東京ディズニーランド、USJなど日本のテーマパークでも売られているチュロス。
実はここスペインが発祥の地であることをご存知ですか?
細長いドーナツのようで、断面が星型のギザギザ口をしているのが特徴のチュロス。
形は輪になったものや棒状になったものがあり、またそれ1本食べただけでお腹がかなり膨れる、チュロ・レジェノと呼ばれる中の空洞部分にクリームをたっぷり詰めたヘービーな物まであります。
せっかくスペインに来たのですから、地元スペイン人が子供の頃から食べてきた懐かしい味を旅行中に一度は試してみて頂くために、バルセロナのお勧め店を含めてここで徹底解説していきます。
目次
チュロスの歴史
諸説はあるものの、この中国起源説が有力の様です | |
豆乳と食べる中国の油条 | 大航海時代に中国南方から |
その歴史は古く、スペインの文献には17世紀には既にチュロス職人が出てきます。
現在も豆乳と共に朝食として食べられている中国の揚げ菓子の油条がその起源とされ、スペインが世界の海に進出していた大航海時代に中国南方からスペインにもたらされました。
その後、スペインの生活に根付いたのがチュロスは新大陸発見後には南アメリカへと渡っていきました。
ちなみに、クリスマスマーケットでも売られているのをよく見かけますが、何もクリスマスに限ったものではなく日常的に食べられています。
実際マドリード人は朝食に、バルセロナ人は特に夕方からの軽食として食べ、甘党なスペイン人には欠かせないおやつになっています。
地元のチュロス愛
近所に住むロベルトさんに、地元の人のチュロスのイメージを聞いてみました。
Q. 子供の頃に食べましたか?
A. うん、子供のときはよく食べたね。
学校から帰ってくるとおばあちゃんが揚げたてを用意してくれていて、あの頃の定番おやつだったよ
Q. 好きな人の 割合は?
A. 大人になってからは段々食べなくなる人もいるね、カロリーが高いことが影響しているのかな。
ただ、冬が来ると無性に食べたくなる懐かしのおやつで 友達はクラブ帰りの早朝に食べるって言うよ。
スーパーで色んなお菓子が売っているけど、今でも両親はチュロスが好きで、祭りの屋台で見かけたら必ず買って食べてるね。
作り方
小麦粉、砂糖などで生地作り | 容器に詰めます |
赤枠で囲んだのチュレラ | 絞り出しハサミで切って |
更に次々と切っては落とし | くっ付かない様にかき混ぜ |
火が通るよう上下に何度も | キツネ色にハイ出来上がり |
*撮影協力:Churreria Laietanaさん
【絞り口で色んな形に】 チュロス通常断面が星型になっているのは、チュレラからの絞り口が星型になっているから。それ以外にもポラに代表される丸型をはじめ、中が空洞のチュロスなど絞り口を取り換えることにより色々な形の物を作ることができます。 |
|
同じ店でも当たりとハズレ
さて、チュロスで一番大事なのは何でしょう?その答えの一つは揚げた直ぐに食べること。
揚げ物の宿命として時間が経つとべちゃべちゃになってしまい、美味しく食べられなくなるからです。
また、もう一つ大事なことは、油は使っていくうちに熱により酸化劣化していきます。
それはチュロスの色、そして味にも影響します。
お店で買う時に、もしチュロスの色が明らかに悪い時は油の寿命が最終段階に達しているわけで、その場合は避けたほうが無難です。
とは言っても、いつも揚げたてがある訳ではないですし、一人前が1~2ユーロ程の安価なお菓子。
少ない利益でやっているチュロス屋さんに、油を頻繁に変えろと言うのは酷。
また油は新しければ新し程、良いかと言うとそうは言いきれず。
逆にあまりに新し過ぎると日本の揚げせんべいでも同じことが言えるのですが、あの独特の焦げた香ばしさが無くなり、それはそれで色こそ綺麗ですが味的には物足りなさが否めません。
結局のところ運を天に任せるしかありませんが、できるだけ流行っている回転の良い店を選ぶのがポイントです。
こんな店はダメ
以前はチュロスは屋台や専門のチュロス屋さんで買って食べるものでしたが、近年はサグラダファミリア周辺やバルセロナ一番の繁華街ランブラス通り沿いのカフェテリアでも観光客を目当てに出す店が増えました。
ただ、地元のスペイン人でそんな店でチュロスを食べる人は誰も見かけません。
理由は自分の店でチュロスを作っているわけでは無く、近くのチュロス屋さんからまとめて買ってきたものを電子レンジでチンして温めた不味い劣化チュロスが多いからです。
チョコレートは必要?
カップに入ったホットチョコレートとチュロス | |
チョコレートにつけて | シンプルに砂糖だけ |
チョコレートを付ける派?
砂糖のみ派?
チュロスと言えばチョコラーテ(ホットチョコレート)と言うイメージがありますが、地元の人は持ち帰り専用の店で買って、そこで砂糖を掛けてもらいそのまま食べる人はほとんど。
個人的には砂糖のみが本来の味が分かり、また安上がりなので好きですが、せっかく日本から来られているのでチョコを付けて食べられると良いかと思います。
ただ、チョコを付けて食べていると途中飽きてくるのとチュロス自体の味が分からなくなるので、まず最初にシンプルにチュロスだけで食べその後にチョコレートを付けて食べるのがお勧め。
尚、チョコレートはどうしてもカップに残るので2人で行く場合は、チョコは1つにしてそれを2人でシエアすると丁度いい感じになります。
尚、残ったチョコは飲んでしまいますが、あくまでもチュロスとセットで食べるものでチョコ単体ではそれほど美味しいものではありません。
他にも色んな種類が
チュロスより少し太く、断面が丸いのがポラ(Porra)。
バルセロナよりマドリードや南スペインでよく食べられています。
チュロスよりゆるい生地を揚げるので、その分油をたくさん吸っていますが食べた感じは揚げパンそのもの。
また、チュロスの中にクリームを入れたのが写真左下のチュロ・レジェノ(Churro relleno)。ラテン・アメリカでよく食べられているタイプで、バルセロナの屋台などでもよく見かけます。
チュロ・レジェノはチョコレート以外にクリームもあって、チュロスとは違う味も楽しめます。
ただし注意が必要なのはかなりヘビーで、おやつに食べるなら一人で1本が目安。
2本も食べると何と約1,000カロリーに達し、日本人ならそれだけで立派なランチになる程です。
また、チュロスではありませんが丸い小さなドーナツみたいなのがブニュエロ(buñuelo)と言って、日本人がイメージする揚げパンで、これもスペイン人に人気があります。これは量り売りでチュロス屋さん以外に街の中のパン屋さんでも売っています。
お勧めチュロス屋
地元スペインの新聞にも紹介されている人気店、また観光中に訪れやすいお店を選びました。
Granja La Pallaresa
評価 ★★★★★ 4.6
日本のガイドブックにも広く紹介されているグランハと呼ばれる、チュロスとホットチョコレートがウリのカフェテリア。
このお店「ラ・パジャレサ」は1947年創業で既に70年近く続く老舗で、地元スペイン人の老若男女、おばちゃん達で年中賑わっています。
人気店で客の回転が良いので、チュロスは揚げたてが食べられてお勧めです。
ただし、無造作に詰め込んだテーブルと味気ない店内の雰囲気がイマイチ。更に満席の時はうるさく話も出来ない、それがこの店の欠点。
住所:Carrer Petrixol 11 【地図】
TEL:93 302 2036
営業時間:9:00~13:00 16:00~21:00、日曜は9:00~13:00、17:00~21:00
定休日: 12月25日、1月1日
URL:無し
最寄り駅:地下鉄3号線Liceu駅から徒歩2分【辛口ジョランダ訪問記事】
Dulcinea
評価 ★★★★☆ 4.5
前掲の「ラ・パジャレサ」と同じペトリショル通り沿い建つ雰囲気満点のこれも老舗。
元々は1930年にオリーブオイルとワインの量り売りの店としてオープンしましたが、その後1941年に今のカフェ「ドゥルシネア」になりました。
店名は「ドン・キホーテ」が憧れる想像上のお姫様(Dulcinea)の名前に由来していると言われています 。
「ラ・パジャレサ」に比べると客の回転率では劣りますが、レトロな雰囲気が漂う店は「ラ・パジャレサ」の数段上。観光で日本から来られる方には、こちらの方がお勧めかも知れません。
住所:Carrer Petrixol 2 【地図】
TEL:93 302 6824
営業時間:9:00~13:00、17:00~21:00 定休日: なし
URL:http://granjadulcinea.com/en/history/
最寄り駅:地下鉄3号線Liceu駅から徒歩2分【辛口ジョランダ訪問記事】
Churreria Laietana
評価 ★★★★☆ 4.2
カタルーニャ音楽堂から徒歩で2分ほどにあるチュロス屋さんです。お店は以前は昭和の雰囲気をかもしだすレトロな店でしたが、近年改装して新しくなりました。
テーブル席は無くカウンターしかありませんのでゆっくり出来ませんが、音楽堂に行かれた際に立ち寄って軽く食べるのには最適のお店です。
注意が必要なのは「ドゥルシネア」と同様にお昼休みがあるので、あらかじめ時間を確認して行くようにしてください。
尚、時間帯により店内の観光客率(中国、韓国人)は非常に高いです。
住所:Via Laietana, 46, 【地図】
TEL:93 268 12 63
営業時間:月~金曜は 7:00~13:30, 16:30~20:30, 日曜は7:30~13:30, 定休日: 土曜日
https://www.facebook.com/xurrerialaietana/
最寄り駅:地下鉄4号線Uruquinaona駅より徒歩3分【辛口ジョランダ訪問記事】
Churreria Manuel San Román
評価 ★★★★★ 4.5
テイクアウト専門のチュロス屋さんで、残念ながらここは中で食べることは出来ません。
超人気店のこの店は回転が速く揚げ油の劣化も殆どなく、チュロスだけに限ると恐らくバルセロナで一番と言えるでしょう。
尚、持ち帰り専門なのでチュロスのみでチョコラーテはありません。
どこのチュロス屋さんでも「チュロスに砂糖をかける?それともそのまま?」と聞かれますが、ここではチュロスに砂糖をまぶしてもらうのが良いでしょう。
ちなみに、韓国のガイドブックに載っているせいか韓国人の若い旅行者の御用達チュロスと言えます。
住所:Carrer dels Banys Nous, 8,
TEL:93 318 70691【地図】
営業時間:9:00~20:30 定休日:日曜
http://www.churreriasanroman.com/
地下鉄3号線Liceu駅より徒歩3分
Xurreria Sagrada Familia
評価 ★★★★☆ 4.0
バルセロナを訪れる日本人、その全てが訪れると言うサグラダファミリア教会 。
教会の出口受難の門から徒歩わずか2分にあるチュロス屋さんは、観光途中に食べるのには非常に便利で使い勝手良くお勧め出来ます。
近年、改装してオシャレでモダンになった店内では回転良くいつも揚げたてが売られ、また以前は店員がイマイチ愛想が無くその点でマイナスでしたが最近はだいぶ改善されて来ました。
住所:Plaça de la Sagrada Família, 26 【地図】
TEL:934 582 560
営業時間:8:00~21:00 定休日: なし
http://www.xurreriasagradafamilia.es/index-eng.html
地下鉄5号,2号線Sagrada Familia駅から徒歩2分
【チュロス味チエック訪問動画】
*動画の中では値段が少し高めと言っていますが、そんなことは無く適正価格です。
Xurreria El Savi
評価 ★★★★☆ 4.0
昔はバルセロナの街角に多くあった屋台のチュロス屋さん。
1990年以降、市の方針で新規の出店が出来なくなり、更に店を継げるのは息子もしくは兄弟のみと言う規制が出来、現在残る常設の屋台は街にごく僅か。
そんな生き残りとも言える、屋台のチュロス屋さんがグエル公園行のバス停前にひっそりと佇んでいます。*コロナ後もバスは運休しています。
客は地元スペイン人が殆どなので、味も値段も間違いなし。
バスを待つ間、もしく買ってバスの中で食べることも可能。また、屋台の裏には公園があるので、中のベンチで小鳥の声を聞きながら食べるの良し。
ちなみに、ここのチョコレートはイマイチ美味しくないのでチュロスだけにしましょう。
注文の仕方としては、1人前で100グラムが適当、2人なら200グラム。チュロスには砂糖を振りかけてもらうと良いでしょう。尚、スペイン語しか通じなさそうなので紙に1人前なら「100g de Churros, Por favor」とメモして見せるとOKです。
住所:23 Avenida Alfonso X 【地図】
TEL:なし
営業時間:8:30~14:00、17:00~20:30 定休日:なし
地下鉄4号線Aifons X 駅より徒歩0分
【チュロス屋台の訪問動画】
Comaxurros
評価 ★★★★☆ 3.8
伝統菓子のチュロスですが、現在風のアレンジを加えた創作チュロスを出すのがこの店。
フルーツ系のクリームを使ったり、生ハムやソーセージなど斬新なアイデアで新しいチュロスを創造しています。
普通のクラシックなチュロスも、揚げたてがたべれそのレベルは高く安定しています。
ただ、この店の最大の欠点は街の中心から外れていること。
特に観光スポットが周りにあるわけでなく、チョロスを食べるただその為だけに電車に乗って行くことになり、旅行者には正直時間の無駄以外ありません。
とは言っても、既に定番物を食べ尽くし更に先を望む上級者にならお勧めします。
住所:【地図】
TEL:93 330 3688
営業時間:火曜日16:30~20:30 水~金曜9:00~14:00、16:30~20:30
土曜9:00~14:00、17:00~20:30 定休日:月曜
URL:http://www.comaxurros.com/
地下鉄7号線El Putxet 駅より徒歩7分
【辛口ジョランダ訪問記事】
その他のお店 | |||
【Valor】 ★★★★☆ チョコレートメーカーの直営カフェテリア。星型じゃない丸いチュロスが特徴。 |
【Cafe de Opera】 ★★★☆☆ 店の雰囲気は抜群、時間帯にもよるのですがチュロスの揚げがイマイチ。 |
||
【Granja M Viader】 ★★★☆☆ 老舗のグランはチュロスは悪くありませんがチョコがドロドロで美味しくない。 |
【La Xurreia Maria】 ★★★☆☆ サグラダファミリア生誕から徒歩1 分。 訪問動画はここ |
まとめ&アドバイス
正直、店によってチュロスの味が大きく変わると言う様なことはありません。
ただ言えるのは、既に述べていますがチュロスを食べるなら、買い置きしては絶対ダメ!
揚げたてを「熱い、熱い!!」と言いながら、食べるくらいが美味しいです。
行列ができているくらいのお店なら、常に揚げたてが食べられる可能性が大。例え人が並んでいてもさほど待たずに食べられます。
以上、チュロスに関して詳しく解説しました。
日本にお土産にできるものではありませんが、せっかくバルセロナに来たなら、是非スペイン庶民の味を一度は食べてみてください!お値段も安く1€ちょっとのものですよ。
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.12.07 |
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