数あるヨーロッパの都市の中でもグルメな街の一つと呼ばれるバルセロナですが、美味しく食べると言うのは案外と難しく、日本から旅行で初めて来られる方なら尚更です。
そこで「バルセロナの食事で失敗しない為の基本これだけは押さえて欲しい10ヶ条」としてポイントをまとめてみましたので以下を参考に、美味しく楽しいバルセロナを満喫してください。
目次
その1:食事時間
レストランの営業時間 | ランチ風景 |
バルセロナに来て日本人が最初に戸惑うのが食事時間です。
通常ランチは13:30~16時、ディナーは21:00~24:00と世界広しと言えどもこんな変な時間に食べる国はスペイン以外にありません。
ところでそんな時間に食べ出すのは体に良くないに決まっているので、私は過去に日本の時間帯に食べようと挑戦した事がありました。
ただ、家で食べるにしても世の中全体がその時間帯で回っているので、逆に行動が制限され不便極まりなく結果分かったことは郷に入れば郷に従えでスペイン時間に合わすのが一番というのが答えでした。
日本から来られる方は、滞在中は全て外食となってしまうのですから、尚更スペインの法則に従うしかありません。
その他には日曜と月曜を休む店が結構多く、これも注意が必要です。グラシア通りなどの観光客が多い場所ではチエーンの大箱店を中心に、通しで営業している所があるので早い時間に食事したい方は、それを利用するのも一つの手段。
また美味しいものは期待できませんが街場のバルでの軽食でしたら、店が開いている限りどの時間でも利用できます。
ただし、バルセロナで本気でグルメをと考えているなら、滞在日程が日曜日と月曜日にならないようにして下さい。
またバケーションで多くのお勧め人気店が閉まる8月の旅行は絶対に避けると言うのが鉄則。
その時期に来て文句をぐたぐた並べるのは筋違い、逆に出直してと来いと地元スペイン人に言われかねません。
【これで安心、日、月曜日のレストラン】 日月曜日に閉まる店の多いバルセロナですが、その中でも日曜の夜は… |
その2.Hola!であいさつ
日本でも当たり前のことですが、それでいて結構重要なのが挨拶。
日本人は英語ならまだしも、スペイン語となると話せる人はほとんどいないはず。
なので店に入って来る時も黙っている人が多いのですが、例え言葉が分からなくても、オーラ! 「HOLA!」スペイン語で「こんにちは!」と元気良く挨拶するだけで、対応してくれる店のウエイター達の雰囲気が格段に良くなります。
陽気なスペイン人には陽気で返すのが何より彼らが好むところで、そのちょっと単純なスペイン人の性格を逆に利用しないのはもったいないです。
「でも、その後はどうするの?スペイン語なんて話せないけど?」。
後でお話ししますが殆どの店で片言英語が通じるので心配ありません。
とりあえず、まず挨拶それは英語でも良いし、日本語でもほんとのところ大丈夫ですが…取り敢えず恥ずかしがらず、オーラ!でやってみましょう!
ちなみに、オーラ!って良い響きの言葉なんですよ私達日本人の耳にも。
【これだけは押さえたいスペイン語】 スペイン語で大事なのは挨拶!これさえ押さえれば後はなんとでもんなるものです。 |
その3.カタコト英語で
陽気で親切ななウエイターさん | 最近どこも英語メニュー |
まず知って頂きたいのは、このサイトでお勧めとしている人気のレストラン、バルの殆どで英語が通じますし英語メニューが置いてあります。
またバルセロナに来る外国人観光客はアメリカ人のみならずドイツ人、フランス人、中国人の皆んなが英語でやっているのですから、私達だけが会話帳を買って必死にスペイン語を覚えると言うのは時間と労力の無駄でしかありません。
ちなみに、日本から観光で来られる方の殆どが英語が話せるといっても片言と思いますが、スペイン人も同じようなものです。
これが逆にアメリカやイギリスへ旅行へ行って 向こうの現地ネイティブな人達と話すより、つたない片言英語同士の方がその数倍よく通じると実感されるでしょう。
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ところでアメリカで英語が上手く話せないと相手にされませんが、人種差別が殆ど無い土地柄、更に日本ではあまり知られていませんが親日国スペインでは、私達の片言英語も片言スペイン語も驚くほど辛抱強く聞いてくれます。
またレストランやバルに来る客は皆が食べるか飲むかに来てるぐらいは、店の人もよく分かっていますので心配なんか必要ありません。
また、通じないところは指差しボディランゲージで、実際何とでもなるので安心してください。
その4.こんな店はダメ
店先に出てる看板 | サグラダファミリア横のバル |
地元スペイン人で前にこんな看板を出している店でパエリヤを食べる人は誰もいません。
理由はこれって工場で作った完成冷凍パエリヤをバルが安価(5€程)で仕入れ、それをただオーブンに入れハイ出来上がり!
と皆が知っているからです。カフェやビールなどの飲み物ならまだOKですが、店の前に写真入りの料理の看板が出ている店には、基本食事には入らない。
それから上記の写真は誰もが訪れるサグラダフミリアの横にあるバルの1軒ですが、コーヒーは通常のバルより3倍、スーパーで60円で売っている缶コーラがただ冷やしただけでテラスで飲むとなんと800円。
またランブラス通りのバルではビールは頼みもしないのに大ジョッキで出してきて、どんな事をしても儲けようとするそれは地元新聞で問題記事にもなったぐらいの無法地帯です。
なので観光スポットすぐ近くや、バルセロナ一番の繁華街ランブラス通り沿いでの飲食は極力避けたほうが無難です。
もちろん客引きしているような店も間違いなくダメな店ですし、「The fork」のような、いわゆるレストラン予約のサイトで割引をしているような店は間違いなく不人気店。
そんな店が割引プロモーションをやってなんとか集客を図るのですが、根本的な不人気の原因を考えない目先だけのただの割引では結局は経営が破たんし閉店になるのがほとんどで、そんな店に釣られて行ってはダメ。
その5.チップは気持ち
日本にはない習慣ですが、あまり難しく考える必要はありません。
基本は支払額の5%程を目安にサービスが良かった、美味しかったと言うことで多目に置いても良いとは思いますが、それでも最高10%までと覚えておけば間違いありません。
重要なのはその店で食べた食事、サービスの満足度で自由に変えて構わないと言うことです。
後で思えば少なかったと思ったとしても、気にすることは全くありません。
給料の中の重要な部分として既に組み込まれているアメリカと違い、ここではただのタバコ銭程度の意味合いで特に無くてもウエイターは気にしていません。
スペイン人の友人がニューヨークのレストランで食事し店を出た後に、チップが少ないと店員が追いかけて来て何が起きたか分からず驚いたと話していましたが、スペインでは到底ありえない事です。
【スペインのチップの置き方】 食事のチップのめやすは5%。あとは気持ちですが、その点を詳しく解説! |
その6.人気店は早めに
バルセロナの人気の店は予約ができない店が幾つもあります。
その代表としては行列店としてお馴染み「Cal Pep」。またチエーン展開している「Les Quinzanit」の姉妹店や同じくチエーンの「Cerveceria Ctalana」の姉妹店などもこれにあたります。
基本的にこれらの人気店はいちいち予約を受けなくても満席にできる力があるので、キャンセルによって損失を被ることになるような予約は一切受け付けないという事です。
「Cal Pep」の場合は開店約30分前から店の前に並んで待つ。「Les Quinzanit」の姉妹店なら開店時間直後のまだ空いてる早い時間に行くようにする「Cerveceria Ctalana」姉妹店ならお昼から深夜までの通し営業なので客が殺到する前、ランチなら12時頃、夜なら19時までに行くのがお勧め。
また予約を受ける店なら週末は必ず事前に予約は入れておいた方が良く、観光客の増える春から秋にかけては特にそうで、人気店は機先を制す事が肝心。
その7.量に注意
スペイン料理はオリーブオイルを大量に使うので、どうしても高カロリーでヘビーなものとなりがちです。
量も多くて普通にレストランで前菜、メイン、デザートそれにパンやワイン、ドリンクなんかを含めると軽く1,500カロリーぐらいかそれ以上になり、もし昼夜まともに食べると合計3,000カロリー以上で 更に朝食を含めると本当に大変な事になります。
せっかくバルセロナに来たのだからと言っても、私達の胃袋には限界があるので昼か夜をレスト ランで食べたらあとの一食はバルで軽くタパスを1,2品つまむ、もしくはピンチョスバルなどの自分で容易に量の調整ができる料理にするのがポイント。
朝食のビュッフェでお腹いっぱい食べるのも良いですがランチ、夜とそれぞれを上手くペース配分することを心がけましょう。
あと、日本人の方なら必ず食べるパエリヤですが、日本で食べるそれとは全く別物で本場の物は既に述べましたがオリーブオイルをこれも大量に使っていて、これこそヘ ビーな料理の代表。
前菜はなるべく軽いサラダ等にして、食べてる途中にお腹一杯になってきたと思ったら、もったいないと思わずそこで残す勇気も必要です。
その8.ピンチョスの利用
ピンチョスバルは店が混んだいる時が狙い目 | それ以外は時間が経った物が多く美味しくありません |
スペインには基本おひとり様向けの店と言うのは殆どなく、レストランで特に夜に一人で食べている人はいません。
目の前の皿に載った料理それを食べる事だけに集中すれば、誰に文句を言われることも無く不可能では無いですが周りから浮いてしまいますし、そんな処で食べても楽しくも美味しくも感じられません。
では、バルに行ってタパスをつまむ?
それにしても基本的に一人には1品の量が多くて、それはそれで上手くいきません。そんな中でも唯一と言えるのがピンチョスバルのカウンター。
ひとつひとつが小さい物でこれならおひとり様でも大丈夫ですし、カウンターなら気楽。
今まで日本からのお一人様でも行けて、美味しく食べれる店はないか?と随分考えたのですが結局のところ、お一人様で行ける店はこれ以外に残念ながら無いと思います。
ただ、ピンチョスバルの注意点は客が混みあっている時間に行くのが鉄則です。
理由は日本の回転寿司と同じで、作って時間が経ったものは美味しくなく、そういう意味で店が回転している時間帯にいくのがベスト。
目安としてはお昼は13時半~15時ぐらいが狙い目、夜は20時以降でそれより早い時間に行ってもカウンターにピンチョスは並んでいますが、それはお昼の売れ残りと言って間違いありません。
(補足)ランチでしたら下のレストランが、使えると思いますので参考にしてください。
特にパエリヤを食べるのでした、カタルーニャ広場に隣接するデパート「El Corte Ingles」の最上階にあるセルフサービスのレストランが味、コスパ、待ち時間が無いなどに加え誰にでも入り易くお勧めします。
その9.財布よりお腹
(その7)と重なる内容ですが、ここではいわゆる最高級レストラン、ミシュラン星付きレストランでよく見かける失敗についてです。
最近の傾向として極端な多皿化が進み、10品を超えるのが普通となっています。
それらは確かに一品当たりの量はそれほど多くはないのですが、さすがにこの数になるとトータルで相当な量であることに変わりはなく、コースの中盤から後半に掛けては満腹で味が分からなくなり、バイキングの食べ放題料理と同じ悲しい結果となってしまいます。
また、デグスタシオンと呼ばれる長いコースがメニューの中では一番高く設定されているせいか、みなさんそれが良いと思い注文されるのですが食材が格段にUPするわけでは無くただ皿数が増えるだけでそれこそが最悪。
もしコースで頼むなら短いコースにすべきで、経験から言える一番の方法としてはアラカルトで前菜とメインだけ注文、それでもアミューズが何皿か付くので最後のデザートはその時点のお腹の満腹具合と相談して食べるかどうかを決めるというのがおすすめです。
最後に、このクラスのレストランの利用者は経済的に余裕のある世代、いわゆる年齢の高い方が多いからこそ量については細心の注意が必要です。
既に述べたようにアラカルトで料理を選び、更にそれをハーフポーションにしてもらい全体量を減らして食べる。
それが店を出た時に感じる食後感が良い、本当に来てよかったと思える一番お勧めな食べ方です。
尚、近年スペインでも国をあげてのサステナビリティ 取り組みで、レストランやバルでの食事は食品ロスの観点から、食べきれなかった料理は客からリクエストがあった場合は無料にて店が客に持ち帰り容器に入れて渡すのが法律で義務付けられました。
なので、食べきれないと思った際は遠慮なく持ち帰りしたいと言って下されば、お店の方も嫌がらずにやってくれます。
その10.たまにはホテル以外で
ホテルのビュッフェ朝食 | 通勤前にバルで朝食 |
観光でバルセロナに来られる方のほとんどは、朝食はホテルで取られる方が多いと思います。
ビュッフェには生ハムなどがあったりしてスペインらしいと思えるかも知れませんが、それは違います。
スペイン人は朝食にそんなヘビーな物を食べず、朝はクロワッサンなどの菓子パンとカフェだけと言うのが一般的です。
また、ホテルの朝食は考えてみれば食べている周りは観光客ばかり。そんな中にいるより一歩外に出て近所のバ ルやカフェテリアに行けば、スペイン人の朝の日常光景を目にする事ができます。
せっかくスペインに来たのですから、地元の人達と時間を共有するのも旅行の醍醐味じゃないでしょうか。
ホテル代に朝食が入っていると言う人もいるでしょうが、滞在中に一度ぐらいは外での朝食を経験してみる事をお勧めします。
すると一日5回食べると言われるスペイン人、その5回の意味が自ずと分かって来るはずです。
「特集・スペイン人のこだわりコーヒー」何につけつてもいい加減なラテンなスペイン人ですが |
おまけの11.地元が一番?
カリスマバルも冷静に見れば単なる過大評価店 | |
コスパは良いが味は普通 | 昔ながらも良いですが.. |
日本人の多くの 人が持っている地元信仰。
それは地元のスペイン人の多い店が美味しいと言うことなのですが、今のこの情報化時代に人知れず地元民だけの美味しい店があれ ば、私に限らず既に誰かがネットに上げています。
確かに地元ばかりの店もありますが、そんな店に限って美味しく無く、やっている事と言えば昔ながらの事をただ何も考えずに繰り返しているだけ。
安っぽいステレオタイプ的な妄想は捨てましょう。
更に12.口コミ、ランキング
定番口コミサイト | 英語圏の観光客が大半 |
検索最上位に出て来る、最大手のの旅行口コミサイト。
投稿数が多く、信憑性があるように見えますが、実のところは一見観光客の口コミの集合体。
東京、大阪のお勧めレストランを初めて日本に来た外国人に聞くようなもの。
なので、ランキング上位は英語が通じフレンドリーで価格がリーズナブルは良いですが、料理の内容はと言うと突出したものは何も無し。グルメとは程遠い店が羅列されています。
以下、実際に検証にジョランダが訪れた上位店の辛口レポートもご覧ください。
・【VIANA】
・【Teoric Taverna Gastronomica】
・【Bodega Biarritz 1881】
・【Uma】
・【Blavis, racó gastronòmic】
・【Restaurant Zed】
まとめ
-1- スペイン独特の食事時間、ちょっと大変なんですが郷に入れば郷に従いましょう。
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-2- 挨拶はどこでも同じ、オーラってなんだか良い響きの言葉です。
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-3- 海外は言葉が大変ですがスペイン人は皆親切。片言でも大丈夫です心配しないで。
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-4- 良い店は写真入りのメニューなんか店の前に出しません、逆にそれは失敗店の目安。
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-5- チップについてはうるさくない国ですから大体の目安で置けばOK。
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-6- 行列店は早めに並び、人気店は早めに予約しましょう。
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-7- せっかくだから色んな物を食べたい。でもレストランは一日一回が量的に限界。
-8- 誰かと来るに越した事はないですがお一人様もあきらめない、ピンチョスなら大丈夫。
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-9- 美味しいはずの星付き、注意しないと何だか分からなかったなんて事になりますよ。
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-10- ホテルのビュッフェで安くお腹一杯なんて悲しい、外のバルやカフェに出てみましょう。
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-11- 地元にだけこだわると、ほんとうに美味しい料理に出逢えません。
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-12- 一見旅行者の評価の寄せ集めに惑わされてはいけません。
【最後にお願いです】
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
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@ | この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。 |
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アこの記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2024.03.13 |
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