ここは、バルセロナにおける行政の中心地。 この広場は2000年以上前の古代ローマ時代から常にバルセロナの中心であり続

バルセロナ旧市街の中心にあるサン・ジャウマ広場は、バルセロナにおける行政の中心とも言える場所です。
現在、広場の片側にはバルセロナ市庁舎、向かい側にはカタルーニャ州政府庁舎が建っており、市と州、二つの行政機関が向かい合う広場となっています。
実はこの場所は、2000年以上前の古代ローマ時代から、バルセロナの中心地として重要な役割を果たしてきました。
現在の広場の名前は、かつてこの場所にあったサン・ジャウマ教会に由来します。中世以降、この周辺には教会がありましたが、19世紀に入って再整備が行われ、現在のような広場と行政機関の建物が整えられていきました。
観光スポットとして見ると、サグラダ・ファミリアやカテドラルのような華やかさはありません。
正直なところ、ここだけを目的にわざわざ訪れるほどの見どころがあるわけではありません。ただし、ゴシック地区を歩いていると自然に通る場所であり、バルセロナの歴史と行政の中心を感じられる広場です。
というわけで、ここではサン・ジャウマ広場について、サクッと紹介していきます。
市庁舎

広場の南側に建っているのが、バルセロナ市庁舎です。
現在も市の行政機関として使われており、サン・ジャウマ広場を代表する建物の一つです。
外観は重厚で、いかにも行政の中心らしい雰囲気がありますが、観光スポットとしては少し地味です。ただし、建物の歴史は古く、内部にはゴシック様式の空間や美しい装飾が残されています。
通常の観光では外から眺めるだけになることが多いですが、特別公開日などには内部を見学できることもあります。サン・ジャウマ広場に来たら、まずこの市庁舎と、向かい側に建つカタルーニャ州政府庁舎を見比べてみるとよいでしょう。
三つの旗

市庁舎の屋上には、三本の旗が掲げられています。
正面から見て左側がカタルーニャ州旗、中央がスペイン国旗、右側がバルセロナ市の旗です。
カタルーニャ州旗は、黄色地に赤い横縞が入った旗。スペイン国旗は赤と黄色の国旗で、中央に掲げられています。そして右側にあるのが、バルセロナ市の旗です。
市庁舎の前に立ったら、建物そのものだけでなく、この三つの旗にも少し注目してみてください。
バルセロナという街が、スペインの一都市であると同時に、カタルーニャの中心都市でもあることがよく分かります。
自治政府庁舎

バルセロナ市庁舎と向かい合う、広場の北側に建っているのがカタルーニャ自治政府庁舎です。
現在もカタルーニャ自治政府の中枢として使われている建物で、サン・ジャウマ広場がバルセロナ行政の中心であることを象徴しています。屋上には、スペイン国旗とカタルーニャ州旗の二本の旗が掲げられています。
建物正面でぜひ注目したいのが、テラスの上に置かれたサン・ジョルディ像です。サン・ジョルディ(Sant Jordi)は、カタルーニャの守護聖人。像では、足元のドラゴンにとどめを刺そうと、剣を振り上げる姿で表現されています。
サン・ジョルディとドラゴンの伝説は、カタルーニャではとても親しまれており、バルセロナの街中でも時々そのモチーフを見かけます。また、自治政府庁舎の向かって右側、ビスベ通りに面した旧入口の上にも、別のサン・ジョルディ像があります。
同じサン・ジョルディでも表情や雰囲気が違うので、時間があれば見比べてみるのも面白いでしょう。サン・ジャウマ広場は一見すると地味な広場ですが、こうした細部に目を向けると、カタルーニャらしさを感じられる場所でもあります。
バルセロナの守護神

サン・ジョルディ(Sant Jordi)は、カタルーニャでとても大切にされている守護聖人です。
像では、馬に乗ったサン・ジョルディが、足元のドラゴンに向かって剣を振り下ろそうとしています。
サン・ジョルディの伝説は、いわゆるドラゴン退治の物語です。
昔、ある国に恐ろしいドラゴンが現れ、人々は生け贄を差し出していました。やがて王女が生け贄に選ばれた時、そこに現れた騎士サン・ジョルディがドラゴンを退治し、王女を救ったと伝えられています。
ドラゴンの血が流れた場所には赤いバラが咲いたとも言われ、この伝説から、カタルーニャではサン・ジョルディの日に男性が女性へバラを贈る習慣が生まれました。
また、「ジョルディ(Jordi)」はカタルーニャ人男性の名前としても非常に一般的です。日本人にとっての「太郎」ほど単純ではありませんが、カタルーニャで暮らしていると、ジョルディという名前の男性に出会う機会は少なくありません。
サン・ジャウマ広場そのものは派手な観光スポットではありませんが、この像を見ると、カタルーニャの歴史や文化がさりげなく感じられます。
ここにも、サンジョルデイ像

また、こちらのビスバ通りに面した旧入り口にもサン・ジョルディ像があります。
メルセ祭

普段のサン・ジャウマ広場は、正直なところ観光スポットとしては少し地味です。
ところが、毎年9月に行われるバルセロナ最大のお祭り「メルセ祭」の時期になると、この広場は一気に華やかな舞台に変わります。
ここで少し整理しておきたいのが、守護聖人の話です。前に紹介したサン・ジョルディ(Sant Jordi)は、カタルーニャの守護聖人です。
一方、メルセ(La Mercè)は、バルセロナの守護聖人です。つまり、サン・ジョルディはカタルーニャ全体を象徴する聖人、メルセはバルセロナの街を守る聖人、と考えると分かりやすいでしょう。
メルセ祭は、そのバルセロナの守護聖人であるメルセを祝うお祭りです。
その期間中、サン・ジャウマ広場では「ヒガンテス(Gigantes)」と呼ばれる巨人人形のパレードが行われます。ヒガンテスは、王様や女王、貴族などをかたどった巨大な人形で、高さは4メートルほどにもなります。
見ている分には優雅に踊っているように見えますが、実は中に入って動かしているのは基本的に一人です。あの大きな人形を担ぎながら、歩いたり、回ったり、踊ったりするわけですから、かなりの重労働です。
外から見ていると華やかな伝統行事ですが、中に入っている人にとっては、体力勝負の祭りでもあります。サン・ジャウマ広場は、普段は行政の中心という少し堅い雰囲気の場所ですが、メルセ祭の時期には、バルセロナらしい伝統と熱気を感じられる広場になります。
人間の塔

メルセ祭の時期、サン・ジャウマ広場で特に多くの人を集めるのが、「カステイ(Castells)」と呼ばれる人間の塔です。
カステイは、カタルーニャを代表する伝統文化の一つで、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。人々が肩の上に乗り、さらにその上に人が登っていき、何層にも重なった塔を作ります。
ただ高ければよいというものではなく、塔の高さ、形の美しさ、安定感、そして最後まで崩れずに解体できるかが重要です。各グループがそれぞれの技術とチームワークを競い合い、成功した時には広場全体が大きな拍手に包まれます。
メルセ祭の時期には、このカステイを一目見ようと多くの人がサン・ジャウマ広場に押しかけます。広場はかなり混雑し、場所によっては身動きが取りにくいほどのぎゅうぎゅう詰め状態になります。
間近で見る人間の塔は迫力がありますが、見学する場合はスリや荷物にも十分注意してください。
クリスマス

クリスマスの時期になると、サン・ジャウマ広場には毎年ベレンが飾られます。
ベレン(Belén)とは、キリスト誕生の場面を人形で再現した、スペインの伝統的なクリスマス飾りです。日本ではクリスマスツリーの方がなじみ深いですが、スペインでは昔から、このベレンがクリスマス飾りの中心的な存在です。
馬小屋で生まれた幼子イエス、聖母マリア、ヨセフ、羊飼い、東方の三博士などが並び、キリスト誕生の場面が小さな世界として作られます。クリスマスが近づくと、各家庭だけでなく、教会、学校、市役所など、さまざまな場所でベレンが飾られます。
サン・ジャウマ広場のベレンもその一つで、毎年テーマやデザインを変えて設置されます。伝統的な人形を並べたものもあれば、現代アートのような少し変わった演出になる年もあります。
そのため、毎年楽しみに見に来る地元の人も多く、クリスマスシーズンには広場の周りに人だかりができます。
普段は少し地味なサン・ジャウマ広場ですが、メルセ祭の時期やクリスマスの時期には、バルセロナ市民が集まる大切な広場になります。
最も美しいと称される通り

カタルーニャ自治政府庁舎の向かって右側から、カテドラル方面へ続いているのがビスベ通り(Carrer del Bisbe)です。
この通りは、ゴシック地区の中でも特に雰囲気のある通りとして知られています。
13世紀から14世紀にかけて、この周辺には貴族の館が集まっていたとされ、今でも中世の面影を感じさせる建物が並んでいます。
細い石畳の道、歴史ある建物の壁、そして通りの上に架かる美しい橋。いかにもゴシック地区らしい景色が続き、バルセロナ旧市街を歩く楽しさを感じられる場所です。
サン・ジャウマ広場だけを見ると、正直それほど大きな見どころはありません。
ただし、この広場からビスベ通りを抜けてカテドラル方面へ歩くルートは、旧市街散策の定番です。サン・ジャウマ広場を訪れたら、ぜひそのままビスベ通りへ進んでみてください。
まとめ&アドバイス
サン・ジャウマ広場は、正直なところ、わざわざここだけを目的に訪れるような観光スポットではありません。
サグラダ・ファミリアやカサ・バトリョのような華やかさがあるわけでもなく、広場そのものに大きな見どころがあるわけでもありません。
ただし、ゴシック地区を歩いていると、自然に通ることの多い広場です。カテドラルからビスベ通りを抜けて歩いたり、旧市街の中心部を散策したりしていると、気がつけばこの広場に出ることがあります。
そして、観光スポットとしては地味でも、ここはバルセロナにとって非常に重要な場所です。
バルセロナ市庁舎とカタルーニャ自治政府庁舎が向かい合い、古代ローマ時代から続く街の中心でもあります。そういう意味では、サン・ジャウマ広場は、バルセロナの「中心」を感じられる場所と言えるでしょう。
日中は観光客も多く、周辺の通りはかなりにぎわいます。また、周辺には小じゃれた店や飲食店も多く、ビスベ通りやカテドラル周辺とあわせて、ぶらぶら歩くには最適なエリアです。
サン・ジャウマ広場だけを目的にする必要はありません。
旧市街散策の途中で立ち寄り、市庁舎と自治政府庁舎を眺め、旗やサン・ジョルディ像に少し注目する。そのくらいの気軽な見方が、この広場にはちょうど良いと思います。
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お勧め度:12点/20点 ★★★☆☆ |
| 住所 | Plaça de Sant Jaume 【地図はこちら】 |
| URL | http://web.gencat.cat/en/inici/index.html |
| TEL | 934 02 46 00 |
| 開館時間 | 自治政府庁:4/23、9/11、9/24 (要予約) バルセロナ市庁舎:毎週日曜日10:00-13:30、4/12、4/23、5/30は10:00-20:00 |
| 料金 | 無料 |
| 最寄駅 | 地下鉄3号線リセウ駅から徒歩5分、4号線ジャウマ・プリメ駅から徒歩約3分 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.07.04 |
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