡しても8時間ほどある時差の関係で、バルセロナからの連絡が早朝でもない限り既に役所は閉まっているので翌日となってしまいます。

更に不運にも盗難被害にあったのが週末の場合は、月曜日まで何もできません。

また本籍地もしくはその近くに家族が住んでいない場合は郵送による申請になり、受け取れるのは3日~1週間ほど掛かってしまい更に状況は厳しくなります。

本来なら簡単にできることが海外と言う特殊な事情によりその数倍、数十倍の困難を伴いますが、どんなことがあっても完了しなければなりません。そうしないと前に進めませんし帰国できません。

 

戸籍謄本が取れた

さて、上記をクリアして戸籍謄本がなんとか取れたら、次にFAXもしくはスキャナーでスキャンして家族にバルセロナまで送ってもらわなければなりません。

宛先は滞在中のホテルもしくは、直接バルセロナの領事館も可能。

尚、帰国するための新規でパスポートを発行するか、もしくは帰国するための渡航書を申請するかの2つの選択肢から選ぶことができます。

ちなみに、渡航書とは簡単に言えばパスポートの代用品で日本に帰国する目的でパスポートに代わる渡航文書として機能します。

ここで注意が必要なのは渡航書バルセロナから日本に直接帰る場合のみで、例えばバルセロナの後にパリやロンドンに寄って旅行を続ける予定の人は使えません。

もし、バルセロナの後も他の国へ旅行を続ける場合は新規でパスポートを発行となります。

その場合は、戸籍謄本の原本をバルセロナの日本領事館宛に郵送してもらう必要があります。

この場合だと速達で送っても1週間ほど掛かります。

バルセロナにそんな長い間足止めを誰もされたくないと思いますが、その場合は郵便局で戸籍謄本をバルセロナの領事館宛に送ったと言う証明を出してもらい、その書類をまた領事館宛にFAXもしくはスキャナーでスキャンして家族に送ってもらいます。

以上がパスポートが盗難に遭った時の対処法です。

既にお分かりと思いますが非常に手間と時間が掛かり、旅行計画が台無しになってしまうのがこのパスポートの盗難。

バルセロナで足止めになった場合は次の目的地のホテルのキャンセルや、帰国日までに再発行できない場合は全額自腹で航空券の買い直しになることもあります。

もし、予定通り帰国出来ずに会社に出勤できないなどとなれば、それは目も当てられない事態に陥りますので十分注意して下さい。

 

保険請求

まず、クレジットカードや携帯電話を止め、次に警察で盗難証明を出したその後。

旅行傷害保険もしくはクレジットカードに保険が付帯が付帯している場合は、保険会社へも連絡を入れておき今後どうすればよいのかを確認しましょう。

通常、警察の証明書が必要だとその際言われますが、既に取得済みなので特に問題はないはずです。

また、事故の後処理にかかった交通費のレシートなどをとっておくと帰国してから保険で請求できます。

警察へ行くのに使ったタクシーなどは、料金を支払った際にしっかり領収書をもらいましょう。

ちなみに「ウン・レシーボ・ポルファボール」とカタカナ読みで言えば通じます。

心配な方はメモ用紙に「un recibo por favor」書いてドライバーに渡して下さい。保険請求で一番重要になるのは警察へ届けを出した盗難証明

保険会社は保険金請求の時に必ずこの『原本』を要求してきますので、これを無くしてしまうと保険金が降りない可能性がありますのでしっかり管理してください。

また、パスポートを盗まれた場合などは、再発行費用も原則保険金請求可能です。

 

帰国後の手続き

バルセロナで保険会社に電話で事故にあったことを伝えておくと、日本に帰国した時には通常は自宅に『保険金請求書』が届いています。

それに必要な事項を記入して返送しましょう。

尚、保険会社によって細部は異なると思いますが、大抵どこの保険会社でも以下のものは必要になります。

・現地警察の証明書
・領収書
・パスポートの写し

以下、それぞれの説明をすると。。

領収書】
原則、提出を求められるので例えばカメラを盗まれたのであれば、買ったと きの領収書や壊れたのであれば修理にかかった費用、あるいは現地で盗難にあったために警察、領事館などへ行く際に使ったタクシー代などの交通費、日本に掛けた電話の通信費がこれにあたります。

取りあえず、それらは全部もらえるだけもらっておいてください。

*カメラなどは買った時の領収書が無い、金額も定かでない場合は、しょうがないのでおおよその数字を書いて出せば保険金はおります。

【パスポートの写し】
本当に海外に行ったのか、日にちなどに嘘偽りはないかということでビザやパスポートの写しの提出を求められます。

ちなみにパスポートが盗まれていて出国日が不明になっていても、新しいパスポートの写しで代替可能です。

以上が海外旅行保険における、携行品損害の保険請求の流れです。

 

まとめ&アドバイス

この記事を読まれている方の中には実際に盗難被害に今、遭われた方もおられるかと思いますが気が動転してしまうのが普通だれでもそうです。

ですがその後の被害を拡大させないためには、まず冷静になりできるだけ早く次への対応へ移る必要があります。

カードが盗難に遭ったらまず止め、次に警察に行き盗難証明を取りましょう。

保険の請求、並びにカードが悪用された場合の補償、パスポートの再発行には必ず必要です

警察や領事館への移動はタクシーを使って時間を節約、あとで保険で運賃は請求できます。また電話は公衆電話より一旦ホテルに戻ってした方が、落ち着いて掛けられます。

パスポートが盗難に遭った場合は既に述べましたが、旅行が計画が本当に台無しになってしまいます。

戸籍本を一通750円でお近くの役所やコンビニで簡単に取れるのですから、お守りとして、そして転ばぬ先の杖として旅行前、特に年末年始など役所が数日閉まる時期に旅行される方は用意しておくとどうでしょう。

またその場合は、街歩きで持ち歩かないでホテルに置いたスーツケースの中に入れておくようにして下さい。

あと、最悪の事態。

現金もカードも一切盗まれて一文無しになった場合ですが、領事館に行けば当座のお金は貸してもらえます。

もちろんそれは皆さんが収めた国税の中から、ちゃんと予算としてキープされていますのでご安心ください。

 

最後に。。。

実際に被害に遭われた方のかなりの人が生まれて初めて初めてスリ、置き引きにあった人です。

私がこれまで見てきた限りでは、過去にそんな経験が無かった分はっきり言ってお金の被害よりも精神的ショックの方が遥かに大きく、ひったくりなどだと更にひどいショックを受け精神的にボロボロになる人もいます。

難しいとはもちろん思いますが、盗難被害にもし遭った場合に一番大事なのは気持ちの切り替え

済んだ事はしょうがないと割り切る、時間は掛かりますが割り切ろうと努力することが重要で、誰もそれ以外に気持ちを落ち着かせることも、ショックを吹っ切る方法はありません。

そして、残りの旅行を悔いのないように楽しむ!

人間の真価は、こう言う場面で問われます。

 

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記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2023.10.17

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2024年夏 最新版 =完全解説 カサ・ミラ Casa Mila =訳あり格安賃貸住宅は世界遺産=

IMG_0089

ガウディが54歳の時に設計し、1910年から2年かけ実業家のペレ・ミラとその妻ルゼー・セギモンの邸宅兼、集合住宅として建設されました。

カサ・ミラは他では見られない直線部分をまったく持たない建造物になっていて、壮麗で非常に印象的な建物です。

それはあたかも砂丘か溶岩の波のような雰囲気をもっており、一般的な現代建築の様式とは隔絶し、目抜き通りに建つ石切り場となっています。

 

醜悪な建物と呼ばれ

建設当時のバルセロナ市民はカサ・ミラを醜悪な建物と考え「石切場(ラ・ペドレラ)」というニックネームをつけましたが、今日ではバル セロナを代表する歴史的建造物となっており1984年にユネスコの世界遺産にも登録されました。

尚、ガイドブックなどでは、あまり語られていませんが「サグラダ・ファミリア」同様にカサ・ミラはガウディ作品と完全には言い切れないところがあります。

それは1909年に起きた「悲劇の一週間」の事件を境にガウディがこの建築から手を引いてしまったことにより本来と違う形で完成され、規模、予算では同じグラシア通りに建っガウディ作の「カサ・バトリョ」を遥かに上回るにも関わらず評価が微妙に劣る大きな理由となっています。

 

【ミラ夫妻】 施主ペレ・ミラは名高い繊維業者の父を持ち、叔父はバルセロナ市長を務めると言うカタルーニャの名家出身。また、その妻ロゼ・セジモンは22歳年上の前夫の膨大な遺産を引き継いだ未亡人で、どちらもセレブ中のセレブ。二人は当時のバルセロナでは「目立つ家」が富豪のステイタスシンボルだったこともあり、巨額な費用を投じてガウディにカサ・ミラの建築を委ねました。

 

デザインの起源

ガウディは作品の中で常に自然界の動物や植物を手本にしていました。このカサ・ミラの場合もやはり、自然界の景色からインスピレーションを得たものと言われています。

ただ、ガウディは生前に多くを語らなかったこともあり、一体何にインスピレーションを得たとは未だに誰も確かなことは分からずじまいとなっています。

現在、推測の域を出ませんが専門家達によると上記4つあるうちの、多分どれかではないかと言われています。その一つは、バルセロナ近郊にあるカタルーニャの聖地のモンセラットの山。

二つ目はこれもバルセロナ近郊にある渓谷、サン・ミケル・デ・ファイ。あと、スペイン国外になりますがトルコのカッパドキア。そして最後は、その当時ヨーロッパで流行していた葛飾北斎の版画。

この4つのうち、日本人としては北斎であって欲しいと思いますが、当時モネセザンヌゴッホなど名だたる巨匠が熱狂した浮世絵、当然ガウディも知っていたはずで、もしかしたらその可能性もゼロではないでしょう。

IMG_1897 【モンセラット】★★★★☆
カタルーニャの聖地として巡礼が訪れ、また黒いマリア信仰のの地として…

 

特異な外観

波打つ壁

カサ・ミラに来て最初に目に入るその姿は、周りに立ち並ぶクラシックな建物の中にあっては全く異質。

バルセロナ郊外のエル・ガラフで取れる石灰岩を使った外観は、石切り場と称されたのもうなずけるほど個性を発しています。ここでの見どころは直線を徹底的に排し曲線だけで構成される壁面と、一つ一つが異なり同じものが一つとしてないバルコニーの鉄の欄干、そのデザインです。

また、外壁部分でガウディらしさがよく表れているものとして、建物の正面にあたるグラシア通りの角にある幾つかのバルコニー。よく見ると、床に穴を開けてガラス床にすることで可能な限り自然光を下に通し明るさを保ちました。

尚、カサ・ミラは、同じガウディ作となる、カサ・バトリョの2軒分以上に相当する敷地面積があり、地下から屋根裏部屋まで8フロアー、更に当時バルセロナ初となる地下駐車場を備え合計の窓数は150、住宅としては他に類をみない大規模な建物でした。

また、建築費に至ってはカサ・バトリョの10倍にも達し、この場所がバルセロナで一番と言える一等地を占める事でも分かるように、建物のオーナーのミラ夫妻は当時バルセロナのブルジョワの中でも、トップクラスの資産家だったというのが分かります。

1-IMG_2730 【カサ・バトリョ】 ★★★★★
1877年にEmilio Sala Cortésによって建てられた建物を1903年から繊維業で…
palauguell 【グエル邸】★★★★☆
アントニ・ガウディの良き親友であり、最大のパトロンであった実業家エウセビ・グエル。

 

鉄を駆使した欄干

次の見どころとなる欄干を見ていきます。既に100年以上前に現在を先取りするかのごとくリサイクルが大好きだったガウディ。

彼の多くの作品の中で特に壁面を飾るモザイク、その制作に不要となったタイルや生活食器の皿やコップ、瓶などをよく利用しましたが、ここではバルコニーの欄干をリサイクル材料を使い制作しました。

欄干の制作においてリサイクルの材料となったのは、くず鉄でした。その内容は鉄板、鎖、鉄の網、鉄管、鍋などあらゆる種類のくず鉄を材料とし、裁断したり曲げたりして使用しました。

また、それらは溶接ではなく鋲止めと言う職人技術で膨大な手間が掛けられ、更に驚くべきは小さなものまで含めると合計で100近くある欄干が、どれ一つとして同じ物がないと言うことです。

欄干は海藻とよく例えられますが見ていくと抽象的な現代アートの様な装飾で、中に鉄で出来たリボンや鳩、人の顔、また一体何を表しているのか分からない物までさりげなく埋め込まれています。

これらはガウディ主導のもと実際のデザインや制作を行ったのは右腕と称され、ガウディ作品にはなくてならないジュゼップ・マリア・ジュジョールでした。

【ジュゼップ・マリア・ジュジョール】
建築家でアントニ・ガウディの協力者として家具デザインや絵画などの分野で才能を発揮した総合アーティスト。「彼はあなたの助手か?」と聞かれた際に「助手ではない兄弟だと」答えたと言う逸話も残るほどガウディの信頼が厚く正に右腕と言う存在でした。ガウディの裏方とし、顔に似合わずその天才的な色彩感覚はこのグエル公園のモザイクに遺憾なく発揮され、非常に大きな役割を果たしました。

 

 

見学スタート

カサ・ミラの入口は2か所あり、正面入口が「PREMIUM Tiket Office」プレミアムチケット入場口そして、正面右手の先に「With Ticket」オンライン予約済と「Without Ticket」当日券、それぞれのレーンから入場します

。上の写真を見ての通り、優先入場のプレミアチケットは一切待つ必要がありません。また、通常チケットでもオンラインで既に予約済みの方は、指定の時間に行けば待たずに入場できます。

当日券に関しては春から秋、年末年始などのシーズン中は長い行列に並ぶことになり、貴重な時間をむやみに浪費するだけですので、できるだけ事前に予約するようにして下さい。

オンライン購入のうち、プレミアと一般チケットの違いは、プレミアには日時の指定がなく開館時間ならいつでも入れて、時間に全く縛られないのが利点。ご自分の旅程に合わせて選ばれるとよろしいかと思います。

2016-04-25 (6) 【カサ・ミラ予約方法】
オンラインによる事前チケット予約購入についてできる限り分かり易く説明しました。

 

入場受付

入場すると、まずネットで予約した控えを受付に見せます。そのあと隣にあるオーディオガイドの貸し出しカウンターへ行き「ジャパニーズ(日本語)」と言ってオーディオガイドが借りますが、これはもちろん料金に含まれています。

次に荷物検査が一応形だけですがあるので荷物を機械に通して前に進んでください。

 

建物の見取り図

カサ・ミラは同じガウディ作となるカサ・バトリョの2軒分以上に相当する広い敷地面積があるため入り口が2つあり、またパティオも2つ存在します。

右の②のパティオは横長の楕円形、左の①のパティオは丸に近い形になります。既に入場の項で述べましたが、プレミアムチケット保持者は上の地図の左角から入場。

それ以外は右の建物入り口の更に右に「一般予約・当日券」専用入り口があってそこから入ります。なので最初に見るパテイオはチケットの種類によって異なります。

尚、カサ・ミラは建物内の全てが見学できるわけではなく次の5ヶ所だけが一般公開されています。
・1階の中庭 
・屋上 
・屋根裏の回廊 
・屋根裏の一つ下の階の住居スペース(借家人の家)

では、カサ・ミラの見学をスタートします。

 

吹き抜けの中庭

ここからは通常チケットでの入場と仮定して、進めていきます。

まず、荷物検査を済ませて中へ入ると、石切り場と揶揄された外観とは同じ曲線でもそこはまったく違った雰囲気をかもしだし、それはまるで深い海底にいるような感じ。

次にパティオから上を見上げると垂直にぎっしりと並んだ窓の集合体に圧倒され、更に上を見ると楕円に切り取られた空がぽっかりのぞいていると言う何とも不思議な光景です。

ヨーロッパ人の多くは、このポーチを中世のゴシック様式と感じるようです。日本人の私には九州の「軍艦島」の様な密集感を感じたり、映画「アルカトラズからの脱出」などをイメージしてしまいます。

また、上のぽっかり空いた穴から望む青い空は不思議な世界を醸し出していると言えば聞こえは良いのですが、見方によれば刑務所と紙一重と言えなくもありません。

このパティオには2つ階段があり、ハワイやバリのリゾートホテルのよな植物の生えている螺旋の階段が家主のミラ家専用。

また、パティはガウディが採光をより重視した為に屋根は取り付けられず完全な吹き抜けとなっていて、雨の日は容赦なくポーチを濡らします。なのでガウディによって階段の上には専用の屋根が取り付けられました。

建物の外に比べ中のポーチは人の目に留まらないこともあり普通は簡単に仕上げられているものですが、さすがガウディだけあって一切手抜きなし。

階段の欄干や窓の格子なども、きっちりと職人に作らせています。

今度はパティオの下部を見ていくと、そこは上部とは一転して華やかな世界が広がります。

シャビエル・ノゲスの絵はまるで印象派のモネが描いた絵を彷彿させます。

ただし、この部分は元々は破砕タイルを張る予定でした。それが、ガウディと施主のミラ夫妻との間に起きたトラブルによりガウディが途中でこのカサ・ミラの建築から手を引いてしまい計画が変更。その後にこの壁に描かれた絵に関しては、ガウディ作品ではありません。

 

屋上

屋上に出ると、光景が一転。山の稜線をイメージした床は高低差のある波打つ構造になっているのが分かるでしょうか?

これらは山の峰をイメージしています。

また、奇妙なオブジェのように見えるのは階段出口や煙突、換気口です。

 

奇妙なオブジェ群

ガウディの真骨頂、世界で一つしかない奇妙なオブジェが建つ並ぶ屋上。

左から巨大抹茶アイス、タコ星人、ダルマ!と思わず呟いた日本人いました。

では、ここでしか見れないユニークなオブジェを見ていきます。

まず、写真左上はキリスト誕生の際に聖書に出てくる兜を被ったローマ兵をイメージしたものと言われ、このデザインはガウディの死後に作られたサグラダファミリア受難の門にも使われています。

次に今から100年以上前に作られたと思えないファンタジーなオブジェが並び、その一つはリサイクルされた空ビンで装飾されています。ここでも、ガウディのエコ意識の高さがうかがえます。

【トレンカディスとは】
カタルーニャ語で破砕タイル又は破砕仕上げ全般を指す言葉。ですのでカサミラの場合に使われているリサイクル瓶も、タイルではありませんが一種のトレンカディスと言えます。元々は降雨から壁を保護する目的に始まり、次第に装飾するために利用され一種のモザイクとして使われました。ガウディ以外にもこの時代に活躍した他の建築家も多用し、数多く残るモデルニスモ建築に見ることができます。

 

登場人物たち

屋上に並ぶオブジェはよく見ると2つの種類が見てとれます。その一つは素焼きの鉢、テラコッタ風の防水モルタルで作ったオブジェ、そしてもう一つはトレンカディスと呼ばれる破砕タイルを全面に張り付けたオブジェです。

ではこれらの奇妙な像、登場人物とも言える面々を解説します。

まず煙突の総数30本、①ガラス瓶の破片を煙突の上にモザイクとして貼り付けたものと、もう一つは②鎧を被ったローマ兵とも呼ばれる煙突。

ローマ兵の煙突は単体で立っているものもあれば、2,5,6,7本とグループになっているものもあって、その配置も偶然なのか意図的なのか分かりませんが絶妙なバランスで立っています。

次に通気塔が2つあり、そのうち①はメビウスの輪を合わせたとも呼ばれるもので存在感は絶大。ダリのシュールレアリスムを彷彿させ、日本人には岡本太郎の作品に似ていると言う意見もあります。

②はゲゲゲの鬼太郎に出てくるお化けのようですが、キノコをインスピレーションしたもので開いている穴は女性を表しているとも言われています。最後は6つある階段出口のオブジェ。

どれも釣り鐘状になっていて①は焼き菓子のメレンゲ、それ以外は抽象的な人の顔で、その中でもこの後に述べますがサグラダ・ファミリアが見えるフォトスポットのオブジェは、通称 ”笑うブッダ” とも呼ばれるもので実際お釈迦様が屋上で楽しそうに笑っているように見えます。

ちなみに、カサ・ミラの屋上にまつわる都市伝説とも言える話があって、実はこの屋上では風の強い日には煙突に風がぶつかり、不思議な音が聞こえると言われています。

それを知っているのは長年この建物に住む住人だけだそうですが、一説には煙突を螺旋状の形状にすることにより屋上に吹く風の上昇気流が加速、煙突内部はその為に真空状態になり煙や空気を吸い上げる効果を産み出していると言われます。

実際にガウディがそれを計算していたのか定かではありませんが、本当だとするとそれは正に驚異的。

 

煙突に込められた意味

ガウディ建築にみられる特徴として、その奇抜な煙突があります。建物の中では脇役でどうでもいい存在のはずが非常に凝った造りが多く、ガウディは煙突にかなりこだわりを持っていました。

一説には、魔物が家に侵入する際に煙突こそが一番の弱点と言う意識が中世の昔から人々にあり、ここを守る意味で荒々しく武器の様に尖った煙突にしたり、このカサ・ミラの場合では兵士の顔になっていたりするのもその為です。

MAH000931 【カサ・バトリョ】 ★★★★★
1877年にEmilio Sala Cortésによって建てられた建物を1903年から繊維業で.…
IMG_2489 【グエル公園】 ★★★★★
ガウディの大スポンサーでもあり、理解者でもあったグエル伯爵が計画した…
IMG_0126 【グエル邸】★★★★☆
アントニ・ガウディの良き親友であり、最大のパトロンであった実業家エウセビ.…
201501140624364fb 【カサ・ビセンス】★★★☆☆
ガウデイの初期の作品で他との違いは、直線的な構造の煙突が見れ…

 

屋上の歩き方

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_3153-002.jpg

エレベーターを降りたら赤線矢印通りに屋上をぐるっと一周するオーソドックスなコースで回りますが、下の360°カメラ画像で大体の配置が分かると思います。

また、各オブジェですが特に通気塔①などは見る角度によって全く違う印象になりますので、色々な方向からオブジェを見ると更に楽しめるはずです。

あと、お勧めと言う程では無いですが屋上からはバルセロナの目抜き通りのパセジダグラシアや周りのビルに住む住人の庭、オフィスなどが見えます。

また、カサミラの裏から碁盤の目に都市整備された内側が見え、それらは観光には関係ないかも知れませんが街歩きでは見れないバルセロナの市民の裏の生活が垣間見れて案外と興味深いかと思います。

 

まずは屋上360°画像

*画像は指、マウスでぐりぐり回せます。

 

三つのパティオ

屋上の開口部から下を覗きこむと建物内壁にぎっしり並ぶ窓、その下には1階の中庭が見えます。ここでよく注意して並んだ窓を見ると、階下へ行くにつれて窓が大きなサイズとなっていることに気づくはず。

これは意識的に、より自然光が取り込めるようにと言うカサ・バトリョでも使われたガウディならではの手法です。

また巣箱のような形の屋根裏部屋の窓は上下2列に並んでいますが、それぞれ微妙に大きさが違います。下の方の窓は上より大きく、それは屋根裏部屋の空間にできる限り自然光を入れるためです。

それぞれの窓は開閉することが出来、夏場は合計160ある上下の窓を同時に開けることにより中の温度を効率的に下げることができます。

余談になりますが、オーナーのミラ夫人は建築中に何度も費用やデザインに関してガウディともめたのに加え、出来上がったこの建物が大嫌いで夫の死後、屋上の一部を勝手に改装しました。

 

撮影スポット

屋上全体がフォトスポットと言えるカサミラですが、歩き回っていればこんな景色(写真左下)に遭遇するはずです。

奥に立つ白いタイルの階段出口のオブジェが通称 ” 笑うブッダ ” ともいわれる像で、その左手(写真上)から向こうに、なんとガウディの代表作サグラダファミリアが見えます。ここは、人気のフォトスポットですのでお忘れなく!

日本のガイドブックには書かれていませんが、バルセロナの後ろにそびえるティビダボの山。そこに建つサグラダ・コラソン教会もやはり階段出口の像の手の向こうに見えます。

場所はエレベーターから屋上に登って来て、最初に見る白い大きなオブジェがそれです。

CIMG8869 【サグラダ・ファミリア】★★★★★
バルセロナ観光の目玉をガイドブック要らずの徹底解説し尽くしました。
sagarado (14) 【サグラダ・コラソン教会】 ★★☆☆☆
標高512メートルに建つ天空の教会はバルセロナの街から夜になると山の上にライト…

 

建物内部

屋上見学の後は屋根裏部屋、そして住居へと順に内部を見て回ります。

 

屋根裏部屋

http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_3275.jpg

屋上から降りて今度は屋根裏を見学します。

バスケットコート2面の広さを持つ屋根裏部屋は洗濯物を干す場所、使用人の作業場、また建物の温度を調整する機能を担っていた空間です。

尚、広いアーチ状の回廊が続くこのフロアーは現在「エスパイ・ガウディ」と呼ばれるガウディ建築に関する展示場となっています。見学を始めると最初に目に飛び込む天井を支えるアーチ。

それはまるで動物のあばら骨にも見えますが、これこそがこのフロアーの最大の見どころです。また、注目すべきはカタルーニャ地方でよく使われる通常の半分ほどの厚みの蒲鉾板のような薄いレンガ。

一見、きゃしゃに見えますが「カテナリーアーチ」と呼ばれる、特異なリブ構造が屋上を安定的に支えています。

カテナリー・アーチとは

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/07/caterina.jpg
二本のポールに張られた鎖のたわみがカテナリーアーチ ロープのたわみ通りに切った型に積み木を載せる

ロープや鎖などの両端を持って垂らしたときにできる、曲線をカテナリーと呼びます。因みに上下逆向きにした形状にすると全ての部材に均等に圧縮力がかかることになり、力学的に最も安定するため現在でもアーチ橋などに多く用いられています。

では実際にガウディは工事現場でどうやったかと言うと、まずアーチの起点となる2点を定め、そこにロープを張ります。次に、アーチの高さを決め垂れ下がるロープの下の頂点がその位置に来るように調節します。

出来上がった曲線の後ろに板を置いて、その曲線を筆などでなぞって板に移すことによって、重力と張力のバランスが完璧に取れたカテナリーアーチをゲット。後はその曲線通りに板を切り抜き、その上下を逆転させれば職人達がレンガをアーチ状に積んでいく基本になる枠が完成となります。

尚、ガウディはこのカサ・ミラの他にカサ・バトリョの屋根裏、サグラダファミリアの身廊など様々な作品でカテナリーアーチを使用しました。その理由としては安定した構造に加え視覚的にも美しく更にレンガ積みの構造は制作しやすく、また経済的な方法でもあったからです。

 

展示室を周る

屋根裏の回廊にはカサミラの模型をはじめとして、それ以外のガウディの資料が展示されています。
例えばサグラダファミリア地下の博物館に錘と糸を利用した有名な逆さ吊り模型がありますが、それがここでは糸の代わりに細いチエーンを使った模型が展示されています。

またその下に鏡がおかれており、逆さに見えるその姿はあのサグラダ・ファミリアそっくり。

展示されている模型は後から作った、ただの模型と言えばそれまでですが、ガウディは建築に当たっては図面より模型を重視し実際に幾つもの模型を製作し実験を重ねながら細部を詰めていくと同時に、新たなアイデアを得たりしていました

ポイントとしては、ガウディになった気持ちになって眺めてみると、展示物もまた違った見方が出来るかと思います。

このフロアーには、ガウディが設計した椅子も幾つか展示されています。ガウディは建築のみならず、デザイナーとしても優れ個性的な家具を残しています。

写真の②椅子はカサ・バトリョの建設の際にデザインしたもので二人用の椅子の間にひじ掛けを設け、それぞれの椅子が違った方向を向いているという何とも意味深な組み合わせはガウディ流のジョークでしょうか。

また①椅子は、椅子を引く際にちょうどいい具合に指が入る凹みが背もたれにあると言う、まるで小林製薬の様な痒い所に手が届くそのアイデアには脱帽です。

ちなみに、ガウディが制作した椅子は全て耐久性に優れ野球のバットでも知られるトネリコの木が使われています。

 

椅子以外にも家具はもちろん、それに付ける金具なども非常に凝ったものを残しています。

ガウディ作品のそれらどれにも共通しているのは自然界にある日常の生活で普通に目にしている植物や動物などをモチーフとし、デザインに生かしている点です。

尚、カサ・ミラの前のグラシア通りに敷かれている敷石もガウディのデザインですので歩く際には是非確認してみて下さい。

 

住居部分は平凡

カサ・ミラは現在も4世帯が住む集合住宅と言う珍しい世界遺産です。それ以外の部分はどうなっているかと言うと事務所、ショップ、カフェテリアなどになっています。

また家主であるミラ夫婦が住んでいた2階はエキシビション(特別展示会場)となっていて、不定期で色々な展示がされています。なので、住宅部分の見学可能なのは屋根裏部屋の下の借家人が住んでいた1フロアーのみ。

 

中はサロン、ベッドルーム、キッチン、浴室、またその時代に使用された家具などが置かれていて当時の生活を垣間見れます。

ただし、見学した多くの人が受ける印象はと言うと、奇抜な外観や、空まで突き抜ける吹き抜けのポーチ、インパクトあるオブジェが並ぶ屋上に比べるとずいぶんと平凡。

そこにはガウディらしさが殆どなく芸術性は皆無で、またブルジョアが住んだ豪邸と言うには明らかに質素で、スペインのどこにでもある小金持ちの家と言うところです。

ただこれには理由があって、それは既に述べましたが施主のミラ夫妻との間に起きたトラブルによりガウディが途中でこのカサ・ミラの建築から手を引いてしまっていたので、この住居部分にはタッチしていませんでした。

更にそれに加えオーナーが住んでいた2階フロアーとは違い、あくまでもここは賃貸物件であったことからシンプルな造りになっており、建物のオーナー家主が住んでいたフロアーが見学出来る「カサ・バトリョ」との大きな差となっています。

 

もう一つのパティオ

見学の最後は、グラシア通り入り口のパティオに降りて来ます。最初に見たパティオと同じ様に見えますが、よく見ていくと幾つか違いが見受けられます。

まず一つ目は空。

上を見上げると最初に見たパティオの空が楕円だったのに、ここは丸い円。また形だけで無く、大きさにも違いがありこちらの方がより小さくその分暗くなります。

次の違いは、オーナーのミラ夫妻の住居となっていた2階への専用階段。よく似た螺旋階段ですが屋根に違いがあります。

あと、このポーチでは建物への入り口の門を間近で見ることが出来ます。

ガウディ建築の特徴の一つとして鍛鉄を使い職人が手間を掛けて作ったっ素晴らしい、手すり、欄干、オブジェ、それらが見れます。

以上で、カサ・ミラの内部の見学は終わりになりますが、入場チケットにエキシビション(2階の特別展示)も含まれていますので時間があれば見て下さい。

 

エキシビション

展示はガウディとは全く関係ない写真展などがおこなわれています、なのでわざわざ見る必要はありませんがここに来て分かるのは今では家具も無く壁も取り払われ何も残っていない床面積1,323平方メートル、坪換算で400、畳を敷き詰めると800畳と言うこの広大なスペースにオーナのミラ夫妻が住んでいたと言う事です。

カサバトリョの10倍の建設費をつぎ込むことが出来た資金力なら贅を尽くした邸だったはず、もしここが残っていたなら屋根裏の下の階で見た借家人の住居と印象はかなり違ったはずです。

 

【プレミアチケットの注意点】

プレミアチケットで入場した人は最後に入場した時と同じポーチに戻って来るので、もう一つの横長楕円のポーチを見ないままに終わってしまいます。

二つに大きな差は無いのですが、せっかく入場したんですから両方見てはどうでしょう。売店に入る手前を左へいくとそこがポーチです。

 

売店

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最後に、お土産を売っている売店ですが、カサ・ミラ内には2軒あって1軒は住居の見学できるフロアー、もう一軒は建物の一階部分のプレミアチケット入場口の右にあります。

一階の方が広くて買いやすいので、見学が終わった最後にゆっくりみて下さい。

尚、ここではバルセロナ他の観光スポットやデパートで買える共通のお土産物も多くありますので、ここではカサ・ミラと関係した物を選ぶと良いでしょう。

 

その他

ここからは、カサ・ミラの見学コース以外の裏からの眺めやカフェ、夜間入場のナイトツアーについても解説します。

 

無料で裏から眺める

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カサ・ミラにお金を払って入場しても、どうしても見れないのが建物の裏。ほとんど知られていませんが、実は2軒隣のビルの中庭のテラスから見ることが出来ます。

しかも無料なので、興味のある方は覗いてみてはどうでしょう?。詳細は下のリンクから。

1-img_0740 【カサ・ミラを裏から眺めれる穴場スポット】
日本人で知っている人はいないカサ・ミラを裏から無料で見える場所がここ….。

 

お勧めカフェ

1-img_9381

カサミラの1階のプレミアチケット入場口の左にはカフェテリアがあります。中へ入って階段を上がると、こんな波打つ天井。

世界遺産の中でゆっくりお茶はいかがでしょうか?

値段もそんなに高くなく日本のスタバと同じぐらい。この界隈のどのカフェテリアより静かで落ち着いて、それを知ってか、ご近所のマダム達がよく利用しています。

1-img_9393 【カフェテリア訪問記】
実際に中のカフェテリア「El Cafè de la Pedrera」でお茶をしてみました!

 

ナイトツアーとは

カサミラの見学は日中以外にも、夜にナイトツアーで観ることもできます。

昼とはまた違った幻想的な景色が見れるので、時間と予算が許せば是非ご覧ください。以下、ナイトツアーと食事付ツアーの2つを検証して来ました。

 

カサ・ミラのトリビア

ここからはカサ・ミラにまつわる様々な裏話、雑学を述べていきます…

 

なぜか最安家賃

マンションとして建てられたこの建物ですが高額な家賃(当時の平均的月収の約10倍)と見た目の悪さから、なかなか借り手が見つからず家賃は3世代に渡り値上げをしないという条件で賃貸契約がなされ現在でも4世帯が実際に居住しています。

家賃は当時からほとんど値上げされず1200ユーロほど。

バルセロナのド真中、300㎡以上の広さ、しかも世界遺産と言う事で現在の家賃の相場ならその10倍、日本円で100万以上するとも言われています。

 

斬新な鉄材

ガウディ作品の殆どがレンガを積み上げる中世からの手法、組積造により建てられていますが、このカサ・ミラには当時としては極めて斬新な鉄が建材として使われています

それにより建物の負荷を支えていた従来型の壁を全て取り払うことが出来、各階の間取りを自由に変えられるいわゆるカーテンウオールを可能としました。

 

初の地下駐車場

オーナーのミラ氏はバルセロナ市長を務めていた叔父と共に自分でレースを主催する程の車好きだったと言う事もあり、バルセロナでも最初となる地下駐車場が建物内に作られました

観光客に公開はされていませんが、現在は会議スペースとして利用されていて200人が収容でき程の大きさを誇ります。地下駐車場へのスロープがあって、2つあるどのポーチからもアクセスできるようになっています。

 

ガウディ最後の住宅

ガウディは生涯に幾つかの住宅を建てましたが、このカサ・ミラが最後になります。これ以降は未完となったコロニア・グエル教会、そして生涯をかけたサグラダ・ファミリアのみ。

 

ワンルームマンション

カサ・ミラのオーナのペレ・ミラの死後7年後建物は売却されましたが、購入した不動産業者により屋根裏部屋に新たに13の賃貸用の部屋、ワンルームマンションが増設されました。尚、1990年にそれらは全て撤去され現在に至ります。

 

時代最後の建築家

ガウディが生きた時代は建築材に大きな変化が起きそれまでのレンガや石を使った組積造から、鉄の建築材への利用、更にセメントとの併用など、バウハウスに代表されるようなそれまでの建築の常識を覆す出来事がありました。

そうした時代変化の中で、ガウディは言わば前時代の最期にいた建築家でもありました。

 

大ファンだったダリ

ダリは、このカサ・ミラのオブジェ群の大ファンで、また同時に大きな影響を受けました。カサ・ミラ屋上の写真を常に持っていたと言いますし、生前ダリがインタビューを受けた際には、ガウディとピカソの二人は数いる芸術家の中でも特別。彼らこそが本当の天才だと言っています。

 

筋金入の頑固者

カサ・ミラ工事期間中、施主のミラ夫妻とガウディとの間には争いが絶えませんでした。

理由は設計の変更や精度を追求するあまり、やり直しを繰り返し建設費が増大、建物の大きさが敷地の外まではみだしたため市役所との間に問題が起ったりと施主、特に夫人の怒りをかってばかり。

しかし、絶対に妥協しない筋金入りのガウディの頑固さもあって、最後は建設から途中で降りる最悪の事態にまで発展しました。

 

見所ムービー

 

アクセス方法一覧

【カサ・ミラ ➡ グエル公園シャトルバス乗り場】
【カサ・ミラ ➡ カサ・バトリョ】
【カサ・ミラ ➡ サグラダ・ファミリア】
【カサ・ミラ ➡ カタルーニャ音楽堂】

 

まとめ&アドバイス

ガウディの代表作の一つですが、カサ・ミラは通常の建築物というよりむしろ彫刻であるとの見方もあり実用性に欠けるという批判もありますが、誰の目にもその圧倒的な存在感を持つ建物を否定できないのは事実です。

あと、既に何度も述べていますが、惜しむらくはガウディが途中でこの建築から降りたことに尽きると思います。

外壁、ポーチ、更に屋上に関しては素晴らしいの一言に尽きるのに対して住宅部分は貧弱で、とてもガウディ作と言えず不満の残るところです。

特に建築に興味が無い方でしたら外からの見学dけで良いかも知れませんが、そうでない方は見る価値は十分にあります。特に屋上は必見、天才建築家だけでは語り尽くせないアーティストとしてのガウディの凄さを感じることが出来、あの鬼才のダリが大ファンだったと言うのもうなづけます。

あと、たまに聞かれるライトアップについてですが、サグラダ・ファミリアの様な必見とは全く言い難く、近くに夜たまたま来ていたら見る程度で十分です。

最後に。。
カサ・ミラの観光にかかる所要時間は、1時間が目安となります。

建築が好きな方、ガウディに強い思い入れがある方でしたら更にプラス30分~1時間というところでしょうか。写真が好きな方は結構大変です。理由は最近監視カメラが異常なほどに増設され、それが写り込んでしまう事が多々あります。

また消化器など余計な物が、所かまわず配置されていてもう少し、置き場所を考えられないものかと悲しくなりますが、お手数ですが色々とアングルを変えて頑張って良い写真をとってください。

 

【最後に…】

この記事を読まれ役に立ったと思われる方、バルセロナで一番クオリティーが高いフラメンコショーのタブラオ・コルドベスの予約代行を公式サイトで予約されるより僅か1ユーロですがお安くやっています。、観に行かれる予定の方は弊社にてお申込みく頂けると、バルセロナウォーカー記事更新のカンパになるので是非お願いいたします。詳細はここ

 

 

 


お勧め度18点/20点
★★★★★(4.5)


 

住所 Paseo de Gracia, 92 【地図はこちら】
URL https://www.lapedrera.com/en/home
開館時間 ~3/3  9:00~18:30、 3/4~11/1 9:00~20:30 ナイトツアー 21:00~23:00
*入場は閉館15分前まで
休館日 12/25, メンテナンスのため2024年1月15日~1月21日 
料金 大人€28 学生・シニア:€19, 子供7歳~17歳:€12.50 6歳以下は無料
オープンデイトチケット(日時指定無し)45€、  ナイトツアー39€
デイナイトチケット(日中と夜両方入場可)49€
※当日窓口で購入する場合は3ユーロ加算されます
最寄駅 地下鉄 L3 L5 号線Diagonal(ディアゴナル) 駅から徒歩1分
所要時間 1時間~1時間半

 

記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2024.2.15

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2024年夏 最新版 グエル邸 ~ガウディ初期の最高傑作~

IMG_3007

ガウディの初期作品の中でも傑作と言われるグエル邸。

ガウディ建築の中では奇抜なデザインも無くそのせいか人気の上位となっていませんが、旧市街の狭い通りにひっそりたたずむ邸宅は一度は訪れる価値あり。ここでは、見どころを分かり易く解説していきます。

 

概要

アントニ・ガウディの良き親友であり、最大のパトロンであった実業家エウセビ・グエル。バルセロナで一番の繁華街ランブラス通りのほど近くに建つこの邸宅は、ガウディが彼から依頼されて建てた「グエル別邸」に次いで、二番目のプロジェクトとなります。

後年、民間人でありながら伯爵号を授与されるほどの成功を収めた実業家グエル氏。若きガウディにとって、グエル氏の地位と財力に相応しい住まいを設計することは、建築家としての持てる力を全て発揮し理想を実現できる舞台が与えられた訳で、その期待に応えるために4年の歳月、渾身の力を注ぎ1886年この邸宅を完成させます。

尚、完成後にグエル伯爵は出来栄えを大変気に入り、当初は本館につながる別館として建てられたはずが、最終的にこちらに移り住んだほどでした。

ガウディの初期の傑作であり、またその後の数々の作品のエッセンスが凝縮されているグエル邸。決して大きくない500平方メートルほどの土地に建つ地下1階地上4階の建物ですが、一歩中へ足を踏み入れると外観からでは想像もつかないほど華やかさを誇る邸宅です。

また、それだけに留まらず設計段階でグエル一家の生活様式までも考えた、非常に機能的な構造をなしています。尚、1984年に同じガウディ作のカサ・ミラグエル公園と同時に世界遺産に登録されました。

 

http://i0.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2016/01/Eusebi.jpg キューバで財を築いた父がバルセロナで始めたビジネスを更に発展させ、繊維業を初めとして銀行、タバコ会社、セメント会社など経営し当時の地元経済界を代表する実業家。また政治家としてスペイン上院議員、カタルーニャ文化の後援者としても知られ、後年には民間人から貴族(伯爵)にも列せられました。

 

 

外壁(正面)

1DSC_9056

2つのカテナリーアーチとそれを覆う鍛鉄の重厚な扉

当時ガウディは20以上のファザードの案を作成しましたが、最終的にグエルがこのデザインを選択しました。繁華街に近く、周りがあまり風紀の良くない地区だったこともあり、それらとの区別化する意味で当時のブルジョアの邸宅の中でも一際、威厳あるデザインが選ばれました。

ただ、そのせいで同じガウディ作品のカサ・バトリョやカサ・ミラに比べると、何とも地味な感じを受けます。

グエル邸の正面ファザードでまず最初に目に入るのは二つの大きな放物線アーチと、そこに据付られた大扉。

当時バルセロナでは例のなかった鍛鉄製の巨大な格子扉は、中央部を意図的に細かい格子としていて外からは中が見えずプライベートを守る一方、内側からは外の通行人が見える、マジックミラーの様な仕掛けになっていました。

尚、門の真ん中の扉は人の出入り用で、馬車が入る時は大扉が全開になります。

アーチの門の左右の端に注目すると、そこには癒しと罪を肩代わりし、脱皮することから復活のキリストの象徴と言われる「蛇」を見ることが出来ます。左右の端からこの蛇が格子を伝い、とぐろを巻きながら、門の最上部のグエル氏のイニシャルのEとGの辺りで出会うように作られています。

 

不死鳥、兜、旗

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/obijesetu.jpg

不死鳥、兜、カタルーニャ州旗の三つから構成されるオブジェ

グエル邸の正面ファザードで最も重要になるのが、上部に不死鳥が載るこのオブジェ。当時の鍛鉄鋳造技術の粋を尽くしたもので、素材の鉄を金槌で叩き、裁断、曲げ、全て人力で作り上げました。

また、数百にも及ぶ小さなピースを溶接ではなく、一つ一つ鋲止めと言う職人技で作られた非常に芸術性高いオブジェ、これこそがファザード最大の見物です。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/tanntetu.jpg 【鍛鉄(たんてつ)】
英語でロートアイアンと呼ばれる金工技法の一つで、古くからヨーロッパなどで建造物に使われてきました。
鍛鉄は熱した鋼材をハンマーを使い叩いて形を整えながら、打ち目を付ける、束ねる、巻く、ねじる、潰す、のばす等して鉄ならではの重厚感ある表情を引き出すことができます。身近なところでは日本刀にもこの鍛鉄が使われていて刀鍛冶の技法が正にそれです。

 

見学の開始

入り口でチケットを提示したら、まずはセキュリティチェックを受けます。その横には上階への階段があり、上りたくなりますが我慢してください。なぜなら見学にはルートがあって、以下の様に進んで行くことになります。

 

地下厩舎へ

見学は馬車置き場(coach house)から始まりますが、再び同じこの場所に戻って来るので、ここでの見学は後回しにし、まず最初の見学場所になる地下へ向かいます。

地下へ下りる通路は昔、車体から外された馬が下の厩舎へ向かう通路だった同じところです。

また、途中に吹き抜けのポーチがありますが、これは下の厩舎の換気をする上で重要な役割を担っていました。

 

柱が並ぶ地下

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_3410.jpg

グエル邸全体を支える大きな柱が並びます。その数合計21本

ここでの最大の見どころは、重厚なレンガの柱と建物の床を支えるカタランボールトと呼ばれる伝統工法を用いたアーチが作り出す洞窟のような陰影の世界。

この厩舎で用いられているのは、カトリック文化とイスラム文化が融合したムデハルという建築様式で、ガウディ後期の代表的な作品の一つコロニアグエルの地下礼拝堂でもそれを見ることができます。

ちなみに、屋敷の中に厩舎と言うと馬の臭いが気になりますが、換気構造を建物全体に採用し、臭いがこもらないようにと言う隠れた配慮までされています。

また、地下へアクセスは馬用以外にもう一つ人間用のものがあり、玄関ホールの階段下から急勾配のらせん状のスロープが柱の1本を取り巻くように設置されています。

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2017/11/muddi2.jpg 【ムディハル様式】
スペインの建築様式の一つで、中世にキリスト教徒とイスラム教徒が共存するという環境下でイスラム建築様式とキリスト建築様式が融合したスタイル。
特徴としては建物の壁面に幾何学文様の装飾を施しているなどがあります。ガウディの最初の住宅建築と知られるカサ・ビセンスにそれが見られます

地下室の中の柱にユニコーンの頭の形をした2つの金具と、ポーチの壁と柱には犬の頭の形をした馬をつなぐためのリングが残っています。

その他にパネル展示や、当時のバルセロナの街の様子を伝えるビデオが地下室の一角で流れていますので、座って見てみると時代背景が分かって更に興味がわくでしょう。

 

地階(一階)

邸の一階部分は馬車置き場、現在で言う車の駐車場だったわけでガランとしています。

馬車置き場

地下を見学した後は再び地階の馬車置き場へ戻り、見学を続けます。ここでの見どころは鍛鉄とタイルの梁、そして馬車専用の床。

あと、ガウディ作品の殆どがレンガを積み上げて建てる中世からの手法の「組積造」により建てられていますが、このグエル邸では当時としては極めて斬新で最新の建材だった、鉄が使われています。

また、天井は馬がひっ切りなしに出入りすることから、掃除のしやすいタイルを張り清潔に勤め、更に邸内に馬の蹄の音が響かない様に通路には松の木のブロックを張り詰め音を和らげる工夫を施しています。

上階への階段の後ろに位置するところには、地下の厩舎への螺旋通路があって、馬車の御者(運転手)が、ここを利用して馬を取りに上り下りしました。

 

玄関ホール

http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_3463.jpg

玄関ホールを左横から見る

馬車置き場を見終えると次に上階への階段へ向かいますが、玄関ホールと馬車置き場の間には頑丈な扉があり、そしてホールの上を見上げると鉄格子のはまった窓が見えます。

その二つが意味するのは、この部分は邸内ながらもあくまでもエントランス警戒を要する外部からの続きの場所。そう、ここは未だ家の中ではないという位置づけでした。

上階への階段の左を見ると小さな階段が見てとれます。これは馬車に乗り降りする際のステップとして利用されていました。また、その下にある出っ張りは馬車の車輪が通路の縁石にぶつからない様にした車止めです。

 

玄関から中二階への階段

大理石の柱が並ぶ正面玄関の階段、その先にはカタルーニャ州旗をもとにデザインされた輝くステンドグラス。そこには、カタルーニャ人としてのグエル伯爵の誇りとアイデンティティを感じさせます。

このエントランスの階段や柱を始め、邸宅内には様々なトーンの大理石や天然石がふんだんに使用されていますが、それらは全てグエル所有の採石場から持って来たものです。

 

中二階

中2階には、上階メインフロアーにも地上階にもすぐにアクセスできることから、当時グエル氏の書斎、図書室、事務室が置かれていました。

ただそれ以外にもガウディはこの階を、これから待つメインフロアーの豪華さを訪れる客へ予告する移行の階とも考えていました。

あと殆どの人が見逃しますが、木製の格子戸の真ん中がさりげなく覗き窓になっています。

尚、中二階には部屋がいくつかありますが、扉は全て閉っており残念ながら見学できるのはこのホールのみです。

 

主階

ガウディ建築のエッセンスがここに凝縮。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/fasaguerr11.jpg

グエル邸の最大の見どころ、メインフロアー。 民間人から伯爵にまで上りつめたその財力。

また、スペイン上院議員としての権力。サン・ジョルディ王立美術アカデミー会員、カタルーニャ主義団体セントラ・カタラーの総裁にして、ガウディの最大の後援者と言う文化人としての顔。

それらの力を示すために、最も豪華に造られたのがこのエリアです。

このフロアーの中で際立って装飾の豊かな広間「中央大サロン」は社交的な交流行事や音楽会などが頻繁に開かれました。

 

待合のサロン

待合のサロンは中2階からメインホールに上がって最初にあるスペースで、このフロアーの全体のエントランスホールの役目も兼ねています。ここから邸宅の中核をなす中央の大サロンやプライベートサロン、更には建物裏のテラスに行くことができます。

通りに面した窓には大理石の3本の柱のアーチが掛かり、天井は熱帯地方産の木材、赤バラタを幾何学的に組み合わせた日本の書院建築の大広間などでよく見られる格天井(ごうてんじょう)でまとめられ重厚な空間を醸し出すとともに、建物の荷重を支える役割も併せ持っています。

窓のステンドグラスには、若い頃にイギリス留学経験を持つグエルが特に好きだったシエークスピア、その登場人物が描かれています。また、この待合サロン以外にも幾つもの部屋の窓に、同じ様にシエークスピアの登場人物を見ることが出来ます。

 

失われた歩みのサロン

中央の大広間へ自然光を取り込む為、開口部を出来る限り大きく取れるカテリーナアーチをここでも使っていますが、面白いのは、その柱が3本一組にまとめられていて、後ろの1本がアーチを、前の2本が上部のリンテルを支えていることです。

ここでガウディが三本の柱をまとめた理由は、相対的に狭かったこの空間を広く見せる為に3本の柱をその前後の区切りとし、更にアーチとリンテルを重ねることで、その向こうに疑似バルコニーを演出するためで、ガウディは人が持つ視覚効果を巧みに利用することにも長けていました。

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_3481aa-001.jpg 【リンテル】
リンテル(まぐさ石)とは古代建築で2つの支柱上に水平に渡されたブロックで、
上部の重量を支える役目を持っていました。日本の古墳にもよく見られるもので、ただガウディ作品の中では使われることは殆どなく、唯一と言えるのがコロニアグエル教会の入り口に使われた巨大な岩。

 

応接サロン

重厚な天井が特徴のグエル邸、その中でもこの応接サロンの天井はひときわ豪華。その過剰とも思える装飾は全面に金箔が貼られ、ムディハル様式を思わせる鍛造鉄の装飾が「鍾乳石飾り」と呼ばれる、その名の通り鍾乳洞の様に無数に下がり更にその先には宝石まで付いていると言う凝りようです。

天井を支えている梁の周囲には斜め格子の仕切り窓があり、ここではグエル家の人々が下から見られる事なく訪問者を覗き見ることが出来るようになっていました。

ここは訪問者に財力を知らしめる格好の場所として、またその豪華さに驚愕する姿を盗み見して満足する場所でもあったわけです。

悪趣味と紙一重と言う気もしますが、グエルに限らず当時のブルジョワとしてはごく普通の感覚でもありました。

 

吹き抜けの大広間

グエル邸の最大の見所、同時にこの邸宅の心臓部分にあたる中央のサロン。

ガウディは昔の大邸宅の基本構造と言える柱に囲まれた中庭の周囲に部屋が配置されるそのスタイルからヒントを得て、この吹き抜けのサロンを邸宅の中心に置きました。

また、この空間は宗教儀式や楽団を呼んでコンサートをするなど、多目的な用途に使うことも考えれていました。*360画像は指でグリグリ回したり拡大できます。

 

礼拝堂

敬虔なカトリック教徒であったグエルは、宗教儀式を行うために礼拝堂を邸の中心に設置することを考えましたが、ここで一つ問題が起きます。

それは、この空間が社公の場としてコンサートやパーティーなど世俗的な集まりに使うには、ここに礼拝堂はそぐわないと言う事です。

そこでガウディは2枚の大きな扉を付けいわゆる観音開きにして、必要のない時は閉められるようにし、その両立をはかりました。

 

天井ドーム

グエル邸の最大の見所、そしてガウディの生涯の作品を語る時に欠かせないのが高さ16メートル2階から4階まで突き抜けるこの天井ドームです。

トルコのアヤソフイア大聖堂にヒントを得たと言うドームは4つの足からなる放物線状アーチに支えられ、ドーム頂点の円窓、更にドームを構成する6角形の無数の板に開いた84の小さな穴から差し込む自然光は、まるで空から宇宙から神の後光が差し込むようにも感じます。

電灯が普及する前のガス灯が利用されていた時代に、神秘的ともいえるこの小宇宙を邸の中に作り上げたガウディ。これこそ他に類を見ない正に天才と言えるのではないでしょうか。

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/ayasofia.jpg 【アヤソフイア】
トルコ、イスタンブールにある東ローマ帝国時代に造られた大聖堂。ビザンティン建築の最高傑作と評価される建物。
天井部分は複数の大きなドームが連なった形状をし、それぞれのドームを囲むように設置されたまどから自然光が差し込みます。 

 

プライベートサロン

建物裏側に位置するこのプライベートサロンでは、家族や親密な友人達が歓談したり、娘達がピアノの練習をしたりしていました。

その奥には大理石アーチと出窓、それに沿ってベンチがありますが、当時は喫煙サロンとして利用されていました。

 

食堂

プライベートサロンの一番奥にあるのが食堂です。ここは、一般開放されておらずガラス窓越しからの見学となります。家族の中にも厳格さを求めた、グエルの気質がよく現れた食堂です。

 

裏のポーチ

建物裏側のファサードはグエル家所有の石切り場から切り出された石灰岩で作られ、デザインはいたってシンプル。そんな中でも特徴的なのが、木製のブラインドの上に設置された、クリーム色、水色、紺色の化粧タイルで出来た庇と樋です。

それはまるで両生類の熱帯性のカエルをイメージをさせる様な不思議なデザインの出窓となっています。

ちなみに、クリーム色の出窓は当時としては珍しい「ブリーズ・ソレイユ」と呼ばれるもので、これが付けられたのは建物の裏面がちょうど南側に位置し日中ほとんどずっと陽が差している場所だった為、その強い日射を遮るためでした。

また、この出窓の上にはグエル夫妻の寝室のバルコニーがありますが、よく見るとそこにも南京玉すだれの様な日除けがあるのが見てとれます。

solesole 【ブリーズ・ソレイユ】
もともとフランス語で「太陽を砕く」という意味です。 強烈な日射を遮るために設けられた庇状の鎧戸で 夏の強烈な日差しを遮り、冬の低い太陽光をうまく取り入れるための仕組みとなっています。
特に太陽光の強いアフリカ、東南アジア、南米、地中海沿岸地方などで今もよく見られます。

 

演奏者の間

ポーチからまた建物に戻ります。メインフロアーから階段を上がる途中に踊り場を広くしたスペースがあり、そこが演奏の間と呼ばれるところで特別な晩さん会の時などには、楽団や合唱団を招いて生演奏が行われました。

グエル伯爵の娘は音楽家であったため、この サロンには常に音楽が流れていた事でしょう。今でも運が良ければ不定期ですがパイプオルガンの生演奏を聴くことが出来ます。

 

2階、寝室のための階

http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/%EF%BC%91kokorogueee.jpg

グエル邸の二階(日本で言う三階)はメインフロアーから垂直に吹き抜ける空間、その周りに各寝室が配置されました。

特にその中でもグエル夫妻の寝室が一番広く取られ、また豪華に作られています。

尚、通路は吹き抜けの周りにそって配置してあり、そこには日本の住宅にありそうな障子の様な窓があります。

また、その窓からより間地かにドームの詳細がが眺めることが出来ますのでじっくり見られることをお勧めします。

 

階段、通路、居間

メインフロアーとは打って変わって、この階にある居間は家族の集まりや団らん為に設計されました。そのせいか下の階の様な肩の凝るような重厚さや、煌びやかさはありません。

また、グエルは10人の彼の子供達が厳格な環境で育つように、ここにはより簡素で機能的な空間をガウディに求めたと言われます。

尚、天井と暖炉の間にはめ込まれている絵画は「ハンガリーの聖エルジェーベト」の肖像画です。

 

グエル夫妻の寝室

グエルと妻のイサベルの寝室は邸宅の中で一番明るい南向きに位置しこのフロアーの後ろ側の大部分を占めています。

この当時の上流階級の夫婦は別の部屋で眠ると言う習慣に合わせて仕切り壁でスペースを2つに分け、その間にドアを付けました。

 

子供部屋&学習室

子供達の部屋と勉強部屋に当時の家具が展示されています。と言っても内戦の混乱を経て全ての家具は持ち出されてしまい、現在あるものはオリジナルでは無く、あくまでもその時代にブルジョワの家で使われていた家具を置いた物です。

 

子供の寝室と浴室

フロアーの後方、一番奥にあるのが10人いた子供の中でも特に幼い子供達用の部屋です。

現在、ここでははプロジェクターでグエル邸の歴史などの参考資料が映し出され、椅子に座って休憩がてらに見ることが出来ます。

またその横には当時の浴室がありますが浴槽などは撤去され何も残っていませんが、面白いのはその横にあるトイレで中国や日本の白磁器をイメージしたものとなっています。

 

展示場(最上階)

当時は洗濯場など使用人が使っていた最上階は展示場となっていて、グエル邸の資料がパネルで展示されています。

それ以外には特に見る物は無いですが、ガウディが好んで使うトレンカディス(破砕タイル)が、ここでは陶器の代わりにガラスが使われ採光を兼ねたステンドグラスとして使っています。

ただし、それ自体はドーム内から見る様に作られているので、ここで見ても特に綺麗とは思わないはず。

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2016/12/tenecade.jpg 【トレンカディスとは】
カタルーニャ語で破砕タイル又は破砕仕上げ全般を指す言葉。元々は降雨から壁を保護する目的に始まり、次第に装飾するために利用され一種のモザイクとして使われました。ガウディ以外にもこの時代に活躍した他の建築家も多用し、数多く残るモデルニスモ建築に見ることができます。
このグエル邸の後も、ガウディと言えばトレンカディスとイメージするほど、あらゆる作品でこの技法が見られます。

 

屋上

色鮮やかな煙突が立ち並ぶ屋上は、外観の簡素さや重厚な雰囲気の居住部分とは打って変わって遊び心が一杯。

カサ・ミラの屋上のオブジェ群でも分かるように、ガウディは屋上に対して常に特別な愛着を持っていて、彼の持つ前衛芸術的な要素をここで表現しました。

 

煙突

20本ある煙突のうち、レンガ製がオリジナルのもので、トレンカディス(破砕タイルと破砕ガラス)のカラフルな煙突は、破損が激しかったこともあり後年に修復されたものです。

また6本のむき出しのレンガの煙突は、使用人が洗濯物を干すテラスに配置されています。

尚、建設中のサグラダファミリアでも見かける、同じ様な果実をまとめたオブジェ(写真左端上)。サグラダファミリアの物は日本人彫刻が外尾氏が作ったものですが、それはこのグエル邸の煙突がモデル、コピーだったと言われています。

 

【煙突に込めた意味】

ガウディ建築にみられる特徴の一つとして、その奇抜な煙突があります。

建物の中では脇役でどうでもいい存在のはずが非常に凝った造りが多く、ガウディは煙突にかなりこだわりを持っていました。

一説には、魔物が家に侵入する際に煙突こそが一番の弱点と言う意識が中世の昔から人々にあり、ここを守る意味で荒々しく武器の様に尖った煙突にしたり、またカサ・ミラの場合では兵士の顔になっているのもその為です。

このカサバトリョの煙突も先がとがり横にはカバーが付いて、魔物が侵入できないように開口部を隠した造りになっています。

casamila0 【カサ・ミラ】★★★★★
ガウディが54歳の時に設計し1905年から1907年にかけて実業家のペレ・ミラと.…
IMG_2489 【グエル公園】 ★★★★★
ガウディの大スポンサーでもあり、理解者でもあったグエル伯爵が計画した…
http://i0.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2015/01/MAH000931.jpg?resize=100%2C100 【カサ・バトリョ】 ★★★★★
1877年にEmilio Sala Cortésによって建てられた建物を1903年から繊維業で.…
201501140624364fb 【カサ・ビセンス】★★★☆☆
ガウデイの初期の作品で他との違いは、直線的な構造の煙突が見れ…

 

尖塔

ドームの真上に位置し、その光源となる15メートルの塔。

頂部にはギリシャ十字、その下部にはコウモリと太陽の風向き計、更にその下が避雷針となっていて、球形から延びる大きい4本の針が東西南北を表しています。

尚、あまり知られていませんが風見鶏の仮にその役をしているコウモリ。

昔のバルセロナでは、コウモリが街のシンボルでした。尚、ここ以外では凱旋門の壁面でもコウモリを見ることが出来ます。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/gaisennmonnn.jpg 凱旋門】
バルセロナ万博が1888年に開催された際にモニュメントとして….

 

ショップ

売店は地上階、昔は馬車置き場だったところにあります。

置いてある商品数はやや少なめで、ここに限らずバルセロナの観光スポットのお土産店はどこもそうですが、グエル邸グッズ以外のガウディ作品の関連グッズも同時に多く置いてあります。

そんな中でグエル邸ならではの商品としては、置物に良さそうな煙突のミニチュア、定番とも言えるマグネット類。あと、書籍、子供用に塗り絵、T-シャツ、エコバッグなど。

 

フォトムービー

主な見どころをまとめたフォトムービーを作ってみました。

 

入場方法

グエル邸の入口はバルセロナ一番の繁華街ランブラス通りから、Carrer Nou de la Rambla 通りに少し入ったところにあり、近くにはリセウ劇場、レイアール広場、コロンブスの塔、更に老舗のタブラオとして知られるコルドベスがあり、旧市街の観光スポットのメインに位置しアクセスは良好。

チケットオフィスはグエル邸に向かって左手側にあります。

当日券を購入される方は、最初にチケットを購入してから入り口に並んでください。入場は15分区切りの時間指定制となっていますので、チケット購入時に希望時間を指定して下さい。尚、現地購入時に予約時間を指定せず、何も言われなかった場合は購入直後の入場予約になります。

通常は問題なくその場で入場チケットが買えますが、夏場のハイシーズン中に希望の時間帯で確実に入場したい方は、事前にオンライン予約をお勧めします。ただもし万が一、直後の入場チケットが売り切れていても、15分後、30分後の入場枠は空いている場合がありますので、そういう意味では他のガウディ建築より空いています。

IMG_0113 【グエル邸 チケット予約方法】
グエルの邸のチケットの事前購入方法を、出来る限り分かり易く解説します。
IMG_3568 【ランブラス通り】★★★★★
グエル邸への入り口とも言えるランブラス通りはバルセロナで一番の繁華街。
CIMG1245 【リセウ劇場】★☆☆☆☆
ランブラス通りの中間地点に建つ、荘厳な建物のリセウ劇場はオペラのメッカ。
CIMG1214 【レイアール広場】★★☆☆☆
旧市街ゴシック地区の中心と呼べる広場はいつも賑やか、周りを取り囲むレストランには…
IMG_0040 【コロンブスの塔】★★☆☆☆
カタルーニャ広場からランブラス通りを降りてくると、終点に高くそびえ立つ塔。
1-cordobes 【タブラオ・コルドベス】★★★★★
ランブラス通りにある老舗のタブラオをバルセロナでも一番と評判のショーが見られます。

 

まとめ&アドバイス

見学の所要時間目安は60分〜90分ほどです。建物自体はそんなに大きくはありませんが部屋数が多く、普通に見て60分じっくり見ていくと90分とそれなりに時間が掛かります。

見どころの中心となるのは地下、メインフロアー、屋上の3ヶ所で、特に天井ドームがクライマックスとも言えるのでゆっくり観賞してください。あと、写真撮影は午前中は建物の裏側(南側)にある部屋は窓からの光で撮りにくいかも知れません。

グエル邸はガウディが作った住宅、カサ・バトリョやカサ・ミラの様なモデルニスモの派手さは無く外観からも分かるようシックな建物です。ただ初期作品が故に、過去の建築様式から脱し切れていない面もありますが、後年のサグラダファミリアにも通ずるメインフロアー中央のドーム天井などはガウディ好きなら是非見てもらいたい傑作。

人気的にはサグラダファミリア、グエル公園、カサ・バトリョ、カサ・ミラのその後となり、訪問される方は少ないですが、ある意味ガウディ作品の中の穴場と言って間違い無く個人的にはお勧めです。

尚、毎月第1日曜日と、4月23日、6月10日、9月11日、12月15日が無料日となっています。

ただし完全予約制ですので、公式サイトの通常の予約ページからおこないます。予約の受付開始は、無料入場日のちょうど1週間前からで、その日の日本時間の18時頃に予約ページにアクセスしてみて下さい。

 

【最後に…】

この記事を読まれ役に立ったと思われる方、バルセロナで一番クオリティーが高いフラメンコショーのタブラオ・コルドベスの予約代行を公式サイトで予約されるより僅か1ユーロですがお安くやっています。、観に行かれる予定の方は弊社にてお申込みく頂けると、バルセロナウォーカー記事更新のカンパになるので是非お願いいたします。詳細はここ

 

 


お勧め度:16点/20点
★★★★☆(4.0)


 

住所 C/ Nou de la Rambla, 3-5 【地図&行き方】
URL http://palauguell.cat/come-palace-japanese
料金 一般€12、学割€9.00、10歳~17歳€5.00、9歳以下無料
時間 4/1〜10/31 10:00~20:00、 11/1〜3/31 10:00〜17:30
*チケット売り場は閉館時間の1時間前まで
休館:月曜、1/1, 6、1月最終週点検のため休館、12/25, 26
最寄り駅 メトロ3号線 リセウ駅から 徒歩約5分
無料日 毎週第一日曜日、2/11, 4/23, 5/20, 9/11, 9/24
所要時間 1時間

 

 


記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2024.02.14

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