
バルセロナ旧市街に隣接し、下町の雰囲気が残るサン・アントニ地区。
ここでは、その中心にあるサン・アントニ市場を紹介します。
目次
はじめに
サン・アントニ市場は、老朽化に伴い2009年から大規模な改修工事に入りました。
その間、市場は仮設テントで営業を続けていましたが、9年の歳月を経て、2018年5月にようやくリニューアルオープンしました。
リニューアルにあたって意識されたのが、ボケリア市場のような過度な観光地化を避けることです。
ボケリア市場では、観光客が大挙して訪れるようになったことで、地元の買い物客との間にさまざまな問題が生まれました。その反省もあり、サン・アントニ市場では、市場本来の地元密着型の役割を残す方向が模索されました。
そのため、現在のサン・アントニ市場は、きれいに整備されながらも、観光客向けに振り切りすぎていないのが特徴です。地元の人たちの買い物の場でありながら、旅行者にとってもバルセロナの日常を感じられる市場になっています。
アクセス
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| 地下鉄ならどこからでも大体5~15分程で着きます | |
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| サグラダファミリアから1本で | 市場へはSortida Urgell出口 |
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| 改札を越え右手へ進みます | 階段をそのまま前へ |
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| 地上に出ると.. | 赤い屋根の建物が市場 |
サン・アントニ市場の最寄り駅は、地下鉄L2号線、紫ラインの「Sant Antoni」駅です。
バルセロナ市内のど真ん中というわけではありませんが、駅を出るとすぐ目の前に市場があります。そのため、所要時間はほぼ地下鉄での移動時間だけと考えてよいでしょう。
市内の主な観光スポットからなら、地下鉄でおおよそ5〜15分ほどでアクセスできます。
駅に着いたら、出口はホームの前後にあります。市場へ行く場合は、「Sortida Urgell」と書かれた出口を目指します。
電車を降りてから市場までは、徒歩わずか2分ほど。行き方の分かりやすさという点では、バルセロナの市場の中でもかなり簡単な部類です。初めてのバルセロナでも、ほとんど迷わず着けるでしょう。
中は近代的
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| 改修後も外観は昔のままの姿 | |
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| 上から見ると十字 | 明るく清潔 |
サン・アントニ市場は、上から見ると十字型に広がるまるで大きな刑務所と見間違う建物です。
外観だけを見ると、少し無骨で、どこか公共施設のような印象もありますが、中に入ると雰囲気はまったく変わります。
改修工事では、歴史ある市場の外観をできるだけ残しながら、内部は現代的な市場として大きく生まれ変わりました。以前の市場を知っている人なら、ほとんど別物と感じるかもしれません。
市場の中へ足を踏み入れると、屋根から自然光が差し込み、明るく開放的な空間が広がっています。
通路も広く、店の配置も整っており、全体に清潔感があります。昔ながらの市場というより、デパートの食品売り場を思わせるほど、モダンで衛生的な雰囲気です。
外観には歴史を残し、中は現代的に整える。そのバランスが、リニューアル後のサン・アントニ市場の特徴と言えるでしょう。
衣類売り場
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| 四方に伸びた建物の中心が魚売り場と肉野菜の生鮮食品 | |
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| 地下鉄からの入り口 | 中には案内所もあり |
どこの市場もそうですが、サン・アントニ市場も建物の中心部には魚屋が並び、その周りに肉、野菜、果物などを扱う生鮮食品店が配置されています。
日本人観光客が多く訪れるボケリア市場、正式にはサン・ジョセップ市場との違いは、その周囲を取り囲むように衣類売り場が並んでいることです。
食品市場でありながら、衣類や日用品の店も入っているため、観光客向けに整えられた市場というより、地元の人たちの日常に近い市場という印象があります。
また、日曜日には建物の外側で古本やレコード、ポスター、古い雑誌などを扱う市も開かれます。食品市場とはまた違った雰囲気があり、本やレコードが好きな方には面白い場所です。
市場への入口は全部で8か所あります。地下鉄Sant Antoni駅から来た場合は、地図で見ると左下にあたる入口から入る形になります。
そこから中へ入り、20メートルほど進んだ左手にはインフォメーションがあります。初めて訪れる場合でも、駅から市場まで近く、内部の構造も比較的分かりやすい市場です。
充実の魚売り場
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| 以前に比べて、魚屋さんがずいぶんと増えました | |
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| 浜からあがりたて | 鱈の塩漬け |
市場内に数多くある店の中でも、いちばんの花形と言えるのが鮮魚売り場です。
スペインは魚介類をよく食べる国だけあって、売り場にはさまざまな魚や貝、エビ、イカなどが所狭しと並んでいます。
日本でもおなじみの魚を見かける一方で、こちらではよく食べられているものの、日本ではあまり見かけない魚介類もあります。
ただ眺めて歩くだけでも十分楽しめますが、行く前に魚の名前や種類を少し知っておくと、さらに興味深く見られると思います。
バルセロナの市場で売られている魚介類については、ボケリア市場、正式にはサン・ジョセップ市場の記事でも紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
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【サンジョセップ市場】★★★★☆ ランブラス通りにある、通称「ボケリア」と呼ばれる市場。 |
コアな専門店
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| 日本では到底お目に掛かれないコア専門店もあり | |
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| 日本に比べると安価 | トマト消費大国 |
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| 巨大な茄、ピーマン | 漬物と言えばこれ |
市場内には、季節の果物や野菜を扱う店も多く並んでいます。
中には日本ではあまり見かけない野菜や果物もあり、買わなくても眺めているだけで楽しめます。
また、サン・アントニ市場には、かなり専門性の高い店もあります。たとえば卵だけを扱う専門店など、日本人の感覚からすると「これだけで商売が成り立つのか」と思ってしまうような店もあります。
ただ、それだけ地元の人たちが普段から市場を使い、必要なものを専門店で買っているということでもあります。
こうした店をじっくり見て回ると、観光名所とは違う、バルセロナの日常の細かい部分が見えてきます。市場はただ買い物をする場所というより、地元の生活を観察できる場所でもあります。
お馴染み生ハム
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| スペイン人の食卓に欠かせないのがこれ生ハム | |
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| チーズも一緒に売って | 格安生ハムを売る店 |
スペインの市場でおなじみなのが、生ハム売り場です。
ハモン・イベリコやハモン・セラーノなど、さまざまな種類の生ハムが並び、薄くスライスされたものを少量から買うこともできます。
残念ながら、生ハムなどの肉製品は日本への持ち込みができません。そのため、お土産として持ち帰るのではなく、バルセロナ滞在中に楽しむのがおすすめです。
ホテルやアパートに戻って、チーズやパン、ワインと合わせれば、簡単な部屋飲みにもなります。市場で少し買って試してみるには、ちょうどよい食材です。
レストランとバル
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| テーブル席のあるバルはこの1軒のみ | |
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| カウンターだけの小さなバル | ハム屋の横で食べるスペース |
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| 狭いカウンター | ジューススタンドも |
バルセロナで一番人気の市場といえば、ボケリア市場、正式にはサン・ジョセップ市場です。
ボケリア市場では、目の前で新鮮なシーフードを調理してくれる市場内のバルが名物のひとつになっています。
それに比べると、サン・アントニ市場の飲食店はかなり控えめです。市場内にも飲食店はありますが、数は少なく、観光客が期待するような華やかな市場グルメを楽しむ場所とは少し違います。
また、ボケリア市場のように、歩きながら食べられるおつまみや、フルーツジュースのスタンドなどもほとんどありません。
その理由のひとつは、ボケリア市場の過度な観光地化への反省にあります。ボケリアでは観光客が増えすぎたことで、地元の買い物客が普通に買い物をしにくくなるという問題が起きました。
サン・アントニ市場では、そうした状況を避けるため、リニューアルオープンの際に市場本来の地元密着型の役割を重視しました。そのため、市場内の飲食店も数を絞り、観光客向けの食べ歩き市場にはしない方向が取られています。
その点では、サン・アントニ市場は「食べ歩きを楽しむ市場」というより、「地元の人が買い物をする市場」と考えた方がよいでしょう。
ただし、市場内でしっかり食べる場所が少ないからといって、周辺で食事に困るわけではありません。すぐ近くには、日本のガイドブックにも載っている「Bar Ramón」や「Market」、NHKでも紹介された立ち飲み系の店「La Bodega de Rafel」、さらに当サイトでおすすめしている「Sant Antoni Gloriós」などがあります。
市場見学のあとに食事をするなら、市場内で無理に探すより、周辺の店を利用する方がよいでしょう。
外側に並ぶ衣料品店
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| かわいい服を発見、これは幼稚園児の服 | |
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| お年寄りの方も元気に働いて | レトロな商品の収納箱が |
日本人が市場と聞いて思い浮かべるのは、魚、肉、野菜などの生鮮食品を売る店が並ぶ場所かもしれません。
ただ、バルセロナの市場では、生鮮食品だけでなく、衣料品を扱う店が入っていることも珍しくありません。
サン・アントニ市場でも、建物の外側を取り囲むように衣料品店が並んでいます。下着、靴下、普段着など、観光客向けというより、地元の人たちの日常に近い商品が中心です。
とはいえ、ZARAをはじめとするファストファッションが身近にある現在のバルセロナでは、市場で服を買う人は以前ほど多くありません。実際に見ていると、利用しているのは年配の方が中心という印象です。
このあたりも、サン・アントニ市場が観光客向けに作られた場所ではなく、今も地元の生活とつながっている市場だと感じさせる部分です。
人気の安売りスーパ
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| 地下にはドイツ系の格安スーパー”LIDER” | |
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| このエスカレーターで下へ | 入り口横に昔の城壁あと |
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| 独自ブランドを中心に様々 | 巨大な5リットル |
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| ワイン1本1ユーロ | メロンが大量に |
バルセロナの市場では、生鮮食品の店だけでなく、建物内にスーパーが併設されていることも珍しくありません。
サン・アントニ市場にも、ドイツ系の格安スーパー「Lidl」が入っています。
Lidlはヨーロッパ各地に展開しているディスカウント系スーパーで、独自ブランドの商品を中心に、比較的安く買い物ができます。
市場で魚や肉、野菜を買い、足りない日用品や飲み物、加工食品などをスーパーでまとめて買えるため、近所に住む地元の人たちにもよく利用されています。時間帯によっては、レジに行列ができていることもあります。
また、少し面白いのが、店の入口付近にバルセロナの旧市街を囲んでいた城壁の跡が保存されていることです。
買い物ついでに、中世のバルセロナの名残を見ることができるのも、サン・アントニ市場ならではの見どころです。
訪問記
まとめ&アドバイス
サン・アントニ市場は、バルセロナで一番有名なボケリア市場とは、かなり性格の違う市場です。
ボケリア市場は観光客向けの店や食べ歩きできる商品が多く、見た目にも華やかです。一方、サン・アントニ市場はそこまで観光化されておらず、今も地元の買い物客が日常的に利用する市場としての機能が残っています。
そのため、旅行者にとって分かりやすい派手さは、ボケリア市場ほどありません。市場内でシーフードを食べたり、ジュースを飲んだり、つまみ歩きを楽しむような場所を期待すると、少し物足りなく感じるでしょう。
ただ、その分、地元の人たちが魚、肉、野菜、果物、衣類、日用品を買いに来る、普通の市場らしい雰囲気を見ることができます。観光客向けに作られた市場ではなく、バルセロナの生活の中にある市場という印象です。
アクセスも悪くありません。市内中心部そのものではありませんが、地下鉄Sant Antoni駅を出てすぐの場所にあり、サグラダ・ファミリア周辺やカタルーニャ広場方面からも比較的簡単に行くことができます。
周辺には大きな観光名所があるわけではありませんが、サン・アントニ地区そのものは下町らしい雰囲気が残るエリアです。市場見学のあと、近くのバルやレストランで食事をする流れにすると、無理のない散策になります。
アドバイスとしては、食べ歩きや市場グルメを楽しみたい方には、やはりボケリア市場の方が分かりやすいでしょう。
一方で、観光地化しすぎた市場ではなく、今も地元の買い物客が通う市場を見てみたい方には、サン・アントニ市場はなかなか面白い場所です。
初めてのバルセロナで時間が限られている場合、必ず行くべき市場とまでは言いません。ただ、2回目以降の滞在や、ボケリア市場とは違うバルセロナの日常を見てみたい方には、立ち寄ってみる価値があります。
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お勧め度:★★★☆☆ (2.8) |
| 住所 | Carrer Comte d’Urgell, 1, 08011 Barcelona 【地図はこちら】 |
| URL | https://www.mercatdesantantoni.com/ |
| TEL | 934 26 35 21 |
| 営業時間 | 8:00-20:00(月-土曜日) |
| 最寄駅 | 地下鉄 L2 号線 San Antoni 駅(サンアントニ)駅から徒歩約1分 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.06.20 |
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