日本にはないチップですが、バルセロナにはこの習慣があります。ここでは、どう言う場面でどれぐらい渡すべきかを解説していきます。
はじめに
個人旅行で初めてバルセロナに来られる方は、あらかじめ知っておかなければならい知識の一つ。ただしバルセロナのみならずスペイン全土どこでもチップは、本当のところあまりうるさくありません。日本人が持つ外国のチップのイメージからすると、それは大分違うスペインのチップ事情。
誤解の元凶アメリカ式
多くの日本人が思っているチップの習慣とは、アメリカでの事を指しているようです。しかし、スペインを初め他のヨーロッパの国の人々から見ると、 アメリカ式のそれは非常に特異なもので独特。
アメリカでは半ば強制的に支払額の何パーセントと決まっていますが、本来チップとはそう言うたぐいのものではなく、チップはあくまでもサービスに対しての、日本で言うところの心付
なので、アメリカの様にチップがレストランで働く ウエイター達の収入の一部として既に組み込まれているようなことなどは決してありません。また、当然ですが決まりでも義務、ましてや何パーセントなど決まったものはありません。
ちなみに、世界でも稀に見る特殊なチップ事情は、国の歴史が浅いことが原因かと思われますが、その間違った認識を一旦忘れて下さい。では次に、そのチップ(こころづけ)の置き方について順番に説明します。
カフェテリア、大衆バル
カタルーニャ広場のカフェテリア(例)Zurich | 大衆バル(例)立ち飲み系のCova Fumada |
ピンチョスバル(例)Takutika-Berri | 甘味処(例)Granja La Pallaresa |
ここではオマケと言っても存在しているスペインのチップ、それについての一応の目安を述べます。まず一番下のカテゴリーから解説すると、コーヒー1杯もしくはビール1杯を軽く飲むのに利用するカフェテリアや大衆バル。それに菓子パンやチュロスなどの甘味処、また自分選んでサクッと食べる日本の回転寿司にあたるピンチョスバルなどもこのカテゴリーに入ります。
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これらの店の目安としてはお釣りに帰って来た小銭もしくはその一部を置くと言うレベルの話で常識的には1€までの小銭。お釣りに1€以下の小銭が入っていなくて、財布になければその場合は特に置かなくても問題ありません。
こう言うと「一切チップを置かないのは心苦しく思う、または店のウエイターさんに嫌な思いをさせる」と考える人がいますが、そんなのは全く無用な心配でスペインのカフェテリアやバルのウエイター達はそんな事など気にもしていません。
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次はカフェテリアやバルでランチ(定食)を食べた時、また夜に地元のバルでタパスを 軽く何品か食べて飲んだ時はどうかと言うと。支払は二人で20€程の食事ならチップは二人で1€ぐらいで十分ですし20€を越えたからといっても特に増額する必要もありません。また、一人での食事なら0.5~1€と言うところです。
一般的なレストラン
次にレストランですが、最近の流行そして主流でもあるレストランバルもこのカテゴリーに入ります。ここでは、チップの目安は支払額の5%ぐらいとします。
例をあげると写真左上のレストラン「Embat」はコスパの良さで知られるビストロで、ランチに前菜とメイン、デザートは食べず、あとワンドリンク+カフェとして大体50€程になるので、この場合なら50€×5%として=2.5€。0.5は半端なので3もしくは2€。また夜食べると料理が大体3割程UPしますが、それにワインを1本20€程の物を選んで水にカフェを入れて大体100€弱、これなら100×5%=5€のチップ。
ちなみにバルセロナに5%ルールと言うようなものは実際には無いのですが、日本から何も分からずにバルセロナに来る観光客の方には、この5%の計算式が一番シンプルで分かり易いと思いますし、これならまず間違いはありません。
ところで、写真右下はワインバー「 Monvinic」ですが、ここで食事しないでワインだけをを2,3杯飲むとします、基本バルで飲むドリンクだけなら端数の小銭でいいのですが、私ならレストランと同じ5%ぐらいは置きます。
理由は雰囲気と店の格と言うのでしょうか、サービススタッフも全員ソムリエですし、それは街場のバルとは違うと言う事でレストランと同列に扱います。と言うわけで、店の雰囲気サービスによっては多少調整するといいでしょう。
高級レストラン
世界レストランランキング1位にもなったジローナのEl Celler de Can Roca |
最後は、最高級ランクのレストラン。ここも基本は支払額の5%で問題ありません。例えば二人でミシュランの1つ星で食べて、ワイン1本の値段によりますが大体250€程。写真上の3っ星の「Celler de Can Roca」でしたら2人で700€程でしょうか。これも単純に計算して、一つ星なら200×5%=10€。3つ星なら700×5%=35€ですが、5が切りが悪いので40か30€にします。
こう書くと20と30じゃ10€の差があると言う人がいるかも知ませんが、このレベルのレストランなら10€ぐらいどうでもいい訳で、それはその人が決めれば良いことです。正直もっと切の良い数字の50もしくは100€でチップを置く人(アメリカ人)も多く見かけます。また、こんなところで千円、二千円の金を気にするのは情けないですし、それなら行かない方が良いと思います。
タクシー
基本的にはチップは渡す必要はありません。ただし、私の場合は小銭で財布を膨らますのが嫌なので1€以下の小銭はもらわず、ドライバーに取っておいてもらいます。日本人旅行者の場合は、スペイン語で小銭は取っておいてと言える人は殆どいないと思いますので、あげない、もしくは感じが良いドライバーならお釣りをもらった後に1€渡すで良いかと思います。
また、例えばタクシーに乗って4.60ユーロだったら5ユーロ渡す、8.75ユーロだったら9ユーロ渡し、サンキューぐらいの英語はどんなドライバーも分かるので、そう言って半端の小銭の釣りは受け取らずに下車するのも良いでしょう。
ホテル
まず、最初に日本人が勘違いしているのにあるのが枕チップですが、その様な習慣はバルセロナで18年ホテル業で働いた経験から言うとここスペインには一切ありません。
ベッドの枕元に置いても通常ハウスキーパーは、そのお金を取りません。理由はそれがチップかどうかメモでも置いて無い限り分からないですし、もしチップでなかった場合は窃盗となり職を失いかねないリスクをはらんでいるからで、触らぬ神に祟りなしと言うことで手を付けません。
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もし、渡したいのであればチエックアウト時にメモ用紙にGRACIAS(ありがとう)と書いてその上にチップを置くと良いでしょう。あと、想定されるケースとしてはチエックイン、チエックアウト時に部屋まで荷物を運んでもらう時。これはあげても良いしあげなくても良いというところで、あげるなら1~2€で十分。まあ、それがもったいないと思うならあげなくても問題ありません。
まとめ&アドバイス
まずレストランは既に述べましたがチップの収入に依存している様なウエイターは、最高級でレストラン支払いが数百ユーロでもない限りスペインには殆どいません。バル、カフェテリア、庶民的なレストランや街場のバルレベルでは客が置いて行った小銭が数日分貯まって彼らのタバコ代になるかならないと言うところなので、あまりガチガチに考えたり気にする必要はありません。
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ここが重要なポイントなのですが、ある程度のチップを置くのが客としてはスマート。また地元スペイン人も少額でも置いているので、その辺は適当に白けない範囲で。
私達、日本からの旅行者は難しい事は考えずに5%にしましょう。本来は心付け、オマケと言っても店のレベルや格、またサービスの本質で変化するそれに初めてバルセロナに来る日本人が見抜くのは不可能なので5%と統一して良いかと思います。
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この店のこの料理、このサービスは素晴らしいと思えば本当はいくらでもOKで、それがチップの本来の姿だと思います。逆に、これはないだろうと言う様な料理、悲しくなるような、怒りが湧いてくるような料理だと、たとえウエイターがどんなに感じが良くても1セントも置く必要はありませんし、そこで5%にこだわるのは相手に私はマヌケで大バカ者ですと自分で言っているようなものです。
あと、タクシーについては述べた通り基本は要りません。ホテルも基本は同じで枕チップなんて、おまじないか”こっくりさん”じゃないんですから、そんな気持ち悪いことはしない方が無難です。
まあとにかく、誰もが最初は分からないですし数年住んでる日本人留学生ですら、よく解っていないのがこのチップ。気疲れしない範囲で、適当にで大丈夫です。
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.10.13 |
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