バルセロナから120キロの郊外、ジローナ県にある小さな村、プボール。ここには、画家のダリが妻のガラにプレ

バルセロナから約120キロ、ジローナ県の小さな村プボール(Púbol)。ここには、画家サルバドール・ダリが妻ガラに贈った中世の古城があります。
現在は「ガラ・ダリ城(Castell Gala Dalí de Púbol)」として一般公開され、ガラが暮らした部屋や衣装、ダリが彼女のために手がけた装飾、庭園などを見学できます。今回は、城の見どころと見学方法を詳しく紹介します。
目次
はじめに
プボールのガラ・ダリ城、フィゲラスのダリ劇場美術館、ポートリガットのサルバドール・ダリの家。この三つの施設は「ダリの三角形」と呼ばれ、ダリの人生と作品世界を知るうえで欠かせない場所となっています。
ロシアに生まれたガラは、ダリにとって生涯のミューズであると同時に、彼の創作と人生に大きな影響を与えた存在でした。無名だったダリの才能を見抜き、世界的な芸術家へと押し上げたマネージャーとしての一面も持っています。
ダリは1969年、かつてガラに約束していた城を贈るため、荒廃していたプボール城を購入しました。城はガラだけの私的な空間となり、ダリでさえ彼女から招待されたときにしか訪れることができなかったといわれています。
城内には、彼女の好みや強烈な個性が随所に残されています。ガラの死後、この城は彼女の霊廟となり、その後はダリ自身も晩年を過ごし、最後の制作活動を行いました。二人の少し風変わりで濃密な関係を知るうえでも、非常に興味深い場所です。
行き方

バルセロナから公共交通機関で行く場合は、まず鉄道(RENFE)でジローナへ向かい、そこからバスに乗り換えてプボール村の最寄りの停留所まで行き、最後は徒歩となります。
こう書くと簡単に行けそうですが、実際の難関は乗り換えではありません。バスを降りたあと、人影のほとんどない田舎道を、畑の中を延々と歩かなければならないことです。
本当にこの道で合っているのか、途中で道を間違えていないかと不安になっても、尋ねられる人はまずいません。公共交通機関で訪れる場合、この心細さが最大の難関です。

プボール村は遥かこの先
特に最寄バス停から村までは一切の公共交通機関はなく、畑の中をトボトボと延々と歩いていくことになり、1人だとかなりビビります。詳しい行き方はこちらをご覧ください。
小さな村の中世の城

20分歩くと小さな村、プボールに着きます。「ガラの家」と言われる中世の城は、この村の中心の教会の裏になるのですが建物は教会とほぼ一体化しています。
中世の面影を残す建物

入場券を購入して城内へ入ると、まず中庭のパティオに出ます。1階には売店と手荷物の一時預かり所があり、見学コースは奥の階段を上った住居部分から始まります。
外観には中世の古城らしい重厚さが残っていますが、内部にはガラの好みとダリの感性が随所に表れています。
ガラ天使のお出迎え

住居スペースのある2階へ上がり、天井を見上げると、天使の姿をしたガラが迎えてくれます。
ガラは晩年、この城で主に夏の間を過ごしました。城内には、彼女を女神のように見つめていたダリの思いが、いたるところに表れています

なお、ダリがこの城を訪れることができたのは、ガラから招待されたときだけでした。夫婦の城でありながら、ここは実質的にガラ一人のための住まいだったのです。
ガラが愛したイモテールの花

古城を改装したサロンの壁にはタペストリーが掛けられ、その傍らにはイモテールのドライフラワーが飾られています。この花はポルトリガトにあるダリの家にも見られ、ガラもダリも、その独特の香りを好んでいたといわれています。
イモテールは、地中海沿岸の乾燥した土地に多く自生する植物です。黄金色の小さな花を咲かせ、岩場や荒れ地にも根を下ろすほどの強い生命力を持っています。乾燥させても花の色や姿が長く残ることから、「不死」や「永遠」を連想させる花としても知られています。
青の寝室

ポルトリガトにあるダリの家では二つのベッドが並んでいましたが、この部屋に置かれているのは青いベッドが一つだけです。
城内には、このほかに赤いベッドの置かれた別の寝室もあります。晩年、ダリとガラは夫婦でありながら別々に暮らしており、二つの寝室からも、二人の少し複雑で微妙な関係がうかがえます。
ガラの衣装

ガラスで仕切られた一室には、ガラが生前に身に着けていた衣装が展示されています。
ダリはガラを題材に数多くの作品を残しました。その中には、ガラが背を向けて座る姿を描いたものもあり、展示室には、その姿を再現した人形も置かれています。
薄暗い室内にたたずむその人形は、ガラの存在感を伝える一方で、どこか不気味さも感じさせます。

特に、これが不気味。
地下にあるガラの墓

見学コースを進むと、住居部分の地下に設けられた墓所へたどり着きます。そこにはガラとダリ、二人分の墓が並んでいますが、実際に埋葬されているのはガラだけです。
ガラの死後、ダリは深い悲しみに沈み、しばらく創作活動から遠ざかったといわれています。しかし、ダリが最期に埋葬されたのはこの城ではなく、フィゲラスにあるダリ劇場美術館でした。
生涯を通して強く結びついていた二人ですが、死後は別々の場所で眠っています。
庭園の中のダリ作品

城の裏手には、緑あふれる庭園が広がり、その中にはダリによるいくつかの作品が置かれています。
なかでもひときわ目を引くのが、細く長く伸びた脚を持つ象のオブジェです。これは、シュルレアリスムを代表する画家ダリの作品にしばしば登場する、よく知られたモチーフの一つです。
静かな庭園の風景の中に突然現れる非現実的な象の姿は、いかにもダリらしく、古城の雰囲気にも不思議に溶け込んでいます。
夫婦の車

左に置かれているオレンジ色の車は、現在の日産自動車につながるブランド「DATSUN(ダットサン)」です。
一方、右にあるキャデラックは、ダリが長年愛用したことで知られる車種です。ただし、ダリ本人は車を運転できなかったため、実際にハンドルを握っていたのはガラでした。
車好きだったダリと、その運転を担ったガラ。並んだ2台からも、二人の独特な関係が垣間見えます。
まとめ&アドバイス
プボールは、本当の田舎にある小さな村です。また「城」と聞くと立派な城壁や塔を想像しますが、実際のプボール城はそれほど大きな建物ではありません。日本でたとえるなら、古い庄屋屋敷に近い雰囲気かもしれません。
「ガラの家」と呼ばれていますが、部屋の造りや装飾、庭園に置かれた作品を見ていると、ポルトリガトのダリの家、通称「卵の家」と共通するものを感じます。ガラの住まいでありながら、城内にはダリの感性が色濃く残っています。
ダリゆかりの三つの施設の中では、ここが格段にアクセスしにくく、公共交通機関だけでたどり着く難易度はかなり高めです。特に、バスを降りたあと、人影のない畑の中を延々と歩く心細さは、実際に行ってみなければ分かりません。
フィゲラスのダリ劇場美術館とプボール城を一日で効率よく巡りたい方には、バルセロナウォーカーのオリジナルツアーもあります。
さらに、ポルトリガトのダリの家を加えた「ダリ・トライアングル」三カ所も、バルセロナウォーカーのツアーなら一日で巡ることが可能です。
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お勧め度:6点/20点 |
| 住所 | Pl. Gala Dali E-17120 Pubol-la Pera 【地図はこちら】 |
| URL | http://www.salvador-dali.org/museus/castell-gala-dali-pubol/es_index/ |
| 開館時間 | 1/1-1/10(10:00-17:00) 1/11-3/13 休館 3/14-6/14(10:00-18:00 月曜休み) 6/15-9/15(10:00-20:00) 9/16-11/1(10:00-18:00 月曜休み) 11/2-12/31 (10:00-17:00 月曜休み) 休み:1/1,4、12/25 |
| 料金 | 一公式サイトにてご確認ください。 |
| 行き方 | ジローナ駅前のバスターミナルよりCruilla de la Pera行きのバス30分。 バス停(La Gasolinera De La Pera)から徒歩20分 【詳しい行き方】 |
| 所要時間 | 1時間半 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.07.13 |
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