今日は、スペインで最も成功した女性シエフのカルマ・ルスカイェーダさんの息子さんが最近バルセロナにオープンしたお店に来ました。
カルマさんは、レストラン「SAN PAU」の三つ星スターシエフで東京にもお店があります。
さて、母カルメさんの全面的なバックアップ来年は一つ星は確実と思われるこの店、期待してきました!
レストランは最近バルセロナにできた高級ホテルのマンダリン・オリエンタルの中にあります。
私のお勧め2つ星のレストラン「LASARTE」に比べて同じホテルの中とは言えホテルの格の違いもあるのでしょうか、こちらの方が全然雰囲気があり高級感がただよっています。
さて、アラカルト派の私なのですが・・
今日は、コースのメニューが全部アラカルトメニューとかぶっていたのでコースで食べてみることに。
ネット上で見ると日本人としては私がこのレストランの最初のレポートとなるようですので、いつもより詳しくレポートしたいと思います。
では、料理に入ります。
最初は、アミューズです。
アミューズ①
サルモレホのアイス。
スペインでは夏場によく飲むアンダルシアの名物のスープ
ガスパチョの一種とでも言いましょうか、それをアイスにした物です。。
お味は悪くありません。
アミューズ②
上に椎茸が乗っているコカです。
日本の食材を流行で使うのはいいですが・・
これは、イマイチでした。
アミューズ③
コロッケ、中にチーズが入っています。
悪くは無いのですが平凡でしょうか。
アミューズ④
ヨーグルトプリン。
まあお味は、どうでも良いと言う物でした。
アミューズ4品の印象は・・
はっきり言ってインパクトまるで無し。
予想外の展開で不安が頭をよぎりました・・。
さて、料理はこれから前菜となります。
小さなポーションで合計4皿あります。
前菜①
PAJARO MIROと言うメニュー。ミロの鳥と言う意味。
バルセロナを代表する芸術家、ジョアンミロの作品にひっかけているんでしょうね。
面白いですね、最初見た時は笑ってしましました。
ただ、味についてはこの頭の部分はオリーブをすりおろしてオブラートの様なもので包み丸く飴のようにしてありますが食べてみての感想はイマイチ。
胴体の白アスパラはただ缶詰から出して置いただけで、全く味がしない。
羽の部分の下には鱈のすり身、これが唯一味がしたと言うところですがトタールでは、見た目で楽しむ以外何も感じない料理でした。
前菜②
モンコイカと下にグリンピース。
素材となりますが、このグリンピースは美味く絶品と言って過言ではありません。
イカは、細心の注意で火入れしたと思いますがお味は普通でした。
前菜③
手長エビ。
これは美味しかったです。
エビは最高の素材と言うのが良く分かります、甘味があって絶品。
ただ、これも素材の料理と取れない事も無くて下にあるキノコのソースは悪くはありませんが、他の星付きもしくは
それに近い店でも出てくる普通のレベル。
あと、下に見えるさやえんどうは硬くて、エスプマはあっては無くても全く味には関係なく見た目だけ。
前菜③
天然のスズキのグリル。
はっきり言ってこれが今日食べた中で一番冴えない。
塩が効いていなくて味が全くしなくてどうしていいのやら・・。
フルーツ系のソースなんですが、それを付けて食べても・・・
さっぱりお手上げでした。
メイン①
メインは、魚か肉のどちらかを選べます。
私は肉を選びました。
イベリコ豚のプルマのグリル。
「SAN PAU」の定番料理というのでしょうかこれ、味は悪くはありません。
ただ、肉は希少部位と言うことで、それが売りになっている様ですが
味に関しては、これもやはり他の星付きまたそれに準ずる店で普通に食べれるレベル。
付け合わせも、見た目は良いのですが特筆すべき物はありませんでした。
メイン②
肉のように見えますがマグロ。
味だけ取れば、まあ悪くないのですがとりあえず臭かった。
これって、私の知らない新しい調理法なのでしょうか?
日本の、商店街にある魚屋の前を通るとするあの店の臭いがしてチーズならともかく、たまりませんでしたこの魚屋臭 (笑
これで料理は終わりなのですが・・
いつもは、コースもこの辺りまで来ると既に満腹になっているのですが今日のこの料理、メインもハーフポーションの様な量で
全てチマチマした量なので全然足りませんでした。
これは以前、本店の「SAN PAU」 でも食べた事があるチーズ5種類の
食べ比べ。
チーズとそれに合わせて食べる付け合わせの説明がご覧のようにイラスト入り。
ところで、コースに出てくるチーズって、私的には生ハムと同じで、街角のグルメショップでそれらを買って家で食べるのと何ら変わらないので料理評価の対象外と思っています。
お味は、別にコメントは無いのですが、野菜はなんと日本の、みず菜を使っています。
ただ、葉っぱに張りが無いし、チーズとの組み合わせとしては全くダメである意味、日本の食材の使い方を理解していないと思えます。
ありきたりで何も目新しく無い食材になりますが、この場合は奇をてらうよりルッコラでしょう。
デザート①
口直しに、酸味の効いたデザート。
お味は、普通でしょうか。
デザート②
ホワイトチョコ。
下のソースはお米のクリームだそうです。
あと、子供のころに食べた懐かしいポン菓子も少し入っていました。
上品な味で悪くはありあません。
プチフール。
さすが、マンダリンホテルだけあって、なんだか、中国と言うか有田焼のような三段のお皿になっています。
プチフールはどれもそれなりに美味しかったです。
ちなみに、いつもはお腹一杯でこの辺まで来るとちょっと味見だけで半分以上残してしまうのですが
今日は、完食と言うかこれでやっとお腹一杯。
■一言メモ■
この日、食事の後にシエフが挨拶に回って来て日本にも度々行ったことがあるらしく、彼と日本の話をしたのですがその時にサンパウ20年と言う記念の本(日本語)があるからと、わざわざ奥に戻って私達のために取ってきてくれて、それを無料で頂だきました。
カルマさんもそうですが息子のラウル君も親切で感じが良いです。
ただ、それと料理は別の話。
私の今日の正直な感想を言いますと。
ずばり言って今日の料理を食べて非常にがっかりしました。
東京店と違って本店から一時間の目と鼻の先にあり
息子が料理人としての独り立ちする店でカルマさんの完璧なバックアップもあると容易に想像できるのにもかかわらず・・この結果。
ここ数年、仕事の都合もありアクセスの良くない「SAN PAU」本店には行っていないのですが・・
おいおいサンパウ大丈夫か?
・・・と思えて来ました。
料理の話に戻すと・・
絶品と思える物も無い事は無いのですが、それは全て素材と言うところ。
料理としては、私がお勧めしている「LASARTE」 「ALKIMIA」にとても及ばない。
また、高級ホテル内にあるので多少割高はわかりますが、星の無い現時点でこのコースで125ユーロとは、高級食材を使ってる訳でもないのに
他の星付きまたそれに近い店と比べても不満が残ります。
私の知ってるブランドの白ワイン小売価格が1本6ユーロ程ですがここではそのワインをグラス1杯10ユーロ。
当然店の仕入れ価格は1本6ユーロ以下ですから、グラス1杯で2本分の仕入れ価格をチャラにすると言う、何ともふざけた値段設定。
またワイナリーから直接仕入れ原価が分からないワインでもなく、ワイン好きなら誰でも知っている普通にショップで小売しているブランドでその値段を取る厚かましさには本当に呆れてしまいます。
今日も私は水のみでしたがのんべいの相方は一人でグラス6杯飲んだので支払いは二人で300ユーロを軽く超えました (笑
チマチマした多皿料理で満腹感も乏しく、マイクロすぎて味わうどころかお遊びにしか見えない料理。
はっきり言って、今のままではこの店にリピートする事は
ありえないと言うのが正直な感想です。
評価63点
ちょっと辛口過ぎましたか?(笑