旅行者はあまり利用しませんが、便利で地下鉄よりも安全な市バスの利用の仕方を徹底解説します。
目次
はじめに
バルセロナ市バスは、市民の生活に欠かせない主要な交通手段です。地下鉄のように階段の上り下りがないため、特に高齢者や乳児を連れたお母さんに多く利用されています。
乗車券はメトロやトラムと共通で、回数券を持っていれば毎回購入する必要がなく、利便性も高い交通機関です。
一方、初めてバルセロナを訪れる旅行者にとっては、バス停に名前がないことや路線網が細かく複雑なことから、地下鉄に比べてわかりづらく、やや使いにくい印象を与えるかもしれません。
しかし一度慣れてしまえば、路線によっては地下鉄よりも便利に移動できるケースも多く、非常に使い勝手の良い乗り物です。
さらに、利用者のほとんどが地元住民のため、観光客を狙ったスリがほとんどおらず、地下鉄に比べて安全性が高いのも特徴です。バルセロナ滞在中にぜひ一度、試してみる価値があります。
路線図を入手
路線図は各バス停にも掲示されていますが、ツーリスト・インフォメーションでも配布されています。
また、公式サイトからPDF版の路線図をダウンロードできるので、旅行前に日本でスマホに保存しておくと、現地でとても便利に活用できます。
バス停
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GPSを併用したデジタル化が進む市バス | |
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一般的なバス停 | 路線番号、行先、待ち時間 |
バス停の上には路線番号が表示されています。ただし、バス停によってはポールが立っているだけのものもありますが、そのポールに路線番号が貼り付けてあります。
電子掲示板には、何分後にバスが来るか表示されていて、とても便利。ただし、土日、祝日は掲示板が作動していないことがよくあります
乗車
乗りたい番号のバスが来たら、手を上げて合図をします。
ちなみに、スペインでは手を真上に上げるのではなく、横に軽く差し出すのが一般的です。
また、最近導入された一部の新型連結バスは、後方からも乗車できる車両がありますが、基本的には前方から乗車し、後方から降車するというルールを覚えておくと安心です
切符は読み取り機へ
乗車したら、まず切符やICカードを車内の読み取り機にタッチします。
1回券は運転手から購入できますが、支払いはカードのみで現金は使えません。
お得な「T-Casual(10回券)」も市バスで利用できますが、車内では販売していないため、事前に地下鉄駅の自動券売機で購入しておきましょう。
T-Casualの詳細な使い方や購入方法については、地下鉄利用マニュアル動画内にて詳しく解説していますので、こちらのリンクをご参照ください。
乗り継
地下鉄からバスへの乗り継ぎは、最初に改札を通ってから75分以内であれば最大3回まで可能です。
ただし、バスに乗車する際には、必ずもう一度切符を刻印機に通してください。
この場合、時間内であれば新たに回数は消費されませんのでご安心ください。
また、バス同士の乗り継ぎも可能ですが、同じ路線番号のバスには続けて乗ることはできません。
車内表示
車内には案内画面が設置されており、乗り換えに関する情報が表示されます。
詳しい見方や使い方については、下の動画をご覧ください。
バス停の名前
日本では「○○病院前」「○○公園前」といった施設名がバス停名として使われることが多いですが、バルセロナのバス停はほとんどが通りの名前で表示されています。
イメージとしては、京都の市バスで「四条通」と「河原町通」が交わる場所の停留所が「四条河原町」と呼ばれるのと同じ感覚です。
バルセロナでも、交差する通りの名称がそのままバス停名になっているのが一般的です。
具体例として、ディアゴナル(Diagonal)通りとバルメス(Balmes)通りが交差する付近のバス停(赤丸部分)は、車内表示では「Diagonal – Balmes」と表記されます。
そのため、事前にバス路線図を確認し、自分が降りるバス停付近で交差している通りの名前を把握しておくと、スムーズに利用できます。
降車
降りたいバス停が近づいたら、車内に設置されている 「STOP」ボタン を押します。
写真右の案内板に赤枠内、PARADA SOL・LICITADAと表示されていれば、すでにほかの乗客がボタンを押した合図です。
バスが停車したら、車両の後方または横のドアから下車します。
なお、スペインのバス運転手は悪気はありませんが、運転が少々荒いことがあります。
停車するまでは、しっかり手すりをつかんで立っていてください。
バス利用動画
動画でなるべく分かりやすく解説しました。簡単なQ&Aもあります。
ナイトバス(Nit Bus)
市バスの通常運行が終わる22時半頃からは、深夜利用者向けのナイトバスが運行します。
主にカタルーニャ広場を起点として、17路線が深夜帯に運行しています。
ただし、遅い時間帯や早朝は、人通りの少ない暗いバス停で待つことになる場合があります。
特にカタルーニャ広場周辺では、酔っ払い客やドラッグの売人がいることもあり、雰囲気が良くないため、女性の方にはナイトバスの利用をおすすめしません。
安全のためにも、深夜の移動はできるだけタクシーの利用を検討しましょう。
ナイトバス路線図はこちらをご参照ください。
市バスの運行終がわる22時半頃から、深夜の利用者の為のナイトバスがあり、カタルーニャ広場を主な起点として17の路線が運行しています。
尚、遅い時間や早朝は人が全く居ない暗闇のバス停で待つことになります。
カタルーニャ広場周辺などは酔っ払いやドラッグの売人などもいて、雰囲気が良くないので特に女性の利用はお勧めしません。
安全の意味からもタクシーを利用しましょう。
ナイトバス利用動画
ナイトバス乗車レポート 。カタルーニャ広場 ➡ 空港まで乗ってみました。
まとめ&アドバイス
市バスの魅力は、まず車窓から街並みを眺めながら移動できること、そして地下鉄に比べてスリのリスクが少ないことです。
さらに、地下鉄ではアクセスしにくいエリアもカバーしており、目的地によっては非常に便利な交通手段となります。
一方で、路線図の見方に慣れるまでは利用に少し不安を感じるかもしれません。
市内は一方通行が多く、行きと帰りでバスが通る道が違うことも多いため、同じ路線番号でも復路では全く別の通りに停まることがあります。
また、日曜・祝日は運行本数が大幅に減り、夜も地下鉄より早い22時頃には最終となるため、時間帯によっては使い勝手が良くない点もあります。
結論として
滞在期間が2~3日で観光スケジュールが詰まっている方には、地下鉄のほうが効率的かもしれません。
逆に、時間に少し余裕がある旅なら、市バスは景色も楽しめておすすめです。
アドバイス
バスを利用する予定がある場合は、必ず事前に路線図をダウンロードしておきましょう。あるのとないのとでは、安心感も使いやすさも大きく変わります。
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2023.05.26 |
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