日本人にはあまり知られていないですが、バルセロナでは人気だったアーテイストのアントニ・タピエスの美術館を紹介します。
はじめに
グラシア通りにあるガウディのカサ・バトリョのすぐ横の交差点を西に曲がって少し行くと、屋上部分にぐにゃぐにゃと巻かれた針金が載った赤レンガ造りの建物が見えてきます。
ここがアントニ・タピエス美術館です。
アントニ・タピエスは、ピカソ、ミロ、ダリとともに、スペインを代表する現代美術の巨匠のひとり。
日本ではあまり知られていませんが、地元カタルーニャではとても人気があり、FCバルセロナの100周年記念のポスターを作ったことでも有名です。
モデルニスモ建築と現代アート
また、この建物はドメネク・イ・モンタネールが1880年代に設計したモデルニスモ建築で、当初は出版社でした。
屋上の装飾は、建物がタピエスの所有となってからタピエス本人によって加えられた “Núvol i cadira(雲と椅子)”という作品です。
展示スペース
タピエスの作品の特徴は、土や陶器のかけら、麻紐や布などが使われていることです。
私たちが考える「絵」の概念を越えた、かなり独創的な作風です。
展示室は1階と吹き抜けを囲む様にある2階で、開放感のあるスペースに作品が展示されています。
作品数はそれほど多くないので、ゆったりと鑑賞できるでしょう。
これに注目
ミロの作品に「*」星が描かれるように、タピエスの作品には十字のモチーフがどこかに記されます。
この十字にはキリスト教のクロス「X」、タピエスと彼の妻のテレサの頭文字のアルファベット「T」座標など色々な意味を連想させます。
地元アーティスト
地元バルセロナを代表するアートティスととして、こんな小さな子供たちから高校生までたくさんのグループが課外授業で訪れていました。
屋上のテラス
屋上のテラスには、タピエスの晩年の作品「Mitjo(靴下)」 。
1991年にカタルーニャ美術館の依頼によって考えられた作品でしたが、中世や古典が収蔵されている美術館にタピエスの現代アートがそぐわないとして実現せず、倉庫で眠ったままになっていました。
それを2010年美術館の改装の際に、20年ぶりに蘇らせました。
元々は18メートルの大きさでしたが、展示スペースに合わせて3メートルに縮小されています。
この美術館は、アントニ・タピエスとその妻テレサの寄付による多くのタピエスのコレクションを保有しているため、展示は4か月ごとに入れ替えられます。
また、タピエスの作品のほかに、現代アートのの特別展も行われています。
館内の出版社時代の書棚をそのまま残すライブラリーには、建築やデザイン関係の貴重な蔵書が収められています。
アントニ・タピエス美術館は、ガウディ建築の観光やショッピングの後に立ち寄ることができる便利な場所にありますので、常に観光客でいっぱいのガウディ建築にちょっと疲れたら、現代アートを見て息抜きしてみてはいかがでしょうか。
お勧め度:10点/20点 |
住所 | Carrer d’Aragó, 255 【地図はこちら】 |
URL | https://fundaciotapies.org/en/ |
TEL | 934 870 315 |
開館時間 | 火~土10:00-19:00、日曜10:00~15:00 (毎週月曜、1/1、1/6、12/25,26は休館) |
料金 | 大人€8.00, 学生もしくは66歳以上は€6.40 ※お得情報※ 6つの美術館に入ることができるArticket BCN アルティケット・バルセロナ(35€)も利用可能です。 |
最寄駅 | 地下鉄2・3・4号線パセイジダグラシア(Passeig de Gracia)駅から徒歩3分 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.10.29 |
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