
バルセロナから日帰りで訪ねられるワイナリーの一つ、ファミリア・トーレス。本記事では、ペネデス地方にあるワイナリーの見学ツアーと、その予約方法を紹介します。
目次
概要
ファミリア・トーレスは、スペインを代表する家族経営のワイナリーです。トーレス家がブドウ栽培に携わっていた記録は16世紀まで遡り、1870年にハイメとミゲルのトーレス兄弟が、ビラフランカ・デル・ペネデスでワイナリーを創業しました。現在も一族の五代目が経営を引き継いでいます。
創業のきっかけを作ったのは、弟のハイメ・トーレスです。1860年にキューバへ渡り、現地で貿易などの事業に成功。財産を築いてカタルーニャへ戻ると、ブドウ栽培とワイン造りを熟知していた兄ミゲルと手を組み、ペネデスのワインをキューバや中南米へ輸出する事業を始めました。
新大陸で財を成し、故郷へ戻ってその資金で事業を興す――トーレス社の創業物語には、19世紀のスペインらしい成功譚の一面も見えます。
日本でもおなじみのトーレス

トーレスのワインは日本にも古くから輸入されています。以前はサントリーが取り扱っていましたが、現在の正規輸入元は、アサヒグループのワイン専門会社エノテカです。
トーレスの中でもよく知られているのが、1954年に発売された「サングレ・デ・トロ(Sangre de Toro)」です。日本では、ボトルの首に小さな雄牛のフィギュアが掛けられた姿を覚えている人も多いのではないでしょうか。手頃な価格で広く親しまれてきた、トーレスを代表する定番ワインの一つです。
なお、雄牛のフィギュアの有無は、販売国や商品、時期によって異なります。私が訪れた当時、スペインで見かけた商品には付いていませんでした。
サンツ駅からR4線でビラフランカへ

バルセロナからは、近郊電車RodaliesのR4線に乗り、Vilafranca del Penedès(ビラフランカ・デル・ペネデス)駅へ向かいます。サンツ駅からの所要時間は、およそ1時間です。
R4線はカタルーニャ広場駅にも停車するため、宿泊場所によってはこちらから乗ったほうが便利です。列車はVilafranca del Penedès、またはSant Vicenç de Calders方面行きに乗ります。
切符は駅の自動券売機で、行き先に「Vilafranca del Penedès」を指定して購入します。

サンツ駅からは、近郊電車RodaliesのR4線に乗ります。行き先が Vilafranca del Penedès、または、その先の Sant Vicenç de Calders となっている列車を選んでください。R4線でも、途中のMartorellなどで終点となる列車はビラフランカまで行かないため、乗車前に行き先を確認する必要があります。
サンツ駅からビラフランカ・デル・ペネデスまでは、通常55分ほどです。運行間隔は曜日や時間帯によって異なり、時刻も工事や運行状況によって変更されることがあります。最新の時刻は、Rodaliesの公式サイトまたはアプリで確認してください。
発車ホームは固定ではありません。駅に着いたら、構内の案内モニターで、R4線の行き先、発車時刻、ホーム番号を確認します。
電車が来るまで表示を確認
Rodaliesでは、遅延や直前のホーム変更が起きることがあります。また、先に発車する予定だった列車が遅れ、後の列車が先に出る場合もあります。
一度ホームを確認しただけで安心せず、電車が到着するまでは案内モニターを時々確認してください。表示された行き先が Vilafranca del Penedès または Sant Vicenç de Calders であることを確かめてから乗車しましょう。
切符の買い方
写真は、訪問時にサンツ駅で購入した往復切符です。券面には「Vilafranca del Penedès」という行き先ではなく、左上に「ZONAS 1→5」と表示されています。これは、バルセロナのゾーン1から、ビラフランカのゾーン5まで利用できる切符という意味です。
サンツ駅では、自動改札に切符を通してホームへ入ります。ビラフランカ・デル・ペネデス駅では、改札機がない場合でも、そのまま列車に乗ってはいけません。帰りの切符は、駅構内にある刻印機に通してから乗車します。
Rodaliesの切符は、乗車を始める前に必ず有効化する必要があります。駅に自動改札がなければ、ホームへ向かう前に刻印機を探してください
券売機の利用には時間の余裕を
券売機の中には、タッチパネルの反応が鈍いものもあります。うまく操作できない場合は、何度も強く押すより、少し待ってから押し直すか、別の券売機を利用したほうが早いことがあります。
また、高額紙幣を受け付けない券売機もあるため、少額紙幣かクレジットカードを用意しておくと安心です。カード払いでは暗証番号の入力を求められることがあります。
慣れない券売機では、切符を買うだけでも意外に時間がかかります。列車の発車時刻ぎりぎりではなく、サンツ駅には余裕をもって到着しておきましょう。
駅からワイナリーまではタクシーで

Vilafranca del Penedès駅からトーレスのワイナリーまでは、歩くと1時間ほどかかります。路線バスなどでは行きにくいため、現実的にはタクシーを利用するのが便利です。
タクシー乗り場は、駅を出て右手にあります。ワイナリーまでは車で10分ほどですが、所要時間は交通状況によって変わります。
運転手には「Bodegas Torres」と伝えれば、通常は通じます。発音に不安がある場合は、次の文をスマートフォンに表示して見せるとよいでしょう。
Quisiera ir a Bodegas Torres, por favor.
トーレスのワイナリーまでお願いします。
帰りのタクシーは、ワイナリーの受付で頼めば呼んでもらえます。駅へ戻る際は、運転手に次のように伝えます。
Quisiera ir a la estación de Vilafranca del Penedès, por favor.
Vilafranca del Penedès駅までお願いします。
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ブドウ畑の中にあるワイナリー

タクシーは駅を出ると、街の中心部を通って郊外へ向かいます。Vilafranca del Penedèsの市街地を抜け、ブドウ畑の中をしばらく走るとトーレスのワイナリーに到着します。
到着したら建物に入り、左手にある受付で予約メールを見せるか、予約した名前を伝えてチェックインします。料金を現地で支払う予約の場合は、ここで精算します。
受付を済ませたら、案内が始まるまで館内で待ちます。時間になると担当のガイドが声をかけてくれます。
ツアーは映像から始まります

ツアーの最初には、トーレスの歴史を紹介する10分ほどの映像が上映されます。
訪問時の映像はスペイン語でしたが、配られたイヤホンを座席脇の端子に差し込み、音声のチャンネルを日本語に合わせると、日本語の解説を聞くことができました。
映像を見ながらワイナリーの歴史や歩みを知ることができ、その後の見学内容も理解しやすくなります。
ブドウ畑を見学

映像を見終えると建物の外へ出て、ブドウ畑を見学します。畑には赤ワイン用、白ワイン用のさまざまな品種が植えられており、ガイドからブドウの特徴や栽培について説明を受けます。
ブドウの木のそばには、ところどころにバラが植えられています。ガイドの説明によると、バラはブドウよりも病気の影響を受けやすいため、かつては異変を早く知るための目安として利用されていたそうです。炭鉱で有毒ガスの発生を察知するために飼われていたカナリアと、よく似た役割です。
ブドウ畑の見学が終わると、次はソーラー電動のトロッコ列車に乗り、ワインを造っている醸造施設へ向かいます。トーレスでは、見学者の移動にソーラー電動列車を使用しています。
醸造施設と地下の貯蔵庫

トロッコ列車でワイナリーの敷地をひと回りした後は、醸造施設の見学へと進みます。
館内では、ガイドの説明を聞きながら、ブドウがワインになるまでの工程を展示や設備を通して見ていきます。その後、地下にあるワインの貯蔵庫へ。照明や演出には少し凝りすぎているようにも感じましたが、幻想的な雰囲気に包まれた地下蔵を見ることができます。
ツアーの最後はワインの試飲

見学ツアーの最後には、ワインの試飲が待っています。訪問時に参加した基本コースでは、白ワインと赤ワインを1杯ずつ味わうことができました。
試飲できるワインの種類や杯数、軽食の有無は、申し込むコースによって異なります。
また、基本コースの試飲が終わった後も、館内ではトーレスが造るさまざまなワインをグラスで注文できました。料金は別途かかりますが、気になるワインがあれば追加で試すことができます。
売店
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ツアーの最後には売店があり、トーレスが造るさまざまなワインを購入できます。売店の写真を撮り忘れてしまい、手元に残っているのは、おすすめの10本を紹介した上の写真だけです。
スペインを代表する大手ワイナリーだけに品ぞろえは豊富で、どれを選ぶか迷うほどです。試飲コーナーで気になるワインをグラスで味わってから購入できるのは、うれしいところです。
お土産にするなら、バルセロナ市内のスーパーでも簡単に買える銘柄より、ワイナリー限定品や、あまり一般の店には並ばないものを選ぶのがおすすめです。
訪問時には、トーレスがスペイン各地で造るワインのほか、チリやカリフォルニアで生産しているワインも販売されていました。
ワイナリー近くのおすすめランチ
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| 春から秋にかけては、周り一面ブドウ畑に囲まれたテラス席が快適。 | |
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| 昔の農家を利用したレストラン | 牧場も兼ねていて 裏には、馬、ロバ、ポニーがいました |
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| 前菜その1 | 前菜その2 |
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| メインその1 | メインその2 |
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| デザートその1 | デザートその2 |
ガイドにランチのおすすめを尋ねたところ、ワイナリーから歩いて5分ほどの、ブドウ畑に囲まれたレストランを教えてもらいました。実際に訪れてみるとなかなか良く、春から秋にかけてテラス席が利用できる時期には、特におすすめです。後から口コミを確認すると、地元でも評判の店のようでした。
訪問時の平日ランチにはお得なセットメニューがあり、前菜、メイン、デザートをそれぞれ数種類の中から1品ずつ選ぶ形式でした。飲み物も含まれており、ワインを選ぶこともできます。
週末にはセットメニューがなく、アラカルトでの注文になります。その分、使われる食材や料理の内容が少し上がる印象で、こちらも悪くありません。
ここでランチを予定するなら、午前中に始まる英語ツアーを選ぶと便利です。11時前後のツアーに参加すれば、見学が終わるころにちょうどレストランの営業時間となり、そのまま歩いて向かえます。
※メニュー、営業時間、ツアーの開始時刻は変わることがあるため、予約前に確認してください。
| 店名 | Restaurant Cal Cassoles (トーレスを出て真っ直ぐ一本通りを越えて歩くと畑の中にある黄色い平屋がそう) |
| 電話 | +34 938 17 74 00 |
| 営業時間 |
13時~16時 (火曜日は休業) |
| 料金 | 平日は定食、 週末はアラカルトメニューから |
訪問動画
まとめ&アドバイス
バルセロナ近郊の代表的なワイナリーとしては、CAVAで知られる「フレシネ」と「コドルニウ」、そしてワインの「トーレス」があります。いずれもバルセロナから日帰りでき、多くの旅行者が訪れています。
トーレスは駅からワイナリーまで公共交通で行きにくく、タクシーを利用する必要があるため、アクセスは少し不便です。ただし、バルセロナからの移動は片道1時間余り。モンセラットへ行くのと大きくは変わりません。午前中のツアーを選べば、見学後に市内へ戻り、午後から観光や買い物をすることもできます。
ツアーの内容については、すでに海外などでワイナリーを訪れたことがある人には、あまり新鮮味がないかもしれません。建物やトロッコ列車など施設にはお金がかけられていますが、見学内容そのものは比較的オーソドックスです。
ワインができるまでの工程も展示による説明が中心で、実際の作業や設備を間近で見られる場面がもう少しあれば、さらに面白くなるように感じました。
とはいえ、バルセロナ市内の喧騒を離れ、ブドウ畑が広がる田舎へ小旅行するのは気持ちのよいものです。特に、今回ランチを食べたブドウ畑の中のレストランは、とても気に入りました。
初めてのバルセロナで滞在日数が短い人には、優先度の高い場所ではないでしょう。一方、2度目以降の滞在や、日程に余裕があるワイン好きの人には、半日から1日の小旅行先として一度訪れてみる価値があります。

















































































