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2025年春 最新版 完全解説コロニア・グエル教会 =ガウディの最高傑作、未完の教会=

1-IMG_2337 ガウディと言えばサグラダ・ファミリアと誰も連想しますが多くの建築家、また岡本太郎などの芸術家達が絶賛したのは実はこのコロニア・グエル教会だったとはご存知ですか? 今回ここでは、ガウディ最高傑作として知られるコロニア・グエル教会を徹底解説していきます。

概要

世界遺産コロニア・グエル教会、地元カタルーニャ語でのCripta de la Colònia Güell(コロニア・グエル地下礼拝堂)はバルセロナ郊外15キロ、スペイン広場からは電車で25分ほどのサンタ・コロマ・ダ・サルバリョ市にあります。 繊維業界で大成功を収めていたエウセビ・グエル氏が、バルセロナ市内にあった自分の所有する繊維工場を当時、牧場や畑以外何も無かったこの田舎に移そうと計画します。 それに伴い工場で働く労働者の為の居住施設、学校、商店、旅館、劇場、文化センター、教会などを含めた工業コロニーを作りますが、その中にある教会の設計を依頼されたのがアントニ・ガウディでした。 1898年に依頼されたガウディが教会の設計の基本となる逆さ吊り模型の制作に最初の10年間を費やしたため、工事が実際に着工されたのは1908年でした。 更に、その6年後に施主でありガウディの親友でもあったグエル氏が亡くなり、その息子たちが建設に消極的であったことに加えガウディ自身もサグラダ・ファミリアの建設に集中したかったこともあり、最終的に未完成にも関わらずこの教会建設の仕事から手を引いてしまいました。 本来は半地階部と上層の教会堂との2層構成の建物でしたが、ガウディが手を引いたその時点では上層は未だ手付かずだったためそれまでに完成していた半地階の部分をやむなく教会として使用することになり現在に至っています。 ちなみにここは元々はキリスト教、教育を目的とした教室もしくは講堂として使用するはずであったスペースでした。 尚、この時の逆さ吊り実験はその後のサグラダ・ファミリアへの建設へと活かされ、ガウディ円熟期の建築を知る上で非常に重要な作品と言えます。

はじめに

このコロニア・グエル教会はガウディ作品の中でも建築の専門家、もしくは余程建築に興味を持っている方でないと満足を得るのは非常に難しい観光スポットです。 サグラダ・ファミリアのあの迫力や、カサ・バトリョのような高い芸術性は無く地味な上に規模も小さくちんちくりん。 何の前知識も無く来ると、ハッキリ言って30分も持ちません。 実際訪れている人を見ると、その殆どがサクッと見て写真を撮った後に手持ち無沙汰に椅子に座ってスマホをいじっています。 まずここでは、せっかく遠いところを時間を掛け行くんですから建築の素人の私達でも興味を持って見れるように、見学前の予備知識としてのキーワードを綴ってみますので是非一読ください。

キーワード

組積造(積み木工法)

現代のビルやマンションはほぼ全てが鉄筋コンクリートもしくは、鉄骨構造により建てられていますがヨーロッパで見かける古い石造りの建物や教会は、レンガや石を積み上げて作った組積造(そせきぞう)と呼ばれるものです。 この積み上げ式の建築方法の起源はピラミッドに見られる古代エジプト時代に始まり、その後にアーチが発明され更にそのアーチを延長したものがヴォールト、ドームへと発展。 最終的にヨーロッパ観光の定番となる聖堂の、あの大天井支える工法が編み出されました。 この工法と現代の建築で使われている工法との一番の違いは、建物に複雑にかかる力をアーチ構造を介して全て圧縮力のみで支えると言う点。 簡単に言ってしまうと、それはバランスよく積んだ積み木、強いて言えば積み木工法とも言えます。 尚、この工法で教会の様な天井を支えたり、窓のような開口部を支えて建てる時に重要となるのがガウディが多用した次のカテナリー曲線となります。

カテナリー曲線とは

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二本のポールに張られた鎖のたわみがカテナリーアーチ ロープのたわみ通りに切った型に積み木を載せると….

ロープや鎖などの両端を持って垂らしたときにできる、曲線をカテナリーと呼びます。 因みに上下逆向きにした形状にすると全ての部材(ロープや鎖)に均等に圧縮力がかかることになり、力学的に最も安定するため現在でもアーチ橋などに多く用いられています。 では実際にガウディは工事現場でどうやったかと言うと、まずアーチの起点となる2点を定めそこにロープを張ります。 次に、アーチの高さを決め、垂れ下がるロープの下の頂点がその位置に来るように調節します。 出来上がった曲線の後ろに板を置いて、その曲線を筆などでなぞって板に移すことによって重力と張力のバランスが完璧に取れたカテナリーアーチを得れることができます。 後はその曲線通りに板を切り抜き、その上下を逆転させれば、職人達がレンガをアーチ状に積んでいく基本になる枠が完成となります。 ガウディはカサ・ミラやカサ・バトリョの屋根裏などの様々な作品に、このカテナリーアーチを使用しました。 その理由としては安定した構造に加え視覚的にも美しく、更にレンガ積みの構造は制作しやすく、また経済的な方法でもあったからです。 ただしこのカテナリー曲線を利用したアーチで全てを作り上げた複雑な建物は無く、何らかの補助壁などを使い支えていました。 それを更に踏み込んで建物全体に応用しようと言うガウディの壮大な計画が、次に述べるフニクラの実験へと導きます。

フニクラ実験

10年もの歳月を費やしたことにより、結局は未完成に終る原因となった逆吊り実験。 それだけガウディが拘ったこの実験がこの教会を知る上での最大のポイントとなります。 その仕組みをここで簡単に説明すると、天井から下がるなわ状に編んだ伸縮しない紐が実際の柱、アーチ、ドームのリブなどに相当します。 また、それらの箇所が受ける荷重に相当する鉛玉が布袋に詰められ所定の位置に吊られ、その紐の描く形態を上下反転したものが、垂直加重に対する自然で丈夫な構造形態だとガウディは考えました。 ちなみに、建設中に「建物が崩れるのでは?」と疑う職人たちに対して自ら足場を取り除き、構造の安全を証明したという逸話が残っています。

http://i2.wp.com/blog-imgs-75.fc2.com/r/i/b/ribochan/CIMG8869.jpg?resize=70%2C70 「サグラダ・ファミリア」★★★★★ 世界屈指の人気観光スポット見所を、ガイドブック以上に詳しく徹底解説。

ここまで、解説しましたが分かりに難い部分もあるのではないでしょうか? 大雑把な言い方になりますが、ガウディのやっていた事を例えるなら数千本のマッチ棒一本一本をご飯粒でくっ付けて教会を組み立てた様なものです。 また、そのマッチ棒一本一本が、それぞれを支えあっていて一本たりとも不必要なものは無いと言う繊細の極み。 10年と言う歳月と途方もない忍耐力をかけ、ガウディはここで究極の理想を実現しようとした訳です。   【こんなのも知っておくと更に興味が沸きます】 ここでは、長くなるので説明はしませんが。 このコロニアグエルで使われた素材、建築のプロなら誰でも知ってる事ですが、そうでない人は事前にネット検索して素材の特性、その使われ方などをかじっておくと理解が進むと思います。

見学受付場所

入場チケットは、教会から徒歩3分程のところにあるインフォメーションで買います。 オンラインでも買えるのですが、サグラダ・ファミリアと違って完売することが無いのでわざわざ予約する必要はありません。 逆に下手に予約すると入場時間に縛られるので却って不便です。 また、予約しても結局はこのインフォメーションに立ち寄ってオーディオガイドを借りなければならないので二度手間になります。 オーディオガイドを借りる際には、パスポート等を保証に預けなければならないのでお忘れなく。 ちなみに教会での解説は少なく、その大半は村の建物巡りの音声ガイドになっています。 インフォメーションの奥には簡単な無料展示場があり、一階は繊維工場が稼働していた当時の様子の展示。二階はガウディ建築の資料展示になります。 ただ、どちらも大した展示では無いので時間の無い方は飛ばしても全くOKです。

見学スタート

規模が小さいせいで早い人なら30分弱、じっくりみても1時間もかからない見学ですが、ここから詳しく解説していきます。

外観

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ここは元々、写真左から右に傾斜する土地でした

既に述べましたが、本来のコロニア・グエル教会は2層構成の建物です。 地下礼拝堂の入り口の真上に本来の教会の入り口があり、そこへは写真右より階段で上って行くことになっていました。 ところで普通に見ると地上階のはずが、なぜ礼拝堂が地下と言われているか疑問が沸くかと思います。 その理由は、元々傾斜地(写真左から右へ)だったこの土地をガウディは出来る限り造成や土地を削ったりしないで自然の状態で建てたかったために傾斜の始まる上を教会の地上階とし、傾斜が終わる所を入り口とした礼拝堂にするためでした。

トレンカディス

外部の見どころの一つとしては、まずガウディの定番と言えるトレンカディス(破砕タイル)があります。 それは開口部の防水を兼ねて窓とその庇にカラフルなタイルが施されていますが、工事が途中で中断し未完に終わったために教会の裏側の窓の庇はタイルが貼られず代わりにモルタルが塗られただけで終了しています。 あと、他のガウディ作品との違いとしては宗教的なシンボルにトレンカディスが多用されていて、地下礼拝堂入り口の上のモザイクには特に小さなピースを使い聖書の言葉を表しています。 また、この後に述べるAΩ、十字架などキリスト教徒にとって重要なシンボルが外壁のあちこちに散りばめられています。

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2016/12/tenecade.jpg 【トレンカディスとは】 カタルーニャ語で破砕タイル又は破砕仕上げ全般を指す言葉。元々は降雨から壁を保護する目的に始まり、次第に装飾するために利用され一種のモザイクとして使われました。ガウディ以外にもこの時代に活躍した他の建築家にも見られ、今も残るモデルニスモ建築にそれを見ることができます。特にコロニア・グエル教会では宗教的な装飾、シンボルを施すのに多く使われいます。

様々な素材

地下礼拝堂の外側を見てみると、他の教会とは全く異なるものとなっています。 中でも一番目につくのは外壁に使われている素材で、通常のオレンジ色のレンガに加え燻した金属っぽくも見えるのが焼過ぎレンガ、更に溶岩のように見える黒い小石が鉄鋼スラグ。 これら異なった素材が混ざり合った壁面は、瓦礫作りと称される独特なものです。 ところでガウディがなぜこんな風にしたかと言うと、教会の基礎部分は日本のお城に例えると石垣にあたる土台部分なので地味で当然なのですが何より地面に接している部分だからこそ、あえてがれきの様に仕上げて周りと調和する自然感を大切にしました。 訪れた際によく見て頂くと分かりますが、鉄鋼スラグを貼り付けた柱の色と肌合いが周りに植えてある松の木の幹と見事に同じトーンになっています。

http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_2397-001.jpg1-1281 【鉄鋼スラグ】 一見すると溶岩にも見える石は、鉱石から金属を製錬する際に大量に溶鉱炉から出るカスで、現在の日本では産業廃棄物と指定されている厄介者。 100年以上前にガウディはこの廃棄物のもつ荒々しく荒廃したともとれる質感に目を付け、それを壁や柱に使うことにより独特の雰囲気を創造しました。
http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_2406-001.jpghttp://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/rengga.jpg 【焼き過ぎレンガ】 普通の素焼き煉瓦(写真右)より更に高温で十分焼き込んだ煉瓦は、通常のレンガより色が黒っぽく、レンガの概念から言うと失敗作なのですが、これはこれで吸水性が低く摩滅や衝撃に強い特性を持ちます。 ガウディはこれらの鉄鋼スラグ、通常レンガ、焼き過ぎレンガ、更には破砕タイルを駆使して自然観を創造しました。

リサイクル

また、もう一つの見どころとして鉄鋼スラグの他に見られるリサイクルが挙げられます。 礼拝堂の窓の金網はコロニア内の繊維工場の廃品を利用したもので、機織り機械のスクラップから使える部分を取り出し、ここでは格子状に編んで再利用されています。

【繊維工場】 工場はスペイン市民戦争を経て1945年にグエル一族から新しい経営者に変わりましたが、その後の繊維不況により1973年に閉鎖。現在は幾つかの小さな会社のオフィスとして利用されています。尚、最盛期には1,200人いたと言われる従業員とその家族は、工場閉鎖後の現在も700人程が住み続けています。バルセロナ都市圏の拡大、そのギリギリの通勤圏内、また近くに新たに工場地帯などが出来た事が幸運となり、辛うじてこの村が存続できました。

モザイクの意味

礼拝堂の入口上部にある一番目立つモザイク。 ただ見ただけでは何か装飾してあるなで終わってしまいますが、これらはキリスト教ならではの宗教的な意味を持った装飾となっています。 ここでそれぞれを解説していくと、白地の菱形にはローマ字でPはカタルーニャ語で①Pater (父)、②FはFilius(子)、③SはSpiritus Sanctus(聖霊)が表され、その三つで聖三位一体を表しています。 その他、④中央の白抜き部分は聖母マリアの合わせ文字となり、⑤中央最上部の円形には十字架に火炎が押しかかる様子が描かれ、それはキリストの磔刑を意味しています。更にモザイクをよく見ていくと、少し分かり難いものもありますが…. この地域で採れるさくらんぼ、小麦、オリーブの枝葉や花、実、椰子の葉があり。 それらに混じって少し分かり難いですがキリスト教の4徳と言われる、慎重(貯金箱とヘビ)、正義感(天秤と剣)、堅忍(兜と鎧)、節制(パンを切るナイフとワインの飲み瓶)などが描かれているのが見てとれます。 また、それ以外にモザイクの左端の下にある水色の碇は、希望と誠実それぞれを表しています。

20160718003923 【三位一体説】 キリスト教の根幹である、イエスの本姓についての見解で、「父(神)と子(イエス)と精霊」は三つの位格をもつが本質的に一体であるという説のことです。宗教改革後のプロテスタント諸派も三位一体説においては一致しており、キリスト教の最も重要な教義となっています。

壁に泳ぐ魚

礼拝堂入り口の右上の壁には、よく見ると魚が描かれたモザイクがあるのに気付きます。 そこにいる4匹の魚はキリストを表しているのですが、では魚がなぜキリストかと言うとキリストが生きていた時代、キリストはローマ帝国からお尋ね者として追われ最終的には十字架で処刑されたように、生前は常に身を隠して暮らしていました。 信徒の間ではローマの兵隊からキリストを守るために、彼を暗号で示すことになります。 ギリシャ語で「イエス・キリスト・神の子・救世主」の3つの頭文字をとると、魚を意味したことからそれが暗号になったと言われていますが、同時に川岸に人が近づくとさっと身を隠す小魚に危機が迫るたびに身を隠していたキリストの姿を重ね合わせたとも言われています。 次に魚の下の【Α:アルファ】と【Ω:オメガ】は、ギリシア文字の順番では「最初」と「最後」。 英語で言えば「AZ」で、日本語なら「」となり、それすなわち生(最初)から死(最後)までの間に、この場合は魚(キリスト)が居るわけで、永遠の存在者であるイエス・キリストが生から死までの全てを司ると言うことを指します。

待合の空間

礼拝堂の入り口の反対側、教会が完成していたら階段になるはずだった下に小さな空間があります。 ここは、スペインの田舎の教会によくみられる待合の場所で、ミサの始まるまでの間やミサの後に長屋(社宅)に住む主婦達がベンチに座り世間話や噂話に興じました。 夏場に行かれた方は分かると思いますが、高温になるスペインの夏でもこの半地下の待合は涼しく、格好の涼みスポットでした。 また、ベンチの間が非常に広いのは、その前に幼い子供達を遊ばす様になっていました。

http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/colicoli2.jpg 【工場労働者と家族】 コロニアグエルを直訳するとグエルの植民地、もしくは集団となりますが、この場合は労働所の住宅プラス福利厚生施設を含めた工場団地と言うところです。元々、牧場で周りに人が住んでいなかったことから、労働者を集めるために社宅や学校などを建てました。ただ会社が住居を提供すると言っても、当時の労働条件は今と比べると非常に厳しいものでした。

教会の内部

neconni ゴシック建築の影響を受けた部分もあれば、まるで椰子の木が連なるように見える天井、そしてまるで「始め人間ギャートルズ」のような原始、石器時代をイメージさす玄武岩の柱。 更に細部を見渡すと、自然の造形もミックスされた内部は通常の教会建物とは全く異質のもで正にこれぞ ”ガウディワールド”ガウディ世界の真骨頂とも言えます。 施主のグエルはこの教会建設をガウディに任せるにあたり、予算に関しても作品の種類に関してもいかなる制限も設けませんでした。 と言っても、100年前の芸術には無縁だった田舎の労働者達の為の教会に、こんな物を平気で作ってしまうガウディ。 その自分勝手さと、彼の果てなき芸術の追求心にはただもう脱帽と言うほかありません。

石柱の意味

教会の天井を支える柱はどれも微妙に傾斜し、その素材デザイン共に変化に富みます。 特に自然石の玄武岩(柱状節理)をそのまま利用した柱は、これまでの荘厳さに重きを置いた中世の教会イメージを完全に打ち破り、キリスト以前と言える古代へといざなう不思議な世界を醸し出しています。 尚、教会中心部の4本の柱に玄武岩の石柱が使われているのは、その4本が建物の重量が最もかかる場所でデザインもさることながら強度を求めていたからです。 もしレンガ積みの場合はかなりの太さになったはずで、レンガの代わりに石を使うことにより柱の太さをその分細く出来、それにより後方からの視界が確保できました。 また、玄武岩の自然石は元々微妙に曲がっていたり、それを適当に斜めに立てた様にも見えますが、逆さ吊り実験を重ねて得た中心線(青線)が石の中を寸分狂いなく走っています。 尚、基本的に垂直に立っている柱は一本も無く、重力による上からの力と横に広がろうとする力のバランスの上で立っていて、重要でなさそうな端の柱一本でも取ろうものなら全体が音を立てて一瞬にペッタンコ、地震が無いからこそできる恐ろしい積み木崩しと言えます。   【柱状節理】 マグマが冷却固結する際に岩体に柱状の割れ目が入る現象。 玄武岩では六角柱ができることが多く、日本では国の天然記念物に指定されている東尋坊の海岸の岩も柱状節理にあたります。

天井を這うレンガ

煉瓦造りのアーチが天井を覆う様は圧巻。 10年もの歳月を費やした逆吊り実験の末に、最後に到達したこのアーチと先程の柱が教会の最大の見どころであり、またこれこそがガウディの最高傑作と言われる所以でもあります。 尚、注目すべきはカタルーニャ地方でよく使われる、通常の半分ほどの厚みの日本の蒲鉾板のような薄いレンガ。 それを使った複雑なカテナリーアーチは、まるで動物のあばら骨にも見えます。 奇をてらったかに見えるアーチも、やはり計算し尽くされていて特異なリブ構造が屋上を安定的に支えています。 また、祭壇の左横にある階段を上がると祭壇の裏へ回れます。 ここは、椅子が並ぶ礼拝堂より一段高くなっていて、その理由は傾斜の丘にこの教会を建てたガウディが自然のままに残すためにここは掘り下げなかったためです。 ちなみに、ここだけは床と天井の高さが十分に取れなかった為に鉄骨で天井を支えた簡単な造りとなっています。 尚、この空間は子供達の合唱隊が並んで立ち讃美歌を歌う為の場所で、うまく音が響くように考えられています。

ステンドグラス

お馴染み、あのジュジョールが作ったステンドグラス(正式にはステンドグラスでは無く塗ガラス)から、光が差し込んでいてとてもきれい。 花をデザイン化したものと思う人が多いですが、これはそうではなく教会の周りが松林だったこともあり、その松ぼっくりをデザイン化したものです。 ところで多くの人が花と思ってしまうのも無理がありません。 その理由はここは元々礼拝所にする為では無く子供たちのいわゆる日曜学校で宗教教育以外に歌をうたったり、クリスマスやイースターには楽しい催しを開いたりする場所。 だから窓も子供たちが好きそうな、まるで童話の絵本にでてきそうなファンタジーあるデザインにされているわけです。 ちなみに、このステンドグラスは蝶の羽根のように開閉式になっており、窓から教会内へ風を送り込みます。 また、上下左右の羽根を全部開けると残る形はなんと十字架となり、機能性とデザイン性が高度に考えられ作られたものです。 あまり知られていませんが南側に並んだ窓は日時計の様な機能も持っていて、時間の経過とともに左のまどから右の窓へと最も明るい窓が移動していき、それで大体の時間が分かる様になっています。

jujol 【ジュゼップ・マリア・ジュジョール】 バルセロナの隣、タラゴナ県生まれの建築家でアントニ・ガウディの協力者として、建築にとどまらず家具デザインや絵画などの分野で才能を発揮した総合アーティスト。顔は全くのおっさんですが、その顔に似合わず、こんな可愛いステンドグラスをデザインできるのがジュジョール。日本ではほとんど知られていませんが、ガウディの裏方として非常に大きな役割を果たしました。

ガウディの椅子

1-IMG_2453 教会内には、祭壇を取り囲むように同心円状に配置された椅子。 これらはガウディがコロニア・グエル教会の為にデザインしたトネリコの木を使ったもので、この椅子に腰掛けゆっくりともたれ掛かるとちょうど背中に良くフィットして落ち着きます。 是非、人間の体に合わせたこの椅子にも座ってみてください。 2人で腰掛けて気が付くのが、椅子は一直線ではなくお互いの体が微妙に外側に向くように形が工夫されています。 これは、お祈りの際に隣の人に煩わされることなく自分の世界に入れるようにと言うガウディらしい細かな配慮からです。 尚、ここにあるものはガウディオリジナルの椅子では無く、その後に作られたレプリカで本物は全て博物館に保管されていますが、一つはサグラダ・ファミリアで見ることが出来ます。

【トネリコ(西洋トネリコ)】ガウディが愛したこの木は、スペインからロシアにかけて自生する木で成長が早い上に、用途の広い材木で昔から重要な資源として建物の柱、木工品など多岐にわたって利用されてきました。その特徴としてはトネリコの材は固く丈夫で耐久力がある上に曲げやすく、初期の飛行機のフレームにも使われた程です。

聖水盤

礼拝堂に入ったところには聖水盤が置かれています。 これは信徒が受洗したことを常に忘れないようにするため、聖堂に入る時に身を清めるため、教会に入る際に聖水に指を浸して十字を切ります。 ヨーロッパでは大理石の皿が多いのですが、スペインの場合は巨大な”しゃこ貝”がよく使われています。 理由は、フィリピンがスペインの植民地だった時代に大量に持ち込まれたからです。 尚、サグラダ・ファミリアの生誕、受難のどちらのファサードの入り口を入ると左右にあるシャコ貝の聖水盤は、グエルが寄付したものです。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/hotate-001.jpg 【ビーナス誕生の貝】 イタリアの有名な絵画にボッティチェリの「ヴィーナス誕生」という絵画がありますが、ヴィーナスが台にしているのも貝ですが、あれは”ホタテ貝”。ちなみに、スペインの有名なサンティアゴ巡礼の際は、巡礼者は食器の変わりにホタテ貝の貝殻を持ち歩きます。それは聖ヤコブの杖に、ほたて貝の貝殻がついていたことが由来です。

黒マリア像

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黒マリア様の分身 こちらが本家のご本尊

礼拝堂の正面の右には、カタルーニャの守護神である黒マリア像があります。 本尊はモンセラットの山の上にあって、これはその分身。日本で例えると東大寺に大仏があっても小さな各お寺にもそれぞれお釈迦様の仏像がある、ああいう関係と思って頂くと分かり易いかと思います。 ちなみに、ここカタルーニャではどこの教会、礼拝堂にも必ずあるのがこの黒マリア像。 ちなみに、黒マリア伝説とは。。 その昔880年、とある土曜日の午後のこと。 モンセラットの山の麓に住む人々が天からのメロディーとともに、山の中腹に光が灯されているのを見ました。 次の土曜日にも同じことが起こったので、司祭が洞窟に入ってみるとマリア像が佇んでいたのです。 麓の村へ降ろそうと持ち上げると、マリア像が重くて動かず仕方なくそこに教会を建て今に続いています。 尚、黒マリアに触ると歩けなかった人が急に歩きだしたとか、いわゆる奇跡を起こすと言う事で崇められています。

1colocol 【モンセラットとコロニア・グエル教会1日攻略法】ちょっと大変ですが2か所を一日で回ってしまう裏技を詳しく解説します。 DSC_0581 【モンセラット】★★★★☆ バルセロナからのショートトリップの観光スポットとしては一番人気。

教会の裏

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礼拝堂の裏へ回ると側面を間近かに見ることが出来ます
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傾斜した外壁 魚とアルファーの文字
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こちらにはオメガとオブジェ P十字架に..

教会内の見学が終われば、最後に裏に回ってみて下さい。 先程、礼拝堂で見たステンドグラスを外から見ることが出来ます。 また、外壁に注目すると壁が傾斜しているが分かります。これは、あの逆さ吊り実験で得た傾斜のままに忠実に建てたからです。 また、壁を見ると先程見た【Α.Ω】がここでは立体的に表されています、特に魚は教えてもらえないとサンショウウオ?かヤモリ?と見間違いかねない程に抽象的。 あと、壁には今も何の為にか分からないオブジェがあったりします。ガウディは生前、自分の作った作品の詳細まであまり語らなかった為に実は彼の作品にはかなりの部分が今も謎となっています。 実際、学芸員の方に聞きましたが、その答えは「何を意味するか分からないけど、だからこそガウディなんだよと」と言う回答でした。 窓の上の庇を見ると十字架が見えますが、よく注意してみると十字の上が右に少し曲がっているのが見てとれるはずです。 これはローマ字のPを十字に合わせたもので、このP十字架は一体何を表しているかと言うとPはPastorスペイン語で言う羊飼い。 聖書の中では羊飼いはキリストを表していて、先ほどは、【Α.Ω】の間に魚を使っていましたが、より一般的なのは【Α.Ω】の間にPが入っているこの形がそうです。

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/pastaome.jpg http://i1.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/06/kohitujisan.jpg 【迷える子羊(私達)と羊飼い(Pastor)】 新約聖書のマタイによる福音書にあらわれる言葉「迷える子羊」は、私達大衆を羊の群れの中からはぐれてしまった迷った子羊に例えたもので、それは人生の中で起きる色々な問題に直面したときに、どうしてよいか分からず迷っている人達を指します。また羊飼い(Pastor)はその子羊を正しい道に導いてくれる人、すなわちキリストを指します。

屋上

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礼拝堂裏から屋上への階段 黒で示された柱の場所
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この石は建設が完全に中断した後に弟子達により置かれました
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換気用の塔に付けられた鐘 向こうに見える司教の住居

高さ40メートルにもなる塔が達つはずだった教会の2階部分は現在は何も無く、本来教会の床が礼拝堂の屋根、屋上となっています。 そこでまず目に入るのがギリシャの遺跡を彷彿させる石灰岩の石積み。 ここが、教会の本当の入り口なる場所だったところです。 あとここで目に入るのが、途中まで出来ていた塔に付けられた鐘。 これは本来こんな所に付けるものでは無いのですが、工事が途中で終ってしまい未完となったので、村人達が礼拝する為の場所を何とか作る為にガウディの弟子達が取り敢えずと付けたものです。 そのことからも分かるように実験を重ねるあまりに10年をも費やし、やっとスタートした建築も小規模にも関わらず6年経っても地下部分しか出来ずじまい。 足掛け16年待たされた村人達を、全く顧みなかったガウディ。 天才に翻弄された村人を思うと、鐘を見ながら複雑な気持ちにもなります。 ところで、本来教会の祭壇は南東、教会の入り口はその逆の北西に作られるこが多く例えばバルセロナで一番格式高いカテドラルがすですが、その理由はイスラム教徒と同じくキリスト教でも聖地に向かってお祈りすることが一般的で、ここバルセロナからはエルサレムがちょうど南東に位置します。 それにも関わらず、サグラダ・ファミリアにも共通するのですが、コロニア・グエルはその逆になってしまっています。 理由は簡単でガウディにとって建築には光がなにより重要であって、自然光を多く採り入れることが出来る南に入り口を持ってくるのに拘わり、そのせいで祭壇は自ずとその逆、エルサレムと反対側になってしまいました。 後年は信心深くなったと言われるガウディですが、施主と何度もトラブルになっても自分の信念を決して曲げない筋金入り頑固者だったと言う、それがここでも伺い知れます。 少し話はそれましたが、未完に終わったこともあり特にこの屋上に関しては、ただの見晴らし台としての価値以外はほとんどありません。

CIMG9014 「カテドラル」★★★★☆ バルセロナで最も格式高い大聖堂は市民の心の故郷と言える教会です。

ガウディの十字架

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ガウディがデザインした十字架はどの方向から見ても十字
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スマホで動きながら撮る人 ミラーリェス邸の石門

1902年ガウディが制作した鉄細工の2重十字架が、教会の入り口右に立っています。 試しに動きながら十字架を見て見ると、あら不思議本当にどこから見ても十字。 ちなみに、これはレプリカでオリジナルはミラリェス邸の門の上で見ることが出来ます。

20150115210012b72 【ミラーリェス邸の石門】★☆☆☆☆ アントニオ・ガウディによってデザインされた門で、作られたのはグエル公園と.…

村を歩く

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学校として作られた建物 昔の雰囲気を残す労働者住宅
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グエル教区を除くこの村の建物の中では、一番の見物となる家

工場の労働者の為に作られたコロニーの中には、当時のモデルニスモ建築の家々が残っています。 建物は現在も人が住んでいて、また学校は柵が囲まれそれらは部外者には公開されていませんが、外観なら見ることができます。 ただし、これらの建築はガウディとは全く関係なく、必見と言うわけでは全くありませんが、せっかく遠くまでわざわざ来られて、もし時間を持て余すようでしたらついでに村の散策がてらおすすめです。 ちなみに、これらの建物は主に弟子の1人で右腕とも称され、グエル公園にあるガウディの家(ガウディ博物館)を作ったことで知られる、Francesc Berenguerと、Joan Rubióの二人の建築家によります。

IMG_7854 ガウディ博物館★☆☆☆☆ 公園内には博物館もあってガウデイゆかりの展示物が置いてある…

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/cologue.jpg グエル教会のオーディオガイド付きチケットを買うとこの地図をくれます。 村の散策は、この地図に赤線で記されたコースを回ります。 ただし、正直どうでもいいようなスポットが結構あって、以下4つがお勧めスポットになります。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_20200916_181816.jpg http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_2502.jpg
⑫ カ・ロルダル邸 ⑥ 前の中央広場
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⑦ 学校 ⑧ カ・レスビナル邸

⑫ カ・ロルダル邸:一軒家の様に見えますが左右が別々に中で分かれてます。⑥ 前の中央広場:広場の真ん中には工場のオーナーのグエル氏の銅像があります。⑦ 学校:中に入れれば良いのですが、柵があって遠目から見学となります。⑧ カ・レスビナル邸:村を散策するなら、ここは絶対にはずせないベストスポット。

社宅を見ると

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_20200916_1816561.jpg http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_20200916_181717.jpg
 偶数と奇数の番号の家が並ぶ  窓枠デザインが微妙に違います
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 昔の社宅は、日本で言うところの、いわゆる長屋の様な感じ

村の中を散策するとバルセロナ市内観光では気が付かないことや、面白い発見があったりします。 例えば、グエル教会から⑫カ・ロルダル邸の間の通りに並ぶ昔の社宅。 道を挟んで長屋が並んでいますが、一方が偶数の家②④⑥⑧と並び、もう一方は奇数①③⑤⑦と言う感じに並んでいます。 これは、バルセロナ市内のビルの番号にも同じことが言え、スペインでは隣の家の番号は常に一つ飛んで同じ奇数もしくは偶数の家が連続します。 また、この社宅(長屋)独特なのが、隣の家との間に小さな入り口があって、そこから上に上がると左右にまたそれぞれ入り口があり、長屋は上下で違う家族が住んでいます。 家の数字を見ると6Bis、8Bisと書かれていますが、数字の後のBisが上の家と言う事をを表しています。 尚、凝ったモデルニスモの家を含めて、この村全体がどこもかいこもレンガ造りなのは工場に付属する社宅と言う事もあり、経済性を追求し建材として一番安いレンガを多用したことによります。 ただ、そうは言っても長屋の窓枠のデザインを少しづつ変化を付けるなど、芸術好きだったオーナーのグエル氏の意向がそこに現れています。

bcnmapppa 【バルセロナの歩き方】 グーグルマップは便利ですが、更に街の仕組みが分かると完璧!

心霊スポット

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_20200916_180857.jpg
 800年前に作られた砦の跡、ちょっと落書きが残念ですが…
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 グエル教会から僅か4分ほど  暗くなると更に雰囲気が

観光客は殆ど誰も知りませんが地元スペイン人にはかなり知られているのが、コロニア・グエル教会から徒歩4分ほどにある地図⑰のサルバナ館。 これは、今は廃墟となっていますが、12世紀に砦として作られたものです。 いなみにこれが、地元のスペイン人の間では知る人ぞ知る心霊スポット。 ここで突然まわりに誰もいないのに急に腕を引っ張られたり、金縛りにあったなどと言う心霊体験が多数報告されています。 興味がある方は、下の動画を参考に駐車場の横の小道から簡単にたどり着けますのでどうぞ。 尚、砦の中は壁が崩壊する危険があるので、絶対に入らないでください。

村で食べる

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Bar Restaurant Ateneu Unió
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BAR SPORT Restaurant Capritx

見て回るのに1時間も掛からない小さな村。ここで、休憩したりランチが取れる場所を紹介しておきます。 まず、中央広場にあるバル「Bar Restaurant Ateneu Unió」店内は、一昔前のスペインらしさが残っていて雰囲気があり、特に暖かい季節なら前のテラスでゆっくりすると良いと思います。 ただし、料理は美味しくないのでドリンクでの利用がお勧め。 公園の横に隣接しているバル「BAR SPORT」。 ここは、そこそこ食べれる日替わり定食があります。 こちらも暖かい季節は、店内よりテラスの方が気持ち良いでしょう。 最後に村で唯一のレストラン「Restaurant Capritx」を紹介します。 場所は教会の直ぐそばで、料理も決して不味くはありませんが、素晴らしいいと言う様なことも決してありません。 一応、お店のお勧めを言うと、ロブスターのリゾット(Arroz con bogavante)が、ご飯物なので日本人には良いかと思います。 まあ、紹介はしましたが基本的には村でお金を使って食べる程の物は特にありません。 なので基本はカフェやビールなどドリンクで済ませ、時間があればバルセロナに戻ってのランチが良いと思います。

アクセス方法

コロニアグエル教会への行き方は、地下鉄1号線と3号線が乗り入れているエスパーニャ駅が起点となります。 通常なら起点となるカタルーニャ鉄道のエスパーニャ駅からグエル教会駅、その後に徒歩にて教会となりますがここではそれに加えバルセロナからの郊外観光で最も人気のあるモンセラットと2か所同時に行く方法を解説します。

基本編

バルセロナ発➡コロニ・アグエル駅➡コロニア・グエル教会
一番オーソドックスな行き方です、詳細は以下をご覧ください。

CIMG2494 【グエル教会への行き方】 コロニアル・グエル教会までの行き方を徹底解説します! IMG_0993_201504140 【スペイン(エスパニア)広場】★☆☆☆☆ バルセロナの陸の玄関口スペイン広場は同時にコロニアグエル教会、モンセラットへの起点。

+モンセラット編

バルセロナ発➡モンセラット➡コロニア・グエル駅➡コロニア・グエル教会
モンセラットとコロニア・グエル教会を一日で観光して回る 注意)モンセラットと合わせて一日で回る方法は、それなりに時間も掛かり疲れる方法です。

1colocol 【モンセラットとコロニア・グエル教会1日攻略法】ちょっと大変ですが2か所を一日で回ってしまう裏技を詳しく解説します。 DSC_0581 【モンセラット】★★★★☆ バルセロナからのショートトリップの観光スポットとしては一番人気。

見どころムービ―

コロニア・グエル教会の主な見どころをフォトムービーにまとめました。

まとめ&アドバイス

教会自体は未完と言うのもありますが、完成していたとしても非常にこじんまりしたものです。 なので、繰り返しになりますがサグラダ・ファミリアを見た時の様なインパクトはありません。 ただしガウディ死後、他人の手により本来の別の姿形で現在も工事が続くサグラダ・ファミリアと違って、これこそが100%ガウディが作った教会とも言えますし、数ある作品の中での最高傑作とよばれるそれはガウディ好きには見る価値が十分あると言えます。 一方で建築に特に興味がない方には、正直な所10分も見れば十分かも知れません。 バルセロナからわざわざ地下鉄、電車、更に駅から歩いて来るまでの価値があるかと言うとそれは微妙。 特にバルセロナへ来るのが初めてで、滞在が数日しかないのなら尚更そう言えます。 注意事項としては、日曜日はミサの時間(11~12時)は礼拝堂内には観光では入れません。 また、オーディオガイドは日本語もあります。教会の部分は少しで他の大部分が街の建物散策の説明になっているのに加え、全部で1時間半もかかるので敢えて必要なのかは微妙なのですが、それは皆さんのお好みで選んでください。 ちなみに教会以外の建物は、特別な物は何も無くどこの街にも残るモデルニスモ建築、平凡な物ですのであまり期待はしないこと。 以上、コロニア・グエル教会の解説となります。 最後までお読み頂きありがとうございました。   *広告* あと話は変わりますが、もしモンセラットなどと併せて効率よく回りたい方はバルセロナウォーカーが主催するモンセラット+コロニアグエル半日ツアーがありますので利用下さい。 専用車でホテルまでお出迎え、お送り。ツアーは当サイトを運営、この記事を書いたカミムラもしくは弊社日本人スタッフが同行しますので安心です。 また、旅程がタイトで行けない方で、午後出発のフライトをお持ちの方でしたら空港送迎サービスに付随して空港からからホテルへの途中もしくはその逆、ホテルから空港への途中に送迎の移動時間+観光も入れて合計約2時間程で立ち寄る事もできますのでお問い合わせください。 と、ちゃっかりこの場を借りて宣伝しておきます。

2-c4-grand-picasso--644x362 【厳選、お勧めオリジナルツアー】 ホテルまでの送迎がついているのでドアツードアで安心、そして楽ちんの欲張りツアー。

お勧め度:16点/20点 ★★★★☆


住所 Claudi Güell  【地図はこちら】
URL http://www.gaudicoloniaguell.org
開館時間 月~金:10:00~17:00、週末・祝日:10:00~15:00  日曜・祝日は、11:00から1時間程はミサの時間のため内部見学不可。 休館日:1/1,6 、4/13,18、12/25,26
料金 料金: €10.00、学割・シニア€8.00  子供10歳未満は無料 (注意)チケットはインフォメーションで購入します。教会では買えません。
最寄駅 FGCコロニア・グエル駅から徒歩10分 (詳しい行き方は下の関連記事を参照下さい)

記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2024.02.25

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2025年夏 最新版 サグラダ・ファミリア ライトアップ時間、治安アドバイス

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一年を通して毎日行われていて、それも無料で見ることができ更にこれまで実際に行かれた日本人の満足度も★5つ。

ここでは季節毎に変わるライトアップの点灯時間、どのポイントでどんなアングルで写真を撮るのがお勧めか、更に心配な周辺の夜の治安も含め徹底解説していきます。

 

生誕のファサード

IMG_1270-001

夜だけの、幻想的サグラダ・ファミリアが出現

サグラダ・ファミリアはガウディが生きていた頃にほぼ完成していた生誕のファサードと、そこにそびえ立つ4本の塔。

もう一つはガウディ亡き後に地元彫刻家スビラックスのデザインした、受難のファサード4本の塔。この二つのうち、何と言っても夜景観賞は生誕のファサードがメインとなります。

では、生誕のファサードの前に立ち、まずは間近からサグラダ・ファミリアを見上げましょう。

日中、太陽の光の中でみた教会とは違った、琥珀色に輝く迫力の生誕のファサード、そこにそそり立つ4本の塔が私たちに迫ってきます。

それはまるでひとつの有機体のような、不思議なエネルギーを感じさせます。

一通り写真を撮り終えたら、間近で見上げていたこともあり首が疲れていることでしょう。

そこで、今度は正面の公園にある池の反対側まで回り込んでみましょう。

池にサグラダ・ファミリアが映り込んで、息をのむような絶景…これぞ「逆さだ・ファミリア!」

ちなみに、”サグラダ”と”さかさだ”を掛けたオヤジギャグ。

昭和世代にこれはウケること間違いなしで、更にもう一つお教えすると「さすがだ・ファミリア!」と言うのもあり、旅行の際にはポイントポイントで使うようにして頂ければ、より一層楽しいバルセロナ旅行になるかと思います。

尚、この”逆さだファミリア”は雨や風が強い日は池に波が立ってきれいに見えませんので、天気が悪い日は旅程内で調整可能なら後日訪れてみてください。

 

ライトアップ時間表

*3月の最終週の日曜日から31日までの数日間は4月の時間が適用されます。10月の最終の日曜日から31日までの数日間は11月の時間が適用されます。また市役所の都合により急遽変更になる場合や、点灯されない場合もありますのでご注意ください。

サグラダ・ファミリアの夜景に行く計画を立てる際に、最も重要になるのは時間です。上の時間表を見て頂くと分かりますが、点灯と消灯の時間が季節により大きく変わります。

例えば一年で一番、陽の短い12月は夕方18時に点灯、22時には消えてしまい、一方で陽の長い6,7月は点灯するのが22時で消灯24時。

冬場は4時間近くもライトアップがありますが、夏場は僅か2時間ほどで点灯する時間も遅く、夜22時に点灯に合わせて到着し観賞したとしても、ホテルに戻ってくるのは深夜23時頃になります。

尚、夜景観賞後の帰りについて述べると、遅くなる夏場は地下鉄の営業自体は平日24時まで、金、土曜日の夜は終日運行なので特に問題なく戻れるとは思います。

ただし、電車の待ち時間や乗り換えの手間などを考えると、ホテルまでタクシーがお勧めです。

タクシー乗り場は教会横にあり、また流しのタクシーを拾うのも簡単で、料金も市内のホテルなら10ユーロ弱。日本円でわずか千円ほどです。

また、ライトアップ時間に合わせて夕食の時間を考えなくてはならず、夏ならライトアップ前、冬ならライトアップ後もしくは夕食は早く終わらせ21時過ぎにはサグラダ・ファミリアに着いている必要があります。

ちなみに、観光客御用達以外の地元スペイン人も利用するレストランですと営業は20時もしくは21時からとなりますので注意が必要です。

そのへんの時間の兼ね合いはこの記事の最後の「近くのお勧めレストラン」の項で説明します。

http://i1.wp.com/blog-imgs-75.fc2.com/r/i/b/ribochan/CIMG2055.jpg?w=640 【地下鉄 Metro メトロ】
バルセロナ市内を観光するなら、地下鉄の利用の仕方を知っておくと….
taxi 【タクシー TAXI】
日本に比べて安く、市内なら10€もしませんので疲れた時は気楽に利用し… 

 

受難の門?

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 生誕のファザードの琥珀色と違いこちらは白色
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 まだ新しいファザード  下半分が木に隠れ

夜も人気の生誕のファサードとは対照的に、受難のファサードはライトアップもされますが人気は全くと言っていいほどありません。その理由は、ガウディの死後に作られただけあって新しく荘厳さが感じられない。

更に悪いことにはライトアップに使われているライトの色が生誕と違い白っぽく、いわゆる蛍光灯の様な色で先に生誕のファサードのライトアップを見た後だと、正直拍子抜けし安っぽさだけが目につきます。


時間が余ればもちろん見てもいいのですが、そうでなければ受難は省略してOKです。

 

マジックアワー

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日の出直後は清々しい 日が沈んだ後の景色の変化

ところで夜景写真も人気ですが、日没から始まる夕焼けで空が赤く染まり出し、完全に暗くなりライトが点灯される迄のいわゆるマジックアワーの時間には、予想外に変化のある写真が撮れることがります。

もし、時間がある方は少し早めに訪れてみると良いでしょう。バルセロナの、日の出と日没の時間については以下を参考にしてください。

*日の入り時刻は1か月の平均で、それぞの日により若干のズレがあります.より詳しくはここで、一日単位で確認下さい。

 

動画 ライトアップ

 

IMG_0780 マジックアワーとは日没前、日の出後に数十分程体験できる薄明の時間帯を指す撮影用語です。夕方は光源となる太陽からの光線が日中より赤く淡い状態となります。
また逆に早朝は色相がソフトで暖かく金色に輝いて見える状態である日没前の薄明かりの時間帯は、まるで魔法(magic マジック)のように芸術的写真が撮れてしまうことからそう呼ばれ、プロの写真家の間ではよく知られています。と言うわけで、スマホでもプロ顔負けの写真が撮れる絶好のチャンス、一度お試しください!

 

夜の治安

スリ置き引き被害があり、これまで多くの日本人がその被害に遭っているバルセロナ。ここでは、夜のサグラダ・ファミリアのライトアップの安全について考えてみます。

まず、このサグラダ・ファミリアの夜景の場所に泥棒がいるかどうかですが、その答えはいます。いつも必ずいるとは言いませんが、これまでかなりの頻度で泥棒達を見かけました。

一番よく見かけるのはサグラダ・ファミリア生誕の池の裏の撮影スポット。

観光客が写真を撮っているその後方のベンチに泥棒は座って良い獲物(隙のある観光客)が来るのをじっと待っていたりします。

ここで代表的な手口について具体的に述べると、写真撮影に夢中になっていて手荷物に注意がそれた、その隙を狙って盗っていくと言うのが一つ。

またケチャップなどをかけられ、その汚れを指摘し拭いてあげると言って近づいて来る、いわゆるケチャップ泥棒。

また、それ以外にも偽警官がたまに出没して、偽札や麻薬の取り締まり等と称して財布を見せると言って、迂闊に従って財布を渡そうものなら中から手品のことく現金やカードを盗まれてしまいます。

さて、どう対策すれば良いか。

まず貴重品は持たないと言うのが一番重要で、必要な最低限の現金とクレジットカードは1枚。またパスポートは原本では無く必ずコピーを持ち、それ以外の物をはホテルに置いて下さい。

そして鞄はショルダーバックにし、肩からたすき掛けで体の前に持つことが重要。

より詳しくは下のリンク【バルセロナ究極のスリ置き引き対策】を参考にして頂ければ怖いもの無しです。

偽警官については本当の警察は制服、その腰の見えるところに拳銃を携帯しています。

私服で警官だと称し、声を掛けてきて身分証明書を見せる輩。

それは間違いなく偽警官ですので相手にせずその場を立ち去るか、一人や夫婦だけにならないで近くの人や観光客のグループのところ寄って行きしばらく彼らと一緒にいれば、人前では結局何も出来ず泥棒は直ぐに嘘がばれたと気づき諦め去っていきますのでご安心ください。

尚、強盗など恐ろしい泥棒被害はありませんので、要は余計な貴重品は持ち歩かない声を掛けられても相手にしない、その2つさえきっちり守れば良いだけの話です。

また、夜景を見た後は下手にケチらずタクシーでホテルに帰られてはどうでしょう。

たった日本円で千円程で安全が買え、そして手間もかからず疲れずに最短でホテルに戻れるのですからホント安い物です。

1-IMG_1335 【バルセロナ究極のスリ、置き引き対策】
こうすればまずトラブルに遭う事は無いと保証できる方法とは…

 

動画 夜を検証

実際の夜のサグラダ・ファミリアの周りの様子をご覧ください

公園の中以外の周辺の通り、受難のファサード側にも泥棒はいるので公園の外でも気を抜かない。

 

夕食との組み合わせ

chilinnn (3) kanguiu (15)
 スペイン料理と言えばパエリヤ。現在、バルセロナを代表する2軒、左 Xiringuito Escribà 、右 El Cangrejo Loco
c6 Txapela | バルセロナ観光情報サイト
 屈指の人気を誇る、左 Cervecería Catalana。サクッと食べるならピンチョスが便利、右 Txapela

夜景を見る日は、行こうとしているレストランの営業時間と重ならない様に、ライトアップ時間と夕食時間の組み合わせを考える必要があります。

特に高級レストランのミシュランの星付きや、地元スペイン人御用達のレストランは夜は9時開店が多く、食事時間も最低でも1時間半もしくは2時間は掛るので注意が必要です。

そんな中で組み合わせやすいレストランとしては、昼夜通しで営業している店。

例えば日本人が必ずスペインに来たら食べるパエリヤ、そして一品料理のタパスなどの人気店(上記の4店舗など)は通し営業の店が多いので、それを上手くかみ合わせると良いと思います。

所要時間はパエリヤ2時間弱、タパスは1時間程、また食事時間を早く済ませたい方はピンチョスレストランがお勧めです。

 

近くのお勧めレストラン

ss-1IMG_2637 bardenisa (1)
ガウディも大好きだった?ピンチョスを試してみて サグラダ・ファミリア周辺の定番と言えばここ

ここで、サグラダファミリアに夜景観賞と撮影に来た際は、その前後に利用できるお勧め店を幾つか紹介します。

まず、一つ目の創作タパスバルの「Bardeni」は、これまで訪れた日本人にも好評で、生誕門から僅か3分弱。ここは人気のため予約は取らないので開店5,10分前には必ず着いておいて下さい。

あと、ピザ屋「La Piazzenza」も日本人に好評で、お店の前からもサグラダファミリアが見えます。

もし、どちらか迷うならアドバイスとして。ワインやビール飲むのが好きな人なら「Bardeni」飲めない、もしくはお子様連れなら「La Piazzenza」が良いと思います。

bardenisa (4) 【Bardeni】
サグラダファミリアの夜景観賞の行き帰りにお勧めバルで軽く….
ss-1IMG_2637 【La Piazzenza】
サグラダファミリアから徒歩4分にあるお勧めピザ屋はこのエリアでは手堅い1軒とし….

 

まとめ&アドバイス

最後にこのサグラダ・ファミリアの夜景のお勧め度ですが、日本から友人が来た時には必ず連れて行きます。

理由は簡単、10人来たら9人は間違いなく感動するからと言う簡単なものですが、行って後悔はしないと断言できます。

敢えて欠点を一つあげると、夏だと夜の22時からのライトアップと言うことで、翌朝に帰国や早い時間の移動などの人には少し辛いかもしれません。

また、日中の観光を終え夕方一旦ホテルに戻ったら夜に改めて出るのは億劫と言うのもあると思います。とは言っても実物、夜ライトに照らされたサグラダ・ファミリアを見ると、そんな疲れも吹っ飛ぶと思いますので、是非頑張って見に行ってみてください。

また、夜景以外の「サグラダ・ファミリア撮影スポットお勧め4選」も下のリンクにまとめてありますのでご覧ください。

最後に、サグラダ・ファミリアの夜景とは関係ないですが、旅行中に洗濯物がたまった、お子さん連れなどでコインランドリーを利用したい方は生誕の門の池の撮影スポットから僅か徒歩2分の所にコインランドリーがあります。

夜景観賞の行き帰り、もしくはそこに洗濯物を投入して夜景観賞してる間に洗濯が終わるという究極の一挙両得方法もありますのでお試しください。

img_6063 【世界遺産に一番近いコインランドリー】
旅行中に溜まった洗濯物を一気に洗う、場所はサグラダ・ファミリア徒歩2分!
sagurada 11 【サグラダ・ファミリア撮影スポット4選】
撮る場所、時間によってまた違って見えるサグラダファミリアですがその中から… 

 

 


記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

 

この記事を書いた人:アキモト
日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2024.01.26

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2025年夏 最新版 カタルーニャ美術館 =世界最大のロマネスク美術コレクション=

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スペイン広場から見ると、まるで宮殿の様に見えるのがカタルーニャ美術館。この巨大な美術館を徹底解説します。

 

概要

国立カタルーニャ博物館(MNAC)は、1929年に開催されたバルセロナ万博の政府館として作られた建物を利用する形で、万博後の1934年に美術館としてオープン。

1992年バルセロナオリンピックの際に、大ホール、ラ・グラン・サラ・オバルがリニュアールオープンされると共に、1995年よりロマネスク様式の美術品の展示が開始され、現在世界最大のロマネスク美術が保存されてに至っています。

収蔵品はカタルーニャのロマネスク美術以外にも、ゴシック美術・ルネッサンス芸術、バロック様式、近代美術と多岐に及び素描・版画・コイン・メダルのコレクションなど種類、量ともに多彩を極めます。

更に豊富な資料を揃える図書館があり、正にカタルーニャの芸術を知る上で最も重要な美術館と言えます。

展示品の中で特に有名なのが、ロマネスク時代の教会壁画「全能のキリスト」。

現存するロマネスク絵画のなかでも最高傑作として美術書に必ず紹介され、スペインの近代絵画の3巨匠とも言われる、ピカソ、ダリ、ミロらもこの絵に大きな影響を受けたほどです。

また、彼ら三人と同時代にバルセロナで活躍したカタルーニャ人、アーティストの絵や彫刻も多く展示されています。

 

建物

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モンジュイックの丘に建つ美術館からは街が一望
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巨大な柱はカタルーニャの旗の4本線を表しています 旅行者に大人気の夜に開催される噴水ショー

モンジュイックの丘にそびえる美術館。

街が一望できる場所に建つその威容はスペイン王室の宮殿とも見間違う程で、空港から市への入り口ともなるスペイン広場からの眺めは、正にバルセロナのシンボルの一つとなっています。

また、夜は100年続くの無料のマジカ噴水ショーが開催されていて、バルセロナに訪れる旅行者にも大人気で夏は数万人の見物客でにぎわいます。

funsui (2) 【マジカ噴水ショー】★★★★☆
1929年5月にここバルセロナで開催された万国博覧会。それに合わせて作られ….

 

建物内部

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メインドームのフレスコ画
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ルネッサンス様式の王座の間 1,300席の大ホール

建物の内部はルネッサンス様式に基づき建てられたもので、中央にドームと、その左右に延びる2つの建物からなり総面積32.000㎡。

東京ドームの約2/3の巨大な建物は美術館、また1,300席を要する大ホール「ラ・グラン・サラ・オバル」は会議場、コンサート、授賞式、プレゼンテーション、あらゆる種類のイベントに利用されています。

 

3つのセクション

1階

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美術館は、大きく分けて3つのセクションからなります。1階(地上階)の正面入り口から左にあるのが、ロマネスク様式芸術。

その反対の正面右側にあるのが、ゴシック、ルネッサンス、バロック各様式をまとめた展示場で、更にその中にカンポー遺産、ティッセン・ボルネミッサコレクションがあります。

 

2階

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次に2階には近代芸術。その中にはデッサンと版画のコレクション、更にカタルーニャ貨幣も含まれます。

回る順番は自由で、好きなように見ていかれれば良いと思いますが、時代の古い順から見るのが分かり易いはずです。

なので最初にロマネスク様式芸術 ➡ ゴシック、ルネッサンス、バロック様式芸術 ➡ 近代芸術と見て回って下さい。

 

ロマネスク美術

【ロマネスク時代】

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時代区分としてはおおよそ1000年から1200年頃までのビザンティン美術様式以降、ゴシック美術様式以前までを指します。

ビザンティンとロマネスクは、時代的には重なる部分もありますが、ゴシック、の3つを含めた時代で中世美術を構成しています。

また、その3つが独立した呼び名ではありますが、ロマネスクはビザンティンに、ゴシックはロマネスク、ビザンティンの2つに大きく影響を受けています。

 

【ロマネスク美術の特徴】

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教会建築がメイン 聖堂ドームのフレスコ画
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絵はコミュカルで稚拙 こんな可愛いものまで

ロマネスク美術様式とは、中世西ヨーロッパの建築様式の一つであるロマネスク建築様式の中においての、主に教会の聖堂を装飾するための壁画、彫刻、装飾などを指します。

なので、それらの芸術はあくまでメインの教会建築に付随する、二次的な扱いになっていて、建築あっての美術と言うのが大きなポイントになります。

また、ロマネスク美術はスペイン、イタリア、フランスなどの南欧によく見られますが、それだけに留まらず大陸全体、ドイツ、イギリス、ベルギーなどでも見られます。

尚、ロマネスクという言葉は、美術史・建築史において、19世紀以降使われるようになった用語で、直訳すると「ローマ風の」という意味です。

ただ、このローマ風と言う言葉ですが、決して良い意味で使われていたわけでなく、当初「堕落し、粗野になったローマ風の建築様式」という蔑称としての側面が強くありました。

その理由としては、上に示した画像でも分かるように、宗教画とは思えないコミカルな絵、またそれは稚拙ともとれるもので、ロマネスク後のヨーロッパの美の規範となる「写実性」や「遠近法」などには程遠かった故に、全くそれまで評価されていなかったからです。

尚、軽蔑の目で見られていた、そのコミカルな絵、稚拙ともとれる表現が一転し、自由で魅力に溢れたロマネスク美術として再評価されるようになるのは、20世紀になってからのことです。

それは当時ヨーロッパで大きなうねりとなっていた美術界の変革、スペインで言うとピカソやダリが出現して来た時代。

反古典・反写実主義という、近代美術が求めようとしていた方向性と多くの共通点があり、ロマネスク美術は脚光を浴び始めました。

 

個性的な展示手法

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聖堂内を美術館に再現 木製のドーム

カタルーニャ美術館では、教会の壁面を飾ったフレスコ画を非常に珍しい形で展示しています。

それは元々ピレネー山中の教会にあった、内部のフレスコ画を引き剥がし運んで、美術館の壁、柱に貼り付けて再現し、展示していることです。

中でも特筆すべきは、教会のアプス部分(教会の一番奥の半円ドームになってる部分)を木枠で作り、あたかもそこに聖堂があるようなバーチャル空間を創造していることです。

その前に立つとピレネー山中の教会において、実際にどの様にそれらが配置されていたのかが、直感的に分かる様に工夫した展示がされています。

ところで、ピレネー山中の教会の壁画を剥がして、都会のバルセロナの美術館に展示すると言うのは、何とも荒っぽいと思えますが、それには理由がありました。

1906年より派遣された文化財調査によりピレネー山中で殆ど見捨てられ、手入れもされることが無かったロマネスク教会の貴重な壁画を後世に残す為に必要だったからです。

また、1906年の調査の後に「Les pintures murals catalanes (カタルーニャの壁画)」としての内容が出版されると、数年後には外国の骨董商らのグループがピレネーの村に訪れるようになります。

彼らは、米国などのコレクター向けに持ち出そうとしますが、当時それを止める法律がなかったこともあり、早急の対策として美術館自らが買い取り、保存することになりました。

1919年から始まった保存事業。

その作業は、まず壁画を漆喰ごと慎重に剥離し、はぎとられた壁画は専門家の手により時間を掛け丁寧に修復された上、先ほど述べた様に美術館内に教会の空間構成を忠実に三次元で再現しました。

動画は、1978年に実際に行われた壁画の剥離の様子を解説しています。

 

サント・クレメント聖堂壁画

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サント・クリメント大聖堂 教会の後陣のフレスコ画
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ロマネスク美術の最高傑作の一つ、全能者キリスト

現在、世界遺産に指定されているピレネーのボイ渓谷の教会群の中でも、その中心となのがタウル集落にあるサント・クリメント教会。

その聖堂から運ばれ、展示されているフレスコ画がこそが、カタルーニャ美術館の最大の見所です。

また、これは現存するロマネスク美術の中でも、最高傑作として世界的に広く知られています。

この壁画「全能者キリスト」。右手は祝福のしるし、左手の書物は「我は世の光」と表しています。

キリストの像は一応、左右対称になってはいますがポーズに関してはわざと崩し、それにより生き生きとした動きを表現しています。

またキリスト上半身は二等辺三角形、下半身は台形で構成され椅子に座った形になっていて、更によく見ていくと

キリストの上には神を表す手と7つの目をもつ子羊が描かれ、キリストの下にはキリストの象徴である朝日(復活した太陽)が差し込む窓があり、これらが一直線上に位置すします。

また、キリストを囲むのは、天上でキリストのことばを聞くことを許された4人の福音書記者である聖人で右上の聖ヨハネは鷲、右下の聖ルカは牡牛、左上の聖マタイは翼を持つ人間。

左下の聖マルコはライオンと、それぞれシンボルとなる動物を伴い、更にその外側をとりまく天使の羽にはたくさんの目が描かれています。

ちなみに、ジョアン・ミロはこの目に対する感動を生涯に渡り語り続け作品の中にも取り入れました。

また、後のピカソにも影響を与えたと言われるビビットな色使いは必見です。

 

ロマネスクの衰退

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ところで、ロマネスク時代以降、時間の経過とともに、ロマネスク様式は廃れていきます。

その理由は既に述べた通り、宗教画とは思えないコミカル、稚拙ともとれる絵のせいです。

上の写真は、世界遺産のカタルーニャ音楽堂の建設で知られるドメネク・イ・モンタネールが、1904年にサンクレメンテ教会を訪れた際に撮影されたものです。

ここで見てとれるのは、ロマネスク美術の最高傑作と呼ばれる壁画「全能者キリスト」がなんと、5つの塔からなるゴシック様式の祭壇画の背後に隠されていることです。

このことから「堕落し粗野になったローマ風の建築様式」という蔑称まで付けられたロマネスク様式が当時、人々からどの様に扱われたいたかが垣間見れます。

また写真では分かり難いですが、絵画の一部は剥がされた上に白塗りされ永久に失われてしまっていました。

 

フレスコ画の特徴

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アネウの後陣礼拝堂 羽に目玉、目玉、目玉 ….

ここで、ロマネスク美術の特徴として壁画について解説します。

まず、さして大きくもない小規模な田舎の教会にも関わらず大きな壁画が描かれた理由はその建築様式から来ています。

ロマネスク時代は、その後に起きるゴシック建築の様な高度な建築手法が未だ育っておらず、厚い石屋根を支えるためには太い柱と厚い壁を必要とし、そのため窓も必然的に小さくなりました。

窓が大きく取れないと言う事は教会内が暗いと言う決定的な欠点にですがその反面、窓が小さいと言う事は壁が広いと言う事であり、壁画を描く上でのスペースの制限は無きに等しく、その意味で教会の規模のわりに大きな絵(フレスコ画)が描かれ普及することになったわけです。

 

【フレスコ画】

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フレスコ画の最高傑作と言われるミケランジェロ最後の審判

14~16世紀に流行した壁画の代表的な画法で、このフレスコとはイタリア、スペイン語で共に新鮮という意味。

実際、バルセロナの魚屋さんでフレスコと言えばその日の朝に水揚げされたばかりの鮮魚を指します。

フレスコ画の特徴としては耐久性が非常に高く、また水性顔料で描くことによって透明感のある明るい発色が得られ、それが数千年も保たれています。

ここで具体的な画法を紹介すると、まず漆喰を壁に塗りそれの乾かないうちに水性の絵の具で直に絵を描ます。

すると漆喰の主成分である石灰の層の中に絵の具が染み込んでいき、漆喰は乾燥が始まると表面に固い透明な皮膜ができ、それが絵の保護層となって非常に堅牢な画面となるわけです。

ただし、フレスコ画にも欠点がありそれは漆喰が濡れているうちに全て描いてしまわなければならなず、やり直しが効かないため高度な計画と技術力を必要とすることです。

フレスコ画はルネサンス期に最も盛んに描かれ、その代表作としてはラファエロの『アテネの学堂』やミケランジェロの『最後の審判』などがよく知られています。

 

【板絵】

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ドウーロ サンキルゼ教会
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鋸挽き 釜茹で

ロマネスク美術の絵画は壁画以外にも板絵があり、これらは木製の祭壇の周りを飾っていた絵です。

その中でもキリスト教の宗教絵画につきものの殉教の残酷な様子を描いたものもありますが、その残酷シーンですらなぜかコミュカルに見えるのがロマネスクらしさとも言えます。

また、日本人でロマネスク美術を好む人の多くがヨーロッパを旅行し幾つもの教会を見ていくうちに、疲れてしまった経験を持った人です。それはバロックに見られる過剰とも言える教会装飾、重くリアルな宗教画。

それはまるで脂っこい料理を食べて食あたりしてしまうのにも似ています。

そんな時に見るロマネスク美術は日本人の気持ちをほっこりさせてくれるのです。

上の絵を見ても分かりますが稚拙で不恰好でコミカルで表現が子どもっぽいですが、ロマネスクならではのこの安らぎが、現在でも人を魅了し続ける要因となっています。

 

稚拙でコミカルな理由

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威厳に満ちたキリスト なすび

では、稚拙でコミュカルな絵や彫刻になった理由は、技術が貧弱であったのかと言うとそうばかりではなく聖アウグスティヌスの言う「美は物質的な塊の中に求めてはいけない」という思想などがその時代は強く影響していたからです。

すなわち、物質的な塊であるところの自然・人間の外観のなかに宿る美を追求してはいけない。

その中では、かつてのギリシア・ローマ的な写実性に富んだ美意識は否定されます。

なので元々、写実的である必要性が無かったわけで、その縛りがなかった分だけより自由奔放な表現が許されたとも言えます。

尚、基本的にはロマネスク絵画、彫刻の作者は無名となっていて画家・彫刻家など現在の芸術家と言うものでは無く、いわゆる職人にの手によるものでした。

 

柱頭装飾

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カマサラ城 サンミケル教会の柱頭
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リポールのアーチ 沖縄のシーサーにも見える…

ロマネスク美術のもう一つの見どころとなるのが、聖堂の柱や梁に施されている数々の彫刻。

大きな特徴としては、身体が不自然に押しつぶされ3頭身だったり、身体が変に曲がっていることがあったりすることです。

フランスの美術史家アンリ・フォション(1881-1943)は、この奇怪な造形の秘密を「枠の法則」というルールで説明しました。

既に述べましたが、ロマネスク美術と言うのはあくまでもメインの教会建築に付随する二次的な扱いになっています。

なので建築の構造に全てが支配され、例えば柱頭と言う限られたスペースの場所では、その中でしか彫刻表現が出来ないことにより必然的にデフォルメされることによると言うことです。

ただ、枠・スペースと言う制限があるから身体がデフォルメされていると言い切れるかは微妙で、ロマネスク美術の研究家の金沢百枝氏が「ロマネスク美術革命」でも言及されていますが、一概にそうとも言い切れないほどの自由奔放な表現を見せるのがこのロマネスク様式です。

柱に色々な動物や化け物までが登場する柱頭彫刻は、ロマネスク美術を観賞する上での最大の醍醐味の一つともなっています。

また、以下の真鍮製の神具などは東方的な要素を多分に含んだビザンティン美術の影響が色濃く表れています。

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モンドニェドの司教杖
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聖体の白鳩 セルダーニャの聖体容器

 

ロマネスク美術アドバイス

何の前知識なしにロマネスク美術を見ると殆どの人が、ただコミカルで面白い絵で終ってしまいます。

実際、特に印象に残らなかったと言うのが、これまで訪れた日本人の方達の正直な感想です。

そうならない為には紀元前のギリシャ、ローマから続く西洋美術において、このロマネスクだけが時代を逆行する様な他に類を見ない特殊な時代だったことを理解してその特殊性を見ていくと、きっと興味が沸き貴重な体験をしたと思えるはずです。

言い換えればこの点を理解できる、出来ないかで、カタルーニャ美術館を訪れた意味の半分が決まってしまうと言っても過言ではありません。

 

3つの様式コレクション

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ロマネスク時代に続く、ゴシック、ルネッサンス、バロックそれぞれの様式の美術品もスペイン以外の作品も含め豊富に展示されています。

他に有名な作品こそありませんが、グレコ、ベラスケス、ルーベンスなどの巨匠の作品も幾つかあります。

 

【ゴシック様式】

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聖アゴスティンの聖別式(ジャウム・ウゲート) キリストの復活(バルトロメ・ベルメホ)
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キリストの頭 

 

ルネッサンス、バロック様式芸術

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聖ペテロと聖パウロ
(エル・グレコ)
聖パブロ
(ディエゴ・ベラスケス)
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マルメロと柘榴の実の籠(ファン・デ・スルバラン)
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聖バルトロマイの殉教
(ホセ・デ・リベラ)
聖母子、聖イサベルと
聖ファニート(ルーベンス)
 
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キリスト昇天祭のブチントローの帰還
(ジョヴァンニ・アントニーオ・カナール)

 

カタルーニャ近代芸術

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日本では殆ど知られていない作家ばかりと思いますが、地元カタルーニャの画家、彫刻家、写真家などの作品において量、質共に一番を誇っています。

 

ピカソ、ミロ、ダリに代表される近代芸術

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公表展示会の描写(ジョアン・ミロ)
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学術研究
(パブロ・ピカソ)
帽子と毛皮の襟を付けた女性(パブロ・ピカソ)

スペインを代表する近代絵画の巨匠の二人、ピカソ、ミロ、ダリの作品が少数ながらあります。

もちろん、ピカソ、ミロ共に専用の美術館がここバルセロナにあるので、わざわざこれらの作品を見に行く理由はありませんが、メインとなるロマネスク美術鑑賞のついでとしては決して悪くありません。

そのなかでも興味深いのはミロの作品「公表展示会の描写」。

抽象画のイメージが強いミロですが、初期にはこんな写実的な絵も描いていました。

 

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二人乗り自転車に乗るラモン・カザスとペレ・ロメウ
(ラモン・カザス)

ダリやミロが有名過ぎて日本ではあまり知られていませんが、カタルーニャの近代芸術の作家の中には、世界的に知られたラモン・カザスなどの作家の作品も多数含まれています。

 

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IBMの壁画(ジョアン・ミロ)

彫刻作品の中での見物の一つは、ミロの巨大壁画。バ

ルセロナの IBMの支店にあったものが、このカタルーニャ美術館の2階の大広間に展示されています。

 

ガウディの家具

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ガウディがデザインした家具が展示されています
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カサバ・トリョ コロニア・グエルの椅子

美術館には思いがけず、ガウディがデザインした、扉や椅子などの家具も置かれています。

また、一番弟子でガウディの右腕だったマリア・ジュジョールの制作した家具などもあり、その中ではガウディが作ったコロニア・グエル教会の礼拝堂の椅子が見物です。

現在、教会にあるものは全て作り直されたレプリカですが、現存するオリジナルの8つの椅子のうちの一つがここに展示されているものです。

 

ショップ

見学の最後はショップになります。

中は広くそれなりに品ぞろえがありますが特にお土産にするものは見当たりません。

ただ興味があればロマネスク芸術の思い出に何か探されのも良いかと思います。

尚、ショップは美術館の外、入り口の手前にももう一軒あるので入場チケットを持っていなくてもそちらに入ることが出来ます。

 

まとめ&アドバイス

美術館の立地は主なガウディ建築がバルセロナ市内の中心部に位置しているのに比べると最寄りの地下鉄駅から遠く、また丘の上にあるのでアクセスには時間が掛かります。

ただ、それに反して美術館からはバルセロナの街が一望でき、それだけでも来た価値があったと思えるかも知れません。

また、建物の外観は王宮を思わす様な威容で館内も1階ロビーから2階のドームまで、歴史こそ浅いですがルネッサンスを元に建てられただけあり荘厳な雰囲気漂う中を鑑賞ができる空間になっています。

所蔵作品数は膨大、また展示もゆったりしていて日本の美術館の混雑とは雲泥の差と言えます。

ただし欠点を敢えて挙げると展示作品数が膨大なこともあり、一日で全部見切るのにはかなりの時間を要します。またその間集中力を持続するのは不可能。

丹念に見ていくのなら、最低でも2日は必要です。

また一方で規模の割には訪問者も多くなく、ここがどの国のガイドブックにもお勧め上位に入らず、マイナーな美術館になっているのには理由があります。

それは展示は一応ロマネスク芸術から時代順に、ゴシック、ルネッサンス、バロック、そして近代芸術と見て行けますが、巨大な建物に並べれるだけ並べたと言える展示は、その数とジャンルが多いだけに雑多な感じが否めないところ。

更に悪い言い方をすると、それはまるで食べ放題のビュッフェ料理を食べた後の様な食後感に似たようなものもあります。

もちろん入場料とその展示作品の数から言えばコスパは悪くは無いと思いますが、もう少し絞った展示が行われると見やすいはず。

マドリッドのプラド美術館の様な中世の巨匠の画家、彫刻家の有名作品があるわけも無いのですから余計、展示作品を厳選するべきです。

あと、これは個人的ですが昔は確かにピレネーの山の教会では保存が難しかったかも知れませんがスペインも経済的に豊かになり、例え田舎でも現在なら技術的にも十分保存は出来る様になっています。

なので、ロマネスク壁画は本来あるべき場所である教会に戻してあげるのが、最良かと思いますがどうでしょう? 

元々あったところで時代に関係なくそのこにたたずんで、もし絵の具の色が劣化して消えてしまってもそれはそれ。

現在、生きる私達のエゴで自然に消えていくものまで残す必要はないと思います。

 

【入場チケット手配】

現在、手数+2.5€で入場チケットの手配をしています。
自分でご購入される場合と違い、チケットの取り間違いリスクがゼロ。
よろしければ是非ご利用ください、詳細は以下。
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お勧め度:14点/20点
★★★★☆(3.5)


 

住所 Parc de monjjuic   【地図はこちら】
URL  http://www.museunacional.cat/en
TEL 933 19 57 40
開館時間 10月-4月 10:00~18:00、5月-9月 10:00~20:00 日曜、祝日 10:00~15:00
閉館日:月曜日、1/1, 5/1, 12/25
料金 €12(2日間有効/最初の入場から一か月以内で2日入れます)、16歳未満無料 
※お得情報※
毎週土曜15:00~、毎月第一日曜、5/18, 9/11, 9/24は無料(要オンライン事前予約)
最寄駅 地下鉄1,3号線 España(エスパーニャ)駅から徒歩10分

 

 


記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

 

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2023.010.17

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2025年夏 最新版 完全解説 ピカソ美術館 =バルセロナで一番人気の美術館=

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スペインが生んだ偉大な芸術家パブロ・ピカソ。キュービズムに代表される難解な作品が多い中、子供の頃から晩年までのピカソ作品の変化と成長が時代系列で見れるこの美術館を徹底解説していきます。

バルセロナとピカソ

スペインが生んだ偉大な芸術家パブロ・ピカソ。1881年にアンダルシアマラガに生まれたピカソは、その生涯において一万点を超える油絵とデッサン、更に10万点にも及ぶ版画、数百点の彫刻や陶器作品を製作するなど、非常に多作な芸術家としても知られ、それはギネスブックの世界記録にも登録されているほどです。

また、キュービズムと呼ばれる芸術動向の創始者とされ、従来の遠近法(一点透視図法)によらず、異なる複数の視点からとらえた物体の形を一つの画面に描写し、断片化された平面として再構成する独自の表現方法を確立したことで、世界で最も著名な画家の一人となりました。

そんなピカソが1895年から1904年にかけて、多感な10代を過ごしたのがバルセロナです。

ここで紹介するMuseu Picasso(ピカソ美術館)は、バルセロナのゴシック地区の東に位置するMontcada(モンカダ通り)に13~14世紀に建てられた貴族の邸宅を含む5軒の建物を改装し1963年に開館しました。美術館のある狭いモンカダ通りには昔のお屋敷跡が並び、今でも中世の雰囲気が色濃く残っています。

 

パブロ・ピカソ年表

スペインの南のアンダルシア地方のマラガ市で生まれたピカソですが、実際にスペインに住んでいたのは若い頃だけです。

ここで彼の軌跡をたどってみると、バルセロナには 1895~1904年 の9年間過ごしましたが、その後92歳で亡くなるまでの人生の殆どをフランスで過ごしました。



1881年 10月25日、南スペイン・マラガで絵の教師の子として生まれる。
1892年 ラ・コルーニャにある父の教える美術学校に入学し、美術の基礎を学ぶ。
1896年 バルセロナの美術学校に入学。
1897年 「科学と慈愛」がマドリードで開かれた国展で佳作を受賞。*ここバルセロナに展示
同年 「科学と慈愛」がマラガの地方展にて金賞を受賞。
同年 秋、マドリードのサン・フェルナンド王立アカデミーに入学。のち中退。
1899年 バルセロナに居を構え、絵に専念する。
1900年 初めてパリを訪問。バルセロナとパリを行き来する。
1901~1904年 青の時代】親友カサジェマスの自殺にショックを受け、青く暗い色で売春婦や乞食などを描く。
1904年 パリ・モンマルトルに住みはじめる。
1904~1907年 バラ色の時代】恋人フェルナンド・オリヴィエと知り合い、明るい色調でサーカスの芸人などを描く。
1907~08年 【アフリカ彫刻の時代】アフリカ彫刻の影響を強く受ける。
1909~1912年 分析的キュビスムの時代】ジョルジュ・ブラックと二人で立体派=キュビスムを追究。
1912~1918年 総合的キュビスムの時代】コラージュ技法を開発。
1918~1925年 新古典主義の時代】古典的写実に向かって量感のある母子像を描く。
1925年~ シュールレアリズムの影響を受け、スペインの闘牛図を描く。
1937年 ナチスによるゲルニカの町の爆撃に憤って世紀の大作「ゲルニカ」をパリ万国博覧会にて発表。
1945年~ ムルロー工房にてリトグラフィーを本格的に取り組む。
1950年 過去の巨匠の作品をアレンジし、新たな作品を描く。
1968年 47点に及ぶエロティックな銅版画を制作。
1973年 4月8日、南仏ムージャンの自宅にて92歳の生涯を閉じる。

 

代表的な作品

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ゲルニカ(Guernica) 1937作
代表的なピカソの作品としては、日本の学校の教科書や授業などでも取り上げられる絵画「ゲルニカ Guernica」が最も知名度が高いと言えます。

この絵はドイツ軍によってスペイン北部のビスカヤ県のゲルニカが受けた都市無差別爆撃(ゲルニカ爆撃)を主題として、ピカソがスペイン内戦中の1937年に描いた絵画です。

発表当初の評価はそれほどではありませんでしたが、いつからか反戦や抵抗のシンボルとなり、20世紀を象徴する絵画とされ非常に高い評価を得ています。

現在、この絵はマドリード市内の国立フィア王妃芸術センターで見ることができます。

 

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アビニヨンの娘たち(Les demoiselles d’Avignon)1907年作
次に代表作と言われるのがこの作品で、描かれているのはバルセロナの売春宿があったアビニヨン通りの5人の裸の娼婦です。

他にも、ピカソの愛人ドラ・マール(Dora Maar)をモデルにした絵画「泣く女」(1937年)も有名な作品の一つで「泣く女」をモチーフとしたバリエーションは100種類以上存在すると言われ現在この作品は、ニューヨーク近代美術館で見ることができます。

 

時代で変化していく作風

巨匠と言われるピカソですが、しかし彼の絵を見て「これはすごい」と心の底から思える人はあまり多くなく、実際の所は「このくらいの絵なら、もしかして子供でも描けるんじゃないか」と思う人もいるでしょう。

あまり知られていませんが、実はピカソは幼少時代から大変絵が上手で、その写実的な絵は写真の様な完璧さでした。それが彼が歳を重ねると共に作風が変化し、現在私達のイメージするピカソ作品になって行きます。

ここではその変化の過程を、時代ごとにまとめてみようと思います。

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【青の時代】 1901-1904

ピカソが二十歳を過ぎた頃の薄暗く陰気な青を主に用いた作品が続いたこの頃が「青の時代」と呼ばれます。一説には1901年2月に親友カルロス・カサジェマス(Carlos Casagemas)が、恋愛沙汰でピストル自殺を図った事件に影響を受けたとも言われます。

この時代を象徴する代表作は、親友カサジェマスと恋人のジェルメーヌが抱き合う姿が描写された「人生 La Vie(ラ・ビィ)」。

また、その他にこの時代の代表作には、ギターを弾く老人を描いた「老いたギター弾き」、暗い表情を浮かべ海辺で身を寄せ合う家族を描いた「悲劇(海辺の貧しい家族」「盲人の食事」などがあります。

 

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【ばら色の時代】 1904–1906

恋人フェルナンド・オリヴィエと同棲を始めたピカソ。この頃、彼女からフランス語を学んだり、ひたすら絵を描けるようにと精神的な安定を与えられ、彼の人生に変化が訪れることになります。

以降は「青の時代」の表現は影を潜め、ピカソは彼女の美しい裸像や身近な人々の肖像画を初め、彼女の仲間たち、俳優、サーカスの芸人たちをバラ色を基調とした暖かい色で描くようになりました。画像:パイプを持つ少年 1905年

 

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【アフリカ彫刻の時代】 1907–1909

1907年ごろからパリではアフリカ彫刻が流行りはじめ、ピカソもその影響を受けます。代表作の一つとして既に述べたキュビズムの原点となる絵画、アヴィニョンの娘たち( Les demoiselles d’Avignon)は、そのアフリカ彫刻・古代イベリア彫刻などの影響を受けて製作されたものです。

また、この時期に醸成されたアイディアは次のキュビズムの時代へ直接結びついてゆきます。

 

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【キュビスムの時代 】 1909-1912

ピカソは1917年から、それまで何が描かれているのか判別がつきにくかったキュビスムによる表現、それを一変させたのがこの時代です。

その中でもセザンヌに強い影響を受けたのが、セザンヌ的キュビスムの時代と呼ばれ、またジョルジュ・ブラックと共にキュビズムを創始したのが、分析的キュビスムの時代と呼ばれています。

そして、最後にファインアートで初のコラージュ技法を用いたのが、総合的キュビスムと呼ばれるものです。画像:マンドリンを持つ少女 1910年

 

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【新古典主義の時代】 1918-1925

第一次世界大戦(1914-1918)中の1917年、バレリーナのオルガ・コクローヴァと知り合い、翌年に結婚したピカソは、この頃から古典的で写実的な描法を次々と生み出していくことになります。

1917年作の「安楽椅子のオルガ」では、奥行きの描写にキュビズム的な要素を残しつつも、オルガの顔や腕は丸みを帯びていて、それまでの作品と一目で違いがわかるほどに写実的に描かれています。画像:母と子 1921年

 

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【シュルレアリスムの時代】 1925-1936

この当時のピカソは新しい表現を模索していた頃で、そんな中、シュルレアリスム(超現実主義者)たちから大きな刺激を受けます。

その結果、人物を現実には存在するはずも無い、非現実的な形態に変えて描くようになっていきます。想像力が駆使された超現実主義的な手法でピカソ独自の世界が展開されたこの時代を「シュルレアリスムの時代」と呼びます。

また、妻オルガとの不和で精神的にも不安定となったこともあり、非現実的で怪物のようなモチーフを数多く描くこととなりました。画像:マリー・テレーズの肖像 1937年

更に詳しい解説は、この後バルセロナ・ピカソ美術館の所蔵する代表作品の紹介と共にしていきます。

 

バルセロナピカソ美術館

概要

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美術館は1963年、貴族のバランゲー・ダギラル邸跡に作られました
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狭い通り 貴族の邸に似つかぬピカソ作品

この美術館の始まりは、ピカソがその青春時代をバルセロナで過ごし少なからず縁があったと言うのもありますが、バルセロナ生まれで幼いころからピカソの親友であったジャウマ・サバルテスの尽力によるところが非常に大きく、彼の長年に渡るバルセロナ市との粘り強い交渉が実り1963年に美術館の開設に漕ぎつけました。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/picamu.jpg オープンにあたっては、サバルテス自身が所有していたピカソのコレクションを全て美術館に寄贈。オープン初期は、それらの作品を中心に美術館の展示の全体構成を行いました。
その後、1968年に亡くなったサルバテスに敬意を表し「ラスメニーナス」の連作をピカソ自らが寄付。また1970には、ピカソのバルセロナに住む家族の家に保管されていた作品921点も寄付されます。

 

更にあの奇才、サルバドールダリも自身が所有していた30点のピカソ作品を寄付。美術の教科書で見るような有名作品こそありませんが、徐々にそのコレクションを充実させて来ました。

【ジャウマ・サバルテス】
バルセロナ生まれの詩人、作家でピカソ8歳からの友人でありまた良き理解者。1935年よりピカソとの仕事をを始め、秘書となります。

美術館にはピカソが描いた彼の肖像画が幾つもあります。ちなみに彼の親戚にはカタルーニャを代表する芸術家の、あのミロがいました。

 

所蔵品の特徴

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日本人がイメージするピカソ作品と言えば、「ゲルニカ」のようなキュビスムの時代の絵となります。ただ、ここバルセロナのピカソ美術館は3800点の展示を誇りこそしますが、既に述べた通り残念ながらあまりメジャーな作品はありません。

ただ、その代わり私達が教科書で見たこともないような、あまり知られていないピカソの少年時代や、その後の「青の時代」の作品が多く見ることが出来、それらは以下の様に年代別に非常に分かり易く展示されているので、ピカソの生涯の絶対像を知る上ではまたとない機会になるはずです。

 

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バルセロナでの修業時代  →青の時代  →薔薇の時代  →キュビスムの時代  → 晩年

作品は時代順に並んでいるので、特に考えることなく館内に示されている矢印通りに進んで観て行って下さい。

尚、作品のボリュームは結構あります。目安の見学所要時間は約1時間ほどですが、日本語のオーディオガイドを聞いて、丹念に見ていくと更に時間が掛かります。

また、季節によって展示内容が変わる「企画展」に関しては、展示内容にもよりますが、15分~20分あれば十分に網羅できる見学ボリュームです。

では、これより美術館所蔵の作品の中でも特に佳作と言われる、主な作品を以下紹介していきますので、稀代の天才画家のルーツを時代ごとに追ってみて下さい。

 

少年時代

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15歳の時の作品「初聖体拝受」や、16歳で数々の賞を受賞した「科学と慈愛」(画像上)は、伝統的・写実的な手法で描かれた人物画です。

キュビズム以降のいわゆるピカソらしい絵、言い方を変えると意味不明とも取られかねない絵と違い、ある意味誰が見ても普通に絵がうまいと感じられる作品。初めて見られる方は、きっと当時のピカソ少年の絵に驚くことでしょう。

学校での創作活動以外に、余暇として家族や親せき、知り合いなどの肖像画を描き、また風景画なども描いていました。特に「ベレー帽の男」と題した作品では、モデルの男の肌合い、白髪交じりのたくわえた髭、そして何よりも鋭いまなざしを通して、田舎者らしいその寡黙で粗野な雰囲気を僅か14歳の少年が描き出したとは驚きです。

ちなみに、14歳でこの絵を描いた息子の上達ぶりに驚いた美術教師の父のホセは、自分の絵の具と筆をピカソにゆずり、絵画において息子が既に自分を越えたことを認めたと言われています。

 

バルセロナ前衛運動

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19世紀の末のバルセロナでは、建築、絵画、文学などあらゆる芸術分野において伝統の価値観から脱すことを目指すモデルニスモと呼ばれる文芸運動が流行していて、その中心となっていたのが今も現存するカフェレストランの「Els 4GATS」。日本語で4匹の猫と言う意味のパリのカフェの雰囲気を再現した店は、当時のカタルーニャ前衛主義を代表するアーティストのたまり場となっていました。

その当時、マドリッドのサン・フェルナンド王立アカデミーに在学中に猩紅熱(しょうこう熱)にかかったピカソは学校を一旦休学してカタルーニャに戻り田舎の村で静養します。

静かな環境で一人になって気付いたのは、これまでの決まりきった美術学校の授業に自分が満足出来ていなかったこと。最終的にはスペイン屈指の美術エリートと言われた学校をやめてしまい、17歳で現在で言うところのニートとなってしまいます。

そんなニートのピカソの心を惹きつけたのが、前衛アーティストのたまり場であった「Els 4GATS」。瞬く間にその常連の1人となったピカソですが、同時にカフェにあふれるボヘミア的雰囲気がピカソの画風を変えていきます。(上の絵はピカソが書いた店のメニュー)

19世紀の末のバルセロナでは、建築、絵画、文学などあらゆる芸術分野において伝統の価値観から脱すことを目指すモデルニスモと呼ばれる文芸運動が流行していて、その中心となっていたのが今も現存するカフェレストランの「Els 4GATS」。日本語で4匹の猫と言う意味のパリのカフェの雰囲気を再現した店は、当時のカタルーニャ前衛主義を代表するアーティストのたまり場となっていました。

201501222343088d7 【Els 4Gats】 (クアトロ ガッツ)
バルセロナ下町、ピカソが通い詰めた、パリの雰囲気ただようカフェレストランは….

 

それまで描いていた家族や親戚の肖像画は、ピカソが通っていたバルや売春宿の人々を描いたものになります。

例えば「エル・ディパン」と題した絵は売春婦と客の姿、そしてその二人の背後から眺める売春宿の主人の姿、グレコ風に書いた見知らぬ人の肖像画、ふざけているか真面目なのか分からない、白髪のかつらをつけた自画像など、これまでとは全く違った筆遣いとテーマで描かれています。

 

パリへ2度の訪問

当時、数多くの画家、詩人、作家、作曲家、ダンサーが世界中から集まって来た、自由でコスモポリタンな街パリ。カフェ「Els 4GATS」で年上の芸術家達から、パリという街の魅力について常々さんざんに聞かされていたピカソ。実際、いつか行ってみたいとピカソ自身も思っていましたが、その機会は19歳の時にやって来ます。

1900年4月から11月にかけてパリで開催された万国博覧会。

そこで行われた「最後の瞬間」と言う芸術見本市にピカソの作品が展示されたのを機会に、同年10月に初めてパリを訪れます。2か月の滞在中はバルセロナのカフェで何度も聞かされていた念願のパリのキャバレー、ダンスホール、カフェに行き、そこでショーのダンサーや、高級娼婦など、モンパルナスの夜を彩どる人達と実際に触れ合う機会を得ます。

ためらわず人前で愛情表現する、オープンで屈託ない人間関係を目にピカソは驚き感動します。それもそのはず、ナポレオンにピレネー山脈を越えると、そこはアフリカと言われたぐらい、当時スペインはヨーロッパでも辺境地に属し、それ故に保守的で昔ながらのモラルに厳しかったからです。この後、一旦スペインに戻りこそしますが、翌年4月には魅了されたパリに再び戻ることになります。

 

【2度目のパリ】

最初のパリ訪問から4か月後、今度は同じスペイン、バスク地方出身のフランシスコ・イトゥリーノとのパリでの共同展示会の話が舞い込み、パリ行きが決まりました。2度目の訪問となる今回は、闘牛、競馬、花束、裸婦などの当時の人々の好む作品を中心に、合計64枚以上の油彩画とデッサンからなる作品を展示会用に描き上げ用意します。

その中でもピカソが世界的に知られるようになった出世作が、「マルゴット」と呼ばれる作品で、ゴッホに影響を受けたと言われる点描法を使った娼婦の絵です。黄色、赤、緑、黒などの原色を使った点描法を用い描いた背景の中、華やかな赤い洋服を着た娼婦に漂う、どことないけだるさを上手く描いています。

この作品は、ピカソが国際的に知られるきっかけとなった非常に有名な絵画でしたが、展覧会での作品の売り上げは低くこの後ピカソは経済的に困窮していきます。またそれは次の青の時代に徐々に移行する予兆でもありました。

 

青と薔薇の時代

2度目のパリ滞在も数か月が経ち、パリの生活で感じた最初の興奮も過ぎたちょうどその頃、親友の自殺を経験します。また、展覧会以降も思ったほどの収入を得られず、余裕のない生活に落ち込んでいたピカソ。

「マルゴット」に見られた、黄色、赤、緑などの華やかな色使いは次第に影を潜め、逆にそれまでの作品とは打って変わり、青い色調での作品が多くを占める様になっていきます。これがいわゆる”青の時代”の始まりでした。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/salasa.jpg この時代の初期作品としては「頭巾を付けた女」をはじめとする囚人達を描いたシリーズが有名。
パリの北部にある女子刑務所(サンザラール刑務所)は当時数千人を収容していたと言いますが、ピカソはここを何度も制作の為に訪れます。

ただしこれらの作品は、犯罪者と言うテーマ、陰鬱な青色の寒色系トーン、更に舞台設定の欠如と言う事で当然ながら絵が全く売れず、これが自身のパリで困窮生活に決定的なとどめを刺すことになります。

ほどなくして、一旦バルセロナに引き揚げることになったピカソですが、バルセロナに戻ってからも”青の時代”は続き「バルセロナの屋上」や「身寄りのない人」などの、飢えや寒さ、失明や病気を繰り返しテーマにしたを描き続けました

【パリ3度目の訪問】

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質素な食事 1904 カナルス婦人 1905

一旦バルセロナに戻っていたピカソですが、1904年に3度目となるパリへ再び向かいます。ただ、これまでと違ったのは、今度はパリに定住することにしたことです。また、ピカソは19世紀以来様々な若き芸術家が住んでいた「洗濯船」と呼ばれる、日本で例えると、あの有名な漫画家アパート「トキワ荘」と言える、伝説のアパートにアトリエを構えます。

そこで出会った若き才能豊かな絵描、作家、詩人や知識人達から様々な刺激を受けたこと。更に、モデルのェルナンド・オリヴィエと恋愛関係をもったことで生活が落ち着き、”青の時代”に見られた苦悶や不安から解放されます。それ以来バラ色を基調とした絵を描きだし、これがいわゆる”バラ色の時代”の始まりとなります。

ただ、一般に1904年から1906年を”青の時代”から”薔薇の時代”に呼び分けていますが、この2つは昔は同じ時代と認識されていたようです。なので同時代の「カナルス婦人」は確かにそうなのかと思えますが、「質素な食事」などは”青の時代”とどう違うのか? と言う程で時代の名前ほど作品に明るさは感じられず、実際この分け方は非常に微妙です。

ところで、詳しくは後で述べますが、この「洗濯船」で知り合った詩人のギョーム・アポリネールと共に、ルーブル美術館のモナ・リザ盗難事件で犯人の1人として、後にピカソはパリ警察に逮捕されています。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/senataku.jpg 【洗濯船とは】
パリ18区のモンマルトル地区にあったアパートのニックネームで洗濯船という名前は建物が暗くて汚く、その外観はセーヌ川沿いに浮かぶ船を人々に想起させたことによります。
当時、パリへ上京してきたさまざまな外国人文化人が洗濯船を住居にしたり、また会合の場所として利用しそんな中でもピカソが入居して、芸術家たちの注目を集め、多くの貧しい芸術家が入居するようになりました。

また1904年以後は、洗濯船は非公式のクラブのような場所になり、アンリ・マティス、ジョルジュ・ブラック、アンドレ・ドラン、マリー・ローランサンなど多くの芸術家、画商などが集まります。

 

キュービズム

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ルネッサンス以降のヨーロッパ絵画の世界では、遠近法を利用して目に見えるものを忠実にキャンバスに再現することが基本とされて来ましたが、写真の発明によりそれまでの画家の地位が根底から覆されることになります。

また同時にこれまでの、現実をただ写し取ることの虚しい執着に多くの芸術家が疑問を持ち始めた中で、ピカソは対象を色々な視点から見て、それを一つにまとめるキュービズムと言う芸術様式を始めます。そして出来上がったのが、残念ながらバルセロナにはありませんが、あの「アヴィニョンの娘達」です。

1906年に制作を開始、翌年の夏まで何百枚の下書きを描いて出来たと言うピカソ渾身の作。尚、このキュビスム黎明期に制作した作品と、後の「ゲルニカ」により、ピカソは20世紀の最大の芸術家と言う地位を不動のものにします。

尚、1907 ‐ 1917年のピカソのキュービズム時代初期の有名作品は、バルセロナのピカソ美術館には殆どありません。一応、美術館がその所蔵作品の中で佳作としているのが、ここにある上の絵「贈り物」と下の絵2枚「フランキータ・スアレス」「コロンブス大通り」の3つの作品。

 

古典からピカソ主義へ

決定的な転機となった「アヴィニョンの娘達」、それ以降もピカソは、キュービズムを更に分析キュービズム、総合キュービズムと進化させていくのですが、その途中に第一次世界大戦が勃発します。ヨーロッパ全土を巻き込み、4年に及んだ戦争は民間人を含め1,600万人の死者を出した末に終了はしますが、戦争中に多くの秩序が失われました。

戦後の芸術界は、やみくもに前衛、革新を求めるのでは無く、確固とした永続的な価値観に回帰しようとする時代の逆回転とも言える流れがここで起きます。ピカソもその例外ではなく、戦後はキュービズムから一旦、古典的なフォルムを多く使った作品へと方向転換。

ここバルセロナのピカソ美術館には、その時代の代表作と言える「アルルカン」と「マンティーリャをつけた女」を見ることが出来ます。

また、好奇心から….

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ミノタウロマキア1935

あのサルバドール・ダリにより、広く知られるシュールレアリスム(超現実主義)。その提唱者であった、アンドレ・ブルトンとも交流。ピカソはブルトンが率いるシュールレアリスム運動に正式に参加こそはしませんでしたが、パリで初めて開催されたシュールレアリスム展覧会にも作品を出展するなど、積極的に作品の中に取り入れていきます。

中でもバルセロナ・ピカソ美術館の銅版画作品「ミノタウロマキア」は、ギリシャ神話に出てくる頭が牛で身体が人間と言う怪物ミノタウルスを、人間の残酷性のシンボルとしてピカソはシュールレアリスム的に表現しました。

また、この「ミノタウロマキア」は、2年後に描かれた「ゲルニカ」と、いくつもの共通する要素が含んでいて、「ゲルニカ」の構想を先取りしたものとみなされています。

第一次世界大戦が終了し、ヨーロッパに束の間の平和が訪れますが、ただそれも長くは続かず1939年に第二次世界大戦が新たに勃発。スペインではフランコ独裁政権が敷かれ、これ以降二度とピカソは母国スペインの地を踏むことなく一生を終えます。

また、パリが陥落、ドイツ軍の侵攻により多くの友人が亡命を余儀なくされ、ピカソは孤立の時代へと入ります。アトリエに籠ってひたすら創作活動を続ける中、具象派やキュービズム、ゆがんだ人物像、ゆがんだオブジェと言う、誰が見ても一目でピカソ作品と言う特徴がこの時期に完成されていきました。尚、この時代はキュービスム表現主義時代とも言われます。

ちなみに、ドイツ軍がパリに侵攻した際にはドイツ軍の戦争犯罪を厳しく批判した「ゲルニカ」を制作したピカソに対しては作品の発表を禁止した以外、迫害は加えませんでした。ピカソも公然たる反抗はしないで、静かに絵を描いていたのもありますが、彼の世界的名声がドイツ官憲の手を控えさせたと言われています。

 

名画の再解釈

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/sandaime.jpg 【世界三大絵画とは】
世界三大絵画と言いながら実は4つあります。ベラスケスの『ラス・メニーナス』レンブラントの『夜警エル・グレコの『オルガス伯の埋葬』そしてレオナルド・ダビンチの『モナ・リザ
このうちの3点が世界三大西洋絵画となりますが『ラス・メニーナス』だけは確定していて、残り2つは『オルガス伯の埋葬』『夜警』『モナ・リザ』の3つのどれかで、それらは諸説により異なります。

 

気晴らしの絵

「ラスメニーナス」シリーズの制作期間中に、ピカソは何度か休息を挟みます。英気を養う意味でお気に入りのテーマで気晴らしをしました。その中で描かれた「小鳩」は、カンヌのアトリエに作った鳩小屋をテーマにした連作です。また、恋人ジャクリーヌの肖像画なども描きました。

ところで、普通なら気晴らしと言うと散歩だったり、他の趣味となりますが、ピカソは気晴らしにも絵を描きました。そこが常人とは大きく違い、生涯に10万点を超える作品を残した所以と言えるでしょう。

あと、ピカソは絵画が有名ですが、戦後かなりの時間を陶芸制作に注ぎました。このラスメニーナスの制作時にも、休息がてらに「闘牛と魚」の様な楽しい皿を焼きます。これら陶磁器は美術館の中でも、特に中世の貴族の邸の雰囲気が色濃く漂う部屋に展示されていて、そのアンバランスな対比は絶妙です。

 

晩年

ピカソは芸術家としてのキャリアの終わりを前にして、絵画以外の仕事もします。その一つが18世紀の闘牛士、ぺぺ・イリョが書いた書籍の再刊プロジェクトで、そこではイラストレーターとして「槍でジャンプ」とその連作を、アクアティントと言う版画手法を使い27点残しています。作品は黒いインクの濃淡だけのシンプルなものですが、ピカソの他の作品とはまた違った味があります。

尚、巨匠作品の再構築や、仮面、画家とモデルと言った過去に取り上げたテーマも、継続してこの時期も描いていますが、そんな中で亡くなるまでの数年の特徴として言えるのが、作品の色づかいとタッチ。「腰掛けた男」「絵を描く画家 」で見られるように、この時期は以前にもましてキャンバスに占める色彩が明るくなり、バラ色、青、グレー、白が組み合わされ、輪郭は黒を使った太い線と素早いタッチで仕上げました。

 

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最後に、ピカソが亡くなる前年に描かれた自画像を紹介します。

92歳と言う長寿、20世紀最大の芸術家、残した全作品の価値は数兆円と言われ、死後にようやく評価されたゴッホなどと違い、生前時に既にセレブ中のセレブで、歴史上最も成功したと言われる芸術家ピカソ。

それにも関わらず、なんとも寂しげな顔です。人間としては既に人生のまとめ、その境地に当然達しているはずの年齢91歳の老人が、到達したのがこの顔だったと言うのは、いかにもピカソらしい気もします。

数々の女性のスキャンダルを重ね、自由奔放に生きた人生も気が付いたら「あらら、もう終わるの?」だったのでしょうか…

 

充実のショップ

見学の後はショップを覗いてみて下さい。中は広く結構、充実していてお土産探しに良いかもしれません。尚、ショップは入場チケットを持っていなくても入れます。

 

 

【行き方解説】

行かれた方から「迷った、入口が分かり難かった」と言う声が何度もありましたので、行き方動画を作りました。参考にしてみて下さい。

 

まとめ&アドバイス

美術館を訪れた多くの人の感想は「ピカソは、まともな絵も描いていたんだ」「子供の頃にあれだけの絵を描けたのはやはり天才だ」。

20世紀最大の芸術家ピカソの評価として、まともな絵も描けるんだ、と言うのも可笑しな話ですが、それが本当のところではないでしょうか?

ピカソの特にキュービズム以降の絵を普通に理解するのは、まともな精神の持ち主では無理でしょう。例えば代表作の「アヴィニョンの娘たち」を見たマティスをはじめとする当時、同じ芸術運動をしていた天才画家にしてピカソの親友だった美術仲間でさえ理解不能で、それはあまりにも突飛過ぎた、それ故に彼らから怒りを招いたとまで言われます。

そんな難解な作品を私達素人が無理に理解しようとしても無理ですし、分かったふりをしたところで何の意味がありません。

ただ何度も見る、その都度考えながら見てみる、更に自身の人生経験を積み重ねいくうちにいつしか何かの拍子に分かる日が来るかも、と言う様なスタンスで見ていくのが無難なところです。そんなピカソを知り理解を深める意味で子供の頃から晩年までのピカソ作品の変化と成長を、時代系列で見れるこの美術館は非常にお勧め。もし、時間があれば是非一度訪れてみて下さい。

アドバイスとしては、季節と時間によっては非常に混むので予約必須になります。そのチケットの予約方法や行き方、注意点などは以下のリンク記事に詳しく解説していますので一読下さい。
また、ピカソにまつわる面白話を最後に付けましたのでそれもご覧ください。

pica2 【チケット予約の仕方】
ピカソ美術館のネット予約の仕方や行き方注意点を日本語で徹底解説しています。

 

ピカソの面白ばなし

【生まれたときは死産と思われた】
ピカソは大変な難産で生まれ、また非常に弱々しかったため助産婦は既に死産と思い込みピカソをテーブルに放置して、ピカソの母親の介護に当たっていました。このとき奇跡的に助けてくれたのが医師であった叔父。当時は葉巻を医師が当たり前に吸っており、この叔父がピカソの顔にその煙を吹きかけると、ピカソが反応したことにより一命をとりとめました。
【非常に長いクリスチャンネーム】
これはよく知られていることですが、ピカソは非常に長い名前で全部書くと
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「パブロ・ディエーゴ・ホセー・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・マーター・パトリシオ・クリート・ルイス・イ・ピカソ」となります。

 

【最初の言葉は、えんぴつ】
画家になるために生まれてきた様なエピソードと言えるのに、スペイン語で鉛筆のことを”lápiz”といい、その短縮形の”piz”と言いますが、彼が生まれて最初に発した言葉がそれでした。また、芸術家であり美術の先生だった父親のルイスは、ピカソが7歳になったときから芸術の教育を施しましたが、13歳になる頃には既に追い越されたと父親自身が気付き、それ以降は自ら描くことは無かったと言われています。
ピカソは問題児だった
ピカソは子供の頃から指導されることを好まず、先生から処罰を受けることも度々ありました。後年、その当時の事をピカソはこう語っています。。。「たしかに、問題児として真っ白な壁に囲まれたベンチが一つあるだけの処罰室によく送られたけど、実はそこが大好きだったんだ。なぜって、スケッチブックを持っていって手を止めることなく、延々と絵を描き続けることができたからさ。」
pikacahn 【モナリザ盗難事件で逮捕される】
1911年にルーブル美術館からモナリザが盗まれたとき、警察はピカソの友人であり、詩人のギョーム・アポリネールを犯人として逮捕。
その際に彼が容疑者としてピカソの名を上げたのがきっかけで、ピカソも逮捕されました。ただし、二人は無関係と言うことで一週間後に釈放されています。

 

キュビスムはただの立方体と言う批判から名づけられた】
1909年にピカソとフランスの画家のジョルジュ・ブラックと創始したキュビスムという名の由来は、フランスの批評家ルイ・ボークセル(Louis Vauxcelles)が名づけたもので、彼が「ピカソらの作品を、立方体(キューブ)以外の何でもない」と批判したところから来ています。
最も多作で、最も作品総額の高い画家】
絵と素描で13,500点、版画で100,000点、挿絵で34,000点にも及ぶ、最も多作な画家としてギネスブックに載っています。バルセロナの美術館で実際に、展示された絵の横の日付で確認してもらと良いですが、ラスメニーナスの連作は、なんと同じ日に描かれた5作品が横一列に並んでいます。また、2015年のサザビーズの競売で、「アルジェの女たち」は史上最高額の215億円の値がつきました。尚、彼の10万点を越える作品を全て合わせた総額は、一説には100兆円とも言われています。
【プレイボーイ】
有名画家であったことでピカソは女性に困りませんでしたが、知られている妻や愛人だけでも数多くいて、まずピカソ23歳の時の最初の恋人フェルナンデ・オリヴィエから始まり、最後の妻となった27歳のジャクリーヌと79歳の時に結婚するまで、数十人にのぼります。
【岡本太郎と親交があった】
岡本太郎がパリ滞在中ピカソ作品に出合い強い衝撃を受け、そして「ピカソを超える」ことを目標に絵画制作に打ち込むようになるのですが、同時にピカソとも親交を持つようになりました。詳細は、テレビ番組の中の「私とピカソ」で自ら語っていますので是非ご覧ください。

 

実は発達障害

諸説はあるものの、ピカソは実はADHD(注意欠陥・多動性障害 )だったと言われています。このアスペルガー症候群と並ぶ発達障害の一種のADHDは症状として不注意(集中力がない)多動性(じっとしていられない)衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられ、具体的には以下の特徴があります。

picasso-g ・忘れ物が多い。

・何かやりかけでもそのままほったらかしにする
・集中しづらい、でも自分がやりたいことや興味のあることに対しては集中しすぎて切り替えができない。

・片づけや整理整頓が苦手。


・注意が長続きせず、気が散りやすい。


・落ち着いてじっと座っていられない。


・順番が待てない。


・会話の流れを気にせず、思いついたらすぐに発言する。


・他の人の邪魔をしたり、さえぎって自分がやったりする。


・etc….

では、幼少の頃の様子、また家族や友人などの証言による生前のピカソはと言うと。。。

ピカソにまつわる話でも書きましたが、ピカソは出生時、重度の仮死状態であったために、それがADHDの発症と関連していると言われています。また、これも既に述べましたが問題児だったピカソは小学校のころから落ち着きがなく、勝手に席を立ったり、授業中ひたすらノートに落書きしたりしていましたが、ただ絵を描くことに関してだけは超人的な集中力を発揮できました。

つまり、興味の無い事には全く見向きもせず、好きなことにはずば抜けた才能を発揮できたわけです。

そして、ピカソはいくらでもアイデアを思いつく人で、次々と新しい魅力的なアイデアが正に空から彼の頭上に降って来て、それ故に何かをやり遂げる前に次のことへ移ってしまうこともしばしばでした。また、ピカソは自由な生活スタイルを好み、それは因習にとらわれない自由奔放なもので、アトリエの中に画材やさまざまながらくたを置き、更に犬一匹、シャム猫3匹、サルなど珍しいペットを飼っていました。

更にピカソはいわゆる「捨てられない」人で、まったく整理整頓ができず部屋は無秩序。小物、ガラクタ、食べ物、服、芸術作品などがうず高く積み上げられていたと言い、それは現在で言うゴミ屋敷状態。実際、自分でも物がどこにあるかわからず、同居人に大事な手紙や本などを見つけてくれるように頼んだと言われ、彼のズボン服のポケットはに色々な物を中に詰込み過ぎて破れることもしばしばあったそうです。

ちなみに、ピカソの名言として「明日に延ばしてもいいのは、やり残して死んでもかまわないことだけだ。今日できることは今日すべき。」と言うのがあります。世間では偉大な芸術家の素晴らしい言葉だと認識されていますが、実はそうした意味ではなくピカソはただ約束を守れないどうしようもない人で、本当のところは急ぎで頼まれた肖像画や挿絵をよく先延ばしにし、その際の言い訳に苦し紛れに言っていただけでした。

つまり彼にとって、たとえ大事な仕事でも自分が興味を持てないものなら「やり残して死んでも構わないこと」だったと言うわけです。

また、ピカソは絵のスタイルがころころ変わったことでも有名で、青の時代→ばら色の時代→アフリカ彫刻の時代→セザンヌ的キュビスムの時代→分析的キュビスムの時代→総合的キュビスムの時代→新古典主義の時代→シュルレアリスム→ゲルニカの時代→晩年の時代と、数年単位で変化し続けました。ピカソが次にどんな絵を描くかは誰にも予想不可能で、熱心なファンだったダグラス・クーパーでさえ、晩年の作品群にはついていけないと思ったほどでした。

こうしためまぐるしく変わるテーマ性は、ADHDの症状の一つ「新奇性探究」の特徴と言われています。簡単にいえば、飽きてしまうと集中できないため一箇所にとどまることはできず、常に新しいことを追い求め冒険し続けないと生きられないからです。また、ピカソは、一つのことで完璧を目指すより、適当に切り上げて、次々に新しいことに取り組むことのほうが、はるかに得意でした。

だからこそ、ピカソは生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作し、最も多作な美術家としてギネスブックに記されているのです。もしピカソが、一つの絵に完璧を求めて微修正を繰り返したり、構想に悩み続けたりするタイプだったら、こんなに多作にならなかったのは間違いありません。

これまでの述べた通り、ピカソはまるでわがままで無邪気な子どもそのものでした。ただ、その裏を返せば自己中心的で協調性がなかったので、友だちとなかなか親密になれませんでした。しかし、一方では一人でいることには耐えがたく、対人関係には積極的で常にいろんな人と会っていたそうです。

結局のところ人間関係やコミュニケーションが苦手だったわけではなく、積極的に人と関わりましたがピカソがあまりにも子どもっぽかったので、大人としての深い付き合いができなかったのでしょう。

前章で紹介した番組で岡本太郎さんも述べていますが「彼と話していると途中、話があっちいったりこっちいったり、まるで無邪気な子供がしゃべるそんな感じだった…」と言うのが、よくそれを表していると思います。

ただ、ピカソ自身も自分の子どもっぽさを意識していたものと思われ「子供は誰でも芸術家だ。問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」と述べており、晩年にはさらに子どもらしくなったピカソは「この歳になってやっと子供らしい絵が描けるようになった」と喜んでいたそうです。

子どもらしいことはピカソにとって恥ではなく、むしろとても意味のある勲章だったわけで、実際ADHDの人は子どもがそのまま大人になったような人だと形容されることがよくあります。

尚、あの地元カタルーニャのサルバドール・ダリも同じADHDであったと言われ、近年研究家の間で彼もそうではなかったのかと言われるのがガウディ。

時代こそ違いますがゴッホも実はアスペルガー症候群だったと言うこれらの事実は、天才芸術家たちを知る上で興味深いところです。

 

【最後に…】

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お勧め度:18点/20点
★★★★★(4.5)


 

 

住所 Montcada 15-23   【地図】
URL http://www.museupicasso.bcn.cat/en/
開館 10/14-4/13:10:00~19:00、4/15-10/12(火水日):9:00~20:00, (木金土):9:00~21:00
※1/5:10:00~17:00、12/24, 12/31:10:00~14:00
休館日:月曜(祝日の場合も)、1/1、5/1、6/24、12/25
料金 常設展のみ 一般15€、18~25歳・65歳以上7.5€、18歳未満無料
常設展+特別展は展示により料金が変わります。
日本語オーディオガイド付きは上記料金に+5€
最寄駅 地下鉄 4 号線 ジャウマ・プリメJaume Iから徒歩5分
お得情報 毎月第一日曜日は終日、10/14-3/13の木曜日16時以降、4/15-10/12の木金土19-21時、1/4,5,2/12, 5/18, 9/24は無料。そのチケットは4日前からWebで受付。6つの美術館に入ることができるArticket BCN アルティケット・バルセロナ(38€)も利用可能です。

 

 


記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2025.3.17

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