
バルセロナから電車で約1時間。カタルーニャ州北部にあるジローナは、ジローナ県の中心都市です。
日本人旅行者にはまだそれほど知られていませんが、ヨーロッパからの旅行者には人気が高く、中世の街並みが美しく残る町として知られています。
旧市街には、大聖堂、城壁、ユダヤ人街、石畳の路地などがまとまって残っており、ただ歩くだけでも十分に楽しめるのがジローナの魅力です。
今回は、初めてジローナを訪れる方に向けて、旧市街の主な見どころと歩き方を紹介します。
目次
概要

※現在のジローナ大聖堂は、かつてローマ時代の神殿があった場所に建てられています。
ジローナの歴史は古く、この地に最初に定住したイベリア人の時代までさかのぼります。
その後、ローマ人によってこの地に「ゲルンダ(Gerunda)」と呼ばれる都市が築かれました。ローマ時代のジローナは、イベリア半島を南北に結ぶ街道沿いの町として発展していきます。
やがて西ローマ帝国の衰退後、街は西ゴート王国の支配下に入り、その後、8世紀にはイスラム勢力の影響下に置かれました。
その後、中世ヨーロッパで大きな力を持ったフランク王国のカール大帝が、イベリア半島北東部へ勢力を広げます。ジローナもその過程でフランク王国側に組み込まれ、これが後のカタルーニャ形成につながる重要な転換点の一つとなりました。
また、ジローナはフランス国境に近い戦略上重要な場所にあったため、歴史上何度も戦いの舞台となりました。美しい旧市街の背後には、そうした国境の町ならではの複雑な歴史も重なっています。
ジローナ駅から旧市街への歩き方
バルセロナから電車でジローナへ到着したら、まずは駅から旧市街を目指します。ジローナ駅から町の中心部までは徒歩で約15分ほど。道は比較的分かりやすく、初めて訪れる方でも歩きやすいルートです。
ここでは、ジローナ駅を出てから旧市街の入口となるオニャール川周辺までの歩き方を、順番に解説します。
ジローナ駅から旧市街へ

バルセロナからジローナへは、サンツ駅、またはパセジ・ダ・グラシア駅から電車でアクセスできます。通常の電車では約1時間半弱、高速鉄道AVE・Avantを利用すれば約40分で到着します。
ジローナ駅から旧市街の中心部までは、徒歩で十分アクセス可能です。
駅を出たら、正面にあるバスターミナルを左手に見ながら進み、バルセロナ通りを北方向へ歩きます。そのまま直進し、突き当たりを右へ曲がってノウ通りへ入ると、やがてオニャール川が見えてきます。
このオニャール川を越えた先が、ジローナ旧市街の入口です。駅からここまでは、ゆっくり歩いても15分ほどです。
橋を渡るとジローナ旧市街へ

オニャール川に架かる橋を渡ると、いよいよジローナ旧市街に入ります。
ジローナはヨーロッパでは人気の高い観光都市として知られており、夏場には写真のような観光列車も運行されています。旧市街周辺を約30分かけてめぐるもので、坂道の多いジローナを気軽に楽しみたい方には便利です。
このあたりには、川沿いの景色を楽しめるカフェやレストラン、伝統菓子店などが並び、歩いているだけでもジローナらしい雰囲気を感じられます。
ここからは、旧市街のメイン通りのひとつである Rambla de la Llibertat を歩きながら、ジローナのシンボルとも言えるカテドラルを目指します。
石畳の路地に中世の面影

ランブラ・デ・リベルタット通り(Rambla de la Llibertat)を抜けると、中世の面影を色濃く残す細い路地が複雑に入り組んだ旧市街へ入ります。
石畳の道、古い石造りの建物、ゆるやかな坂道が続き、歩いているだけでジローナの歴史を感じることができます。
個人的には、バルセロナ旧市街よりも中世らしい雰囲気がよく残っており、ジローナ観光の大きな魅力のひとつだと思います。
ジローナ大聖堂と大階段

細い石畳の路地を進んでいくと、ジローナ最大の見どころであるジローナ大聖堂に到着します。
大聖堂正面へと続く90段の大階段は、ジローナを象徴する風景のひとつです。階段下から見上げる大聖堂は迫力があり、その堂々とした姿に思わず足を止めてしまいます。
中世の街並みの中を歩いていると、突然目の前に巨大な大聖堂が現れる。その意外性も含めて、ジローナ観光で特に印象に残る場所です。
毎年5月に開催される花祭り

ジローナは、毎年5月に旧市街を花で彩る「花祭り」でも知られています。
期間中は、普段は入ることのできない中庭や歴史的建物にも花の装飾が施され、旧市街全体が華やかな雰囲気に包まれます。
この時期にジローナを訪れる方には、ぜひ見ていただきたいイベントのひとつです。
「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地
ジローナ大聖堂とその周辺は、世界的に人気を集めた海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地として使われたことでも知られています。
作中では、大聖堂へと続く大階段や旧市街の路地が印象的な場面に登場し、ドラマを見た人にとっては見覚えのある風景に感じられるかもしれません。
ドラマファンが訪れる場所としても知られていますが、作品を知らなくても、大聖堂周辺の迫力ある景観は十分に見応えがあります。
ヨーロッパ最大級の一身廊

ジローナ大聖堂の内部は、一般的なカテドラルのように列柱で空間を分けるのではなく、中央の身廊が大きくひとつに広がる「一身廊」の構造になっています。
そのため、内部に入ると視界を遮る柱が少なく、巨大な空間が一気に広がるような独特の迫力を感じることができます。
ジローナ大聖堂は、ゴシック様式のカテドラルとしてヨーロッパ最大級の幅を持つ一身廊で知られており、そのスケールの大きさも大きな見どころのひとつです。
秘宝「天地創造のタペストリー」

ジローナ大聖堂に併設されている宝物館で、最も貴重な作品のひとつとされているのが、11世紀末から12世紀初めに制作された「天地創造のタペストリー」です。
もともとは祭壇まわりを飾るために作られたと考えられており、ジローナを訪れる多くの人が、この作品を目当てに宝物館へ足を運びます。
ただし、このタペストリーには、中世キリスト教の世界観、聖書の知識、当時の象徴表現などが複雑に織り込まれており、その内容をすべて理解するのは簡単ではありません。日本人旅行者だけでなく、欧米の人にとっても、かなり難解な作品だと思います。
そのため、無理に意味を読み解こうと構えるよりも、まずは「1000年近く前の人々が、これほど大きく精密な作品を作り上げた」という事実そのものを感じながら眺めてみるとよいでしょう。
城壁から見るジローナの歴史

ジローナ旧市街を歩くうえで、ぜひ加えておきたいのが城壁です。
ジローナは、もともとローマ時代に「ゲルンダ(Gerunda)」と呼ばれる城壁都市として築かれました。その後、中世にはフランス国境に近い戦略上重要な町となり、歴史上何度も戦いの舞台となります。
現在残る城壁の上を歩くと、旧市街の赤茶色の屋根、大聖堂、サン・フェリウ教会、そしてその向こうに広がるジローナの町を一望できます。
単なる展望スポットとしても魅力がありますが、ここから眺めると、ジローナがなぜこの場所に築かれ、なぜ長い間守られてきたのかが少し見えてきます。
大聖堂や石畳の路地だけでなく、城壁を歩くことで、ジローナが持つ「国境の町」「防衛都市」としての表情も感じられるはずです。
城壁の最高地点、トッレ・ジロネリャ

ジローナ旧市街の東側にある城壁を歩いていくと、やがてトッレ・ジロネリャ(Torre Gironella)にたどり着きます。
ここは、古くからジローナの防衛上重要な場所だった城壁の最高地点に位置する要塞跡で、旧市街を見渡す絶好の展望スポットとして知られています。
塔の上へは、内部の狭いらせん階段を上っていきます。階段はやや急で幅も狭いため、足元には注意が必要ですが、上まで登るとジローナ旧市街、大聖堂、サン・フェリウ教会、そして周囲の山並みまで見渡すことができます。
特にここから眺める景色は、ジローナがなぜこの場所に築かれ、長いあいだ守られてきたのかを感じさせてくれます。単なる絶景スポットというより、ジローナが「国境に近い防衛都市」だったことを実感できる場所です。
橋から眺める色鮮やかな建物

ジローナの中心を流れるオニャール川にはいくつもの橋が架かっており、新市街から旧市街へ入る玄関口にもなっています。
中でも特に有名なのが、赤い鉄骨構造が印象的な「エッフェル橋(Pont de les Peixateries Velles)」です。
この橋は、パリのエッフェル塔で知られるギュスターヴ・エッフェルの会社によって1887年に建設されました。エッフェル塔の完成よりも少し前に造られた橋で、鉄骨を組み合わせた構造には、どこかエッフェル塔を思わせる雰囲気があります。

橋の上からは、オニャール川沿いに並ぶカラフルな建物群を眺めることができます。建物が川にせり出すように並ぶ姿は独特で、特に風のない日には、色鮮やかな外壁が川の水面に映り込み、ジローナらしい美しい景色を楽しめます。
また、橋の中央付近からは、ジローナ大聖堂とサン・フェリウ教会の2つの教会を一枚の写真に収めることができ、人気の撮影スポットにもなっています。ジローナを訪れたら、ぜひ一度は立ち寄りたい場所です。
なお、これらの建物は自由に色を塗り替えられるわけではなく、景観保護のため外壁の色にも一定の制限があります。そのため、現在見られる統一感のあるカラフルな街並みは、長年にわたり守られてきたジローナの景観そのものでもあります。
中心部の広場、プラサ・デ・インデペンデンシア


中央郵便局の近くにあるプラサ・デ・インデペンデンシア(Plaça de la Independència)は、ジローナ中心部を代表する広場です。
バルセロナで言えばレイアール広場のような存在で、広場を囲むようにレストランやカフェのテラス席が並び、昼夜を問わず多くの観光客や地元の人で賑わいます。
旧市街散策の途中にひと休みする場所としても使いやすく、ジローナらしい落ち着いた雰囲気を感じられるスポットのひとつです。
人気ジェラート店、Rocambolesc Gelateria

旧市街散策の途中で立ち寄りたいのが、世界的レストラン「El Celler de Can Roca」のパティシエ、ジョルディ・ロカが手がける人気ジェラート店、Rocambolesc Gelateria です。
店内は遊び心のあるデザインで、ジローナでも特に人気の高いスイーツスポットとして知られています。
中でもおすすめなのが、写真右側の「Panet(パネット)」です。温かいふわふわのパンにアイスクリームを挟んだもので、不思議なことに、パンは温かいのに中のアイスはほとんど溶けません。
出来立てをその場で食べるおいしさは格別で、甘いものが好きな方にはぜひ試していただきたい一品です。
まとめ&アドバイス
|
お勧め度:15点/20点 |
| 住所 | ジローナ県、ジローナ市 【地図はこちら】 |
| URL | http://www2.girona.cat/ca (市役所のHP) |
| 最寄駅 | バルセロナからは、サンツ駅もしくはパセジ・ダ・グラシア駅よりRenfeに乗って Girona (ジローナ)駅下車、所要時間AVE38分 普通電車1時間半程 時刻表はRenfeのHPでお調べ下さい。 |
| 所要時間 | 半日 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.06.18 |
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