スリや置き引き被害は前もってその対策を怠らなければ、殆どの場合は防げます。
ただ、そうは言っても気の緩みやミスは人間なので全くゼロではありません。
もし運わるく被害に遭ったらどうするのか、ここで詳しく解説していきます。
目次
被害後にやるべき事
はじめに、残念ながらバルセロナでスリや置き引きの被害に遭ったら、盗られたものが出てくる可能性は限りなくゼロに近いのが実情です。
たまに財布が見つかる事もありますが中身は確実にカラです。
お金に関しては諦めるしかないのですが、それ以外に盗難に被害に遭った場合に直ぐにやらなけばならないことが幾つかあります。
クレジットカードを止める
まず、カードが盗難にあった場合は一刻も早くカード会社に連絡を取り、止めてしまわないと悪用される危険性があります。
なので被害を拡大させない為に一番最初にするのがこれです。
その場合は街中の公衆電話などは使わず取りあえず急いで一旦ホテルに戻り、お部屋もしくはレセプションから落ち着いて日本へ電話します。
ちなみに海外旅行保険に入っていれば、この時の電話代はあとで通信費として請求できますので安心してください。
尚、緊急時の連絡先は旅行前に日本で事前に調べ控えておくのと、そうでないのではいざと言うときに大きな違いがでます。
カード番号、有効期限も控えておくと手続きがスムーズですので、面倒くさがらずに準備しておきましょう。
*これらの連絡先の電話番号は先で変更される可能性がありますので、事前にお持ちのカード会社のHPでお調べされることをお勧めします。また通常カードの裏に緊急の連絡先が記載されているので、メモして保管しておきましょう。
会社名 | 連絡先 |
三井住友VISAカード | 00-800-1212-1212 |
セゾンVISAカード | 900-988-123 |
VISAカード | 900-998-947 |
アメックスカード | 900-994-447 |
UCカード | 00-800-8005-8005 |
DCカード | 00-800-3770-1818 |
NICOSカード | 00-800-99-860-860 |
AEONカード | 900-988-138 |
ダイナーズカード | 00-81-45-523-1196 |
JCBカード | 900-978-178 |
マスターカード | 900-971-231 |
シティバンク・シティカード | 00-81-45-330-2890 |
携帯を止める
携帯を失くした場合は、それぞれの契約しているキャリアに連絡して利用停止の手続きをしなければなりません。
ただしほとんどの方はロック画面を有効にしておられるので安心かとは思います。
また、昔と違って盗まれたスマホが悪用されると言う可能性は低く、中身を完全に消去されて転売(主にアフリカ諸国へ)されるので、その点では緊急性は低いです。
また、日本に連絡しなくてもご自分の契約しているキャリアのマイページにログインして、その中のメニューの中から「盗難・紛失・利用停止」から、ご自分で操作し止めることも可能です。
会社名 | 連絡先 |
NTT Docomo | +81-3-6832-6600 【公式HPによる詳細】 |
AU | +81-3-6670-6944 【公式HPによる詳細】 |
SoftBank | +81-92-687-0025 【公式HPによる詳細】 |
楽天モバイル | +81-50-5434-4633 【公式HPによる詳細】 |
警察へ被害届(重要)
海外傷害保険に入っている方で保険請求する場合、またパスポートの再発行にも必ず警察で盗難証明(JUSTIFICANTE DE DENUNCIA) を発行してもらう必要があります。
盗難証明書はスペイン語で(Denuncia:デヌンシア)と言います。
盗難証明を申請する際は調書をとられ以下の様な事を聞かれます。
・盗難の日時と場所
地図でどの場所か示せる様にしておくと説明しやすいです。時間も大体で大丈夫。
・盗難の状況
気付いたら鞄が無かった、地下鉄で二人に囲まれてなどですが分からなかったら無理に答えず分からないで済ませて下さい。
・犯人の風貌
背格好、体格、年齢、髪の色、人種、犯人の服装やその色など。
・盗られた物
鞄ごと盗られた場合などは色々入っていたと思いますが、全部だと面倒なので貴重品、旅行保険で請求出来る物だけでOK。カメラ、スマホはメーカー名も聞かれます。
・盗られたものをおおよその値段の総額
買って何年も経つものもあったりして値段を思い出せなくても、あくまで大体で大丈夫です。
以上、全て答えると調書が出来上がり警官が本人の前で読み上げるので、OKでしたサインして最後に盗難証明が発行されます。所要時間は、混み具合によりますが1時間はみておいた方が良いでしょう。
尚、上記を警察に行く途中にでもいいですから頭の中でそれらを整理しておきましょう。
*2017年2月14日よりカタルーニャ州内の緊急電話(112)が日本語対応を開始しました。尚、緊急電話番号は警察・消防・救急車の要請3つ全て共通番号です。
通訳人へ電話が繋がるまで約30秒要するとのことですが、これでかなり安心できるかと思います。
警察の場所
主な警察署は以下
・①スペイン広場沿い Placa d’Espanya, 1
地図行き方
・②領事館のすぐ近く Travessera de les Corts, 319
地図行き方
・③グエル邸から徒歩4分 Carrer Nou de la Rambla, 76
地図行き方
盗られた場所や状況によって、上記の警察の中から選んでください。
一番手続きが早いと言われているのが①のスペイン広場にある警察(写真下)。
もしパスポートが盗られたら日本領事館の近くの②。そして旧市街で盗られたら③の警察(写真一番下)
パスポート紛失
パスポートをなくしたら領事館へ行って再発行をしてもらいます。
ただし、その前に必ずしなければならないことがあります。
それは、上記で説明した警察でパスポートの盗難証明を取ること。
盗難証明がないと領事館では一切の再発行手続きができませんので、必ず先に警察へ行って下さい。
証明無しに領事館へ行ってしまうと、二度手間になるので要注意。
地図と行き方
日本領事館はバルセロナ市を斜めに貫く大通りAV.DIAGONAL沿いにあります。
最寄駅は地下鉄Maria Cristina L3 またバスでも行けます。
ただ地下鉄駅から距離があるのでタクシーで行くのが一番便利でお勧め、市内の中心からなら10ユーロもしません。
またバス停は近くにありますが、緊急時にバスに乗って”ちんたら”行ってる場合ではありません。
【TAXI】 日本に比べて安く、市内なら10€もしませんので疲れた時は気楽に利用してください。 |
【地下鉄 Metro メトロ】 バルセロナ市内を観光するなら、地下鉄の利用の仕方を知っておくと、とても便利!…. |
領事館に着いたら
領事館のあるビルに着いたらビルの中央に入り口があります。
入ってすぐ左手に受付があるので、そこで日本国総領事館(Consulado General del Japón コンスラード・ヘネラル・デル・ハポン)へ行きたいというと、領事館のある2階へのエレベーターに乗るための入館カードを渡してもらえます。
尚、その際に身分証明書が必要になりま すが、パスポートが盗難で無いので代わりに警察で発行してもらった盗難証明を見せれば大丈夫です。
再発行に必要書類
パスポートのために用意する書類は以下となります。
● 戸籍謄本(発行日から6ヶ月以内のもの)1通
● 写真(縦4.5cm X 横3.5cm、無帽、無背景、6ヶ月以内に撮影したもの)2枚
● 当地警察発行の盗難・紛失証明書。
これらを持参し、領事館にて所定の申請書に記入。
写真に関しては、サイズに厳しい規定があるので領事館で、それに対応してくれる近くの写真館を紹介してくれます。
上記の書類が全て揃えば通常は申請日の翌日に交付されます。
尚、朝一番開館すぐの申請なら、上手くいけばお昼頃に受け取れます。
領事館の手数料はここで確認ください。
ここまで再発行の流れを書きましたが、パスポートの盗難に遭ったら何はともあれ取り敢えず領事館にすぐに電話して指示を仰いでください。あなたの状況にあった、一番適切な指示アドバイスをしてくれます。
【バルセロナ総領事館】 |
住所 | Avenida Diagonal, 640, 2a Planta D, 08017, Barcelona 【地図】 |
最寄り駅 | 地下鉄3号線マリア・クリスティーナ(Maria Cristina)駅から徒歩8分 |
HP | http://www.barcelona.es.emb-japan.go.jp/japones/ |
電話 | 93 280 3433 |
開館時間 | 月曜~金曜(休館日を除く)の以下の時間<通常期間>査証手続き:9:00~13:00、 旅券・証明等その他手続き:9:00~13:00、15:00~16:00 <6/23~8/31>査証手続き、旅券・証明等その他の手続:8:30~13:30 |
申請の際の落とし穴
パスポートは再発行できるので、お金の盗難より被害は少ないと考えられがちですが実は予想外に手間が掛かり、どうかするとお金を失うより大変なことになります。
その理由は再発行の申請には戸籍謄本の原本が必要となるからです。
日本なら役所へ行けばこんな物は簡単に取れる書類ですが、海外からこれを自分で取り寄せるのは不可能です。
ではどうするかと言うと、この場合は日本の家族に連絡して代わりに取って来てもらうことになります。
ただ、最近は個人情報の管理が厳しく同じ籍に入っていない場合は兄弟でも発行してもらえず、父母や祖父母、子や孫のみとなっています。
それ以外で戸籍謄本を取ってもらう場合は申請者の自筆の委任状が必要になりますが、バルセロナに本人が居るのですからそれは不可能。
ただ、これは事情を役所で海外でパスポートの盗難にあった旨、緊急事態を説明し頼みに頼み込めばほとんどの場合は出してもらえるようです。
さて、これで終わったのでしょうか?
いいえ実はそれで終わらず、次に問題になるのは日本とスペインとの時差。
日本の家族に連絡しても8時間ほどある時差の関係で、バルセロナからの連絡が早朝でもない限り既に役所は閉まっているので翌日となってしまいます。
更に不運にも盗難被害にあったのが週末の場合は、月曜日まで何もできません。
また本籍地もしくはその近くに家族が住んでいない場合は郵送による申請になり、受け取れるのは3日~1週間ほど掛かってしまい更に状況は厳しくなります。
本来なら簡単にできることが海外と言う特殊な事情によりその数倍、数十倍の困難を伴いますが、どんなことがあっても完了しなければなりません。そうしないと前に進めませんし帰国できません。
戸籍謄本が取れた
さて、上記をクリアして戸籍謄本がなんとか取れたら、次にFAXもしくはスキャナーでスキャンして家族にバルセロナまで送ってもらわなければなりません。
宛先は滞在中のホテルもしくは、直接バルセロナの領事館も可能。
尚、帰国するための新規でパスポートを発行するか、もしくは帰国するための渡航書を申請するかの2つの選択肢から選ぶことができます。
ちなみに、渡航書とは簡単に言えばパスポートの代用品で日本に帰国する目的でパスポートに代わる渡航文書として機能します。
ここで注意が必要なのは渡航書はバルセロナから日本に直接帰る場合のみで、例えばバルセロナの後にパリやロンドンに寄って旅行を続ける予定の人は使えません。
もし、バルセロナの後も他の国へ旅行を続ける場合は新規でパスポートを発行となります。
その場合は、戸籍謄本の原本をバルセロナの日本領事館宛に郵送してもらう必要があります。
この場合だと速達で送っても1週間ほど掛かります。
バルセロナにそんな長い間足止めを誰もされたくないと思いますが、その場合は郵便局で戸籍謄本をバルセロナの領事館宛に送ったと言う証明を出してもらい、その書類をまた領事館宛にFAXもしくはスキャナーでスキャンして家族に送ってもらいます。@
以上がパスポートが盗難に遭った時の対処法です。
既にお分かりと思いますが非常に手間と時間が掛かり、旅行計画が台無しになってしまうのがこのパスポートの盗難。
バルセロナで足止めになった場合は次の目的地のホテルのキャンセルや、帰国日までに再発行できない場合は全額自腹で航空券の買い直しになることもあります。
もし、予定通り帰国出来ずに会社に出勤できないなどとなれば、それは目も当てられない事態に陥りますので十分注意して下さい。
保険請求
まず、クレジットカードや携帯電話を止め、次に警察で盗難証明を出したその後。
旅行傷害保険もしくはクレジットカードに保険が付帯が付帯している場合は、保険会社へも連絡を入れておき今後どうすればよいのかを確認しましょう。
通常、警察の証明書が必要だとその際言われますが、既に取得済みなので特に問題はないはずです。
また、事故の後処理にかかった交通費のレシートなどをとっておくと帰国してから保険で請求できます。
警察へ行くのに使ったタクシーなどは、料金を支払った際にしっかり領収書をもらいましょう。
ちなみに「ウン・レシーボ・ポルファボール」とカタカナ読みで言えば通じます。
心配な方はメモ用紙に「un recibo por favor」書いてドライバーに渡して下さい。保険請求で一番重要になるのは警察へ届けを出した盗難証明。
保険会社は保険金請求の時に必ずこの『原本』を要求してきますので、これを無くしてしまうと保険金が降りない可能性がありますのでしっかり管理してください。
また、パスポートを盗まれた場合などは、再発行費用も原則保険金請求可能です。
帰国後の手続き
バルセロナで保険会社に電話で事故にあったことを伝えておくと、日本に帰国した時には通常は自宅に『保険金請求書』が届いています。
それに必要な事項を記入して返送しましょう。
尚、保険会社によって細部は異なると思いますが、大抵どこの保険会社でも以下のものは必要になります。
・現地警察の証明書
・領収書
・パスポートの写し
以下、それぞれの説明をすると。。
【領収書】
原則、提出を求められるので例えばカメラを盗まれたのであれば、買ったと きの領収書や壊れたのであれば修理にかかった費用、あるいは現地で盗難にあったために警察、領事館などへ行く際に使ったタクシー代などの交通費、日本に掛けた電話の通信費がこれにあたります。
取りあえず、それらは全部もらえるだけもらっておいてください。
*カメラなどは買った時の領収書が無い、金額も定かでない場合は、しょうがないのでおおよその数字を書いて出せば保険金はおります。
【パスポートの写し】
本当に海外に行ったのか、日にちなどに嘘偽りはないかということでビザやパスポートの写しの提出を求められます。
ちなみにパスポートが盗まれていて出国日が不明になっていても、新しいパスポートの写しで代替可能です。
以上が海外旅行保険における、携行品損害の保険請求の流れです。
まとめ&アドバイス
この記事を読まれている方の中には実際に盗難被害に今、遭われた方もおられるかと思いますが気が動転してしまうのが普通だれでもそうです。
ですがその後の被害を拡大させないためには、まず冷静になりできるだけ早く次への対応へ移る必要があります。
カードが盗難に遭ったらまず止め、次に警察に行き盗難証明を取りましょう。
保険の請求、並びにカードが悪用された場合の補償、パスポートの再発行には必ず必要です。
警察や領事館への移動はタクシーを使って時間を節約、あとで保険で運賃は請求できます。また電話は公衆電話より一旦ホテルに戻ってした方が、落ち着いて掛けられます。
パスポートが盗難に遭った場合は既に述べましたが、旅行が計画が本当に台無しになってしまいます。
戸籍謄本を一通750円でお近くの役所やコンビニで簡単に取れるのですから、お守りとして、そして転ばぬ先の杖として旅行前、特に年末年始など役所が数日閉まる時期に旅行される方は用意しておくとどうでしょう。
またその場合は、街歩きで持ち歩かないでホテルに置いたスーツケースの中に入れておくようにして下さい。
あと、最悪の事態。
現金もカードも一切盗まれて一文無しになった場合ですが、領事館に行けば当座のお金は貸してもらえます。
もちろんそれは皆さんが収めた国税の中から、ちゃんと予算としてキープされていますのでご安心ください。
最後に。。。
実際に被害に遭われた方のかなりの人が生まれて初めて初めてスリ、置き引きにあった人です。
私がこれまで見てきた限りでは、過去にそんな経験が無かった分はっきり言ってお金の被害よりも精神的ショックの方が遥かに大きく、ひったくりなどだと更にひどいショックを受け精神的にボロボロになる人もいます。
難しいとはもちろん思いますが、盗難被害にもし遭った場合に一番大事なのは気持ちの切り替え。
済んだ事はしょうがないと割り切る、時間は掛かりますが割り切ろうと努力することが重要で、誰もそれ以外に気持ちを落ち着かせることも、ショックを吹っ切る方法はありません。
そして、残りの旅行を悔いのないように楽しむ!
人間の真価は、こう言う場面で問われます。
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記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。。 記事最終更新 2023.10.17 |
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