バルセロナからタラゴナの水道橋への行き方を、詳しく解説します。
目次
概要
数多くのローマ遺跡が残る町タラゴナ。その中でも人知れず威容を誇るのがこれ、『悪魔の橋Pont del Diable』の異名を持つラス・ファレラス水道橋。
この水道橋は、タラゴナの北15kmにあるフランコリ川から雨の少ないこのタラゴナまで水を供給するため、古代ローマ帝国時代の1世紀にタラゴナの中心地から約4km離れた山の中に築かれたもので、「タラゴナの考古遺産群」として世界遺産に認定されています。
尚、石造りの橋は全長217m、高さ27m、幅2m。
それぞれが6メートルの2層のアーチ構造の上段は25のアーチ、また段下は11のアーチにより支られ、それぞれの柱の太さは1.8mあります。
ちなみに、スペイン国内に現存する水道橋としてはセゴビアに次ぐ規模を誇ります。
ところでこの水道橋、見る価値は十分あるのですが、ただちょっとアクセスが面倒なのがたまにきず。
最初に結論を述べると
結論を述べるとタラゴナ駅から、駅の目の前に停まっているタクシー利用が楽で一番お勧めです。
帰りはタクシーが拾えないのでバスになりますが、駅から乗って来たタクシーを追加料金を払い待たせて置くと言うのもありで、ほんの少しお金に余裕があるならばそれをお勧めします。
尚、橋の見物は約30分程で橋の上を渡るともう少しかかるかも知れません。
起点はサンツ駅
ここではバルセロナ駅からタラゴナ駅、そこから市内のバス乗り場へ。
そこからバスに乗りラス・ファレラス水道橋までのアクセスと、帰りのバスについても徹底解説します。
バルセロナからの起点はサンツ駅になりますが、パセジダグラシア駅からも乗車可能。
電車の種類は基本的に3種類あって、一番早いのがAVE、AVANT、ALAVIAなどの専用線を走る高速鉄道で所要時間は35分、料金もその分高く設定されています。
次にTALGOやEUROMEDなどの在来線軌道を走る特急ですが、時間的には次に挙げるR.RXPRESとあまり変わらず利用価値は乏しく、日本で言えば横浜-東京間、京都-大阪間をわざわざ特急に乗るようなもので実際地元のスペイン人で乗る人は皆無。
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ここでは、基本的には快速のR.EXPRESをお勧めします。
またAVEなどの高速鉄道は僅か30分ほどで着きはしますが、列車はタラゴナ市内から10kmほど離れたCamp de Tarragona駅に着くので、滞在中にスペインの高速列車に一度は乗ってみたい人などに限られるでしょう。
尚、RENFEのサイト以下で時刻と料金が確認できます。
http://www.renfe.com/EN/viajeros/horarios.html
赤が快速、緑が特急、青がスペイン新幹線。高い料金を払ってまで、わざわざ在来特急に乗る意味が無いのは一目瞭然。
チケット購入(自販機)
サンツ駅には自販機が幾つも並んでいますが、その殆どがRodalies(近郊電車)の販売機(オレンジ色)ですので、RENFEと書かれた自販機で購入して下さい。
ちなみに自販機はカードのみで現金は使えませんので、もしカードをお持ちでない方は窓口で購入して下さい。窓口では英語が通じますし、メモ用紙に列車の種類と時間書いて渡してもOK。
尚、切符は往復でも買えますが帰りの時間に縛られるてしまうので行は片道で購入し、帰りのチケットはタラゴナ駅で買うと良いでしょう。
また。チケットが完売で乗れないと言うような心配はありません。
チケット購入後は、案内板でホームを確認しその番号が書かれた改札に向かいます。
尚、RENFE の大判のチケットは自動改札機を通れませんが、端に有人の改札があるのでチケットを見せてそこから入場して下さ。
【タラゴナへの行き方 (AVE編)】 ローマ遺跡の残る世界遺産の町タラゴナへ電車で行く場合、2通りの行き方が… |
駅からバス停まで
タラゴナ駅から
① 途中にある壁を巻くように作られた階段 | ②大きな銅像のある広場が『地中海のバルコニー』 |
③大通りRambla Nova | ④噴水のあるロータリー、Font del Centenari |
タラゴナの駅に着いたら、駅を出て右に進み歩き出します。
しばらく行くと①階段が見えるのでそこを上ります。
上った後に現れる前の通りを海沿いにさらに進むと、大きな銅像のある②広場に出ます。
ここが『地中海のバルコニー』と呼ばれる海が一望できる場所。
次に地中海のバルコニーから北西に延びている③大通り「Rambla Nova」へ進みます。
そこから700メートルほど行くと、④噴水のある「Font del Centenari」のロータリーにぶつかり、次に。。
噴水のロータリーからバス停まで
① 薬局の右側の通りが | ②Avinguda Ramon y Cajal通り |
③角にある目印のパン屋さん | 角を曲がり進むと前ぽにバス停が見えます |
ロータリー左奥の「Avinguda Ramon y Cajal」通りに曲がります。
①薬局の右側の通りのそれがAvinguda Ramon y Cajal通り。
尚、通りの入り口の壁に②標識があるので間違いないか確認して下さい。
次に、その通りを左に150メートルほど行くと右の角に③パン屋がありここを右折します。
すると正面にバス停が見えてきます。
バス停から
バス停は始発駅 | 5、85番どちらも水道橋へ行きます |
乗車した切符を買います1.50€ | チケットはこんなレシート |
のんびりムードの車内 | 案内板に水道橋(Ponte del Diable)と表示が出ます |
水道橋に行くバスは5番と85番です。時刻はタラゴナ市交通局のHPにて確認できます。
★ 5番のバスの時刻表
★ 85番のバスの時刻表
平日の日中であれば、5番と85番が交互に15分おきに出ています。
土日祝は1時間に約2本、チケットは1.50ユーロ(値上がりの可能性あり)で乗車時にドライバーから購入します。
水道橋までは約10~15分。バスが市街地から自動車専用道に入り、下りカーブあたりで「Pont del Diable」の案内が出たら停車ボタンを押しましょう。
【交通局の時刻表の読み方】
カタルーニャ語の表示になっていますが、以下を参考にして下さい
通りの名前は「Avinguda Prat de la Riba」。
バス停の名前は「PRAT DE LA RIBA」です。
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『Horaris』の下の
●Dies Feiners = 月曜~金曜
●Dissabtes = 土曜
●Diumenges i festius = 日曜・祝日
水道橋の最寄りバス停より
バス停は高速の自動車専用道路沿いにありますので、降車時には十分注意してください。
バスを降りたら振り返って10メートルほど戻り、左に曲がります。
その先の左奥にある門をくぐり、後はただ真っ直ぐ林の中を右に進むと水道橋に到着します!
お疲れ様でした。
帰りのバス
帰りは先ほど降りたバス停から、同じく5番または85番のバスに乗ってタラゴナ市内まで戻ります。
バス停には71番のバスが来ると書かれていますが、それは夜間専用バスなので取り合えず来る赤いバスならどれでも大丈夫。
バスは高速で走っていますので運転手に見落とされないように、オーバーアクション気味に大きく手を振りましょう。
バスは乗車後、途中サン・サルバドールという住宅街地区を何度も停車しながら通り終点につきます。
そこでバスドライバーは一旦下車して休憩しますが、数分後に戻って来るのでそのまま車内で待っていてください。
ドライバが戻って来たらタラゴナへ向けての折り返し運転を始めます。
尚、また住宅街をぐるぐる回っていくので、帰りは来るときの倍以上の30~40分ほどかかるのを覚悟しておいてください。
解説動画
取材レポート
まとめ&アドバイス
今回はタラゴナ駅からバスを使っての移動を詳しく解説しました。
ただ、実際に乗って検証した感想としては、むやみに時間を浪費した印象が残ります。
その、まず一つ目は駅からバス停まで徒歩で20分要する事に加え、バスの待ち時間と走行時間、更に帰りは一旦終点まで行って折り返し運転となることもあってかなりの時間を要しました。
個人的には、せめて行きだけでもタクシーを使った方が良いかと思います。
それだけで時間と手間を大幅に節約できますし、タクシー代といっても10€ほど。
もし2人でバス代を3ユーロ払うのであれば間違いなくタクシー利用が賢い選択と言えます。
ちなみに、駅の目の前に常時タクシーが待機しているので非常に便利。
以下、考えられる3つの方法それぞれの所用時間と料金についてまとめました。
既に述べた以外に、もう一つの行き方としては往復共にタクシーを利用する方法があります。
ただし、水道橋の周りにはタクシー乗り場はおろか、呼ぶことも出来ません。
ですので、行きに乗ったタクシーに観光し終えるまでそこで待ってもらい、タラゴナに戻ると言う方法です。
この方法だとタクシーの待ち料金が発生しますが、サクッと観光するなら30分程で出来ますので、待ち料金も10€程です。
往復のタクシー代を含めて合計30€程で済みます。
もし、もう少しゆっくり見たいのであれば、あと+10€もあれば十分に観れるはずです。
実際のところ水道橋は見た目のインパクトはありますが1時間もいると、ドローンでも飛ばして空撮でもしない限り正直のところ時間を持て余します。
尚、タクシー運転手に待ってもらう際は乗車の際にメモに『Queria ir al puente de diablo,Puedo pedir ida y vuelta』と書いて渡して下さい。
悪魔の橋に行きたいのですが、往復頼むことができますか。
と言う様な感じの意味で、何度か既に観光客を乗せて行ってる筈ですからこれで通じます。
また、帰りは駅に戻ってもしょうがないので次に行かれる観光スポットをタラゴナの記事からどこか一つ選びメモし、ドライバーに渡し行ってもうと良いでしょう。
*スペイン語をクリックすると、発音が聞けます。またスマホの録音機能使い保存も可。
お勧め順としては。。
①タクシーでの往復が、楽な上に時間を有効に使えます。
②節約したいなら行はタクシー帰りはバス。
③時間も手間も厭わない、とにかく安いなら行き帰りバス。
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と言うところでしょうか。
ただし、水道橋だけではタラゴナへ行く意味があまりありません。
旧市街に点在するローマ時代の遺跡、円形競技場に代表されるそれら世界遺産をゆっくり見て回る意味からも、あまり水道橋の往復に時間と体力を取られるのは得策ではありません。@
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2022.10.31 |
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