
バルセロナから約3時間。
フランス国境に近い漁村カダケスは、美しい地中海の景色で知られる人気のリゾート地です。
そのカダケスの中心部から徒歩約20分、ポルト・リガット(Port-Lligat)と呼ばれる静かな入り江に、サルバドール・ダリが晩年を過ごした家があります。
現在は「ダリの家美術館(Casa-Museu Salvador Dalí)」として一般公開されており、ダリが実際に暮らしていた当時の姿をそのまま見ることができます。
今回は、ダリの遊び心と独創性が詰まったこの不思議な住まいを、一緒に見ていきましょう。
目次
はじめに

もともとは地元の漁師の家だったものを、ダリが1930年に購入。その後、隣接する家を次々と買い足しながら約40年にわたって増改築を続け、現在見ることのできる迷路のような住居へと発展しました。
ダリは妻ガラが亡くなる1982年まで、この家を創作と生活の拠点として過ごしています。また、この家は別名「卵の家」とも呼ばれ、屋根や庭には卵をモチーフにしたオブジェが数多く置かれています。
ダリにとって卵は生命や誕生を象徴する特別な存在であり、そのモチーフは彼の絵画や彫刻作品にも繰り返し登場します。
予約必須

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ダリの家美術館は完全予約制となっており、チケットは事前にオンラインで購入する必要があります。
ただし、購入後にダウンロードできる書類は入場券そのものではなく予約確認書です。実際の入場券は、見学予約時間の30分前から入口の窓口で受け取る仕組みとなっています。
そのため、予約番号を控えたうえで時間に余裕を持って到着するようにしてください。
特に夏場は混雑するため、早めの到着をお勧めします。
ガイド説明

予約時間になると、ガイドの案内で見学がスタートします。見学は少人数制となっており、1グループ8名ほどで回ります。
これは建物がもともと個人住宅であることに加え、当時の家具や調度品、作品などが数多く残されているため、それらの保護や盗難防止の観点からも人数が制限されているそうです。
見学ルートは大きく分けて、
- 居住スペース
- アトリエ
- 庭園
の3つのエリアから構成されています。
ダリとガラが実際に暮らした部屋から創作活動の場となったアトリエ、そして地中海を見渡す庭園へと進みながら、ダリの晩年の生活を垣間見ることができます。
シロクマお出迎え

シロクマがお出迎え
家に入ってまず目に飛び込んでくるのが、このシロクマの剥製です。一見すると意味不明ですが、こうした遊び心あふれる装飾が家の至るところに散りばめられているのが、いかにもダリらしいところ。
さらに奥の部屋へ進むと、今度は白鳥の剥製が置かれています。
ダリによれば、白鳥は「生」の象徴。そして、その横に置かれた鷲は「死」の象徴を表しています。このようにダリの家には、単なる装飾ではなく、生と死、夢と現実といったダリが生涯関心を持ち続けたテーマが随所に隠されています。
家の中を歩く際は、部屋の造りだけでなく置かれているオブジェにもぜひ注目してみてください。

また、家のあちこちにはダリが好んだと言われるイモーテル(ヘリクリサム)のドライフラワーが飾られています。
独特の香りを持つこの花は、現在でも室内の随所で見ることができます。
なお、本棚に並ぶ書籍は保存のために置かれたレプリカで、本物はすべてフィゲラスのダリ美術館に収蔵されています。
ダリとガラの寝室

こちらはダリと妻ガラの寝室です。
ガラはダリのミューズであり、公私にわたって彼を支えた存在として知られています。
一方で、その関係は決して平穏なものではなく、晩年にはガラが若い愛人たちとの関係を持ったことでも知られています。
それでも二人の絆が完全に切れることはありませんでした。1982年、ガラは亡くなる3か月ほど前にこの家へ戻り、ダリに見守られながらここで生涯を閉じています。

サロンのテーブルに置かれたカタツムリのオブジェは、ダリがティファニーに特注したもの。こうした遊び心あふれる装飾が家の随所に見られます。
アトリエ

ここはダリが長年にわたり創作活動を続けたアトリエです。室内には当時使用していた絵の具や筆、イーゼルなどがそのまま残されており、まるで今にもダリが戻って来て制作を始めそうな雰囲気が漂っています。
ダリの作品が好きな人にとっては、この家の中でも特に印象に残る場所の一つでしょう。

まるでつい昨日まで使っていたかのように、絵の具の色が滲んだパレットやパレットナイフが置かれています。
ピカソ、フランコ将軍と

部屋の一つには、生前のダリの写真が数多く展示されています。
その中には、同じスペインを代表する画家ピカソとの貴重な写真もあります。ちなみに第二次世界大戦中、ダリがフランスからアメリカへ渡る際には、ピカソが資金援助を行ったと言われています。
また、スペイン内戦後に独裁者となったフランコ将軍との写真も展示されています。
ダリはフランコと面会し握手を交わしたことで、その後多くの芸術家や知識人から批判を受けることになりました。
政治的な評価は別として、これらの写真からは20世紀スペインを代表する芸術家ダリの複雑な立場や人間関係を垣間見ることができます。
庭もダリ

この家が「卵の家」と呼ばれる由来となった卵のオブジェが、屋根をはじめ庭の至るところに置かれています。
また、オリーブ畑の中には古い手漕ぎボートや瓦などを利用して作られたオブジェが点在し、どこかモンスターを思わせる独特な雰囲気を醸し出しています。中でも目を引くのが、古いボートや瓦礫を組み合わせて作られた「瓦礫のキリスト」。
庭を歩いていると、まるでダリの絵画の中に迷い込んだかのような不思議な世界が広がっています。
プールもダリ

プールの奥は、ダリとガラが寝そべってくつろいでいた場所です。
その周囲には闘牛士のミニチュア人形をはじめ、フィゲラスのダリ美術館でお馴染みの唇型ソファー、さらにはなぜかイタリア・ピレリー社のタイヤの看板まで置かれています。
この他にもミシュランのビバンダム(ゴム人形)や電話ボックスなど、一見すると何の統一性もないオブジェが至るところに並んでいます。
しかし、それらが不思議と調和して見えてしまうのがダリの世界。プールサイドは、まるでダリの頭の中をそのまま形にしたような空間となっています。
まとめ&アドバイス
ダリの家へは、バルセロナからカダケス行きのバスを利用し、そこから徒歩またはタクシーで向かいます。
移動だけでもかなり時間がかかるため、見学を含めるとほぼ丸一日を要します。
数日のバルセロナ滞在ではなかなか訪れるのが難しい場所ですが、ダリが実際に暮らした空間を見てみたい方や、彼の日常生活に興味のある方には十分訪れる価値があるでしょう。
なお、入場チケットは事前にオンラインで購入できますが、ダウンロードした予約確認書だけでは入場できません。
見学当日は予約時間の30分前までに到着し、窓口で正式な入場券と交換する必要があります。
入場開始までの時間は、ダリが愛したポルト・リガットの静かな入り江を散策しながら過ごしてみてください。白い家並みと青い地中海が織りなす風景は、それだけでも訪れる価値があります。
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フイゲラスのダリ美術館と、この卵の家を一日で2か所周りたい人はバルセロナウォーカーのオリジナルツアーもあるので、そちらもご検討されてはどうでしょうか。
ちなみに、プボール城を含めた、ダリ・トライアングル3ヶ所巡りなんかも、バルセロナウォーカーのツアーなら一日で可能です。
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お勧め度:10点/20点 |
| 住所 | Platja Portlligat, s/n, 17488 Cadaqués, Girona, 【地図はこちら】 |
| URL | http://www.salvador-dali.org/museus/casa-salvador-dali-portlligat/ |
| 電話 | 972 25 10 15 |
| 時間 | 1/1~1/6(10:30~18:00) 1/7~2/11(閉館) 2/12~6/14(10:30~18:00) 6/15~9/15(9:30~21:00) 9/16~12/31(10:30~18:00) *最終は閉館50分前 休み:1/1、2/7-3/9の月曜、6/8、10/5、11/1-12/28の月曜、12/25 |
| 料金 | 公式サイトにてご確認ください。 |
| 行き方 | バルセロナからは、北バスターミナルより約2時間 チケットのオンライン購入はここより。 シッチエスバス停から徒歩15~20分 【バス停から詳しい行き方】 |
| 所要時間 | 1時間 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.06.03 |
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