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【2021年コロナ禍 最新版】カテドラル =大聖堂はバルセロナのゴシック地区のシンボル=

バルセロナの聖堂といえば、サグラダ・ファミリア教会を思い浮かべる人が多いでしょうが、もうひとつ忘れてはならないのが、ゴシック地区のシンボル、カテドラル(サンタ・エウラリア大聖堂)。そのの歴史、見どころ、入場方法、入場料、混みぐあい、所要時間、アクセスなどを詳しく解説していきます。

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【バルセロナ最高の格式を誇る教会】

バルセロナの聖堂といえば、サグラダ・ファミリア教会を思い浮かべる人が多いでしょうが、もうひとつ忘れてはならないのが、ゴシック地区のシンボルでもある、カテドラル。正式名称は「La Catedral de la Santa Creu i Santa Eulalia」、日本名では「サンタエウラリア大聖堂」と呼びます。

バルセロナに地区ごとにあるたくさんの教会の中で「司教座聖堂」と呼ばれ、カテドラル(大聖堂)と呼ばれるのはバルセロナではここだけ。最も格式が高く、スペイン人にとっての一番の教会は誰に聞いても、観光名所のサグラダファミリアではなくここです。

では、カテドラルの歴史、見どころ、入場方法、入場料、混みぐあい、所要時間、アクセスなどを詳しく解説していきます。
kanenikitanaia 【司教座とは】
カトリックにおいて、その教区を治める教区長(通常は司教か大司教)が、自分の教区内にいる信徒を教導し、司式するための「着座椅子」のことを言います。すなわちその地域で最も格式が高いことを表します。ちなみに、左の写真はガウディが装飾を手掛けたことで知られるマジョルカの大聖堂の司教座で、椅子の周りの壁一面にセラミックが施されています。
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【歴史】

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旧市街の中心に建つバルセロナで最高位の格式を誇るサンタエウラリア大聖堂
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教会の裏の路地は、バルセロナで最も中世の面影が残る地区と言われています。

さて、その歴史を振り返えると、この場所には4世紀既に初期キリスト教バシリカが建設されていました。その後イベリア半島がアラブの占領下に堕ちた時、一度破壊されてしまうのですが、キリスト教徒によるいわゆるレコンキスタ国土回復運動)の後、11世紀にロマネスク様式の大聖堂が再建されます。 その後、更にロマネスクの聖堂を飲み込むようにし、ゴシック様式の現在見るカテドラルへと建て替えられたものです。

尚、13世紀の終わり、1298年5月に建設が始められ、落成したのは1450年と、なんと150年もの歳月がかかっています。建設が始まって100年経過しても、未だに終わらないサグラダファミリアの工事が話題になりますが、ヨーロッパの大教会はどれも完成までかなりの年月を要し、昔はそれは当たり前のことでした。

例えば、南スペインのセビリアの大聖堂は160年かかり、ドイツのケルンの大聖堂に至っては、なんと600年以上もかかって完成しています。ケルンの大聖堂の工事、それを日本の歴史にそのまま置き換えると、織田信長が戦国時代の日本で教会を建設を始めていたとしたら、21世紀の現在に至っても未だに工事が終わらず、あとこの先更に170年要すると言う壮大な話になります。

 

 

【旧市街の中心】

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大聖堂の広場前で日曜に踊らるサルダーナ 広場の反対側にはピカソの壁画
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カテドラルに隣接した建物の端をよく見るとローマ時代の水道橋が残っています

大聖堂前の広場は昔からバルセロナの中心であり、日曜日ともなれば地元の踊りサルダーナの愛好家が集まるところと知られています。また、大聖堂の斜め前にあるモダンな造りの建物は「カタルーニャ建築協会」の上にはピカソの壁画があって、今述べたカタルーニャ地方伝統舞踊のサルダーナや、お祭りで使われる「ヒガンテス(巨人の意味)」が描かれています。ちなみにピカソが描く以前には、ミロが当時のフランコ独裁政権に抗議して一日限りの作品を、この壁に描いたことでも知られています。

あと、ガイドブックには書かれていませんが、バルセロナが古代ローマ帝国の支配のもと、バルキーノと呼ばれていた2千年前に、街に水を送っていた水道橋が聖堂の横に見れます。元々ロマネスク様式で建てられらカテドラルが、その後のゴシック様式の現在残る建物に飲み込まれていったと同様に、ローマ時代の建造物も帝国の衰退と共に、次の時代には建物の基礎となりました。こうやってバルセロナの街は時代と共に過去の建造物を飲み込み、その上に成長していったのです。

1-picasso-g 【ピカソ美術館】★★★★★
スペインが生んだ偉大な芸術家パブロ・ピカソ。1881年にアンダルシアのマラガに…
IMG_20200911_122907 【ミロ美術館】★★★★☆
バルセロナに生まれたアーティスト、ジョアン・ミロ。彼の作品を思う存分に….

 

 

【万博を機に外観が変貌

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1880年当時のカテドラルはなんともシンプル それから140年後、現在の外観

現在、私達が目にする大聖堂の外観(正面)は、フランス・ゴシックを継承してネオゴシック様式で造られています。尚、ネオ(新)と言うだけあって、ファザードや尖塔や鐘楼は4世紀から続く、教会のその長い歴史の中では案外と新しいものです。

まず、正面の正門(プリンシパル門)は1888年に開催されたバルセロナ万国博覧会に合わせて、一大改増築されたもので、銀行家で後にバルセロナ市長にもなったマヌエル・ジローナ・アグラフェルの多大な寄付を資金とし、工事を指揮したのはリセウ劇場の建築でも知られる、建築家ジョゼップ・ウリオール・メストラ。ちなみに世界遺産のサン・パウ病院も同じく銀行家だったパウ・ジルで、このように昔からヨーロッパでは資産家は富を蓄えるだけでなく寄付、社会貢献するのが常識でそこが日本とは大きな違いと言えます。

尚、写真左の140年前までのカテドラルと見比べると、現在とは似ても似つかぬものでした。昔の教会、そこには繊細な装飾もなく、またシンボルとなっている3本の塔もその当時は存在せず、今とは全く別物と言って良いぐらい非常に地味なものでした。

【ガウディも参加したコンペ】
http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/konanomoatuta.jpg http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/facadagaudi.jpg  正面門のデザイン、建築家を決めるにあたって公募がおこなわれ、その中にはガウディの師匠にあたる建築家マルトレールも応募するが落選(写真右)。ちなみにその案の図面を描いたのはガウディ。また、カタルーニャ音楽堂で知られるモンタネールも、一緒に参加していました。
尚、採用された応募作(写真右)は、当時の市の有力者達の政治的な思惑などが絡み、最終的には写真右のマルトレールの案との折衷となり、私達が見ている現在カテドラルの形になりました。
 採用案  不採用案

 

 

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合計76体の手抜き無しの像が、隙間なくぎっしり並ぶ教会正面のファサード
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大聖堂の入口に立つイエス・キリスト像 入口左右に立つ、手前から聖ペテロ、聖パウロら12使徒
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この正面のファサードの見どころとしては、地元のモデルニスモ彫刻家ジュアンロッチアガビートバイミッジャーナが彫刻した76体の天使、王、預言者の像が、それぞれぎっしりと並ぶ門があります。そして入口に立つキリスト像は、地元カタルーニヤの彫刻家アガピート・バイミッジャーナ
あと、大聖堂のファサードに付き物のキリスト12使徒ですが、ここでは裏切り者のユダの後任として選ばれたマテオ(マタイ)ではなく、本来は「最後の晩餐」に連なった十二使徒の中には数えられないはずのパウロが、なぜか12使徒の一人に入っています。

 

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/IMG_20201201_053112.jpg 【バルセロナの隆盛期の象徴】
カテドラルの一大増改築は、バルセロナ万国博覧会に急に発案されたものでは無く、元々昔から何度となく試みられ、図面(左)自体はその遥か400年前の1408年には出来ていましたが、予算不足で数百年間に渡り実現せずにいたのです。にも関わらずこの時代に実現できた理由は、スペインの中でもいち早く産業革命に成功し繊維業を中心にバブル景気にあったからです。また、当時多くのブルジョアが誕生し、競うように建てられた数々のモデルニスモ建築も、同じバブル時代の流れで出来た物でした。

 

 

【聖堂の外を一周してみる】

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教会の横の道を進むと、バルセロナでも一番中世の景色が残るところに出ます
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何百年に渡り馬車がぶつかり削れた壁 縦に何本も入る筋は、刀や包丁をここで研いだ
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壁を馬車の車輪から保護する車止め、その上に積まれた石壁は、石一段で何センチと言う具合に定規に使われました

カテドラルの一番の見どころとしては、聖堂内部にもちろんなるのですが、入場の前もしくは後に聖堂を外から一周して見て下さい。万博時に増設された正面部分、それとは対照的な中世の人々の生活の面影が色濃く残る聖堂の側面、裏側は非常に興味深いものがあります。

例えば、聖堂建物の角は何百年にも渡り馬車の車輪がぶつかった為に削れた跡が残っています。場所によっては角の下に、車輪が通路の縁石にぶつからない様にした車止めが見てとれます。またその上には昔は露天商が寸法を測るのに定規として使っていた壁の石積み。更によく見ていくと、ところどころの壁に縦の筋が幾つも入ったところがあって、これは包丁や刀などを研ぐ砥石代わりに使われた跡など、中世の生活がそのままに遺されています。

 

【ゴシック建築の特徴を示すカテドラル裏】
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聖堂から垂直に出っ張った控え壁(ひかえかべ) 旧市街でもこの裏の路地が最も人気のあるところ。

カテドラルの裏が、ちょうど聖堂の後陣になり、ここではパリのノートルダム寺院ミラノのドゥオーモ に代表されるゴシック建築の典型となる控え壁が見られます。この突き出た壁が、天井ドームから壁に掛る巨大な力を横で受け止めることにより、それ以前のロマネスク時代には実現できなかった高い天井と大きな窓、壮大な礼拝空間が実現可能となりました。尚、ゴシック建築の特徴はこの後、聖堂内部の解説で更に詳しく述べていきます。

 

【奇怪なガーゴイル達】
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大聖堂の裏、上を見上げると、ここにあそこにもと、ガーゴイルだらけ!
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人間の顔 ユニコーン 雨水が落ちる口
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翼を持った犬? 誰? 悪魔 壊れ落ち中のパイプのみ

あと、ここでのもう一つの見どころは、控え壁の上部に並ぶ、ガーゴイルと呼ばれる奇怪な彫刻。口を開けて屋根や壁から突き出ている、その異様な光景が見れます。

gagoaa gaagu1 ガーゴイルとは何かと言うと、西洋建築の屋根に設置される雨どいの機能を持つ怪物をかたどった彫刻のことを指します。雨の際は樋から伝わって来た水が最後に怪物の口から流れるように設計されています。諸説はありますが意味としては魔除け。
また逆に聖なる土地へ怪物が入れないことを示す為とされ、カテドラルの場合は聖なる教会内へ悪魔の侵入を防ぐと言う意味合いがあり
雨水を吐くガーゴイル サンパウ病院にも

例えば、世界遺産のサンパウ病院の病棟の屋根に幾つも並ぶ不気味な怪物をかたどるそれは、病で苦しむ人達のいる病棟へ悪魔の侵入を防ぐと共に、病の気を外へ吐き出すという意味で設置されています。ただ、このカテドラルでの言い伝えでは上記の説以外に、復活祭から数えて10週目におこなわれるカトリックの行事の一つ聖体行列に対し、唾を吐いた魔女や悪霊が神の怒りで石にされ、この様になったとも言われています。また、ガーゴイルは口から水を吐き、その逆のお尻から雨水が入るので、雨水により体内がそれで浄化されるからなど、実際のところ幾つもの説があります。

 

【サン・イウの門】
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カテドラルの中で一番古い門。両脇の柱の四角い石碑には、1928年に大聖堂の建築が始まったと記されています。
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ロマネスク様式の大聖堂から伝わる柱頭 一対の翼に獣の足を持つグリフォンと戦う戦士
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まるで漫画の様なひょうきんさが溢れていて、正にロマネスク美術の真骨頂とも言える装飾

聖堂の出口のサンタ・エウラリアの門を、ちょうど大聖堂を挟んで反対側に位置するのがカテドラルの中で一番古い部分になるサン・イウの門です。門の脇にある柱には、現在の大聖堂の建設が1298年にここから始まったと記されています。

モンジュイックの石を使って作られた門は初期ゴシック様式ですが、門の両脇の柱の上部をよく見るとそこにはゴシック以前のロマネスク様式も見てとれます。戦士と戦うライオンやグリュプスなど、これらは元あったロマネスク様式の大聖堂を壊した際、いくつかの彫刻をそのまま新しい教会に利用したからです。

カテドラルの正面右にあったローマの水道橋しかり、現在でこそ歴史ある建造物は大事に保存されますが、流行り廃りで容赦なく破壊し、その上に作り上げて来たヨーロッパの歴史が、ここにも垣間見る事が出来ます。ゴシック荘厳な大聖堂の裏に人知れず、こんな漫画チックなユーモラスな彫刻が幸運にも破壊されず残っています。

manac-001 【カタルーニャ美術館】
世界最大のロマネスク美術が保存されている、国立美術館はモンジュイックの…

 

 

【カテドラル内部の位置関係】

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大聖堂の造りは、幅40メートル、奥行き93メートル、高さ28メートルの聖堂部分と、その右の中庭を取り囲む様に作られた回廊が合体した建物となっています。次に聖堂の入り口を入ると、まず正面に聖エウラリアのレリーフが見え、その後方に聖歌隊席。その聖歌隊を越えた所に聖エウラリアの棺が収められた地下礼拝堂があり、更にその上に大聖堂の一番奥となる主祭壇と言う配置になっています。

主祭壇の手前、左の礼拝堂の一つに屋上テラスへ登るエレベーターがあります。また、聖歌隊席を越えた所を右に行くと扉があり、そこを出ると修道院の中庭に繋がっていて、博物館、売店、出口などは、中庭を取り囲む回廊に沿って位置しています。

 

 

【訪れる者を圧倒するその威容】

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教会の入り口を越えて現れるこの威容。お腹にド~ンと落ちるような衝撃を見る者にあたえます
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中はカタルーニャ・ゴシック様式と呼ばれる造り このドームの更に上に大聖堂の一番高い塔があります

まず、聖堂内に入っての見どころとしては、入口の正面ファサードでみた壮麗なフランス・ゴシックの様式が、聖堂の一歩中へ入ると雰囲気が一変します。そこにはあの壮麗さは無くなりますが、その代わり静粛と歴史の重みが満ちあふれています。

高い天井、それを支える何本もの太い円柱は、回りに細い柱をたくさん合わせた”束ね柱”柱と呼ばれるもので、それの威容は正に荘厳と言ってよく、訪れる者を圧倒します。

 

【天井の要石(かなめ石)】
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それぞれ大小のドームを支えるリブの中心に位置する要石 要石の周りに更に要石を並べたドーム
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カテドラル天井を見ると、そこには大小幾つもあるリブ・ヴォールト (リブの付いたアーチ天井) により、支えられていて、またその中心には合計215の要石があり、それぞれにキリストや聖人たちの装飾が施されています。尚、要石を始めとした幾つかあるゴシック建築の特徴を、ここでまとめてみると。。。

 

【ゴシック建築の特徴の一つアーチ】
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アーチ最上部にある要石は、装飾を兼ねることが多く特に教会では聖人やキリストの彫刻が施されます。
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まず、今述べた要石(かなめいし)ですが、またの名はその形から楔石(くさびいし)とも呼ばれます。アーチの頂上部分にあることを示すと同時に、左右両方向から真ん中に向かってアーチ状に延びてくる建材が崩れないように、締め固定させる役目を持ちます。

この要石、日本語で言う肝心かなめの正に要。また英語ではキーストーンと呼びますが、キーパーソンと言う言葉があるように物事の中心人物、一番重要なところに位置していると言う事でも分かる様に建築
構造上も非常に重要なものです。尚、教会の要石の場合はアクセントとして、装飾が施されている場合が多くあります。

あと、大聖堂の天井を見て分かる様に、その要石を中心に天井には幾つものリブ、日本語で言うと助骨(ろっこつ)が壁に向かって放射状に伸びて天井を支えていますが、これをリブ・ヴォールトと呼び、ゴシック建築の構造上の鍵となるものです。また、カテドラルの裏に並ぶ奇怪なガーゴイル。あれらが、置かれていたのが控え壁と言われる、外壁から垂直に外側に出っ張った壁で、大聖堂の天井の重みが横方向に押し出そうとする力を、飛び梁を通じて支え崩壊を防いでいます。

尚、このリブ・ヴォールトの使用と飛び梁、控え壁の3つがセットになって、ゴシック以前の建築方法では不可能だった、高く薄い壁の巨大な空間を創出し、またそれは、次に述べる大なステンドグラスの設置も可能とし、大聖堂を光であふれさせました。

 

【ステンドグラス】
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 大聖堂の一番奥、主祭壇を取り囲むステンドグラス
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ステンドグラスは14世紀から、20世紀の長期に渡って作られたもので、その間に幾多の改修工事がおこなわれた末、現在の形になりました。なので一見すると分かりませんが、ステンドグラスの窓は隣どうしにも関わらず、作られたのが300年も違うものまであります。

 

 

【現在も残る大理石のレリーフ】

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彫刻家バルトロメ・オールドーニェスによる守護聖人であるサンタ・エウラリアの受けた拷問を伝えるレリーフ
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ローマ人に質問する場面 捕えられムチ打ちの場面 火あぶりの場面 十字架にかけられる場面

既に述べましたがバルセロナのカテドラルは、正式名はLa Catedral de la Santa Creu i Santa Eulalia、「聖十字架と聖クルスと聖エウラリア大聖堂」といいます。教会の名前の由来となるバルセロナの守護聖人であるサンタ・エウラリアは、ローマ皇帝ディオクレティアヌスがキリスト教を禁止した時に、
純粋無垢なエウラリアは統治していたローマ人に「なぜキリスト教が禁止されたのか?」と質問しますが、逆にキリスト教を棄てるように強制されます。その後、信仰心が深かったエウラリアは決して信仰を捨てなかったため、ローマ人によって13の拷問を受け、わずか13歳で殉教し、その後に聖人として列せられることになりました。

拷問を受けて処刑されたエウラリアのいたましい生涯が刻まれた大理石のレリーフがカテドラル内の聖歌隊席入り口の壁に掲げられています。キリスト教ならではと言える残酷絵巻のレリーフには4つの場面が描かれていて、左からサンタ・エウラリアが、この地方を統治していたローマ人に質問している場面で、次は彼女がムチでたたかれている場面。そして火あぶり、最後は十字架に掛けられている場面となっています。

また、合計で13あったと言われる拷問とは…
●ガラスの破片が詰まった靴を履いてBaixada de Santa Eulalia通りを3往復させられた
●ナイフが突き立てられた樽の中に押し込まれ、樽ごと通りを転がされた
●X字型の十字架に貼り付けにされた
●最後に斬首された
といったむごいものでした。

 

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/IMG_0045.jpg 【二つの十字架】
カテドラルの椅子をよく見ると、その背もたれには二つの十字架が彫られています。一つは、よく見る普通の十字架ですが、もう一つは十字架がローマ字のXになっています。これは、サンタ・エウラリアが磔された時の木がXに組まれていたためで、ここではXの十字架はサンタ・エウラリアを表し、もう一つの普通の十字架は聖人サンタ・クレウを表します。

 

 

【地下聖堂】

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真ん中に見えるのが、祀られているサンタ・エウラリアの棺。中にサンタ・エウラリアの遺骸が入っています
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祭壇の真下にあるサンタ・エウラリアの墓 右の賽銭箱に0.50€入れるとお墓のライトが灯ります

主祭壇の下の霊廟にはこの幼い聖人の棺が安置されていて、2月14日の日に限りサンタ・エウラリアの日には門が開かれ、中に入ることができます。棺の
尖塔の上には、右手を掲げ、十字架を手にしたサンタ・エウラリアの像が立っています。面白いのは、柵の右端にある賽銭箱にお金を入れると霊廟の中の灯りが付くと言う仕掛けになっているところです。

ところで、どうして祭壇の下にお墓があるのか?
日本人にはイマイチ理解し難いキリスト教ですが、その中でもこのカテドラルにおいて重要な意味を持つ殉教で死んだ聖人について、ここで解説します。

 

格式高い教会には欠かせない殉教者、聖遺物】
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宗教的迫害において命を奪われた場合や、棄教を強制され、それに応じないで死を選び殉死することが、キリスト教では一番徳があるとされています。
数ある聖人の全てがそうではありませんが、よく知らている有名な聖人たちの殆どで例えば、最後の晩餐でキリストと最後を共にした12使徒、のうちヨハネを除く全員が殉死しています。すなわち殉死者はキリスト教の中では、ヒーローだったわけです。

また、キリスト教では聖遺物と呼ばれるイエス・キリストや聖母マリアの遺品、キリストの受難にかかわるもの、また諸聖人の遺骸や遺品が入った墓の上に祭壇や礼拝堂を作り,そこでミサを行う慣習がありました。特に聖遺物のうち殉教した聖人の遺骸については古代から中世において、最も価値あるものとして盛んに崇敬の対象となり、日本で言えばいわゆるご神体であったり、断食の末にミイラとなった僧侶の即身仏と置き換えることもできます。

特に、格式ある大きな教会には聖遺物は必須条件とも言え、無くてはならないものでした。なので、このカテドラルにおいては、サンタ・エウラリアが実際に実在したかは別として、聖堂に祀る遺骸としては殉死した聖人であることがベストで、殉死の際の拷問は惨ければ惨いほど、それにも耐えて死を選んだと言う事で更に価値が上りました。なので
教会に入った正面の一番目のつくところに、“大聖堂のウリ”とする意味あいで数々の惨たらしい拷問の様子が描かれた大理石のレリーフが置かれているわけです。

 

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/gaudeiseijin.jpg 【ガウディを聖人に⁉】
殆ど知られていないことですが、地元カタルーニャよりバチカンへガウディを聖人へ登録するように申請が2003年に出されました。バチカンからその答えは未だありませんが、聖人へのネックとしては、ガウディは晩年こそ熱心な信者でしたが若い頃は特に宗教には全く興味を示していなかったこと。また聖人になる資格としてここで述べた殉教者や、生前に徳の高い聖職者であったわけでも無く、また奇跡を起こしたと言うことも無いので難しいとされています。
ただし、サグラダ・ファミリアが元々Temple(寺院)だったのが、2010年に教皇ベネディクト16世によってバシリカに格上げされました際の裏事情として、宗教離れが進む現在、世界的に有名なサグラダ・ファミリアはバチカンにとっても、新規信者獲得への宣伝効果が見込まれ、その利用価値があったと言う事に他ならない訳で、その点で可能性はゼロではないとも言われています。更に、ガウディが死亡時には全く意図されていなかったことですが、サグラダファミリアの地下聖堂に埋葬されているガウディは、ここで述べた聖人の遺体の上に教会があると言う形に既になっていて、実に好都合な条件が揃っているといる事は間違いありません。

 

 

【聖堂を取り囲む28の礼拝堂】

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さて、教会につきものの礼拝堂は大聖堂と言うだけあって周りを取り囲むように配置されて、その数は実に28にのぼります。また、礼拝堂以外にも合計81ヶ所の場所に140を超す聖人が祀られています。ところで、なぜこれ程の聖人がいると言うのは、以下の様な事情からです…
【聖人崇拝】
日本の場合は色んな神様、例えば神社の神様、お寺の仏様、更に菩薩に観音様、また怖い顔の風神雷神、はたまた宝船に乗った七福神と、私達日本人ですらよくわからない程神様が混在する、いわゆる多神教と呼ばれる日本。それに比べキリスト教は神は一つとした一神教と言われますが、ただご存知の通りキリスト教には多くの聖人がいて、ある意味でそれら聖人達が日本で言う、よろず神の役目をしています。

例えば、バルセロナの街を取ってみても守護聖人と呼ばれるのは二人いて、このカテドラルのサンタ・エウラリアはバルセロナ市の守護聖人で、もう一人の聖人メルセはバルセロナ司教区の守護聖人と言う事になっています。またカタルーニャ州全体で見ると、聖人サン・ジョルディが有名ですが、黒マリア像でお馴染みのモンセラットもまたカタルーニャの守護聖人として知られます。それぞれが微妙に役割が違うとも言われますが、結局のところ多くの聖人が信仰の対象となっていて、キリスト教のなかでも特にカトリックは多神教的な要素を色濃く持っています。

 

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聖堂内をぐるり取り囲む礼拝堂、その数28。そこには数多くの聖人、キリスト、マリアが祀られています
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過剰とも思える装飾が施されたバロック様式の祭壇 モンセラットでお馴染み黒マリア様。ここでも見れるます

尚、キリストをはじめとして聖人たちが祀られていますが、その中にはモンセラットでお馴染みの黒マリア様。もちろん本家本元の黒マリア像は、モンセラットの山の上ですが、ここにはその分身が祀られています。尚、各礼拝堂の前には賽銭箱が置いてあり、それを観ると聖人の人気度が微妙に違うのが分かり、また礼拝堂中には昔亡くなった歴代の司教の棺が据え付けられていたりします。

DSC_0497 【カタルーニャの聖地モンセラット】
バルセロナからショートトリップで行ける観光スポットして一番人気。

 

【街ごとに、職業ごとにいる守護聖人】
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Virgen de la Luz
電気工、配管
San José
大工
San Marcos
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San Bernardino
絨毯製造業
San Eloy
鍵屋
Virgen de Lourdes
病気の治癒

スペインでは都市ごとに違う聖人を、それぞれ守護聖人として崇拝しています。また、中世に端を発するギルド(職業別組合)ごとにも聖人がいて、
漁師、鍛冶職人、靴職人、大工、看護師、歯医者などそれぞれに守護聖人がいます。例えばマドリッドの守護聖人の聖イシドロは農業の守護聖人でもあり、バレンシアの守護聖人の聖ジョセフは、大工の守護聖人として知られています。ちなみに日本にキリスト教を伝えた、フランシスコ・ザビエルは、キリスト教では私達日本の守護聖人となっています。

また、特にスペインは全国的に各地方意識が非常に強いこともあり、
地元の贔屓にしているサッカーチームと同様、自分の街の守護聖人には特別の思い入れを持っています。神様の使徒である聖人にまで、それぞれ好き嫌いがあるのはスペイン人らしいところです。ちなみに日本はと言うと、職業や地域と言うよりも、皆さんのご存知の通り縁結び、合格祈願、厄除け交通安全、商売繁盛、夫婦円満、子孫繁栄などの願いごとの種類によって、それぞれの神様を使い分けお参りしています。

 

 

必見の聖歌隊席の彫刻】

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教会の中の中央部分を占めるコロ(聖歌隊席)
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四方を囲む様に据え付けられた金ぴかの椅子 金羊毛騎士団のメンバーの紋章

カテドラルの中心に位置するのが、「コロ」と呼ばれる壁に囲まれた聖歌隊席。同じカテドラルでもフランスなどのヨーロッパの他の国には無く、これはスペイン独特の物です。
また、14世紀の終わりから15世紀にかけて作られたオーク材の連なる祈祷席には、カタルーニャ・ゴシックの白眉と言える繊細な彫刻がなされ、カテドラルの中でも最も見応えあるものの一つです。

ちなみに、聖歌隊席とは言いますが、モンセラットの少年聖歌隊の様な讃美歌を歌うと言うより、ここは毎日祈祷に参加する司教座聖堂参事会員が座り祈りました。また、1519年に「金羊毛騎士団」の第19回総会が開かれ、当時のオスマン・トルコのヨーロッパ侵略の危機を始め、様々な問題がここで議論され、その際に椅子の後ろの壁に金羊毛騎士団のメンバー(ヨーロッパの王や女王など)となる王家の紋章が描かれました。

【実は天皇陛下も金羊毛騎士団のメンバー!】
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騎士団メンバーの徽章(きしょう) スペイン国王フェリッペ6世 前日本国天皇昭仁 エリザベス女王2世

日本では殆ど知られていませんが、実は前天皇の昭仁様も中世から続くこの金羊毛騎士団のメンバーの一人となっています。現在のメンバーは主権者として現スペイン国王のフェリッペ6世、あとイギリスのエリザベス女王や、ヨーロッパの描く王室が名前を並べます。

ちなみに、金羊毛騎士団のシンボルと言えるのが、金色の羊が吊り下がったバッジ。日本の場合は菊の御紋の下に金色の羊が吊り下がっています。実物は見た事ありませんが、前天皇陛下の洋服ダンスのどこかにあると思われます。

 

 

【パイプオルガン】

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ミサ以外にも毎月オルガンコンサートがあります
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スズ、銅、鉛、亜鉛で出来た巨大なパイプ 他の国には無いスペイン独特の横パイプ

楽器の王様とも呼ばれるパイプオルガン。16世紀に作られ、スペインでも最大規模を誇るこのパイプ・オルガンも見逃せません。普通、ヨーロッパの教会で見かけるパイプオルガンの殆どがドイツ製もしくはオーストリア製が多いのですが、このパイプ・オルガンはスペイン製です。

ところで、スペイン製のパイプオルガンならではの特徴としては、通常の縦に並ぶパイプ以外に横にもパイプが付いていることです。理由としては縦に並ぶパイプから発せられるオルガンの音色はそのまま天井に向かいますが、カテドラルのコロ(聖歌隊席)はオルガンの目の前にあることもあり、天井を介して響かすより音の発するパイプの先を横にし、直接聖歌隊席に音が響くように工夫されています。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/organoura.jpg 【パイプオルガンの音色は職人の人力で】
現在でこそ電気モーターを使っていますが、以前は演奏者とは別にパイプオルガンへ空気を送る裏方として、鍛冶屋で使っていたようなふいご、その大型のものを使い専門の職人が演奏中は
全身を使ってずっと空気を送る作業を続けていました。バルセロナのカテドラルの様な大きなオルガンの場合、裏にふいごが幾つも備えられていて特に夏場などはミサの間、汗だくになって作業していたと言う事です。

 

【左右に並ぶ棺】
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オルガンの右下の壁にある、アラゴン王夫妻の石棺 SAGRISTIA(聖器室)の横壁に並ぶ石棺
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現在のカテドラルの基礎を築いたバルセロナ公爵夫妻の棺は、木で出来た様に見えますが..

オルガンの右下を見ると、壁に掛った2つの石棺がありますが、これらはアルフォンソ3世アラゴン王と、その妻コンスタンサ・デ・シシリアのものです。また、教会の反対側の聖器室の横壁にあるのは、それまでのロマネスク様式を、現在のゴシック様式のカテドラルに建て替えた、バルセロナ公爵ラモン・バランゲー1世とその妻の棺です。

後者の棺の面白いところは、公爵ラモン・バランゲー1世の死後500年後の1545年、画家アンリュック・ファランディスにより、当時の流行だったルネッサンス風に石棺を上から絵の具で
木目調に塗り変えられたところで、言われない限り誰も全く気が付かないほど

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/tumbacat.jpg 【教会内に埋葬される意味】(写真はグラナダの大聖堂に眠るカトリック両王の棺)
ところで、墓地では無く聖堂内に棺がある理由は何だと思いますか?
それは、死後なるべく神の直ぐそばにいて、なんとしても天国に行きたいと言うキリスト教信者の欲求からによるものですが、ただし教会のスペースは限られているので、その時代の王や貴族、司教などのみが教会内に葬られています。尚、教会にとっても権力者の埋葬は好都合で、死んだ後に教会に埋葬する代わりに生前、王様からの様々な庇護を受けられることが出来ました。このカテドラルの場合だと、
公爵ラモン・バランゲー1世による建て替え資金を導き出す、その大きな原動力ともなっています。
カトリック両王の墓

 

 

【塔に登ることもできます】

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手前にカテドラルの象徴とも言える大尖塔と小尖塔。後方には2つの鐘の塔が聳えていいます
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ゴシック建築の大尖塔 大聖堂の中より塔を真下から眺める
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主祭壇の真上に位置する、サンタ・クルスの十字架 遠くに見えるサグラダファミリア教会

天気の良い日には、カテドラルの塔に登ってみてはいかがでしょう。尚、正確には塔では無く聖堂の屋根に上るので高さがそれほど無いのと、工事現場の様な足場で雰囲気に少し欠けはしますが、360度の視界の中には、地中海や塔が間地かに見え、遠くには建設中のサグラダ・ファミリアも見えます。

 

【それぞれ鳴る鐘の意味が違う2つの塔
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鐘の音で時間を知らせるのが市役所の塔 鐘の音でミサの始まりなど宗教行事を知らせるのが教会の塔
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塔の最上部で、15分おきに時を知らせるウヌラタの鐘

屋上には53メートルの鐘つき塔が2つ立っています。上部にモデルニスモ様式で鉄で作られた装飾がある塔が、バルセロナ市役所の時間を知らせる時計塔で、塔の中にはそれぞれ女性の名前が付けられた大小さまざまな鐘があり両方の塔を合わせると合計21個。

時計塔で1時間毎に鳴るのが重さ約3トンのエウリアの鐘、15分毎に鳴るのが重さ750キロのウヌラタの鐘。また、教会の塔で一番大きな鐘はトマサの鐘と呼ばれ特別な時だけに鳴らされます。尚、現在でこそ自動で鐘はなりますが、昔は15人の鐘つき人達が塔に寝泊まりして鐘をついていました。

 

 

 

【回廊と中庭】

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大聖堂に隣接する回廊と、南国の雰囲気漂う中庭
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鍛冶屋職人 仕立屋の職人
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靴職人 パン職人

聖堂内を見た後には、隣接するクラウストロと呼ばれる回廊と中庭を見学します。中庭のパティオを取り囲むように、ここにも、小さな礼拝堂が並んでいて、そこには先ほど解説したギルド(職人組組合)の守護聖人達も祀られています。

ちなみに、回廊の床の石を見ると長い年月の間に人が歩き、すり減ってぼやけていますが、意味ありげな色々な印が彫られているのに気が付きます。この印の意味は鍛冶職人、仕立職人、靴職人などのギルドを表していて、それらの石の下にはそれぞれのギルドの中でも、特に経済力があったギルドの長の親方が眠っています。

またそれ以外の印の無い石の下にも多数の遺体が眠っていて、実はこの回廊の下は数えきれないほど遺体が眠る一大墓場となっています。昔は一般市民の中でお金持ちは大金をはたいて、この回廊に葬ってもらいましたが、新しい遺体を埋葬するために地下を掘り起こせば、過去の腐った遺骨があふれ出してくるなどの様々な問題が生じて、最終的には禁止されました。

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/12/ohakaspe.jpg 【土葬のキリスト教】(写真の巣箱の様に積まれたお墓がスペインの特徴)
ヨーロッパでは日本と違い、埋葬するにあたって土葬が主流になっています。その理由はキリスト教では、最後の審判に際しての死者の復活の教理を持つためですが、とは言ってもキリスト以前の古代ヨーロッパ、ローマ帝国時代においては火葬が主流でした。また、近年は信仰心も希薄化たのと土地の問題もあり火葬が増えスペイン全土で40%、バルセロナに至っては更に高く47%が火葬となっています。また、この数字は年々高くなる一方です。

 

【殉死の歳を表す13羽のガチョウ】
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中庭の13羽のガチョウは13歳で殉教したサンタエウラリアを表しています..
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噴水の上にはカタルーニャの守護聖人のサン・ジョルディ 宗教関係の小物が揃ったショップもあります

次に中庭の中でも目を引くのが池にいるガチョウ。ここで飼われている13羽のガチョウは、サンタ・エウラリアが13歳で殉教したことを表しています。ちなみに、ガチョウは警戒心が非常に強く、見知らぬ人間を見かけると大声で鳴き騒ぎ、対象を追いまわし首を伸ばしくちばしで攻撃を仕掛けることから、古来より番犬代わりともなっていました。

 

【博物館】
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博物館入口 博物館の一部は元の司教座聖堂参事会会議室
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参事会会議室の半円筒ドームの天井。中央に木製の鳩(精霊)が吊り下がっています
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日本で言えば、祭りの神輿とも言える「聖体顕示台」 サンタ・エウラリアが持つX十字架こそが彼女のシンボル

現在は博物館となっていますが、回廊の中のこの部屋は昔、農家が税金を納めに来ていた場所でした。中にはロマネスク時代の聖水盤や、サンタ・エウラリアの像、剣などが展示されていますが、その中でも一番のお宝は「聖体顕示台」。金や宝石がふんだんに使われた正にキンキラキン聖具は、日本の祭りで見られる神輿の様なもので、毎年おこなわれる聖体行列で一度だけ外に出て、サンタ・エウラリアの像と共に旧市街を練り歩きます。

更に奥の部屋に進むと、昔は会議に使っていた司教座聖堂参事会会議室があり、そこには幾つかの絵画が展示されていますが、その中でも一番の見どころは天井画。聖人サンタ・エウリアとサンタ・ウラゲの間に聖霊を表す黄金の鳩がいます。

 

20160718003923 【三位一体説】
キリスト教の根幹である、イエスの本姓についての見解で、「父(神)と子(イエス)と聖霊」は三つの位格をもつが本質的に一体であるという説のことです。キリスト教の最も重要な教義となっていて、聖霊はしばしば鳩として表現されることがあります。

 

 

【アクセス】

IMG_20201020_104554 http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/10/IMG_20201021_124452.jpg?w=640 http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/11/musicacatala.jpg
L4号線 JaumeⅠ駅(徒歩3分) L3号線 Liceu駅(徒歩7分) カタルーニャ音楽堂(徒歩5分)

最寄り駅は、地下鉄L4号線Jaume Ⅰ駅、もしくはランブラス通りのL3号線Liceu駅。世界遺産のモデルニスモ建築の傑作「カタルーニャ音楽堂」などからも近く、人気の旧市街観光の中心とも言える便利な場所にあります。

ボケリア市場ランブラス通り
徒歩5分
カタルーニャ広場
徒歩7分
カタルーニャ音楽堂
徒歩5分
ピカソ美術館
徒歩7分
サンタ・カテリーナ市場
徒歩4分
王の広場
徒歩2分
レイアール広場
徒歩7分
グエル邸
徒歩9分

 

【地下鉄JaumeⅠ駅 ➡ カテドラル】
【地下鉄Liceu駅 ➡ カテドラル】
【カタルーニャ音楽堂 ➡ カテドラル】
【カタルーニャ広場 ➡ カテドラル】

 

 

【見所をまとめました】

 

 

【カテドラル訪問動画】

 

 

【まとめ&アドバイス】

大聖堂を見る目的を一番にバルセロナに来る観光客は殆ど居ませんが、訪れた日本人が想像以上に良かったと語るのがこのカテドラルです。アクセスも良く旧市街中心とも言える場所にあります。カタルーニャ音楽堂やランブラス通りと、バルセロナでも屈指の観光スポットからは徒歩で5分と言う申し分ない立地ですので、サグラダ・ファミリアだけで十分と言わず、新旧の教会を比べる意味でも一度訪れて決して損はありません。

ところで、敬虔なキリスト教徒でもない日本人が、なにげなく普通に見て回ってしまうと、入場した際の圧倒される雰囲気にこそ感動しますが、途中から飽きてきてしまう人もかなりいるのも事実です。ここではカテドラルの建物、サンタエウラリアの言い伝えなど、より興味を持って見て頂けるように解説していますが、この記事以外にもご自分でスペイン旅行の前に事前に調べておくと好奇心が沸き、結果的に満足度が深まるはずです。

例えば、ゴシック建築とは?キリスト教の殉教とは?中世のバルセロナの市民の生活とは?などをキーワード検索されると良いかと思います。あと小説で多少のフィクションも入りますが、個人的には遠藤周作の「沈黙」や、最近の本としては、バルセロナ出身の作家イルデフォンソファルコネスの「海のカテドラル」などを読んで来られると、ギルドや教会、領主、領民、バルセロナ市民など
中世の社会の様子、歴史とリンクする点も多く更に興味深い見学になるはずです。

最後に、見学の標準的な時間はざっと歩きながら見て回るだけでしたら1時間ほどです。オンラインでチケットの事前購入も出来ますが、混んで入れないと言う様なことはありませんので、予約なしで大丈夫です。古いガイドブックには無料時間があると書かれていますが、観光客は基本的に有料ですのお間違いないようにしてください。

 


お勧め度:17点/20点
★★★★☆


 

住所 pla de la Seu 【地図&行き方】
URL http://www.catedralbcn.org/index.php?lang=en
電話 93 216 03 06
開館時間 平日  入場無料:8:30-12:30,  有料入場:12:30-19:15
土,祝日の前日  入場無料:8:30-12:30, 17:15-19:30 有料入場:12:30-16:45
日祝  入場無料:8:00-13:30, 17:15-19:30  有料入場:14:00-16:45
*無料入場出来るのは、キリスト教徒で礼拝に来た人だけです。
料金 有料時間 9ユーロ(ミュージアム、聖歌隊席、展望台への入場を含む)
最寄り駅 地下鉄   4 号線 ジャウマ・プリメ(Jaume I) 駅から徒歩約3分
地下鉄   号線 リセウ(Liceu)駅から徒歩約7分
所要時間 約1時間

 

 

 


By kurooe1 オフィスHILL
2015.02.18 作成
2021.01.03 最終更新
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。 間違いの情報修正、有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたらこちらよりご連絡お願いいたします。

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