
空港からバルセロナ市内へ向かう方法はいくつかありますが、その中でも一番安く移動できるのが、空港駅から近郊電車を利用する方法です。
ただし、安い分だけ少し面倒です。日本からの飛行機が到着するターミナル1には鉄道駅がないため、まず空港内の無料シャトルバスでターミナル2へ移動し、そこから電車に乗る必要があります。さらに、市内中心部へ行く場合は、サンツ中央駅で地下鉄などに乗り換えることになります。
また、空港とサンツ駅を結ぶ電車は運行本数が多いとは言えず、待ち時間が発生することもあります。大きなスーツケースを持っての移動や、初めてのバルセロナ到着直後には、少し分かりにくく感じるかもしれません。
とはいえ、交通費をできるだけ抑えたい方にとっては、今でも利用価値のある方法です。ここでは、ターミナル間の移動、切符の買い方、電車の乗り方、サンツ駅での乗り換え、そして利用前に知っておきたい注意点まで、順を追って解説します。
目次
概要
バルセロナ空港から近郊電車を利用して市内へ向かう場合、まずターミナル1からターミナル2へ移動する必要があります。
日本からの国際線が到着するターミナル1には鉄道駅がないため、空港内を走る無料シャトルバスでターミナル2へ移動し、そこから空港駅へ向かいます。
移動の流れは以下の通りです。
移動ルート
バルセロナ空港・第1ターミナル
↓
無料シャトルバス
↓
バルセロナ空港・第2ターミナル
↓
徒歩で空港駅へ
↓
近郊電車でサンツ駅など市内主要駅へ
↓
地下鉄・タクシー・徒歩などで最終目的地へ
このように、空港から電車に乗るまでに一度ターミナル移動が入り、市内到着後もホテルの場所によってはさらに乗り換えが必要になります。
所要時間
空港の到着ロビーに出たところを出発地点とし、市内中心部のホテルまで移動すると仮定すると、所要時間は平均して約1時間半から2時間ほど見ておくとよいでしょう。
ただし、この方法は時間が読みやすい移動手段ではありません。空港と市内を結ぶ電車は運行本数が多くなく、タイミングが悪いと駅で待つことになります。また、スペインでは時刻表通りに動かないことや、急な運休・間引き運転が起きることもあります。
そのため、すべてが順調なら1時間半前後で着くこともありますが、待ち時間や乗り換えに手間取ると、ホテル到着まで2時間以上かかることも珍しくありません。
料金を抑えられるのが大きなメリットですが、初めてバルセロナに到着する方、大きなスーツケースを持っている方、到着後すぐに予定がある方は、時間に余裕を持って利用することをおすすめします。
空港から市内へ
ここでは、日本からの便の多くが到着する空港第1ターミナル(T1)から、地下鉄を使ってバルセロナ市内へ向かう方法を詳しく解説します。
空港到着

飛行機が到着し、手荷物を受け取って到着ロビーへ出るとこんな感じです。
この第1ターミナル(T1)は比較的新しい空港ターミナルのため、飛行機から空港ビルへつながるボーディングブリッジもガラス張りで開放感があり、少し近未来的な雰囲気があります。
それでは、他の乗客の流れに沿って出口方向へ進んでいきます。
出発、到着ロビーは同じ

さて、ボーディングブリッジを抜けて空港ビルへ入った日本人旅行者が、まず驚くのがこれです。
バルセロナ空港第1ターミナルでは、到着便と出発便が同じフロアを利用しているため、これから飛行機に乗る人たち(写真右側)と普通にすれ違います。
日本の空港とは少し感覚が違うので、最初は「え?合ってる?」と戸惑う方も多いですが、そのまま他の乗客の流れに沿って進めば問題ありません。
なお、トイレは途中に何ヶ所もあります。
預け荷物の受取所までは少し距離があるので、必要な方はこのタイミングで済ませておくと安心です。
また、預け荷物のスーツケースがターンテーブルに出てくるまでには、飛行機到着後平均30分前後かかることも珍しくありません。慌てずゆっくり進みましょう。
出口の表示を進む

空港ビルの中を案内表示(矢印)に従って進んでいくと、途中から両側にショップや免税店がたくさん見えてきます。
そのエリアを抜けると、出口と預け荷物受取所(Baggage Claim)のエリアに到着します。
写真右側のような荷物受取所に着いたら、まず自分の便名が表示されているターンテーブル番号を確認しましょう。
荷物の受け取り

自分が乗ってきた飛行機の便名を探し、その横に表示されている荷物受取ベルト(ターンテーブル)の番号を確認します。
ちなみに、同じ飛行機で到着した旅行者の顔や雰囲気を何となく覚えておくと意外と便利です。
後ほど地下鉄や券売機などで「同じ便だった日本人旅行者」と再び遭遇することもあり、土地勘のない到着直後は少し安心感があります。
なお、預け荷物がない方は、そのまま出口方向へ進んで問題ありません。
受取から税関へ

空港の混雑状況にもよりますが、預け荷物は飛行機到着後おおよそ30分前後でベルトコンベアーに乗って出てきます。カートが必要な方は、待っている間に取りに行っておくとスムーズです。
それでは、荷物を受け取ったら次は税関へ向かいます。
ちなみに、税関はほぼフリーパスに近く、実際に止められる人は100人に1人いるかどうかという程度です。特に日本人旅行者が止められるケースはかなり少ないので、過度に緊張せずそのまま進んで大丈夫です。
【注意】
税関を抜けた後は左右どちらにも進めます。現在は、
- 左側 → タクシー乗り場
- 右側 → 空港バス(Aerobús)・地下鉄方面・無料シャトルバス(第2ターミナル)
という導線になっています。
税関を扉を出たら

預けた荷物をピックアップした後、税関を通ると自動ドアが開きます。
そこにの人達が大勢いますが、その前を右に進むと目の前に大きな看板があり空港バス停が表示されています。
その表示に従って直進すると右にシャトルバス乗り口があるので、動く歩道(エスカレーター)で下りて下さい。
下りている際に左手に見える緑のバスがシャトルバスです。
シャトルバスに乗る
日本からの国際線が到着するターミナル1には、近郊電車の駅がありません。そのため、まずは空港内を循環している無料シャトルバスで、ターミナル2へ移動します。
到着ロビーを出たら、案内表示に従ってバス乗り場へ向かいます。タ
ターミナル2(T-2)へ

ターミナル2行きの無料シャトルバスは、日中ならおおよそ5〜10分間隔で運行しており、車体は緑色です。
車内の中央付近にはスーツケースを置くスペースもあります。ターミナル1からターミナル2までは、乗車して約10分ほどです。

車内の真ん中辺りにスーツケースなどの荷物を置くスペースがあります。

ターミナル2でバスを降りたら、いったん空港ビルの中へ入ります。床に黄色いラインがあるので、それを目印に左方向へ進みます。
一旦、空港ビルへ

その先にエスカレーターがあるので、2階へ上がります。2階には出発ゲート方面と鉄道駅へ向かう連絡橋がありますが、近郊電車を利用する場合は、Renfe の表示に従ってそのまま真っ直ぐ進みます。
連絡橋を渡って駅へ

連絡橋を渡り切ると、下りのエスカレーターがあります。そこを下り、さらに少し進むと、近郊電車の空港駅に到着します。
ここで注意したいのが、地下鉄駅と間違えないことです。鉄道駅入口の手前の通路をそのまま真っ直ぐ進んでしまうと、地下鉄駅へ向かってしまいます。地下鉄を利用すると空港特別料金がかかり、近郊電車よりかなり高くなります。
近郊電車で市内へ行く場合は、必ず Renfe / Rodalies の表示を確認して進んでください。
なお、ターミナル1から同じ無料シャトルバスでターミナル2へ移動し、近郊電車の駅へ向かう人は多くいます。初めてで不安な場合は、スーツケースを持って同じ方向へ進む人たちの流れについて行くと、大きく迷うことは少ないでしょう。
チケットはT-casualがおすすめ

空港から近郊電車で市内へ向かう場合、1回券でも利用できますが、バルセロナ滞在中に地下鉄やバスを何度か利用する予定があるなら、10回券の T-casual(タルヘタ・カスアル) を購入するのがおすすめです。
T-casualは、地下鉄、バス、トラム、近郊電車などで利用できる10回分の回数券です。市内観光でもそのまま使えるため、到着時に購入しておくと便利です。
また、T-casualでは一定時間内の乗り換えであれば、地下鉄からバス、地下鉄から近郊電車、近郊電車から地下鉄などに乗り換えても、追加で1回分が引かれることはありません。
空港から近郊電車で市内へ向かい、その後サンツ駅などで地下鉄に乗り換える場合も、この乗り換え制度が適用されます。改札機に同じT-casualを通せば、そのまま乗り換えることができます。
ただし、ここで注意が必要です。T-casualは、地下鉄L9 Sud線の空港駅、つまり Aeroport T1 / Aeroport T2 から地下鉄に乗る場合には使えません。地下鉄で空港から市内へ向かう場合は、空港特別料金のチケットが必要になります。
今回紹介しているのは、ターミナル2の Renfe / Rodalies空港駅から近郊電車に乗る方法 です。この場合は、T-casualを利用できます。
券売機での購入方法

券売機は駅構内に複数あります。どの券売機でも購入できますが、駅に入って右手にある券売機の方が操作画面が分かりやすいので、初めての方はそちらを利用するとよいでしょう。
券売機の操作はそれほど難しくありません。最初の画面がスペイン語になっている場合は、画面下にある国旗のボタンを押して、英語表示に切り替えます。
次に、10回券の T-casual を選びます。すると、「このチケットは地下鉄の空港線では利用できません」という注意書きが表示されます。これは、地下鉄L9 Sud線の空港駅では使えないという意味です。今回は近郊電車を利用するので、内容を確認したうえで YES を押して進みます。
最後に確認画面が表示されます。チケットの種類、枚数、合計金額に間違いがないか確認してから支払いをします。
支払いには現金またはクレジットカードが利用できます。ただし、50ユーロ以上の高額紙幣は使えない場合があります。その場合は、横にある駅員窓口で購入してください。クレジットカードで支払う場合は、4桁の暗証番号が必要です。
なお、料金は年によって変更されるため、最新料金は券売機または公式サイトで確認してください。
市内まで所要時間
ターミナル2の空港駅から電車に乗ってしまえば、市内までの移動時間自体はそれほど長くありません。
バルセロナの陸の玄関口とも言えるサンツ駅までは、空港駅から乗り換えなしで約19分。さらに市内中心部のパセジ・ダ・グラシア駅までは、サンツ駅から約5分ほどです。
空港駅からサンツ駅までの途中にはいくつか駅がありますが、空港発の電車は始発に近い形で利用できるため、タイミングによっては比較的ゆっくり座って移動できます。
ただし、この方法で時間がかかるのは、電車に乗っている時間ではなく、ターミナル1からターミナル2への移動、空港駅までの徒歩移動、そして電車の待ち時間です。電車自体は速いものの、全体として見ると、空港到着ロビーから市内ホテルまで1時間半から2時間ほど見ておくのが現実的です。
以下、主な駅までの所要時間です。

改札、ホーム、電車

空港駅のホームには、市内方面へ向かう近郊線 R2 Nord が発着しています。空港駅には他の近郊線は乗り入れていないため、基本的には来た電車に乗れば大丈夫です。
改札を通った先に案内板があり、次の電車があと何分で出発するか表示されています。時間に余裕があれば、ホームの奥の方まで進んでから乗るのがおすすめです。改札に近い手前の車両は、どうしても乗客が集中しやすく混みがちです。
車両は比較的新しく、清潔感があります。トイレ付きの車両もあります。空港駅を出ると、しばらくは郊外の畑や住宅地の間を走り、途中駅に停まりながら約20分でサンツ駅に到着します。
サンツ駅到着

空港から乗車した場合、サンツ駅は市内で最初に多くの旅行者が利用する主要駅です。途中駅の Bellvitge を出て電車が地下に入ったら、そろそろ降りる準備をしておくとよいでしょう。
サンツ駅に到着したら、他の乗客の流れに沿って進めば改札方面へ出られます。大きな駅ですが、近郊線ホームから出口へ向かう流れは比較的分かりやすいです。
改札を出たら、駅の中央コンコースをまっすぐ進みます。突き当たり付近まで進んだあと左方向へ少し行くと、地下鉄へ下りるエスカレーターがあります。
ちなみにサンツ駅には L3 と L5 が乗り入れています。尚、サンツ駅以外にあと2つ市内に駅がありますが、それは以下でご確認ください。
地下鉄

地下鉄駅に下りたら、空港駅から使っている同じチケットを改札に通します。
T-casualなどの乗り換え可能なチケットを利用している場合、一定時間内であれば近郊電車から地下鉄への乗り換えは新たに1回分としてカウントされません。そのまま改札を通って地下鉄へ乗り継ぐことができます。
改札を通ったあとは、目的地に合わせて案内板を確認し、利用する路線のホームへ向かいます。サンツ駅には地下鉄 L3 と L5 が乗り入れています。
なお、空港からのR2 Nord線は、サンツ駅のほかにも市内の主要駅に停車します。ホテルの場所によっては、サンツ駅ではなく Passeig de Gràcia駅 や El Clot-Aragó駅 で降りた方が便利な場合もあります。
パセジ・ダ・グラシア駅での乗り換えについては、こちらで詳しく解説しています。
エル・クロット駅での乗り換えについては、こちらで詳しく解説しています。
解説動画
空港アクセス比較
まとめ&アドバイス
空港から市内へ近郊電車で移動する方法は、バルセロナ空港から市内中心部へ向かう最も安い移動手段のひとつです。交通費をできるだけ抑えたい方にとっては、選択肢に入る方法と言えます。
ただし、安い分だけ時間と手間がかかります。ターミナル1からターミナル2へのシャトルバス移動、空港駅までの徒歩移動、30分間隔の電車、さらに市内到着後の地下鉄への乗り換えが必要になるため、到着直後の移動としては決して楽な方法ではありません。
また、空港から市内へ向かう途中、とくにサンツ駅やパセジ・ダ・グラシア駅ではスリ被害にも注意が必要です。これらの駅は旅行者の利用が多く、大きなスーツケースを持って移動していると、どうしても狙われやすくなります。実際、これまでにも駅構内や乗り換え時に、日本人旅行者の盗難被害は数多く発生しています。
大きなスーツケースがある方、初めてバルセロナに到着する方、小さなお子様連れの方、またはホテルまで地下鉄の乗り換えが必要な方には、空港電車+地下鉄の移動はあまりおすすめしません。地下鉄駅によってはエスカレーターやエレベーターが使いにくく、階段で荷物を運ばなければならない場面もあります。
また、夜に到着する場合も、この方法は避けた方が無難です。移動に時間がかかるうえ、慣れない駅での乗り換えや、暗くなってからホテルまで歩くリスクを考えると、タクシーや空港バスなど、より分かりやすい移動手段を選ぶ方が安心です。
このページでは、空港から電車で市内へ行く方法を詳しく紹介していますが、誰にでもおすすめできる方法というわけではありません。安さを優先する方、時間に余裕がある方、荷物が少なく公共交通機関での移動に慣れている方に向いた方法です。
利用される場合は、荷物から目を離さず、駅構内や乗り換え時には十分注意してください。
安さを取るか、到着直後の安心と楽さを取るか、その判断が必要な移動方法です。
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【バルセロナ究極のスリ、置き引き対策】 これまで一般に言われて既存のスリ、置き引き対策では被害が減ってい… |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2026.06.30 |
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