
バルセロナから気軽に行ける郊外へのショートトリップ。人気の行き先としてはモンセラットを筆頭に、タラゴナ、ジローナ、フィゲラスのダリ美術館などがありますが、知る人ぞ知る人気スポットがワイナリー見学です。
特にバルセロナ近郊のペネデス地方は、CAVA(カバ)と呼ばれるスペインを代表するスパークリングワインの一大産地として知られています。地下セラーの見学や試飲、伝統的な製造工程の見学などが楽しめることから、多くの観光客が訪れています。ペネデスはバルセロナから近く、カバの主要産地として広く知られています。
今回は、バルセロナ近郊で人気の高い3つのワイナリー見学を実際に比較し、それぞれの特徴や見どころを紹介したいと思います。
目次
有名なのはこの3軒
バルセロナ近郊には大小さまざまなワイナリーがありますが、日本人旅行者が訪れる機会が多いのは主に以下の3軒です。
Codorniu(コドルニウ)

スペイン最古のワイナリーとして知られるのが、CAVA(カバ)の名門コドルニウ社です。
その歴史は1551年まで遡り、450年以上の歴史を誇ります。コドルニウ自身もスペイン最古のワインメーカーであるとしています。
日本で言えば戦国時代の真っただ中。織田信長がまだ17歳だった頃には、すでにこの地でワイン造りが行われていました。
1872年にはジョゼップ・ラベントスがスペイン初のカバを完成させ、現在のカバ産業の礎を築いたことでも知られています。
コドルニウ Codorniu ~バルセロナ近郷の日帰りワイナリー見学~
Freixenet(フレシネ)

スペインを代表するCAVAメーカーとして世界的に知られているのがフレシネです。
スペインは世界有数のワイン生産国で、国内には広大なブドウ畑が広がっています。その中でもフレシネは世界最大級のCAVAメーカーとして知られ、現在では150か国以上に輸出されています。
日本でも広く流通しているため、スーパーや酒販店で黒いボトルの「コルドン・ネグロ」を見かけたことがある方も多いでしょう。
創業は1914年ですが、そのルーツは1861年に設立されたワイン商「Casa Sala」にまで遡ります。
フレシネ Freixenet ~アクセス良好、近郷の日帰りワイナリー見学~
Torres(トーレス)

スペインを代表するワイナリーの一つとして知られるのが、このトーレス社(正式名称:ミゲル・トーレス社)です。
1870年創業の家族経営ワイナリーで、150年以上の歴史を持ち、現在ではスペイン国内だけでなくチリやカリフォルニアにもワイナリーを展開しています。
バルセロナから電車で約1時間のペネデス地方に本拠を置き、ワインの生産から販売まで手掛けるスペイン屈指の名門ワイナリーとして知られています。
特に日本でも「サングレ・デ・トロ」などのブランドで知られ、ワイン好きなら一度は名前を聞いたことがあるでしょう。
Bodega Torres(ボデガ・トーレス) =地元を代表するワイナリーへGO!=
比較1 : アクセス
アクセスに関しては【フレシネ】が圧勝です。サンツ駅から電車1本で行くことができ、最寄りの Sant Sadurní d’Anoia駅 を出るとワイナリーは目の前。所要時間、分かりやすさともに他を大きく上回ります。
次に続くのが【コドルニウ】です。同じ Sant Sadurní d’Anoia駅 が最寄り駅となりますが、駅からはタクシーでの移動が必要です。そのためアクセスの良さでは【フレシネ】に一歩及びません。
最下位となったのは【トーレス】です。サンツ駅から電車で約1時間と、【フレシネ】【コドルニウ】のある Sant Sadurní d’Anoia よりさらに先まで行く必要があります。
また、最寄り駅からワイナリーまではタクシー利用が前提となり、その距離も【コドルニウ】より長めです。ワイナリー自体は素晴らしいのですが、移動時間と手間を考えると、アクセス面では他の2軒に及ばず、この順位としました。


比較2 : 料金
料金は定期的に改定されるため、ここでは細かな金額ではなく全体的な傾向について比較します。
3つのワイナリーとも見学ツアーの料金自体には大きな差はありません。また、ツアー内容についても、
- ワイナリーや醸造工程の説明
- セラー見学
- 試飲
など、基本的な構成はほぼ共通しています。そこで重要になるのが、ツアー料金よりも現地までの交通費です。
【フレシネ】は最寄り駅の目の前にあり、追加の交通費がほとんどかかりません。
一方、【コドルニウ】と【トーレス】は駅からタクシー移動が必要となるため、実際にかかる総額では【フレシネ】より高くなる傾向があります。
特に1人で訪れる場合や、週末・祝日に利用する場合はタクシー代の負担が大きくなります。逆に家族や友人グループで訪れる場合はタクシー代を分担できるため、料金差は小さくなります。
総合的に見ると、アクセスの良さも含めて【フレシネ】が最も費用を抑えやすく、【コドルニウ】と【トーレス】はほぼ同程度と考えて良いでしょう。


比較3 : 満足度
ツアー内容は3社とも大きな違いはありません。最初にワイナリーの歴史を紹介する映像を見た後、製造工程や貯蔵庫を見学し、最後に試飲をして売店へ向かうという流れです。
ただし、同じような内容でも細かく比較すると満足度には差があります。
【ビデオ】
最初に上映される映像はどこも日本語に対応しています。内容は自社の歴史や企業紹介が中心で、大きな差はありません。
【製造工程の解説】
展示物を使った解説は【トーレス】がやや簡素な印象です。【コドルニウ】はブドウの香りの違いを体験できるコーナーがあるなど、見せ方に工夫があります。
ただし、どのワイナリーも以前と比べると説明が簡略化されており、製造工程を深く学びたい方には少々物足りなく感じるかもしれません。その中では【フレシネ】の説明が最も丁寧で分かりやすく、この項目では一番高く評価しました。
【試飲】
試飲はどこもグラス2杯程度で、提供されるのは自社製品の中では中価格帯のワインです。内容に大きな違いはなく、この項目についてはほぼ横並びと言って良いでしょう。
【トロッコ列車】
3社の違いが最も現れるのが、このトロッコ列車による見学です。迷路のように広がる地下セラーを巡る【コドルニウ】は圧巻で、この項目では他を大きく引き離しています。
【フレシネ】も同様に地下セラーを見学しますが、見どころという点ではコドルニウに及ばず次点となりました。一方【トーレス】の車両は見学用というより移動手段としての意味合いが強く、乗車そのものの楽しさはあまり感じられませんでした。


総合評価
それぞれのワイナリーの評価は以下となります。
全部で4項目を比較検証しましたが、アクセス、料金、予約のし易さに関してはそれぞれ5点を満点になっています。
ツアーの内容の満足度に関しては15点満点と、☆一つを3点計算としました。
理由としては、いくらアクセスが良くても、また料金が安くても、ツアー自体が面白くなければ意味をなしません。


【コドルニウ】(4.0)
アクセス:★★★★☆
料金:★★★★☆
ツアー内容:★★★★★
【フレシネ】(3.9)
アクセス:★★★★★
料金:★★★★★
ツアー内容:★★★☆☆
【トーレス】(3.2)
アクセス:★★★☆☆
料金:★★★☆☆
ツアー内容:★★★☆☆
*5点満点評価
まとめ&アドバイス
結論から言うと、現時点では【コドルニウ】が頭一つ抜けています。以前は見学できた瓶詰め作業が省略されていたり、醸造工程の解説が簡素化されていたりと不満が全くないわけではありません。しかし、それを差し引いても広大な地下セラーの見応えは他を圧倒しており、バルセロナ近郊のワイナリー見学としては最もお勧めできる存在です。
続く2位の【フレシネ】は、アクセスの良さという点では文句の付けようがありません。最寄り駅を出てすぐという立地に加え、ツアー内容も分かりやすくまとめられており、初めてワイナリー見学をする方にも向いています。
ただし、地下セラーの規模や歴史的な重厚感という点ではコドルニウに及ばず、世界最大級のCAVAメーカーという看板から期待するほどの歴史の厚みは感じられませんでした。3位の【トーレス】は、ワイナリーそのものは立派ですが、アクセス面で不利な上に、ワインのワイナリー見学という意味では世界各地で似たような体験ができます。
フランスやイタリアはもちろん、近年では日本でもワイナリー見学は珍しいものではありません。その点、せっかくバルセロナを訪れるのであれば、他ではなかなか見ることのできないCAVAのワイナリーを優先した方が旅行としての満足度は高いように思います。
また、トーレスは環境への取り組みが非常に積極的で、ソーラーパネルや電動車両など様々な設備が導入されています。ただ、見学者の立場からすると、それらよりもワイン造りや歴史、醸造工程についてもう少し深く知りたいと感じる場面もありました。
以上が今回の比較結果です。
とりあえず一軒選ぶのであれば【コドルニウ】がお勧めです。一方で、移動時間や利便性を重視するのであれば【フレシネ】も十分有力な選択肢でしょう。【トーレス】については単独で訪れるとどうしても3番手の評価になりますが、モンセラットやシッチェス観光と組み合わせたバスツアーも催行されています。
そのようなツアーを利用すれば移動の手間が省け、効率良く見学することができます。ただし、こうしたツアーの多くは欧米人向けの英語ガイドが中心です。また、個人で自由に回る旅行と比べると、便利な反面どうしても自由度は低くなります。
そのあたりは、それぞれの旅行スタイルに合わせて選ばれると良いでしょう。
![]() |
【厳選、お勧めオリジナルツアー】 ホテルまでの送迎がついているのでドアツードアで安心、そして楽ちんの欲張りツアー。 |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
@
![]() |
@ | この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。 |
| アこの記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。ジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2026.06.09 | ||
関連記事
![]() |
【トーレス】 個人所有としては世界最大の生産量を持つワイナリーとして… |
![]() |
【フレシネ】 最大手でスパークリングワインとして世界一の生産量を誇るワイナリー… |
![]() |
【コドルニウ】 スペイン最古の企業として知られるのが、CAVAを作るコドルニウ社。その創業は… |
![]() |
【ロダリアス】 バルセロナとその近郊を結ぶ役割を果たすローカル線は本来セルカニアスと… |
ピックアップ記事。
観光記事一覧
基本情報記事一覧
レストラン記事一覧
ショッピング記事一覧
エンターテイメント記事一覧
![]() |
【サッカー情報】 バルサ。世界屈指の人気チームを中心に解説します。 |
![]() |
【フラメンコ情報】 本場アンダルシアに負けず劣らずのレベルの高いフラメンコがここでも見れます。 |






























































