
はじめに
バルセロナ旧市街、ゴシック地区の奥にひっそりと広がる「王の広場」。
ここは、1492年にアメリカ大陸へ到達したコロンブスが、航海の支援者であったカトリック両王、イサベル女王とフェルナンド王に謁見し、その報告をしたと伝えられる場所です。
現在は静かな広場ですが、かつてはカタルーニャ=アラゴン連合王国の王宮があった場所で、中世バルセロナの政治の中心でもありました。
さらに広場の地下には、ローマ時代のバルセロナの遺跡も残されており、この一帯が古代から中世、そして大航海時代へと続く歴史の舞台であったことが分かります。
派手な観光スポットではありませんが、バルセロナの歴史を語るうえでは外せない場所のひとつです。
この記事では、世界史にも関わる舞台となった王の広場について紹介します。
カテドラル裏に残る中世の広場

王の広場は、バルセロナ大聖堂、いわゆるカテドラルのすぐ近くにあります。
カテドラル正面に向かって左側にあるコンテス通り(Carrer dels Comtes)へ入ると、両側を石造りの建物に挟まれ、まるで中世の街に迷い込んだような雰囲気になります。
そのままカテドラルに沿って進み、主祭壇側まで来たところで左に曲がると、目の前に現れるのが「王の広場」です。
このあたりは、ゴシック地区の中でも特に古いエリアで、中世バルセロナの面影を色濃く残しています。
小さな広場を囲むように建つゴシック様式の建物のうち、二辺を占めているのが レイアール・マジョール宮殿 です。
もともとはバルセロナ伯の館でしたが、カタルーニャ=アラゴン連合王国の時代には王宮として使われていました。
現在の王の広場は静かな場所ですが、かつては中世バルセロナの政治と権力の中心だった場所です。
歴史の舞台

王の広場を囲む建物には、それぞれ見どころがあります。
正面に見える、アーチ形の小窓が並ぶ6階建ての塔 ① は、マルティ王の望楼 です。かつては、海から近づく敵を監視するための物見の塔として使われていました。
左側の建物 ② は 副官の館、右側の建物 ③ は、王室専用の礼拝堂だった サンタ・アガタ礼拝堂 です。
そして、この広場が特に有名なのは、1492年にアメリカ大陸へ到達したコロンブスが、航海の支援者であったカトリック両王、イサベル女王とフェルナンド王に謁見したと伝えられている場所だからです。
コロンブスは当時、正面右手奥にある石段 ④ を上り、その奥にある大広間に通されたと言われています。
また同じ1492年には、フェルナンド王がイサベル女王とともにサンタ・アガタ礼拝堂から出たところ、男に切りつけられるという事件もありました。
幸い首のあたりを軽く負傷しただけで大事には至らなかったとされていますが、一説には、石段の上から3段目 ④ に今でもその時の血痕が残っているとも言われています。
現在は静かな広場ですが、こうした逸話を知ってから眺めると、ここが中世バルセロナの権力の中心であり、世界史にもつながる舞台だったことが実感できます。
ライトアップ

王の広場は、夜になると建物がライトアップされ、昼間とはまた違った雰囲気になります。
観光客でにぎわう時間帯を過ぎると、広場は静かになり、中世の建物が暗闇の中に浮かび上がるように見えます。
昼間に見ると歴史的な建物の説明として理解できますが、夜に訪れると、ここがかつて王宮だった場所であり、歴史の舞台だったことをより強く感じられるでしょう。
もし近くを通る機会があれば、ライトアップされた王の広場にも立ち寄ってみるのがおすすめです。
ローマの遺跡

王の広場からライエターナ大通り側へ回ると、1〜4世紀に建てられた古代ローマ時代の市壁と塔の一部が、今も残っているのを見ることができます。
ゴシック地区というと中世の街並みの印象が強いですが、その下にはさらに古いローマ時代のバルセロナがありました。
王の広場に隣接する宮殿内のティネルの間やサンタ・アガタ礼拝堂は、現在はバルセロナ市歴史博物館の一部として見学することができます。
また、歴史博物館の地下には、バルセロナが古代ローマ帝国の都市「バルキーノ」と呼ばれていた頃の遺構が展示されています。
地下遺跡では、当時の街路や建物跡、ワイン造りの設備跡などを見ることができ、古代ローマ時代の人々の暮らしを想像することができます。
日本語のオーディオガイドも用意されているので、時間があれば王の広場とあわせて見学してみるとよいでしょう。
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【バルセロナ市歴史博物館】★★★☆☆ バルセロナの古代史を知る バルセロナ歴史博物館「Museu d’Històri…. |
謁見の間「ティネルの間」

王の広場に面した建物の中には、ティネルの間 と呼ばれる大広間があります。
ここは、1492年にアメリカ大陸へ到達したコロンブスが、カトリック両王に謁見したと伝えられる場所です。
高い天井と連続する大きなアーチが印象的で、かつて王宮の大広間として使われていた空間らしい重厚な雰囲気があります。
現在はバルセロナ市歴史博物館の一部として見学することができます。
約500年前、この場所にコロンブスが通され、その後の世界史を大きく変える報告が行われたと考えると、静かな空間にも歴史の重みを感じます。
まとめとアドバイス
王の広場は、サグラダ・ファミリアやカサ・バトリョのように、誰が見ても分かりやすい派手な観光スポットではありません。
広場自体もそれほど大きくなく、何も知らずに通り過ぎれば、静かな中世の広場のひとつに見えるかもしれません。
ただし、この場所には、カタルーニャ=アラゴン連合王国時代の王宮、王室専用のサンタ・アガタ礼拝堂、ティネルの間、そしてコロンブスがカトリック両王に謁見したと伝えられる歴史が重なっています。
さらに周辺には古代ローマ時代の市壁や塔が残り、地下にはバルセロナ市歴史博物館のローマ遺跡も広がっています。
つまり王の広場は、古代ローマ、中世王宮、大航海時代という、バルセロナの歴史が何層にも重なった場所です。
観光としては、カテドラル見学やゴシック地区散策の途中に立ち寄るのが一番おすすめです。
昼間に訪れれば、建物の位置関係や広場の造りが分かりやすく、夜に訪れればライトアップされた中世の雰囲気を楽しむことができます。
また、歴史に興味がある方は、王の広場を見るだけでなく、隣接するバルセロナ市歴史博物館にも入ってみるとよいでしょう。
地下に残るローマ時代の遺跡を歩くことで、現在のゴシック地区が古代都市の上に築かれていることを実感できます。
短時間であれば広場を見るだけでも十分ですが、背景を知ってから訪れると、この小さな広場が世界史にもつながる重要な舞台だったことが分かり、印象が大きく変わる場所です。
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お勧め度:11点/20点 |
| 住所 | Plaça del Rei 【地図はこちら】 |
| URL | https://www.barcelona.cat/museuhistoria/es |
| 開館時間 | バルセロナ市歴史博物館の一部として見学可能 火-土10:00-19:00 日10:00-20:00 休館日:月曜、1/1, 5/1, 12/24,25 |
| 最寄駅 | 地下鉄4号線JaumeⅠ(ジャウマ・プリメ)駅から徒歩5分 |
| お得情報 | 毎月第一日曜日は終日、毎週日曜日は15時以降無料です。 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.07.02 |
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