バルセロナのみならず、ヨーロッパの標準的なドレスコードについて解説します。
基本は常識的な
日本ではドレスコードについて細かな規定を言うところがありますが、ヨーロッパの基準からするとそれにはだいぶ違和感を感じでしまいます。チップに関する記事でも述べましたが、それはいわゆるアメリカ式の習慣マナーから来ているのかも知れません。
どうして、歴史と文化のある本場ヨーロッパより移民の集合体のアメリカの方がそれらにうるさいのかは、なんとなく想像は付きますがそれはさておき、バルセロナのドレスコードについてお話します。
一番のポイントは周りから浮かない、レストランに来ている他の客に不快な印象を与えないそれだけです。特に難しく考える必要は無いのですが、と言ってもそれでは少し解り難いと思いますのでここでバルセロナのお勧めレストランを具体例に説明していきます。
普段着で大丈夫な場合
Cerveceria Catalna | Cal Pep | Embat | El Cangrejo Loco | La Consentida * |
まず、普段着で大丈夫な店についての説明から始めますが、実はかなりの店がこれで問題ありません。このサイトでお勧めしている店を例にとると、街場のバルや立ち飲み系バルは当たり前ですがOK。あと日本人にも大人気のレストランバルの「Cerveceria Catalna」や値段的には街場のバルの倍以上になる「Cal Pep」のような店でもも問題ありません。
レストランでしたら「Embat」のような、割と安価な店のランチでしたらOK。更にビーチ沿いのシーフードレストランの「El Cangrejo Loco」などもランチでしたら特に問題ないでしょう。また、グラシア通り沿いにはガイドブックにも紹介されている大箱のレストランが多くありますが、それらの店でしたら夜でも全く大丈夫です。ポイントとしては観光客がランチに使う店なら、まず大丈夫と思ってもらって間違いありません。
最強のカジュアル
Coure | Bar Mut |
Embat | Gresca |
Can Valles |
これが一番オールマイティー。
最初にも言いましたが、ドレスコートを語る時に重要なのは周りの人から浮かない、嫌な印象を与えない事です。ただし嫌な印象と言うのもそれぞれの主観によるところがあり、その幅も広く微妙です。そんな中、私のこれまでの経験から言うとこのカジュアルな服装が一番無難と思います。
具体的にこのサイトのお勧店を例にとって始めると「Coure」は「Cal Pep」と同じ料金帯の支払いになるカウンターバルと言っても観光客オンリーの店でなく地元のそれなりの人達が来ているので、普段着は止めた方が良いでしょう。次の「Bar Mut」もロバート・デニーロがバルセロナに来た時の行きつけとなっているせいか、アメリカ人に人気で設定値段も高く、それなりの服装が無難。実際、地元スペイン人庶民が気軽に入る店ではありません。
次にレストランですが普段着でもOKとした「Embat」はランチ時、近所のビジネスマンや子連れの家族などが気軽に食べに来ていますが、夜はしっかりこの店を目指して食べに来る人が多く、服装もそれなりにして下さい。あと「Gresca」は特に高級と言う店では無いのですが、ランチ時の客を見てみると「Embat」より客層が確実に上なのでこの店は昼夜共に普段着は不可です。
最後の「Can Valles」店はレストランと言うには貧弱、更にテーブルを詰め込み過ぎて雰囲気も無いのですが、来ている客のレベルはそれなり。この店も普段着は不可となります。
これは全てに言えるのですが、その店に来ている客層に大きく左右されます。
高級レストラン
Via Veneto |
Abac |
Moments | Lasarte | Caelis |
まずこのレベルの服装が必要なのは俗に言うミシュラン星付きの高級レストラン。左から一つ星ながらバルセロナで格が一番高級と言われる「Via Veneto」、そしてアメリカ領事館の跡にある2つ星の「Abac」、3つ星「San Pau」の姉妹店でオリエンタルホテル内の2つ星「Moments」、市内初の3つ星を狙う「Lasarte」、バルセロナのレストランでは一番ゴージャス感が漂う「Caelis」。
上記の5店は確実にインフォーマルな服装が良いのですが、星付き全てに言えるかというとそうではありません。例えばエルブジ系の「Tikets」や「Pakta」「Dos parillos」などの、いわゆる色物系のミシュラン1つ星レストランはカジュアルで十分です。
最後に上記の5店でもカジュアルな服装の客もいないことは無いのですが、私はあくまでこれで行かれる方が良いと思います。このレベルの店へ行かれる方はそこで出される料理、サービス、雰囲気の全てに対し期待も当然大きいはずです。
だからこそ、気合を入れる意味でもバッチリ決め いざ出陣!(笑
これは浮きます
高級レストランでたまに、こう言う人も見かけない事もありません(特に高齢の方)。ただ、一昔前ならこれで良かったと思いますが、世の中がどんどんカジュアル化してきている現在では逆に浮いてしまいます。とは言っても、私はその年配の方々に清々しさを感じていますが。。
また、結婚式や舞踏会、ノーベル賞の授賞式ならともかく、ただの旅行者に過ぎない日本人がレストランの食事でここまでする必要はありません
番外編
バルセロナで、まだこう言う人に会ったことはありませんが、日本人の中にたまにこんな人もおられると耳にします。私には勇気がありませんが、ある意味これが最強なのかも知れません。これなら場末の立ち飲みバルから最高級の3つ星まで大丈夫。
立ち飲みではその珍しさから周りのオヤジ達のアイドルとなり、3っ星では日本文化の代表として尊敬を得られるでしょう。とは言っても旅行中は荷物にもなりますから、わざわざ。。。
まとめ&アドバイス
以上、大体の目安をシンプルに説明しました。
1つ重要なのは、ランチ<ディナー
夜の食事の方が確実にフォーマルな服装が求められます。
チップに関する記事でも書きましたが、同じぐらいの料金で同じぐらいの格の店でも、実のところは微妙に違い一概にこうと言えません。店に合った服装を前もって知るのは案外難しく、ある程度の経験が要求されます。スペイン語も分からない初めてバルセロナに来る旅行者が、それを見切るのは事実上不可能ですから、標準はオールマイティーなカジュアルと規定してしまうのが一番と思います。
また、それ以上(インフォーマル)を求められるのは高級な星付きレストランとして認識してもらって間違いありません。特にそういう店に行く予定が無ければ、バルセロナのレストランのドレースコードをあれこれ考える事は全く昼用無いでしょう。またタキシードにドレスは、どうかすると不自然に映りますので、そういう意味でもインフォーマルあたりをめどにされると良いでしょう。
あと、日本人の方から良く聞かれるのに「フラメンコショーへ行くのにドレスコードはありますか?」答えは、特に何も無く欧米人などは普段着で来ている人も多く見かけますのでご安心ください。
最後に関係ないのですが。。
日本でも高級レストランと呼ばれるところでドレスコードを求められることがありますが、長年欧米に暮らし色々な有名レストランへ行った私からすると、それは未だに明治時代の鹿鳴館の様な不自然さをたまに感じます。本来のドレスコードの意味をよく解せずに形だけにこだわり、変に背伸びしている。また、そう言う店に限って知識や経験の無い者に対し、居丈高な態度をとることがあります。
本場がどんなものかを実は知らない、先進国などと言っても歴史も文化も違うアジアの東の果てに住む井の中の蛙。失礼を承知で言うと、皆と同じたかがサラリーマンの家で育ったメートルが、分かったつもりで偉そうにドレスコードについて注文をつけるのは滑稽としか言いようがありません。
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.09.19 |
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