
「この記事では旅行に必要な情報を中心に解説しています。歴史や文化をさらに詳しく知りたい方は、深掘り記事もご覧ください。」
タラゴナは、現在の町の下や建物の間に、古代ローマの州都タラコが残る町です。
駅を出て地中海を眺め、旧市街へ向かって歩いていく途中に、円形闘技場、ローマ時代の競技場跡、地下通路、塔、城壁が次々に現れます。その間には中世の路地や広場があり、坂を上りきった先にはカテドラルが建っています。
つまりタラゴナは、「ローマ遺跡を見る町」というよりも、ローマ時代の町の上に、中世から現在までの暮らしが重なっている場所です。遺跡だけが切り離されて残っているのではなく、現在の建物や道路の中に組み込まれているところに、この町の本当の面白さがあります。
旧市街の主要部分は、半日でも十分に歩けます。ただし駅から旧市街にかけては坂が続き、石畳や階段も少なくありません。見学場所を詰め込みすぎず、途中で広場や展望台に立ち止まりながら歩くくらいがちょうどよいでしょう。
なお、郊外にあるラス・ファレラス水道橋、通称「悪魔の橋」は、市街地の徒歩観光とは別に考える必要があります。この記事では、まず駅を出てから旧市街を歩く基本ルートを紹介し、水道橋への行き方は別の項目で説明します。
目次
タラゴナ街歩きルート
下の地図は、この記事で紹介する街歩きのおおよその順路です。
Googleマップ上の観光スポットを一つずつ目的地に設定すると、入口の位置によって不自然な迂回が表示されるため、地図では歩く道筋を中心に示しています。各見学場所の位置や入口は、本文の写真と説明で順番に紹介します。
前半
タラゴナ駅 → 地中海のバルコニー → 円形闘技場 → プレトリとローマ競技場
後半
プレトリ出口 → 旧市街 → フォーラム跡 →カテドラル → 考古学の道・城壁 →人間の塔の像 → 駅
所要時間の目安
外観を中心に歩く場合:約3時間
遺跡の内部にはほとんど入らず、主要な建造物と町並みを外から見て回る場合の目安です。
主な遺跡の内部見学を含む場合:約5~6時間
円形闘技場、プレトリとローマ競技場、カテドラル、城壁などを見学しながら歩きます。途中で食事や休憩を取る場合は、もう少し余裕を見てください。
カテドラルや城壁をじっくり見る場合:ほぼ1日
展示を読み、写真を撮りながらゆっくり見学すると、タラゴナの市街地だけでも一日近くかかります。
ラス・ファレラス水道橋も訪れる場合:1日
水道橋は市街地から離れているため、往復の移動時間が必要です。市街地の主要な遺跡を見学し、さらに水道橋まで行くなら、市街地の見学場所をある程度絞ったうえで、朝から夕方までの一日コースとして考えた方がよいでしょう。
駅から歩く基本ルート
タラゴナ駅を出発

ここでは駅そのものの説明より、最初の方向と坂を明確にします。
タラゴナ駅は海に近い低い場所にあります。旧市街とカテドラルは丘の上にあるため、最初は上りが続きます。
そして、 *作成中
- トイレ
- 荷物
- 駅前に店が少ないか
- 帰りの列車時刻を確認
- Tarragona駅とCamp de Tarragona駅の違い

駅を出たら右へ進みます。5分ほど歩くと、写真左のような城壁に沿ってカーブする階段が見えてきますので、そのまま上ってください。
階段を上ってそのまま海側へ進むと、写真右の広場に出ます。ここが「地中海のバルコニー」と呼ばれる展望スポットの一つです。
地中海のバルコニー

駅から坂を上り、最初に立ち寄るのが「地中海のバルコニー」です。
目の前には青い地中海が広がり、足元は海へ落ち込む断崖になっています。この高低差は美しい眺めを生むだけでなく、古代には町を守る自然の城壁としても機能しました。
眼下には、先ほど乗ってきたバルセロナ方面とタラゴナを結ぶ鉄道が海岸沿いを走っています。その先には砂浜が続き、夏には町のすぐ横とは思えないほど、多くの海水浴客でにぎわいます。
左手には円形闘技場、背後の高台には旧市街とカテドラルがあります。タラゴナが海辺の平地に広がる町ではなく、海岸から丘の上へ向かって築かれた町だということが分かります。
右手を見ると港があり、その先には石油関連施設や工業地帯も見えます。タラゴナはローマ遺跡を訪ねる観光都市であると同時に、現在も大きな港と産業を抱える工業都市です。
ここは単なる展望台ではありません。これから歩く町の地形と、古代の防御、現在の交通、港、工業、海水浴場までを一度に確認できる場所です。
海を見下ろす円形闘技場

地中海のバルコニーから海沿いへ進むと、最初の大きな見どころとなるローマ円形闘技場が現れます。
ここでは剣闘士の試合や猛獣を使った見世物、公開処刑などが行われました。ローマ時代の人々にとっては、多くの観客が集まる巨大な娯楽施設でした。
闘技場が造られたのは、町を囲む城壁の外側です。すぐ近くには地中海があり、ローマ時代の主要道路ウィア・アウグスタも通っていました。人や物資を運びやすく、見世物に使う動物を海岸から搬入するにも都合のよい場所だったと考えられています。
また、客席の一部は海へ向かって下がる斜面を利用して造られました。すべてを平地から積み上げたのではなく、もともとの地形を建造物の一部として使っていることが分かります。観客席から地中海が見える、タラゴナならではの円形闘技場です。
アリーナの中央を見ると、ローマ時代の施設とは形の異なる建物跡が残っています。これは後世に建てられたキリスト教会の跡です。
3世紀、この闘技場ではタラゴナの司教フルクトゥオソと2人の助祭が処刑されたと伝えられています。そのため、かつて人々が見世物を楽しんだ場所は、のちに殉教者を記憶するキリスト教の聖地へと変わりました。
同じ場所が、ローマ時代には娯楽と処刑の場となり、その後は祈りの場所になった。円形闘技場の内部に教会跡が残るのは、タラゴナの歴史がローマ時代で終わらず、その上にキリスト教時代が重なったことを示しています。
円形闘技場からプレトリへ
円形闘技場の見学を終えたら、次はプレトリとローマ競技場へ向かいます。
距離だけを見れば短い移動ですが、歴史的には大きな境目になります。円形闘技場はローマ都市の城壁外に造られた施設でした。ここから坂を上り、プレトリへ向かうことで、城壁の外から、かつてのローマ都市の中心部へ入っていきます。
途中には階段と高低差があります。現在はエレベーターも設置されていますが、利用できないこともあるため、階段を上るつもりで考えておいた方が安心です。
この区間では、円形闘技場を振り返りながら海岸との位置関係を確認できます。海辺の城壁外に置かれた闘技場から、丘の上に広がっていた都市内部へ移っていくことが、実際に歩くとよく分かります。
下の動画では、円形闘技場を出てからプレトリへ向かうまでの道順と、高低差を紹介しています。
階段の途中にはエレベーターがありますが、故障していることも少なくありません。訪問時に使えない場合は、そのまま階段を上る必要があります。
プレトリとローマ競技場

円形闘技場から坂を上ると、次に現れるのがプレトリとローマ競技場です。
ここでまず見ておきたいのは、現在の町の下にローマ時代の競技場が残っていることです。地上には住宅や広場、道路がありますが、その地下には、かつて戦車競走が行われた巨大な競技場の通路や構造が組み込まれています。
内部では、石造りの地下通路を実際に歩くことができます。単に遺跡を外から眺めるのではなく、現在の町の下へ入り、ローマ時代の都市構造の中を進んでいく感覚があります。
プレトリは、もともとローマ時代の大規模な建築群の一部でした。しかし、その後も建物は捨てられず、中世には城として使われ、さらに兵舎や監獄など、時代ごとに役割を変えていきました。
そのため、ここはローマ遺跡であると同時に、後世の人々が古代の建物を壊し切らず、別の用途に使い続けた場所でもあります。タラゴナでは、古代の町が地下に埋もれているだけでなく、現在の町の一部として再利用されてきたことがよく分かります。
見学の最後には、プレトリの上部から町を見渡せます。海辺の円形闘技場、旧市街の屋根、その先の港まで見え、先ほど歩いてきた道と、これから向かう高台の町並みを一度に確認できます。
プレトリを出て、旧市街を歩きながらカテドラルへ

プレトリを出ると、目の前が王の広場です。
ここからカテドラルまでは、それほど長い距離ではありません。ただし、単に次の見学場所へ向かう移動区間ではなく、タラゴナという町の特徴がよく見える道でもあります。

タラゴナのローマ遺跡は、町から切り離された遺跡公園の中だけに残っているわけではありません。現在の住宅や店、広場、地下室の中に入り込み、普段の町並みの一部になっています。
王の広場を出て旧市街を歩くと、途中でフォーラム広場の前を通ります。現在では住宅や飲食店が並ぶ小さな広場ですが、周囲の壁や建物には、ローマ時代の大規模な建築群の一部が取り込まれています。
そこからカレル・マジョールへ進むと、正面にカテドラルが見えてきます。古い商店や石造りの建物が並び、左右には中世の細い路地が続きますが、基本ルートでは大きく脇道へ入らず、カテドラルを目印に進めば迷いません。
ここでは「ローマ遺跡を見学する」というより、現在の町の中に残るローマ都市を探しながら歩くと、タラゴナらしさがよく分かります。古代、中世、現在の町が別々に並ぶのではなく、同じ場所に重なっているからです。
タラゴナ大聖堂

旧市街のカレル・マジョールに入ると、通りの正面奥にタラゴナ大聖堂のファサードが見えてきます。まだ大聖堂前の階段を上る前から、バラ窓を中心とした正面全体を一望できます。近づくにつれて建物が大きくなり、通りの先を塞ぐように立つ姿が印象的です。
この場所は、中世になって初めて町の中心になったわけではありません。ローマ時代にも、宗教や行政に関わる重要な建物が置かれていた高台でした。その上に中世の大聖堂が建てられ、古代ローマの中心地が、キリスト教都市の中心へと受け継がれていきました。
建設が始まったのは、ロマネスク様式からゴシック様式へ移り変わる時代です。そのため、建物全体を一つの様式だけで説明することはできません。
正面を見ると、入口周辺には重厚さがあり、その上には大きなバラ窓が開いています。内部へ入ると、高く伸びる身廊や尖頭アーチなど、ゴシック建築らしい垂直方向への広がりが感じられます。長い年月をかけて造られたため、部分ごとに異なる時代の建築や装飾が重なっているのも特徴です。
内部を見学するなら、中央身廊だけを見て終わらず、回廊まで歩いてみてください。
回廊は教会内部とは雰囲気が大きく変わり、柱に囲まれた中庭をゆっくり一周できます。彫刻や石棺なども残り、大聖堂が礼拝の場所だけでなく、聖職者たちが生活し、祈り、死者を記憶する場所でもあったことが分かります。
入る価値はある?
時間に余裕があれば、内部見学をおすすめします。
タラゴナではローマ遺跡が観光の中心になりがちですが、大聖堂まで見ることで、この町がローマ時代で止まったのではなく、その後も中世の宗教都市として続いてきたことが分かります。
ただし、すでにバルセロナなどで大聖堂を見学しており、今回はローマ遺跡を優先したいという人なら、正面と周囲の町並みだけを見る選択もあります。
またタラゴナ大聖堂は、ローマ遺跡とは性格の異なる、ほぼ完成した巨大な建築空間です。内部の印象が非常に強く、それまで見てきたローマ遺跡の余韻を一度リセットしてしまうことがあります。、個人的には可能なら別の日や二度目の訪問に回すのもおすすめです。
見学時間の目安
正面と外観のみ:約10~15分
内部を一通り見る:約30~45分
回廊や展示を含めてゆっくり見る:約1時間~1時間30分
ローマ遺跡を中心に歩く人にとっても、大聖堂は別の見どころではありません。ローマ時代の中心地の上に、中世の中心が重ねられた場所として見ると、ここまで歩いてきた町の歴史がつながります。
市庁舎前の広場で休憩――ローマ競技場の上で一杯

カテドラルの見学を終えたら、市庁舎前の広場まで歩いて休憩を入れるのもよいでしょう。
現在はカフェのテラスが並ぶ広場ですが、この場所もローマ時代の競技場の一部です。かつては戦車競走のスタート地点が置かれ、観客席がその周囲を囲んでいました。
広場の左右に並ぶ集合住宅にも、その痕跡が残っています。建物の幅や区切りを見ると、ローマ時代の観客席を支えていたアーチの間隔が、後世の建物の幅として引き継がれていることが分かります。
つまり、現在の住宅や店が偶然ここに並んでいるのではなく、古代の競技場の骨格を利用しながら町が造り替えられてきたのです。
テラスに座って広場を眺めると、目の前の建物の下に、かつて巨大な競技場が広がっていたことを想像できます。歩き疲れたところで休みながら、現在の町とローマ時代の町が重なっていることを感じられる場所です。
ここまで駅から上りが続くため、昼食や休憩を入れる場所としてもちょうどよいでしょう。
ローマ城壁と考古学の道

市庁舎前の広場で休憩したあと、旧市街の北側へ進むと、ローマ都市タラコの最も古い時期にまでさかのぼる城壁が残っています。
ただし、現在見える城壁のすべてがローマ時代のままではありません。中世以降も修復や増築が繰り返され、異なる時代の石積みが一枚の壁に重なっています。
城壁の外側には「考古学の道」と呼ばれる有料の遊歩道があり、壁や塔を間近に見ながら歩けます。ただ、ローマ遺跡として必ず入るべき場所かというと、時間や興味によって判断が分かれるでしょう。
それよりも、城壁を現在の町の側から見ると、タラゴナらしい光景があります。古代の防御壁に窓やバルコニーが開けられ、その一部が住宅として使われているのです。
かつて町を外敵から守った壁が、その後は建物の壁となり、現在もその内側で人が暮らしている。タラゴナでは、ローマ遺跡が保存区域の中に隔離されているのではなく、生活の中へそのまま取り込まれています。
考古学の道に入らない場合でも、城壁沿いを歩き、窓やバルコニーのある部分を見るだけで、この町の歴史の重なりは十分に感じられます。
考古学の道へ入る場合は、30~45分ほど。時間が限られている場合は、外側から城壁と住宅が一体になった部分を見るだけでもよいでしょう。
人間の塔の像|旧市街から現在のタラゴナへ

ローマ遺跡と旧市街を見終えたら、ランブラ・ノバへ向かいます。
ここまで歩いてきたのは、古代ローマや中世の痕跡が残る歴史地区でした。ランブラ・ノバへ出ると、道幅が一気に広がり、店やカフェが並ぶ現在のタラゴナへ戻ってきます。
通りの中央にあるのが、人間の塔を表した大きな像です。カタルーニャの祭りで行われる「カステイ」を題材にしたもので、人々が肩の上に立ち、さらにその上へと塔を組み上げる姿が再現されています。
ただし、この像を見ただけでは、人間の塔がなぜ生まれ、なぜ現在まで続いているのかは分かりません。単なる力比べや観光向けの見世物ではなく、地域の組織、人間関係、競争、誇りまでが詰まった文化です。
人間の塔については、歴史や仕組み、事故の危険、参加者の役割まで別の記事で詳しく紹介しています。
駅へ戻る
帰路について、作成中…
- 下りなので往路より楽
- 発車時刻より余裕を持つ
- Barcelona行きの列車種別
- Camp de Tarragonaと間違えない
などを整理します。
ラス・ファレラス水道橋まで行くべきか

タラゴナ郊外には、ローマ時代の水道橋「ラス・ファレラス水道橋」が残っています。「悪魔の橋」とも呼ばれる遺構で、古代都市タラコへ水を運ぶために造られました。
谷を越える部分に二段のアーチが並び、現在も全体の形がよく分かります。町の建物へ取り込まれた市街地の遺跡とは違い、周囲に大きな建物がないため、ローマ時代の土木建築をまとまった姿で見られるのが特徴です。
水道橋の上部は、かつて水が流れていた場所です。現在はその上を歩くこともでき、下から眺めるだけでは分からない高さと構造を体感できます。
ただし、市街地から離れており、アクセスは便利とはいえません。往復の移動と現地で歩く時間を考えると、市街地観光に加えて訪れる場合は一日コースになります。
ローマ時代の土木技術に興味がある人、遺跡全体の姿を見たい人には、訪れる価値があります。一方、半日しかない場合や、市街地の円形闘技場、プレトリ、カテドラルを優先したい場合は、無理に加えなくてもよいでしょう。
ラス・ファレラス水道橋は、誰にとっても必須というより、時間と興味に応じて選ぶ郊外の見どころです。
月曜日・開館時間・共通券について
タラゴナの市営遺跡は、月曜日に休館する施設が多いため注意してください。円形闘技場、プレトリ・ローマ競技場、考古学の道などの内部見学を予定している場合は、訪問前に開館日を確認しておきましょう。
開館時間は季節や曜日によって異なり、臨時休館や短縮開館になることもあります。
また、複数の市営遺跡を見学する人向けに共通券も用意されています。ただし、この記事のルートですべての施設へ入る必要はありません。見学したい場所を決めたうえで、個別券と共通券のどちらが適しているか選ぶとよいでしょう。
最新の開館時間、休館日、入場料金、共通券の対象施設については、タラゴナ市役所の公式サイトで確認してください。
なお、入場チケットの購入はクレジットカードまたはデビットカードのみで、現金は利用できません。カードを忘れないよう注意してください。
タラゴナは、失われた都市を想像しながら歩く町

タラゴナは、保存状態のよい巨大建築を次々に見て回る町ではありません。
ローマやポンペイのように、当時の都市の姿がまとまって残っているわけではなく、失われた部分も少なくありません。円形闘技場、競技場の地下通路、城壁、フォーラムの壁など、現在見ることができるのは、かつて存在した巨大なローマ都市の断片です。
たとえばシルク・ローマも、戦車競走場の全体像が、そのまま残っているわけではありません。現在見学できるのは一部の地下通路や観客席の構造です。
ただし、ローマ時代には各地に造られた戦車競走場も、現在まで形を残している例は多くありません。断片的であっても、タラゴナの遺構は貴重なものです。
そして、この町を面白いと感じるかどうかは、残された断片から、失われた全体をどこまで想像できるかで大きく変わります。
目の前にある壁を、ただの古い石として見るのか。かつてその先に巨大な広場や観客席、地下通路が続いていたと考えるのか。それによって、同じ町並みでも見え方はまったく違ってきます。
ローマ時代の建造物は、その後の人々にとって、必ずしも「守るべき遺跡」ではありませんでした。現在のように古いものを文化財として保存する意識が広く定着したのは、長い歴史から見れば比較的新しいことです。
それ以前には、古代の建物は壊され、使える石は建築資材として持ち去られ、頑丈な壁や地下空間は、住宅、城、倉庫などへ再利用されました。
つまり、ローマ都市が消えて何もなくなったのではありません。解体され、削られ、別の建物へ姿を変えながら、現在のタラゴナの中に残っています。
ローマ遺跡の真上に集合住宅が建ち、その窓やバルコニーには洗濯物が干されている。かつて皇帝や属州の権力を示した巨大建築も、時代が変われば日常生活の一部になる。
この光景は、仏教でいう「諸行無常」を思わせます。
人間は過去を大切に保存してきただけではありません。過去を壊し、使い直しながら、新しい町や文化、生活を造ってきました。タラゴナの遺跡は、その現実を隠さずに見せています。
完成した大建築を短時間で次々に見たい人には、少し断片的で分かりにくく感じられるかもしれません。
一方、遺跡と現在の暮らしが重なる様子に興味がある人、残された石や地下通路から失われた都市を想像できる人にとって、タラゴナは非常に面白い町です。
タラゴナは、残っているものだけを見る町ではありません。失われたものまで想像しながら歩く町です。
【夏に歩く場合の注意】
夏のタラゴナは日差しが強く、屋外を歩く時間も長くなります。遺跡をすべて詰め込んで回ろうとすると、想像以上に体力を使います。
特に暑い時期は、日陰やカフェで休憩を取りながら、無理のない予定を組んでください。
タラゴナは、見どころを急いで消化するよりも、町の中に残る歴史の層を感じながら歩く方が楽しめる場所です。
|
お勧め度:17点/20点 |
| 住所 | タラゴナ県、ジローナタラゴナ市 【地図はこちら】 |
| URL | http://www.tarragonaturisme.cat/en (市役所観光局のHP) |
| 最寄駅 | バルセロナからは、サンツ駅よりRenfeに乗って Girona (ジローナ)駅下車、所要時間 電車1時間半程 時刻表はRenfeのHPでお調べ下さい。 |
| 所要時間 | 半日~1日 |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2026.08.23 |
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