スペインではワイン用の葡萄が栽培できない土地は無いと言われ、生産量も世界第4位。ここ
世界一のスパークリングワインの生産量を誇るフレシネ、その見学、予約方法、行き方などをここで詳しく解説していきます。
目次
はじめに
スペインはワイン用の葡萄が栽培できない土地は無いと言われ、生産量も世界第4位。カタルーニャも重要な産地の一つでバルセロナ近郊には、ペネデス(Penedès)、プリオラート(Priorato)、コステルス・デル・セグレ(Costers del Segre)などのワインの産地がたくさんあります。
また、バルセロナから近郊電車で40分位のサンサドルニダノイア(Sant Sadurni d’Anoia)はスペインのスパークリングワイン、カバCAVAの一大産地として有名で大小合わせてカバの醸造所が80もあります。、
日本にも大量に輸入されているのできっと目にした事がある方も多いでしょう。今回は、その中でも最大手でスパークリングワインとして世界一の生産量を誇るワイナリー「FERIXINE」。
世界一に躍進するきっかけ
まだ緑の瓶がワインボトルの主流だった時代に、画期的な白い擦りガラスの「カルタネバダ」を発売。さらに1974年には黒い擦りガラスの「コルドンネグロ」がアメリカでヒットし、世界一の座に押し上げた原動力になりました。
今ではフレシネを代表する製品として世界150か国で販売されています。日本のスーパー、デパートのお酒売り場で見かけられた方も多いのではないでしょうか。
行き方
鉄道はサンツ駅
バルセロナからは中央駅のサンツ駅を起点に近郷電車に乗って一路目的地を目指します。チケットは自動券売機でも、一番左に並んでいる窓口でも購入可能。
料金は往復で9.2ユーロ
目的地のサンサドルニダアノイア(Sant Sadurni d’Anoia)へ行くには、R4号線のビラフランカ・デル・ペネデス(Vilafranca del Penedes)または、サント・ビセンク・デ・カルデルス(Sant Vicenc de Calders)行きに乗車する。
だいたい7もしくは8番ホームからの出発が多いですが、構内にある右の案内で確認してください。所要時間は約45分で一時間に2本。*7,8番ホームはエスカレーターを下りた同じホームの左右に位置します。
時刻表はこちらで確認
(注意)
電車は遅れることがよくあります、場合によっては後ろの電車が抜いてしまって先にホームに入ることがあります。なので、一度確認したからOKと思わないで電車が来るまで良く案内のモニターを見ていて下さい。
切符の買い方
上が購入したチケットになります。行先は書かれておらず、代わりに左上にゾーン①➡④と書かれています。
(注意点)タッチパネルの反応が非常に悪い券売機があります。その場合は辛抱強く操作するか、別の券売機で試してください。あと、50、100€の高額紙幣は使えませんので注意。また、慣れない券売機に手間取ることもありますから、サンツ駅には早めに着くようにしましょう。
駅に着く
最寄り駅St。Sadurni d’Anoia
駅のホームから既にフレシネが見えています。
駅の出たとこ360°画像クリック
駅舎内360°画像
ホーム360°画像
受付
駅の出口を出て左てに進むと正面入り口に着きますので、そのまま中へ。まずは受付でチェックイン(?)をし、入場料を支払い、訪問客を示すリストバンドをもらいます。
ツアー開始時間までは、併設のカフェでコーヒーを飲んだりカバを飲んだりして適当に時間をつぶすと良いでしょ。尚、開始が近づいたら受付付近に集まります。
見学ツアー
コロナ以降にツアーの内容が一部変更になりました、先では元に戻ると思います。
始まりはビデオから
最初に、10分のビデオ上映でフレシネの歴史を学びます。1911年、カタルーニャ地方ペネデスでワイン生産・販売をしていたサラ家のドロレス・サラ・イ・ビベと、代々ワイン造りに深く携わってきたフェラー家のペドロ・フェラー・ボッシュが結婚したことにより、フレシネが誕生。
ちなみに「フレシネ」と言う名は、フェラー家が所有していた「ラ・フレシネ―ダ」という農園の名に由来しています。
詳しくはフレシネHPへ
製造工程の説明
ビデオ上映の後は、ガイドさんによる説明を受けながらカバが出来るまでの工程を見学します。フレシネではカタルーニャのみならず、世界中に持つ自家農園で栽培している7品種のぶどうをブレンドしてカバを作っています。
その中でも主力はカタルーニャ独自の白ぶどう品種「マカベオ」、糖度の豊な「チャレロ」、上質な酸味がある「パレリャーダ」の3品種が基本になり、それぞれの配合を変えていろいろなラインナップを揃えています。
ここで、簡単にカバの工程を説明すると・・・ |
1. | 収穫 | 8月下旬から10月上旬までブドウの品種によって収穫していく |
2. | 搾汁 | 皮ごと空気圧搾器で搾汁し、ぶどうジュース「モスト」を作る |
3. | 一次発酵 | モストに酵母を加えて一次発酵させる |
4. | ブレンディング | 味を決める1番重要な作業。ぶどうの品種ごとに発酵させたワインを品種の違いや年ごとのぶどうの作柄を考慮してブレンドする。そして、1本ずつ瓶詰し、2次発酵用の酵母と蔗糖を加えて王冠で仮栓 |
5. | 2次発酵・熟成 | 瓶内では酵母により糖分が分解されアルコールと炭酸ガスが発生。地下セラーでゆっくり熟成させる。地下で熟成させるのは、年間を通して15度前後と言う一定の気温に保たれていること、振動が少ない事、光が差さない薄暗い中にあるという3つの理由から。 |
6. | 動瓶 | 二次発酵・熟成を終えたカヴァは発酵によって生じた澱を取り除くため、瓶口を下にして澱を瓶口に集めていく。 |
7. | 澱抜き | 澱が集まった瓶口を-24℃の冷却液に浸すと澱を瞬時に凍り、仮栓の王冠を抜くと瓶内の炭酸ガスの圧力で凍った澱が外に「ポン!」と飛 び出す。コルク栓とラベルを張って出荷。 |
シャンパンと呼ばれていたCAVA
1992年にEU法でシャンパーニュ地方のシャンパンが原産地名称保護制度の地理的保護表示の対象となったのでシャンパンと同じ製法で作っていてもスペイン産スパークリングワインは「シャンパン」と名乗ることが出来なくなりました
。同じ和牛でも松坂で育った牛以外は松坂牛と名乗れないそれと同じと言うことですね。
*CAVAとラベルやコルクに記載することが出来きるのは、厳格なDO(原産地呼称)規定に基づいて作られたものだけです。
トロッコ電車
最後はトロッコ電車に乗って地下を一回りしたら、製品が出来るまでのガイドは終了。せっかくトロッコに乗ったのに見学できたのは、出荷待ちの製品が並んでいる倉庫とスチール製のタンクだけ??
ちょっと物足りないアトラクションの様な気もしますが。。。。
試飲タイム
工場内の4階のラウンジで「今月のカバ」を試飲。それ以外にも有料ですが色々なカバの試飲や、生ハムなどのおつまみも揃っています。大人数で行った場合はせっかくですから、あまり店頭では見かけない珍しいカバをボトルで頼むもの良いかもしれませんね。
充実のショップ
ショップにはフレシネ・グループで作られている製品が一堂に並んでいます。よく知られたいつもの定番もの以外にも、普段スーパーで見ている、あれも、これもフレシネの製品だったの?と種類の多さにびっくり。
さすが世界で展開しているワイナリーだけのことはあります。
CAVAも良いですが、一本が2キロ近い重さなこともあり、ベンジャミンボトルと呼ばれる飲みっきりサイズのミニボトルが無難なところでしょうか。
また、日本へはお土産としてシリコン製のカバの栓(Tapón)3ユーロなんかもお勧めです。
なぜか、バルセロナの老舗アマトリェール・チョコレートがバルセロナ市内で買うより安い料金で販売されています。それは、この町にチョコレート工場があるから。これも隠れたお勧めのお土産。
HPから予約
見学ツアーは電話予約( +34 938917096)または、HPから申し込むことができます。
上記のオフイシャルサイト左上赤枠の【Visit the wineries】をクリックすると、幾つかの見学コースがありますが、一番分かりやすくお勧めなので【VISIT TO FREIXENET】。
【ツアー料金】
大人: €16, シニア:14.20 子供(9~17歳): €11.50, 子供(0~8歳): 無料,
【ツアー所要時間】
1時間半
【対応言語】
カタルーニャ語、スペイン語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語。
@
まとめ&アドバイス
バルセロナからのショートトリップで行くワイナリーの中では、抜群の立地を誇るのがこのフレシネ。実際、バルセロナから電車で着くと、そのホームの裏に見えます。
1時間半のツアーはカバの作られる工程が詳しく解説されます。ただ最後に乗ったトロッコ電車で通ったことろには見所が少ないその点が少し残念。とは言っても、アクセスの良さでは群を抜いているので、お手頃ショートトリップとしてはお勧めできます。
あと、ワイナリーの予約は最初問い合わせの形式で、その際のリクエストは午前か午後という大雑把な希望時間帯しか選べなくて、返信が来るまでは何時に訪問できるのかがわからないのが少々不便ですが、返信自体は早くきますので安心。
尚、国鉄(Renfe)とフレシネのコンビネーションチケットがありますが、殆ど利用する人がいないのかサンツ駅の窓口ではまったく通じず、普通にチケットを買う方が時間の節約になるかと思います。
お勧め度:★★★★☆(3.9) |
住所 | Joan Sala, 2. 08770 Sant Sadurní d’Anoia 【地図はこちら】 |
URL | http://www.freixenet.es/en/ |
電話 | 93 891 7096 |
時間 | シーズンオフ(11月~2月) 平日 9:30~16:30、 金・土・日 10:00~13:00 ハイシーズン(3月~10月) 平日 9:30~16:30、 日 10:00~13:00 |
行き方 | バルセロナ・サンツ駅または、カタルーニャ広場駅からR4号線に乗りサンサドルニダノイア(Sant Sadurni d’Anoia)で下車 |
所要時間 | ツアーは1時間30分 |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2023.05.31 |
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