
ガウディ作品として紹介されることもありますが、実際には少しややこしいのが、このロベルト博士のモニュメントです。
有名観光地というわけではなく、わざわざ見に行く人も多くありません。どうでも良いと言われれば、まあそうなのですが、ガウディ周辺の作品を見ていく上では少し面白い存在なので、ここで簡単に紹介します。
概要
ロベルト博士は、19世紀末のバルセロナで医学界の重鎮として知られ、市長や国会議員も務めた人物です。
彼の死後、記念碑建立の話が持ち上がり、カタルーニャ音楽堂やサン・パウ病院などで知られるモデルニスモ建築の巨匠、リュイス・ドメネク・イ・モンタネールが計画に関わりました。
ドメネク・イ・モンタネールは、ガウディが建築学校で学んでいた時代の教師のひとりでもあります。
その後、彫刻家ジョゼップ・リモナが制作を進め、現在見られるモニュメントが完成しました。
では、なぜこの記念碑がガウディ作品として語られることがあるのでしょうか。それは、石の基壇部分に見られる有機的な造形が、カサ・ミラなどに通じるガウディ的な雰囲気を感じさせるためです。また、ガウディが何らかの助言をした可能性に触れる資料もあります。
ただし、どの部分にガウディが具体的に関わったのかを示す明確な記録はなく、ガウディ作と断定するのは難しいところです。そのため、このモニュメントは「ガウディ作品」と言い切るよりも、「ガウディの影響、あるいはガウディ周辺の時代の空気を感じさせるモデルニスモの記念碑」と見るのが自然でしょう。
上の部分

モニュメントの一番上に立っているのが、ロベルト博士です。
高い位置から街を見下ろすように立つ姿は、単なる個人の肖像というより、当時のバルセロナ市民から敬意を集めた人物であったことを示しています。
ロベルト博士は医師であり、バルセロナ市長、さらには国会議員も務めた人物です。そのため、この記念碑は一人の医師をたたえる像であると同時に、19世紀末から20世紀初頭にかけてのバルセロナの政治、社会、そして市民意識を映したモニュメントとも言えます。
上部だけを見ると比較的分かりやすい人物像ですが、このモニュメントの面白さは、むしろその下に広がる複雑な群像や、有機的な石の構成にあります。
カリフラワーのような土台部分

ロベルト博士の像の下には、森の木やカリフラワーを思わせる、不思議な形の土台部分があります。
この有機的な造形は、一般的な記念碑の台座とはかなり違い、自然の中から形が立ち上がってきたようにも見えます。また、曲線を多用した石の構成は、カサ・ミラの外壁や屋上部分を思わせるところもあります。
このため、この土台部分にガウディが関わったのではないか、と言われることがあります。ただし、どの部分をガウディが具体的に手がけたのかを示す明確な記録は残っていません。
そのため、「ここがガウディ作です」と断定することはできませんが、少なくともこの部分には、ガウディ的な自然観や造形感覚に通じるものを感じます。
ロベルト博士のモニュメントが、単なる人物記念碑ではなく、少し謎めいた存在に見えるのは、この土台部分の不思議な形によるところが大きいでしょう。
水道の蛇口のようなボタン

土台部分をよく見ると、水道の蛇口のボタンのようにも見える、不思議な突起があります。
丸みを帯びた形や、自然物のようでありながら人工物のようにも見える造形には、どこかガウディらしさを感じます。ただし、この部分を誰が作ったのか、またガウディが直接関わったのかは、はっきり分かっていません。
そのため、ここを「ガウディ作」と断定することはできませんが、少なくともガウディ的な造形感覚を連想させる部分であることは確かです。
ロベルト博士のモニュメントは、こうした細部を見ていくと、単なる記念碑というより、誰がどこまで関わったのか分からない、少し謎を残した作品として楽しめます。
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裏に回ると

モニュメントの裏側に回ると、小さな入口があります。
正面から見ると、ロベルト博士の像や群像、カリフラワーのような土台部分に目が行きますが、裏側にはまた違った表情があります。
この小さな入口のような部分を見ると、単なる記念碑というより、どこか小さな建築物のようにも感じられます。
誰がこの部分を考えたのか、そしてどこまでガウディが関わったのかは分かりませんが、こうした細部にも少し謎が残っているところが、このモニュメントの面白さです。
近寄ってみると

裏側の小さな入口に近寄ってみると、金属製の扉がはめ込まれています。
正面側の有機的な石の造形や、カリフラワーのような土台部分には、どこかガウディを思わせる雰囲気があります。
ところが、この裏側の扉を見ると、印象は一気に変わります。これは、さすがにガウディではないでしょう。
少なくとも、先ほどまで感じていたガウディ的な造形とはまったく別物です。
誰がこの部分を作ったのかは分かりませんが、ここまで来ると「ガウディ作品」と一括りにしてしまうには、少し無理があることが分かります。
ロベルト博士のモニュメントは、正面から見るだけでなく、裏側や細部まで見ることで、どこまでが誰の仕事なのか分からない面白さが見えてきます。
下から上をもう一度見ると

下からモニュメント全体を見上げると、ロベルト博士の像を中心に、周囲の人物像が大きな流れを作っているのが分かります。
正面から見ると人物群像の迫力があり、下の土台部分にはガウディを思わせる有機的な造形も見られます。一方で、裏側に回ると、明らかにガウディらしさとは違う部分もあり、このモニュメントを単純に「ガウディ作品」と呼ぶには少し無理があります。
おそらく、ドメネク・イ・モンタネール、ジョゼップ・リモナ、そしてガウディ的な造形感覚が入り混じった、当時のバルセロナらしい記念碑と見るのが自然でしょう。
以上、まあこんな感じです。
まとめ&アドバイス
ロベルト博士のモニュメントで、ガウディが関わった可能性があるとすれば、湾曲した台座部分や、カリフラワーのようにも見える木のような造形部分でしょう。
ただし、どこまでがガウディの仕事なのかを示す明確な記録はなく、このモニュメント全体を「ガウディ作品」と呼ぶには少し無理があります。正直なところ、この作品にどれほどの観光的価値があるかと聞かれると、答えに困ります。
サグラダ・ファミリア、カサ・ミラ、カサ・バトリョ、グエル公園などを見た後で、さらにガウディ関連の作品を細かく追いたい方には、見に来る意味があるかもしれません。特に、ガウディ作品をできるだけ全部見て回りたいという方にとっては、少し面白い寄り道になるでしょう。
ただし、それ以外の方にとっては、わざわざ時間を取って訪れるほどの場所ではありません。
近くを通ったついでに、「ああ、これがガウディ作品と言われることもある、あの微妙なモニュメントか」と眺めるくらいで十分です。
結論としては、よほど時間に余裕のあるガウディ好き向けです。それ以外の方には、まあ、どうでもいいと言えばどうでもいいです。
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お勧め度:4点/20点 |
| 住所 | Pl.de Tetuan, s/n 【地図はこちら】 |
| URL | 無し |
| 最寄駅 | 地下鉄2 号線Tetuan(テトゥアン) 駅から徒歩1分 【地下鉄駅からの詳しい行き方徒歩】 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.06.22 |
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