観光客の爆発的な増加に伴い、どこの観光スポットも大変混雑しているバルセロナ。
その混雑はバルセロナ市内のみならず、日帰りで行ける観光スポットとしては一番人気のモンセラットにも同じ事が言えます。
ここでは、混雑期のモンセラットをゆっくり楽しむ裏技を解説していきます。
目次
概要
実際に岩山の上にある教会へ着くと溢れんばかりの観光客、シーズン中は名物の黒マリアを見るのに1時間も行列に並ぶ事もしばしば。
また、天使の歌声と言われ、ヨーロッパでも最古歴史を誇る少年合唱団が歌うミサも、教会内は観光客が溢れスマホ写真を撮り人で前が見えないほど。
そんなカオスと化しているモンセラット観光ですが、実は必殺の裏技が存在します。
カオスの元凶となっている多くの日帰り観光客のウラをかき、モンセラットに1泊すると言う方法で全て解決。
ここでは、モンセラットで宿泊する場合の唯一のホテル「Hotel Abat Cisneros」に実際に泊まって検証し、更に1泊する場合の旅程の組み方も併せてここで詳しく解説していきます。
日帰観光と泊りの差
日帰り観光する場合 | 一泊し観光する場合 |
バルセロナ市内と変わらない混雑 | 教会をほぼ独り占め |
守護神黒マリアは 長蛇の行列 | 待ち時間ゼロ! |
人で一杯でよく見えません | 最前列で少年の歌声に感動 |
13時のミサは、あまりに多すぎる観光客スマホだらけの光景 |
まず、最初に状況説明のために左右に13時のミサと、夕方18:45のミサとを並べその差を対比させました。
違いを見て頂くと分かりますが、それは全くの別世界で特に観光13時におこなわれるミサは、春から秋の観光シーズン中は正に俗物と化しています。
神様に祈るミサにも関わらず、席の取り合いや「見えない邪魔だ!前をどけろ!」と言う様な小競り合いが観光客の間で起きる始末で、見ていて本当に悲しくなるほど。
余裕の日程で旅行されている方、また2度目のバルセロナの方には夕方のミサをお勧めします。
日帰り夕方ミサ
Montserrat(頂上駅) Ministorol-Vila(途中駅) Monistrol de Mntserrat(バルセロナ行き電車の乗り継ぎ駅) | |
冬季と夏季、また平日と週末で終電時刻が大きく変わります |
ところで一泊しないと夕方のミサは見れないのか?
と言うと、季節によっては日帰りでも行くことが可能です。
ただし、微妙なのは季節にもよりますがミサが終電30分前ギリギリに開始されると言うことで、もし乗り遅れてしまうと山に取り残されかねない危険性を含んでいるという点。
モンセラットからの下電車りの最終時刻をまとめてみると以下。
季節 | 平日の終電 | 土、日の終電 |
冬季 | 18:15 |
19:15 |
春、秋 | 19:15 |
20:15 |
夏 | 20:15 |
20:15 |
ここで分かるのは、冬季の平日(灰色)の場合はミサがスタートする時間には終電が既に出てしまっているので完全に無理。
次に冬季の週末(緑)と春秋の平日(青)ですが、これだと終電は19:15なので聞けないことも無いですがミサの途中で出て駅に向かう必要があり、また迫りくる終電時間をカウントダウンしながらでは落ち着いて座ってもいられません。
そんな中で唯一可能なのが、上のカレンダーの赤の日の20:15終電の期間。
ただしこの期間の大半にあたる6月の末から8月末までは聖歌隊は夏休み。
またそれ以外の(赤)の期間でも基本土曜日はお休なので、9月の第一週を除くと3月末から10月の日曜の夕方ミサのみとなります。
ただ、この20:15の終電で帰る場合はバルセロナに着くのは夜10時。
実際に日帰り夕方のミサに参加(動画下)して20:15の最終で帰った感想としては、バルセロナ着いてから夕食へ行くのも大変ですし体力的にもへとへとでかなり厳しく、正直せっかくの少年合唱団の歌声の余韻も半減、ただ疲れた印象だけが残りました。
まとめると。。。
時間に余裕がないばかりか、バルセロへ戻るのがかなり遅くなって疲れることもあり、当サイトではベストと言える次の方法を紹介お勧めします。
岩山直下のホテル
ホテルの真後ろに巨大な岩山がそびえ立つ様は圧巻 | |
建物の真ん中にある小さな玄関 | 取り敢えずチエックイン |
夕方に着いてモンセラに1泊。これだと終電を気にする必要もないですし疲れも皆無。
また夜の静まり返ったモンセラットは下界とは別世界の本来の修道院モンセラットの姿と、決して昼間の観光では知ることが出来ない経験が出来ます。では、ここでは滞在することになるホテルについて検証してくと。。
まず、場所は教会前の広場の横、登山電車の駅からだと徒歩4分程です。
また、その後ろには巨大な岩山がそびえ立っ姿は圧巻。
日本と違い地震がないので安心ですが、それにしても凄い立地に作ったものと感心します。
ホテルの表側と裏側
廊下の両脇に部屋が並びます | ホテルの裏を見ると。。 |
窓のすぐ前までせり出している岩 |
建物は5階建てで、2~5階部分が客室になっていて合計82部屋。
構成はツインとダブル、シングルとありますが、その中には建物がそびえ立つ岩山の前にくっ付く様に建っていることもあり、窓から見える景色は岩だけという部屋も存在します。
現在、シングル部屋にこの岩側の部屋が割り当てられているようです。
なので、眺めを希望するなら高いホテルでは無いので、お一人でもダブルの部屋を予約して泊まらると良いかと思います。
客室(教会側)
部屋の窓から真下に教会の広場そして岩山が続く景色 | |
部屋のサイズは普通 | 全体的に見ての通りシンプル |
アメニティは貧弱 | シンプルなクローゼット |
部屋に関して述べると、窓からの眺は素晴らしく、教会、広場、山並み、更に麓の街までが見渡せます。
部屋に関しては、3星ホテルという事もありシンプル。
そうは言っても、山の上と言う特殊なロケーションを含め決して高くない料金からすればコスパ敵にこれで合格点。
ただし、1点だけ不満が残ったのはアメニティ。スリッパが無いのはよくあることですが、歯ブラシ、はともかく シャンプー、リンスすら無いのは幾らなんでも貧弱すぎ。
宿泊される方は必ずそれらを忘れず持って行く必要があります。
*後日、行かれた方からアメニティがあったと言う報告も頂きましたが、同時期に無かったと言う他の方からの報告もあり微妙。
取り合えず用意されていかれることをお勧めします。
レストラン
料理(ディナー)はセットになったコースメニューとアラカルトの2本立てになります。個人的には好きなものを選べ、量の調整がしやすいアラカルトメニューかと思います。
ただ、お腹一杯食べたいならセットメニュー(21€+消費税)はデザートまで入っているので良いのかも知れません。
ところで、ここのレストランで過去に食べた日本人のレビューを読んでみると、美味しいと言う人と不味いと言う2つの全く異なった意見があります。
20年間スペイン料理を食べ続けている私からすると、確かに特筆するような美味しさは無いです。
ただし不味いというようなことは決してなく、これすなわち地元のスペイン人が普段レストランで食べる平均レベルの料理と言うのがその答え。
もちろんバルセロナにはもっと美味しい店もありますが、山の上で他にレストランの選択枠がある訳でもないなか、ドリンクなどの料金も良心的でリーズナブル。
これはこれで十分に良いかと思いますし、ダイニングを仕切るマネージャーのおじさんは最近では珍しくプロの仕事が出来、更にとても親切で好感を持ちました。
夜空を眺め、まったり
食事の後に夏なら広場のベンチ、寒い季節なら部屋から星空を見るのがお勧め。
天気にもありますが、山の上にあるせいもあり、バルセロナでは見られない夜空を楽しめます。
朝食はシンプルだが必要十分
朝食はレストランの奥の食堂で取ります。
どこでも見かけるビュッフェタイプで、バルセロナ市内の4,5っ星のホテルなどに比べると3星ホテルなので多少シンプルにも見えますが、個人的にはこれで十分と感じました。
また、地元スペイン人達のレビューでも良いようです。
モデルコース
こんな感じで旅程を組んでみました。
1日目、ホテルを一旦チエックアウトしますが、荷物はホテルへ預けて午前中の市内観光に出ます。
観光が終わったら14時頃を目安にホテルに戻り、前もって分けて置いた1泊分の荷物を持ってモンセラへ向かいます。
この時、大きなスーツケースはホテルに預けて置きます。
もし、モンセラットから戻って来た次は違うホテルと言う場合は、事前にそのホテルへ預けに行くか、駅のコインロッカーなどに預けると良いでしょう。
バルセロナ発はスペイン広場駅からの電車を15:36に乗ります、すると17時にはモンセラットに着きますので、そのままホテルに直行しチエックインします。
18時過ぎにミサが始まり18:45 から少年合唱団の歌があるので、それまでちょっと休憩を取りそのあと教会へ行き黒マリアなどをかるく見て回ります。
ミサの後はホテルに戻ってシャワーを浴び食事にレストランへ行きます。
そして食べたあとは、満天の星の夜空を見ながら一日の疲れいやします。
翌朝は7:30にミサがあるのでそれに参加します、この時間は本当に人が居ない時間帯で貴重な経験とも言えるでしょう。
あと、ミサが終わればもう一度教会内黒マリアを見て回るのもお勧めです。
次にホテルに戻り朝食を取り、そのあと部屋に戻ってちょっと休憩、ついでにトイレも済ませます。
出る支度が整ったら、荷物をまとめレセプションへ。
チエックアウトで精算を済ましますが、ここで一旦荷物を預かってもらい身軽になってから観光に出ます。
日帰りなら、時間の関係で省略してしまいがちな所、例えば以下へも行ってみてもいいでしょう。
具体的なコースとしてはケーブルカーに乗ってサンジョアン祈祷所へ行きますが、ケーブルカーの始発が10時なのでそれまでに時間がある人は先にサン・ミゲル展望台(往復40分)も良いでしょう。
それらが観終われば今度は山の下にるサンタコバまでまたケーブルカーに乗って行き、それで観光は一応終わりとなります。
モンセラットで昼食を取る方は、ビュッフェレストラン(冬場はお休み)があるので、そこで昼食を取った後にホテルへ荷物をピックアップし、そしてバルセロへの帰途へつきます。
動画解説
まとめ&アドバイス
これまで何十回と訪れていたモンセラットですが、今回初めて宿泊して正直驚き感動しました。
昔なら観光するのに日帰りで行けるので宿泊してまでとは、さすがに考えなかったのですが宿泊することによって、近年爆発的に増えた観光客により失われていたモンセラット、その本来の良さが実感できました。
日帰りで早朝ホテルを出て日中フルに観光してクタクタになるのなら、ちょうど観光客が帰る時間にモンセラットに着いて人の居ない静かな本来のモンセラを楽しむのが間違いなくお勧めです。
ホテルのアドバイスとしては、基本シングルだと岩山側の部屋になり、その場合は窓から岩しか見えず、また3人部屋はありません。
尚、宿泊プランは普通は朝食付きなのでそれを選びます。2食付きプラン(ディナー付き)もありますが、お仕着せのセットメニューより自分の好きな料理をメニューから選ぶ方が良いかと思います。
その際は量が多いので、少な目に注文して足りなければ後で追加するのがコツ。時間がゆっくり流れる山上のレストランですからこそ、ゆっくり食事を楽しんでください。
あと宣伝になりますが、もし日帰りで夕方のミサを見たいと言う方はバルセロナウォーカーが主催するオリジナルツアーをご利用されてみてはいかがでしょうか。
専用車でホテルまでお出迎え、お送り。途中は当サイトを運営するカミムラもしくは、弊社日本人スタッフが同行しますので安心ですし終電の心配もなく帰りは後部シートで寝て戻れます。更にこのツアーにはモンセラット以外にグエル教会、ワイナリー見学と試飲、地元スペイン人に人気のレストランでのランチまで全部含まれています。
【厳選、お勧めオリジナルツアー】 ホテルまでの送迎がついているのでドアツードアで安心、そして楽ちんの欲張りツアー。 |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
この記事を書いた人:アキモト
日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.10.20
関連記事。
ピックアップ記事。
観光記事一覧
基本情報記事一覧
レストラン記事一覧
ショッピング記事一覧
エンターテイメント記事一覧
【サッカー情報】 バルサ。世界屈指の人気チームを中心に解説します。 |
【フラメンコ情報】 本場アンダルシアに負けず劣らずのレベルの高いフラメンコがここでも見れます。 |