フラメンコ自体はスペインのアンダルシア地方が本場ですが、経済力のある大都市に人も物も流れるのは東京に全てが集中する日本と同じ。
なので、マドリッドと並ぶ大都市のバルセロナでも本場アンダルシアに劣らないかそれ以上のフラメンコを見ることができます。
ただ、注意が必要なのはそうは言ってもレベルの非常に高いものから、そうでないものまで様々。
加えて特に近年、観光客が爆発的に増加しそれに伴い、フラメンコショーが観れるお店が増えて一体どこが良いのか迷うこととなっています。
今回、バルセロナ市内のフラメンコショーを実際に訪れ、6つの項目に分けぞれチエックし最終的に順位を付けてみました。
これからバルセロナでフラメンコを観られる方は参考にしてみてください。
観れる場所
ここではアクセス、料金、踊りなどの6つの項目で比較し順位付けしました。また、それぞれ上位になったその理由、更に下位になってしまった理由についての説明もします。
検証にあたっては、なるべく良い席で観れるように食事付ショーを選択。またショーのみで食事の無い店は、料金の一番高い見やすい席を選んで比較しました。
尚、ここで紹介している店以外に、あと2,3軒フラメンコショーが見れるところがありますがあまりにも評判が悪い店、営業しているのか休業なのか電話を掛けても誰も出ず確認すらできなかった店などは除外しています。
比較1 アクセス
上位3軒はランブラス通り沿いに位置する、いわゆるバルセロナのメインエリアでアクセスに関しては申し分ありません。
ただしそれ以外でも例えばカタルーニヤ音楽堂の【パラシオ・デル・フラメンコ】やボルン地区の2軒【エスパイバロック】【レストラン ネルビオン】も、バルセロナを代表する観光エリアの一つに位置し、日本人旅行者にとってもアクセス的に問題ない立地ですので気にする必要は無いでしょう。
スペイン村にある【タブラオ・デ・カルメン 】だけは飛びぬけてアクセスが悪く、特に帰りの暗い夜道を観光客が地下鉄駅まで歩くわけにも行かず安全面からもタクシー利用が前提となり、よってここを最低評価としました。
比較2 店の雰囲気
【アルテフラメンコ】は本来、フラメンコを観賞する場所とは言い難い大箱のカタルーニャ音楽堂での開催ですが、世界遺産でフラメンコが見れると言うのはポイントが高くここを1位とします。
2位のタブラオ・コルドベスは専用劇場ということもありフラメンコ鑑賞についてはここが一番向いています。
3位の【エスパイバロック】は中世の雰囲気残る屋敷跡というのが他店にない面白さで、その点を評価しました。
ロス・タラントス、フラメンコ・バルセロナなどはライブハウスだったりして、本来フラメンコを楽しむ上で重要となる情緒など微塵も無く、その点で評価を大きく下げました。
比較3 見やすさ
上記の3軒が比較的小規模、またフラメンコ専用の劇場という事で他に比べ観易く高い評価をつけました。
またそれ以外にも【ロス・タラントス】【タブラオ・デ・カルメン】なども小規模劇場なので、席にもよりますがステージまでの距離も近く悪くありません。
尚、ここではあくまで食事付の席として評価してますが、ドリンク付きのショーの場合はお店によっては非常に見辛い席となりますのでその点は注意して下さい。
【パラシオ・デ・フラメンコ】はステージの位置が高過ぎるのが致命的、それはフラメンコ鑑賞には正直向いていません。
また、最下位の【アルテ・デ・フラメンコ】は、雰囲気抜群の世界遺産とは言うものの大劇場でフラメンコを観るのはやはりどう見ても邪道です。
更に付け加えると本当の意味で踊りの見やすい席は、ステージまでの距離が近い一階席正面のほんの数列のみしかりません。
あと今回の検証の途中に気になった、どぎつい原色のネオン照明。
【ロス・タラントス 】【パラシオ・デル・フラメンコ】の2軒が酷く、その点においては2軒が最低評価に値します。
比較4 ショーの満足度
基本的にモダンダンスやバレエを取り入れた創作フラメンコより、今回は本物志向のフラメンコに高評価を与えました。
その中で1位の【タブラオ・コルドベス】はダントツで他を圧倒。
2位の【タブラオ・デ・カルメン 】も本物志向ではありますが、1位に比べると少し見劣りするのでこの順位としました。
3位の【パラシオ・デ・フラメンコ】は、ショーの内容は創作がかなり入っていますが、誰にでも楽しめるようにと言う工夫は評価できると思います。
【フラメンコ・バルセロナ】は踊り自体は悪くはありませんが、構成が単調で今一歩。
8位【エスパイバロック】は上位の店に比べ踊り手、演奏が1ランク下のまるで研修生レベルで物足りなさを感じます。
9位【レストラン ネルビオン】に至っては町内会祭りレベルで、ここで期待してもしょうがありません。
比較5 食事
まず初めに、フラメンコショーでの食事はどこで食べても大したことはありません。
重要なのは、食事付と食事無しでは観賞する席に大きな違いがでることで(食事代=席代)の一部と考える必要があります。
そんな中でも自分で料理が選べるビュッフェ形式の食事を唯一採用している【タブラオ・コルドベス】が、まだましという事で1位にしました。
比較6 料金
料金に関しては安いグループと、高いグループがハッキリと2つに分かれます。
上記の1~3位に加え【フラメンコ・バルセロナ】を加えた4軒が安いのですが気を付けなければならいのは、ショー踊りのレベルも値段に比例して低い傾向にあります。
【パラシオ・デル・フラメンコ】【ボデガ・デ・フラメンカ】は、ほぼ横並びの料金で大差はありません。
最下位の音楽堂は席の良し悪しにより値段の幅が大きく、ある程度の観やすい席を選ぶと食事もドリンクも何も付かないにも関わらず50€程になり、その点では一番高くなります。
ただ、ショーが始まる30分程前から世界遺産の音楽堂内を無料で見学できるので、その点をどう考慮に入れるかによっで違ってくるかと思います。
総合評価
*5点満点評価
まとめ、アドバイス
結論から言うと【タブラオ・コルドベス】が他を圧倒しており、バルセロナでのベストと言って間違いありません。
次に2~4位までは、それぞれ僅差で観られる方の好みによるところが大きいかと思います。
【パラシオ・デル・フラメンコ】は、創作を多く取り入れ誰にでも楽しめるように工夫されているのですが、ステージが高い上に大箱すぎ温泉街の昔ながら劇場のようにも見えるのが欠点となっています。
【アルテ・フラメンコ】は世界遺産のカタルーニャ音楽堂で観れると言うのが最大の魅力ですが、落語を2,000人も入る大ホールで見るようなものでフラメンコを観るには最も不敵当な劇場の一つです。
【タブラオ・デ・カルメン】ショーのレベル的には2位でもよかったのですが、場所アクセスが悪いので順位を下げました。
次の5~8位まではいわゆるお安く簡単に観れるフラメンコで、店側もそう言う客をターゲットにショー構成をしていて一般的にレベルは一段落ちるものとなっています
アドバイスとしては。。。
ショーは値段に正直で、安くて良い素晴らしいと言う様なものはありません。
そんな中で、一番重用になるのはどれだけ自分がフラメンコに興味があるか無いか。
せっかくスペインに来たんだからちょっと見てみたいけど安い方が良いと言う方には、そのカテゴリーの店の中から1軒選んでサクッと見ましょう。
また、せっかく見るんなら本格的なのをと言う人はそのカテゴリーの中から店の特徴、長所、短所などを参考に選ばれるとよろしいかと思います。
あと付け加えるとよくある質問に、フラメンコの本場はアンダルシアじゃないですか?
答えとしては確かに本場ではありませんが、冒頭で述べた通りバルセロナでも本場アンダルシアに劣らない、もしくは本場以上のフラメンコを見ることができます。詳細は長年踊られている方達が動画を内で語られています。
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.12 .19 |
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