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グエル邸 ガウディ初期作品の見どころ

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ガウディの初期代表作の一つとして知られるグエル邸。

サグラダ・ファミリアやカサ・バトリョのような派手さはなく、ガウディ作品の中では比較的落ち着いた印象の建物です。そのため観光客の人気ランキングでは上位に挙がることは多くありません。しかし、旧市街の狭い路地にひっそりと佇むその姿には独特の魅力があり、ガウディ建築の原点を知る上では見逃せない作品の一つです。

この記事では、グエル邸の歴史や見どころを、初めて訪れる方にも分かりやすく解説していきます。

概要

アントニ・ガウディの良き理解者であり、最大のパトロンでもあった実業家エウセビ・グエル。バルセロナ最大の繁華街ランブラス通りの近くに建つこの邸宅は、ガウディがグエルから依頼を受けた「グエル別邸」に続く二つ目の大規模プロジェクトでした。

後に民間人としては異例の伯爵位を授与されるほどの成功を収めたグエルにとって、この邸宅はその地位と財力にふさわしい住まいでした。一方、若きガウディにとっても、自らの建築理念を存分に発揮できる絶好の舞台だったと言えるでしょう。

ガウディは4年の歳月をかけて設計と建設に取り組み、1888年にグエル邸を完成させます。完成後、その出来栄えを大変気に入ったグエルは、当初は別館として利用する予定だったこの建物を主な住居とするほどでした。

グエル邸はガウディ初期の傑作であると同時に、その後の代表作へとつながる数々のアイデアや技法が凝縮された作品でもあります。敷地面積は約500平方メートルと決して広くありません。しかし、地下1階・地上4階からなる建物の内部には、外観からは想像できないほど豪華で華やかな空間が広がっています。

さらに注目したいのは、その美しさだけではありません。グエル一家の生活様式まで考慮して設計された内部構造は非常に機能的で、ガウディの建築家としての力量を感じさせます。なお、1984年にはカサ・ミラやグエル公園などとともに世界遺産に登録されました。

 

http://i0.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2016/01/Eusebi.jpg キューバで財を築いた父がバルセロナで始めたビジネスを更に発展させ、繊維業を初めとして銀行、タバコ会社、セメント会社など経営し当時の地元経済界を代表する実業家。また政治家としてスペイン上院議員、カタルーニャ文化の後援者としても知られ、後年には民間人から貴族(伯爵)にも列せられました。

 

 

外壁(正面)

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2つのカテナリーアーチとそれを覆う鍛鉄の重厚な扉

設計段階でガウディは20案以上のファサードを考案しましたが、最終的にグエルが選んだのが現在のデザインです。

当時、この周辺はランブラス通りに近い便利な立地である一方、決して治安や風紀が良い地区ではありませんでした。そのため、周囲の建物との差別化を図る意味もあり、当時のブルジョアの邸宅の中でも特に威厳を感じさせる外観が採用されたと言われています。

ただ、その重厚なデザインゆえに、カサ・バトリョやカサ・ミラのような華やかさや奇抜さはありません。そのため、初めて訪れた方の中には少々地味な印象を受ける人もいるでしょう。グエル邸の正面ファサードでまず目を引くのが、二つの巨大な放物線アーチと、その内部に設けられた鍛鉄製の大扉です。

当時のバルセロナでは前例のない規模だったこの格子扉は、中央部分だけ格子を細かくすることで、外からは内部が見えない一方、内側からは通りの様子を確認できるよう工夫されていました。現代で言えばマジックミラーに近い発想です。

なお、中央の小さな扉は人の出入り用で、馬車が出入りする際には左右の大扉が開閉されました。さらに注目したいのが、アーチ門の両端に隠された蛇のモチーフです。

キリスト教では、脱皮を繰り返す蛇は復活や再生の象徴とされることがあります。左右の端から伸びた蛇は格子を伝うように上へと進み、とぐろを巻きながら中央上部のグエルのイニシャル「E」と「G」の付近で出会うようにデザインされています。

 

不死鳥、兜、旗

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不死鳥、兜、カタルーニャ州旗の三つから構成されるオブジェ

グエル邸の正面ファサードで最も注目したいのが、中央上部に設置された不死鳥のオブジェです。これは当時の鍛鉄工芸技術の粋を集めた作品で、鉄を叩き、切り、曲げるという工程を繰り返しながら、すべて職人の手作業によって作られました。

さらに驚かされるのは、その構造です。数百にも及ぶ小さな鉄片を組み合わせていますが、現代のような溶接ではなく、一つ一つを鋲(リベット)で固定する伝統的な工法が用いられています。近くで見ると、その緻密な作り込みと圧倒的な手間に驚かされることでしょう。

華やかな中央ホールや屋上煙突に目を奪われがちなグエル邸ですが、正面ファサードを見学する際は、この不死鳥のオブジェにもぜひ注目してみてください。ガウディと職人たちのこだわりが凝縮された、ファサード最大の見どころの一つです。

 

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/tanntetu.jpg 【鍛鉄(たんてつ)】
英語でロートアイアンと呼ばれる金工技法の一つで、古くからヨーロッパなどで建造物に使われてきました。
鍛鉄は熱した鋼材をハンマーを使い叩いて形を整えながら、打ち目を付ける、束ねる、巻く、ねじる、潰す、のばす等して鉄ならではの重厚感ある表情を引き出すことができます。身近なところでは日本刀にもこの鍛鉄が使われていて刀鍛冶の技法が正にそれです。

 

見学の開始

入口でチケットを提示すると、まずは簡単なセキュリティチェックを受けます。そのすぐ横には上階へ続く立派な階段があり、つい上りたくなりますが少し我慢してください。

グエル邸の見学は自由見学ではあるものの、建物の構造やガウディの意図を理解しやすいよう、基本的には決められた順路に沿って進むのがおすすめです。見学は以下のルートで進んでいきます。

 

地下厩舎へ

見学は馬車置き場(Coach House)から始まります。ただし、見学ルートの最後に再びこの場所へ戻ってきますので、ここで足を止めず、まずは最初の見学ポイントである地下へ向かいましょう。

地下へ続くスロープ状の通路は、かつて馬車から外された馬が厩舎へ移動するために使われていたものです。現在は見学者用の通路となっていますが、当時の用途を知ると見え方も変わってきます。また、途中には吹き抜け状のポーチがありますが、これは単なる装飾ではありません。地下にある厩舎へ新鮮な空気を送り込む換気設備として重要な役割を担っていました。

グエル邸は華やかな装飾に目が行きがちですが、このような実用的な工夫にもガウディらしさを見ることができます。

 

柱が並ぶ地下

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グエル邸全体を支える大きな柱が並びます。その数合計21本

ここでの最大の見どころは、重厚なレンガの柱と、それらを結ぶアーチが織りなす独特の空間です。建物の床を支えるアーチには、カタルーニャ地方の伝統工法である「カタラン・ボールト」が用いられており、地下全体にまるで洞窟のような陰影の世界を作り出しています。

この厩舎のデザインには、キリスト教文化とイスラム文化が融合したムデハル様式の影響を見ることができます。後年、ガウディが手掛けたコロニア・グエル教会の地下礼拝堂にも通じる要素であり、若き日のガウディが後の作品へとつながる試みを行っていたことが分かります。

ところで、屋敷の中に厩舎があると聞くと馬の臭いが気になるかもしれません。しかしグエル邸では、建物全体に巧妙な換気システムが組み込まれており、臭いがこもらないよう工夫されていました。華やかな装飾ばかりが注目されがちなグエル邸ですが、このような実用面への配慮も見逃せません。

なお、地下へのアクセスは馬用のスロープだけではありません。玄関ホールの階段下には、人が利用するための急勾配のらせん状スロープが設けられており、一本の柱を取り巻くように地下へと続いています。

 

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2017/11/muddi2.jpg 【ムディハル様式】
スペインの建築様式の一つで、中世にキリスト教徒とイスラム教徒が共存するという環境下でイスラム建築様式とキリスト建築様式が融合したスタイル。
特徴としては建物の壁面に幾何学文様の装飾を施しているなどがあります。ガウディの最初の住宅建築と知られるカサ・ビセンスにそれが見られます

 

地下室では、柱に取り付けられたユニコーンの頭を模した金具を見ることができます。また、ポーチの壁や柱には、犬の頭をデザインした馬つなぎ用のリングも残されています。こうした細かな装飾からも、ガウディが実用品にまで意匠を凝らしていたことが分かります。

また、地下室の一角では、当時のバルセロナの街並みや社会の様子を紹介する映像が上映されています。グエル邸が建てられた19世紀末の時代背景を知ることで、この邸宅がどのような環境の中で生まれたのかがより理解しやすくなるでしょう。時間があれば、ぜひ腰を落ち着けてご覧ください。

 

地階(一階)

地下を見学した後は、再び地階の馬車置き場へ戻って見学を続けます。かつて馬車置き場として使われていた空間です。

現在で言えば自動車の駐車場にあたる場所で、豪華な居住スペースとは対照的に比較的シンプルで、一見すると広々としただけの場所に見えますが、実は見どころも少なくありません。

 

馬車置き場

まず注目したいのが、鍛鉄とタイルを組み合わせた梁の構造です。

また、ガウディ作品の多くがレンガや石を積み上げる伝統的な「組積造」で造られているのに対し、グエル邸では当時としては最新の建材だった鉄が積極的に使用されています。こうした技術的な挑戦も、この建物の特徴の一つです。

さらに天井には清掃しやすいタイルが張られています。これは馬が頻繁に出入りする場所であることを考慮した実用的な工夫でした。そして床にも注目です。馬の蹄の音が邸内に響かないよう、通路部分には松材の木製ブロックが敷き詰められ、騒音を和らげる工夫が施されています。

上階へ続く階段の裏手には、地下の厩舎へと続くらせん状の通路があります。馬車の御者はここを利用して地下へ降り、馬を連れて再び地上へ戻っていました。グエル邸は豪華な装飾に目を奪われがちですが、この空間からはガウディが実際の使い勝手まで徹底して考えていたことがよく分かります。

 

玄関ホール

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玄関ホールを左横から見る

馬車置き場を見学した後は、いよいよ上階へ向かいます。ただ、その前に少し周囲を見回してみてください。玄関ホールと馬車置き場の間には頑丈な扉が設けられており、さらに上を見上げると鉄格子のはまった窓を見ることができます。

これらが意味するのは、この空間が邸内でありながら、まだ完全な居住空間ではなかったということです。言い換えれば、外部からの侵入に備える必要がある「玄関エリア」であり、家の中と外の境界に位置する場所でした。

また、上階へ向かう階段の左側には小さな階段があります。これは馬車から乗り降りする際のステップとして使われていました。

さらにその下にある石の出っ張りにも注目です。これは馬車の車輪が通路の縁石や壁に接触しないよう保護するための車止めで、現在の駐車場で見られるガードと同じような役割を果たしていました。

こうした細かな部分にも、グエル一家の日常生活を支えるための工夫を見ることができます。

 

玄関から中二階への階段

大理石の柱が並ぶ正面玄関の階段を上ると、その先にはカタルーニャ州旗をモチーフにした鮮やかなステンドグラスが現れます。そこからは、実業家として成功を収める一方で、カタルーニャ人としての誇りとアイデンティティを大切にしていたグエルの思いを感じ取ることができます。

また、このエントランスを彩る大理石の柱や階段をはじめ、邸宅内には様々な色合いの大理石や天然石がふんだんに使われています。これらの石材は、すべてグエルが所有していた採石場から運ばれたものです。建築に惜しみなく最高級の素材を投入できたことも、グエル邸がこれほど豪華な空間となった理由の一つでした。

 

中二階

中2階には、グエルの書斎や図書室、事務室が置かれていました。この階は地上階と上階のメインフロアの中間に位置しており、どちらにも素早くアクセスできることから、邸宅の管理や来客対応を行うのに便利な場所だったと考えられています。

しかし、ガウディは単に実用的な空間としてだけではなく、この階を訪問客の気持ちを高めるための「移行の空間」としても設計しました。地上階から徐々に豪華さを増しながらメインフロアへ導くことで、その先に待つ中央ホールや応接空間の印象をより強く演出しようとしたのです。

また、多くの見学者が見落としてしまいますが、木製の格子戸の中央部分にはさりげなく覗き窓が設けられています。来客の様子を確認するための実用的な工夫であり、こうした細部にもガウディらしい配慮を見ることができます。

なお、中2階にはこの他にも複数の部屋がありますが、残念ながら一般公開されておらず、見学できるのはホール部分のみとなっています。

 

主階

ガウディ建築のエッセンスがここに凝縮。

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いよいよグエル邸最大の見どころであるメインフロアです。ここは、実業家として巨万の富を築き、後に伯爵位を授与されたエウセビ・グエルの財力と社会的地位を象徴する空間でした。

グエルは実業家であるだけでなく、スペイン上院議員、サン・ジョルディ王立美術アカデミー会員、さらにはカタルーニャ主義団体「セントラ・カタラー」の総裁を務めるなど、政界・文化界でも大きな影響力を持つ人物でした。

そして、その権力や富、文化的教養を来客に示すために最も豪華に造られたのが、このメインフロアです。中でも圧倒的な存在感を放つのが「中央大サロン」です。

グエル邸の中心となるこの広間では、各界の要人を招いた社交行事や音楽会が頻繁に開かれました。ここは単なる応接室ではなく、グエルが自らの地位や文化的素養を示すための舞台でもあったのです。

 

待合のサロン

待合サロンは、中2階からメインフロアへ上がって最初に現れる空間です。ここは来客を迎えるための待合室であると同時に、このフロア全体のエントランスホールとしての役割も担っていました。

この場所を起点として、グエル邸の中心である中央大サロンやプライベートサロン、さらに建物裏手のテラスへと移動することができます。通りに面した窓には3本の大理石の柱によるアーチが設けられ、重厚な雰囲気を演出しています。

また、天井には熱帯産の高級木材である赤バラタ材が使われています。格子状に組み上げられた天井は、日本の書院建築の大広間などで見られる格天井(ごうてんじょう)を思わせる造りで、装飾的な美しさと建物の荷重を支える構造的な役割を兼ね備えています。

さらに窓のステンドグラスにも注目です。若い頃にイギリスへ留学した経験を持つグエルは、シェイクスピアを特に愛好していました。そのため、この部屋のステンドグラスにはシェイクスピア作品の登場人物が描かれています。

同様のモチーフはこの待合サロンだけでなく、邸内の複数の部屋でも見ることができます。豪華な装飾に目を奪われがちですが、こうした細部からもグエルの教養や趣味を垣間見ることができます。

 

失われた歩みのサロン

中央大サロンへ自然光を取り込むため、この場所でも開口部を大きく確保できるカテナリーアーチが採用されています。ただし、ここで注目したいのはアーチそのものではなく、それを支える柱の構造です。

一見すると3本の柱が並んでいるように見えますが、実は後方の1本がアーチを支え、前方の2本が上部のリンテル(まぐさ)を支えるという役割分担がなされています。ガウディがあえて3本の柱を一組としてまとめたのは、この比較的限られた空間を実際より広く見せるためでした。

さらに、アーチとリンテルを前後に重ねることで、その先に奥行きのある疑似的なバルコニー空間が存在するかのような視覚効果を生み出しています。ガウディは構造や装飾だけでなく、人間の視覚がどのように空間を認識するかまで計算しながら設計を行っていました。この部分は、その巧みな空間演出をよく示す一例と言えるでしょう。

 

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_3481aa-001.jpg 【リンテル】
リンテル(まぐさ石)とは古代建築で2つの支柱上に水平に渡されたブロックで、
上部の重量を支える役目を持っていました。日本の古墳にもよく見られるもので、ただガウディ作品の中では使われることは殆どなく、唯一と言えるのがコロニアグエル教会の入り口に使われた巨大な岩。

 

応接サロン

重厚な天井が特徴のグエル邸ですが、その中でもこの応接サロンの天井は特に豪華です。

天井全面には金箔が施され、ムデハル様式を思わせる鍛鉄製の装飾が無数に吊り下げられています。これらは「鍾乳石飾り」と呼ばれ、その名の通り鍾乳洞の鍾乳石を連想させる意匠です。

さらに、その先端には宝石まで取り付けられており、グエルがこの空間にどれだけの費用を投じたかがうかがえます。また、天井を支える梁の周囲には斜め格子の仕切り窓が設けられています。

ここからグエル家の人々は、下にいる訪問者から姿を見られることなく様子を観察することができました。つまり、この部屋は訪問客に財力や社会的地位を印象づける場であると同時に、その反応を密かに楽しむための舞台でもあったのです。

現代の感覚では少々行き過ぎ、悪趣味と言う気もしますが、グエルに限らず当時のヨーロッパの上流階級では、決して珍しいものではありませんでした。

 

吹き抜けの大広間

グエル邸最大の見どころであり、この建物の心臓部とも言えるのが中央大サロンです。ガウディは、中庭を中心にその周囲へ部屋を配置する伝統的な大邸宅の構造から着想を得て、この吹き抜けの大空間を邸宅の中心に据えました。

その結果、邸内の主要な部屋はすべてこのサロンを取り囲むように配置され、まさに建物全体の核となる空間となっています。また、このサロンは単なる応接室ではありません。

宗教的な儀式を行う場として、あるいは楽団を招いてコンサートを開く場としてなど、多目的な用途に利用されることが想定されていました。グエル邸を訪れる各界の要人や来客は、まずこの壮大な空間に迎え入れられ、グエル家の財力や文化的な教養に触れることになったのです。

*360画像は指でグリグリ回したり拡大できます。

 

礼拝堂

敬虔なカトリック教徒だったグエルは、邸宅の中心に礼拝堂を設けることを望んでいました。しかし、ここで一つ問題が生じます。

この中央大サロンは宗教儀式を行う神聖な空間であると同時に、コンサートや社交パーティーなどを開催する場としても利用される予定だったからです。礼拝堂を常設してしまうと、こうした世俗的な催しとの両立が難しくなります。

そこでガウディは巧妙な解決策を考えました。祭壇部分に大きな二枚扉を設け、必要な時だけ開くことができるようにしたのです。

普段は扉を閉じることで礼拝堂の存在を隠し、コンサートや社交の場として利用する。そして宗教儀式の際には扉を開き、礼拝堂として機能させる。こうしてガウディは、一つの空間の中に宗教的な役割と社交的な役割という相反する二つの機能を見事に共存させました。

 

天井ドーム

グエル邸最大の見どころであり、ガウディの建築を語る上で欠かせないのが、高さ16メートル、2階から4階まで吹き抜けとなった中央ドームです。トルコのアヤソフィア大聖堂から着想を得たとも言われるこのドームは、4本の放物線アーチによって支えられています。

頂上の円窓から差し込む光に加え、ドームを構成する六角形のパネルに開けられた84個の小さな穴からも自然光が降り注ぎます。その光は時間とともに表情を変え、まるで天空や宇宙の彼方から光が差し込んでくるかのような幻想的な空間を生み出しています。

現在のように電灯が当たり前ではなく、まだガス灯が使われていた時代に、ガウディは邸宅の中心にこの神秘的な「小宇宙」を作り上げました。サグラダ・ファミリアやコロニア・グエル教会へと続く、光と空間による演出。その原点とも言えるのが、この中央ドームなのです。

実際にこの空間に立つと、なぜガウディが単なる建築家ではなく、空間そのものを創造する芸術家として語られるのか、その理由が少し分かる気がします。

 

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/ayasofia.jpg 【アヤソフイア】
トルコ、イスタンブールにある東ローマ帝国時代に造られた大聖堂。ビザンティン建築の最高傑作と評価される建物。
天井部分は複数の大きなドームが連なった形状をし、それぞれのドームを囲むように設置されたまどから自然光が差し込みます。 

 

プライベートサロン

建物裏側に位置するこのプライベートサロンは、家族や親しい友人たちと過ごすための私的な空間でした。ここでは歓談を楽しんだり、娘たちがピアノの練習をしたりと、中央大サロンのような公式な場とは異なる、グエル一家の日常のひとときが過ごされていました。

部屋の奥には大理石のアーチと大きな出窓があり、その周囲にはベンチが設けられています。現在は休憩スペースのように見えますが、当時は喫煙サロンとして利用されていました。葉巻を楽しみながら会話を交わす、19世紀末の上流階級らしい社交空間だったのです。

豪華な中央大サロンとは対照的に、この部屋からはグエル一家のよりプライベートな暮らしぶりを垣間見ることができます。

 

食堂

プライベートサロンの一番奥にあるのが食堂です。この部屋は一般公開されておらず、見学はガラス越しからのみとなっています。

家族が毎日の食事を共にした場所ですが、その造りからは温かな家庭団らんの場というよりも、秩序や格式を重んじたグエルの気質が感じられます。

実業家として成功し、後に伯爵位を授与されたグエルは、家庭内においても規律や礼儀を重視していました。そのため、この食堂も単に食事をする場所ではなく、家族の教育やしつけの場としての役割を担っていたのかもしれません。

 

裏のポーチ

建物裏側のファサードは、グエル家が所有していた採石場から切り出された石灰岩で造られています。表側の重厚な正面ファサードに比べるとデザインは比較的シンプルですが、その中でひときわ目を引くのが窓まわりの意匠です。

木製ブラインドの上には、クリーム色、水色、紺色の化粧タイルで飾られた庇と樋が設けられており、その独特な形状はどこか熱帯の両生類を思わせる不思議な雰囲気を醸し出しています。特にクリーム色の出窓は、現在で言う「ブリーズ・ソレイユ(日除け)」の役割を果たしていました。

建物の裏側は南向きで、一日を通して強い日差しを受けるため、ガウディはこうした装置によって室内への直射日光を和らげようとしたのです。また、この出窓の上にはグエル夫妻の寝室に面したバルコニーがあります。

よく見ると、そこにも南京玉すだれを思わせる可動式の日除けが取り付けられていることが分かります。ガウディは装飾の美しさだけでなく、日差しや通風といった住環境まで考慮しながら建物を設計していました。この裏側のファサードは、そうした彼の実用的な一面をよく示している場所です。

 

solesole 【ブリーズ・ソレイユ】
もともとフランス語で「太陽を砕く」という意味です。 強烈な日射を遮るために設けられた庇状の鎧戸で 夏の強烈な日差しを遮り、冬の低い太陽光をうまく取り入れるための仕組みとなっています。
特に太陽光の強いアフリカ、東南アジア、南米、地中海沿岸地方などで今もよく見られます。

 

演奏者の間

ポーチを見学した後は再び建物の中へ戻ります。メインフロアから上階へ続く階段の途中には、踊り場を広く取った空間があります。ここが「演奏の間」と呼ばれる場所です。

特別な晩餐会や社交行事の際には、ここに楽団や合唱団が配置され、生演奏が行われました。中央大サロンに集まった来客たちは、上方から降り注ぐ音楽に包まれながら食事や会話を楽しんだことでしょう。

また、グエル伯爵の娘の一人は音楽家として活動しており、邸内には日常的に音楽が流れていたと考えられています。

現在でも不定期ではありますが、この場所でパイプオルガンの演奏が行われることがあります。タイミングが合えば、グエル一家や当時の来客たちと同じように、音楽が響く空間を体験することができるでしょう。

 

2階、寝室のための階

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グエル邸の2階、日本で言う3階部分は、中央大サロンから垂直に吹き抜ける空間を取り囲むように、各寝室が配置されています。

中でもグエル夫妻の寝室は最も広く取られており、装飾もひときわ豪華に造られています。

通路は吹き抜けの周囲に沿って設けられており、そこには日本の住宅にある障子を思わせるような窓があります。

また、この窓からは中央ドームの細部をより間近に眺めることができます。

下から見上げるのとは違い、六角形のパネルや光を取り込む小さな穴の構造がよく分かりますので、ぜひじっくり見てみてください。

 

階段、通路、居間

メインフロアの華やかさとは対照的に、この階の居間は家族の団らんのために設計された空間です。そのため、下の階に見られるような重厚さや豪華な装飾は控えられ、全体的に落ち着いた雰囲気となっています。

また、グエルは10人の子どもたちが規律ある環境で育つことを望んでおり、この階についてはガウディに対して、より簡素で機能的な空間を求めたと言われています。とはいえ、決して質素というわけではありません。細部には上質な素材や丁寧な意匠が施されており、富裕な家庭の居住空間らしい品格が感じられます。

なお、天井と暖炉の間には「ハンガリーの聖エリザベト(聖エルジェーベト)」の肖像画が飾られています。慈愛と献身の象徴として知られる聖人であり、敬虔なカトリック信者だったグエル一家らしい選択と言えるでしょう。

 

グエル夫妻の寝室

グエルと妻イサベルの寝室は、邸宅の中でも最も日当たりの良い南側に配置されており、このフロアの後方部分の大半を占めています。現在の感覚では意外に思われるかもしれませんが、19世紀の上流階級の夫婦の間では、それぞれが別の寝室で眠ることは珍しいことではありませんでした。

そのため、この部屋も内部を仕切り壁によって二つの空間に分け、それぞれの寝室として利用できるよう設計されています。また、両者を行き来できるよう、仕切り壁には扉が設けられていました。

現代の住宅とは異なる当時の生活様式を知ることができる、興味深い空間の一つです。

 

子供部屋&学習室

子ども部屋や勉強部屋には、当時の上流階級の暮らしを再現するための家具が展示されています。ただし、これらはグエル家が実際に使用していたオリジナルの家具ではありません。

グエル邸はスペイン内戦など激動の時代を経る中で、本来置かれていた家具のほとんどが持ち出されてしまいました。そのため、現在展示されているのは19世紀末から20世紀初頭にかけて、ブルジョワ家庭で一般的に使用されていた家具を集めて再現したものです。

オリジナルではないとはいえ、当時の生活様式や住環境を知る上では十分に参考になり、グエル一家の日常を想像する手掛かりとなっています。

 

子供の寝室と浴室

フロアの一番奥にあるのが、10人いたグエル家の子どもたちの中でも、特に幼い子どもたちのための部屋です。現在、この部屋ではグエル邸の歴史や建築に関する映像資料がプロジェクターで上映されており、椅子に座って休憩しながら見ることができます。

その隣には当時の浴室があります。ただし、浴槽などの設備は残念ながら撤去されており、現在は当時の空間構成をうかがうことしかできません。一方で興味深いのが、その横にあるトイレです。

便器には中国や日本の白磁器を思わせるデザインが採用されており、19世紀末のヨーロッパで流行していた東洋趣味(オリエンタリズム)の影響を見ることができます。

ガウディ建築というと曲線や構造に目が向きがちですが、このような細かな設備にも当時の美意識や時代背景が反映されています。

 

展示場(最上階)

かつて使用人たちの洗濯場などがあった最上階は、現在では展示スペースとして利用されており、グエル邸の歴史や建築に関する資料がパネルで紹介されています。

見学の中心となるような展示は多くありませんが、ガウディらしい工夫を見ることができます。その一つが、ガウディが好んで用いたトレンカディス(破砕タイル)です。

ただし、ここでは一般的な陶器片ではなくガラスが使われており、採光を兼ねたステンドグラスとして機能しています。もっとも、この装飾は本来ドーム内部から眺めることを前提に設計されたものです。

そのため、この階から見てもあまり印象に残らないかもしれません。むしろ中央大サロンや上階の回廊から見上げた時にこそ、その美しさや効果を実感できるでしょう。

 

http://i2.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2016/12/tenecade.jpg 【トレンカディスとは】
カタルーニャ語で破砕タイル又は破砕仕上げ全般を指す言葉。元々は降雨から壁を保護する目的に始まり、次第に装飾するために利用され一種のモザイクとして使われました。ガウディ以外にもこの時代に活躍した他の建築家も多用し、数多く残るモデルニスモ建築に見ることができます。
このグエル邸の後も、ガウディと言えばトレンカディスとイメージするほど、あらゆる作品でこの技法が見られます。

 

屋上

色鮮やかな煙突が並ぶ屋上は、重厚で落ち着いた居住空間とはまったく異なる表情を見せています。正面ファサードの威厳ある雰囲気や、邸内の格式ある空間から一転し、ここにはガウディらしい自由な発想と遊び心があふれています。

カサ・ミラの屋上に並ぶ彫刻的な煙突群からも分かるように、ガウディは屋上という空間に特別な関心を持っていました。本来であれば単なる設備でしかない煙突や換気塔を、芸術作品へと昇華させる。その発想はすでにこのグエル邸の屋上にも見ることができます。

後年の作品ほど大胆ではありませんが、ガウディが持つ前衛的な芸術感覚が垣間見える場所と言えるでしょう。

 

煙突

20本ある煙突のうち、レンガがむき出しになっているものがオリジナルです。一方、トレンカディス(破砕タイルや破砕ガラス)で彩られたカラフルな煙突は、長年の風雨による損傷が激しかったため、後年の修復によって現在の姿となりました。

また、6本のレンガ造りの煙突が並ぶ一角は、かつて使用人たちが洗濯物を干していたテラスでした。この頃のガウディは、まだ後年のように設備そのものを芸術作品へ昇華させる段階には至っておらず、実用的な設備と装飾的な設備が混在している様子を見ることができます。

なお、建設中のサグラダ・ファミリアでも、果実を束ねたような装飾を目にすることがあります(写真左上)。

サグラダ・ファミリアの果実のオブジェは彫刻家の 外尾悦郎 が制作したことで知られていますが、実はこれこのグエル邸の煙突をそのままコピーしたとも言われています。その真偽は外尾氏のみぞ知るところ。

話はそれましたが、グエル邸の屋上を歩いていると後年のサグラダ・ファミリアやカサ・ミラへとつながるガウディのアイデアの原型を随所に見ることができます。

 

【煙突に込めた意味】

ガウディ建築の特徴の一つが、独特なデザインの煙突です。本来であれば煙突は建物の中では脇役に過ぎません。しかしガウディは、その煙突にまで強い関心を持ち、数々の作品で印象的なデザインを与えました。

なぜそこまで煙突にこだわったのかについて、ガウディ自身は明確な説明を残していません。ただ、ヨーロッパには古くから「煙突は外の世界と家の内部を結ぶ特別な場所」という考え方があり、魔女や悪魔、精霊などが出入りする場所として語られることもありました。

そのため、私はガウディが煙突を単なる設備ではなく、建物を守る象徴的な存在として捉えていたのではないかと思っています。実際にカサ・ミラの屋上では、煙突がまるで兜をかぶった兵士のように見えますし、このカサ・バトリョの煙突も先端が鋭く、開口部を覆い隠すような構造になっています。

もちろんこれは私自身の解釈ですが、ガウディが煙突を単なる換気設備以上の存在として考えていたことは間違いないように思えます。

 

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IMG_2489 【グエル公園】 ★★★★★
ガウディの大スポンサーでもあり、理解者でもあったグエル伯爵が計画した…
http://i0.wp.com/kamimura.com/wp-content/uploads/2015/01/MAH000931.jpg?resize=100%2C100 【カサ・バトリョ】 ★★★★★
1877年にEmilio Sala Cortésによって建てられた建物を1903年から繊維業で.…
201501140624364fb 【カサ・ビセンス】★★★☆☆
ガウデイの初期の作品で他との違いは、直線的な構造の煙突が見れ…

 

尖塔

中央ドームの真上には、高さ約15メートルの塔がそびえています。この塔は単なる装飾ではなく、ドーム内部へ光を取り込む採光塔としての役割を担っています。

頂部にはギリシャ十字が据えられ、その下にはコウモリと太陽を組み合わせた風向計が設置されています。さらにその下には避雷針があり、球体から伸びる4本の大きな針が東西南北を示しています。

ところで、この風向計の主役とも言えるコウモリですが、実は昔のバルセロナでは街のシンボルの一つでした。現在ではあまり知られていませんが、中世以降のカタルーニャやアラゴン王国ではコウモリが幸運や勝利の象徴として扱われることがあり、その姿は様々な建築物や紋章に見ることができます。

バルセロナでは、グエル邸以外にも凱旋門の装飾にコウモリを見ることができますので、機会があれば探してみるのも面白いでしょう。こうした歴史的なシンボルを建築の中に取り込むあたりにも、ガウディらしい遊び心と土地への愛着が感じられます。

 

http://kamimura.com/wp-content/uploads/2020/08/gaisennmonnn.jpg 凱旋門】
バルセロナ万博が1888年に開催された際にモニュメントとして….

 

ショップ

売店は地上階、かつて馬車置き場として使われていたスペースにあります。規模はそれほど大きくなく、市役所が運営しているでいか商売っ気なく商品の種類も比較的少なめです。

もっとも、これはグエル邸に限った話ではなく、バルセロナの観光スポットにある売店の多くは、自施設のグッズだけでなく、ガウディ作品全般に関する商品を幅広く取り扱っています。

そのため、グエル邸の売店でもサグラダ・ファミリアやカサ・バトリョなど、他のガウディ作品に関連した商品を数多く見かけます。そんな中で、グエル邸らしいお土産としておすすめなのが、屋上の煙突をモチーフにしたミニチュアです。

その他にも定番のマグネット類をはじめ、ガイドブックや写真集などの書籍、子ども向けの塗り絵、Tシャツ、エコバッグなどが販売されています。品揃えそのものは多くありませんが、記念品を一つ持ち帰るには十分でしょう。

 

フォトムービー

主な見どころをまとめたフォトムービーを作ってみました。

 

入場方法

グエル邸の入口は、バルセロナ最大の繁華街ランブラス通りからCarrer Nou de la Rambla通りへ少し入った場所にあります。周辺にはリセウ劇場、レイアール広場、コロンブスの塔、さらに老舗タブラオとして知られるコルドベスなどがあり、旧市街観光の途中に立ち寄りやすい立地です。

チケットオフィスはグエル邸正面に向かって左手側にあります。当日券を購入する場合は、まずチケットオフィスで入場券を購入してから入口へ向かってください。

入場は15分ごとの時間指定制となっており、チケット購入時に希望の入場時間を選ぶことができます。なお、特に希望時間を伝えない場合は、その時点で最も早く入場できる枠が割り当てられることが一般的です。

グエル邸は比較的混雑が少なく、通常であれば当日でも問題なくチケットを購入できます。ただし、夏場の観光シーズンや週末は来場者が増えるため、希望の時間帯が決まっている方は事前のオンライン予約がおすすめです。

もっとも、直後の入場枠が満席だったとしても、15分後や30分後の枠には空きがあることも少なくありません。その意味では、サグラダ・ファミリアやカサ・バトリョなどの人気ガウディ建築と比べると、比較的訪れやすい観光スポットと言えるでしょう。

 

IMG_0113 【グエル邸 チケット予約方法】
グエルの邸のチケットの事前購入方法を、出来る限り分かり易く解説します。
IMG_3568 【ランブラス通り】★★★★★
グエル邸への入り口とも言えるランブラス通りはバルセロナで一番の繁華街。
CIMG1245 【リセウ劇場】★☆☆☆☆
ランブラス通りの中間地点に建つ、荘厳な建物のリセウ劇場はオペラのメッカ。
CIMG1214 【レイアール広場】★★☆☆☆
旧市街ゴシック地区の中心と呼べる広場はいつも賑やか、周りを取り囲むレストランには…
IMG_0040 【コロンブスの塔】★★☆☆☆
カタルーニャ広場からランブラス通りを降りてくると、終点に高くそびえ立つ塔。
1-cordobes 【タブラオ・コルドベス】★★★★★
ランブラス通りにある老舗のタブラオをバルセロナでも一番と評判のショーが見られます。

 

まとめ&アドバイス

見学の所要時間は60〜90分ほどが目安です。

建物自体はそれほど大きくありませんが、部屋数が多く見どころも点在しているため、普通に見学して約60分、じっくり見て回ると90分ほどかかります。見どころの中心となるのは、地下の厩舎、メインフロア、そして屋上の3か所です。

特に中央大サロンのドーム天井は、グエル邸見学のクライマックスとも言える空間ですので、ぜひ時間をかけて鑑賞してみてください。また、写真撮影を目的に訪れる方は、午前中は建物裏側(南側)の部屋が逆光気味になり、撮影しづらい場合があることも覚えておくと良いでしょう。

グエル邸は、カサ・バトリョやカサ・ミラのような華やかなモデルニスモ建築とは少し異なります。初期作品であるため、まだ伝統的な建築様式の影響が色濃く残っていますが、その一方で後年のサグラダ・ファミリアへとつながるアイデアや空間表現も数多く見ることができます。

中でも中央ドームは、ガウディ建築の発展過程を知る上でも見逃せない傑作です。

知名度ではサグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・バトリョ、カサ・ミラに及びません。そのため訪れる人は比較的少ないものの、ガウディ作品をより深く知りたい方にとっては間違いなく訪れる価値のある建物です。

なお、毎月第1日曜日のほか、4月23日、6月10日、9月11日、12月15日は無料公開日となっています。ただし無料日も完全予約制です。予約は公式サイトの通常予約ページから行い、受付開始は無料公開日のちょうど1週間前となります。

人気の時間帯は早めに埋まることもありますので、予約開始日の日本時間18時頃を目安に公式サイトを確認してみると良いでしょう。なお、無料公開日や予約方法は変更される場合があります。訪問前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

 

 


お勧め度:16点/20点
★★★★☆(4.0)


 

住所 C/ Nou de la Rambla, 3-5 【地図&行き方】
URL http://palauguell.cat/come-palace-japanese
料金 公式サイトにてご確認ください、9歳以下無料
時間 4/1〜10/31 10:00~20:00、 11/1〜3/31 10:00〜17:30
*チケット売り場は閉館時間の1時間前まで
休館:月曜、1/1, 6、1月最終週点検のため休館、12/25, 26
最寄り駅 メトロ3号線 リセウ駅から 徒歩約5分
無料日 毎週第一日曜日、2/11, 4/23, 5/20, 9/11, 9/24
所要時間 1時間

 

 


記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。

この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2026.06.06

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