バルセロナから100Kmにある古城のホテル。中世を肌で感じれるそんな隠れスポットをここで紹介します。
はじめに
スペインには古城や修道院、貴族の館といった歴史ある建造物をホテルとして整備したパラドールという国営のホテルチェーンがスペインで全土で93ヶ所展開しています。
現在、もはや単なる宿泊施設ではなく泊まるための観光資源として機能し、そんな中でもこのカルドナのパラドールはバルセロナから北に約100km、2時間少しで行けることもあって日本人にも人気となっています。
さて、古城に宿泊と聞くと 「でも料金は高いんでしょう?」
と誰もが思いますが、バルセロナのホテルの料金で言うと中級レベルで1泊2人で120€ほど。
日本円にすると15,000円と非常にリーズナブルか価格設定で、またとない非日常体験が出来ます。
丘に建つ城塞
パラドールはカルドナの村の入り口から、丘の上にそびえ立つ古城に向かって石畳の坂を上ること約15分。
普段あまり歩かない生活をしている者にはかなりキツイですが。
途中、眼下に村や岩塩の鉱山などが見ながらのトレッキングと思えば楽しくなるかも。
建物
さて、この城塞はかってローマ人の砦の跡に9世紀アラゴンの軍司令官カルドナ侯ドン・ラモン・ホルクによって建てられ、その後増改築を加えながら代々カルドナ侯の居城として使われてきました。
その後、時代が進むにつれ要塞としての重要性も失せてしまい廃墟同然となってしまっていたものも、パラドールとして蘇らせ使っています。
さてこのお城を語る時に必ず出てくるのがこの話。
昔、この城主の娘と敵方であるイスラム教徒の王子が恋に堕ち、それを引き裂こうと娘を閉じ込めたのが、この城塞で一番高い建物で展望台にもなっているミニヨナの塔。
上は展望台になっておる360度の景色と、眼下にはカルドナの村が見下ろせ、特に夜は幻想的な光景が広がります。
客室
古城を改装したホテルは合計8つのフロアーからなり、部屋の数は全部で54部屋 。
その内訳はシングル2室, ツイン42室, ダブル2室, メゾネット2室, スイート3室客室と言う構成で、面白いのはスイートが一番下の階にあるという事。
尚、部屋は近年改装されていて、バルセロナの市内で普通に見かけるホテルと特に変わらず、その点では少し期待外れと言えなくもありません。
開かずの712号室
歴史ある建物には付き物と言うのでしょうか、ここにもあります出ます。
7階の廊下の奥にある712号室は奇妙な出来事が頻発することで有名で、夜中に勝手に蛇口が開いて水が流れたり誰もいるはずの無い部屋から人の気配や声がしたり。
更には、知らない間に家具が動いていたり現在はもう無いそうですが、いわゆるたポルターガイスト現象が過去に何度もあったそうです。
おお怖わ~
共有スペース
元のお城を利用したホテルだけあって、近代的な通常ホテルとは全く違う造りで旅慣れている人にも非常に興味深いはずです。
また、宿泊者と会うことも少なく落ち着いた空間を醸し出しています。
カフェテリア
このホテルで過ごし方としては特に春から秋の良い季節に古城の眼下に広が景色を眺めながら、時間を忘れてテラスでくつろぐのが最高でしょう。
レストラン
パラドールの入ったところにある中庭のパティオに、客室と共にレストランへの入り口があります。
雰囲気あるウエイティングスペースに、いかにもと言う岩壁を通り抜ける入口。
中はアーチの柱が並ぶ、中世の昔を彷彿させる落ち着いた雰囲気。
また、日本人旅行者にとっても堅苦しい雰囲気もなく、ゆっくり食事できます。
もちろん、ドレスコードなどの心配もいりません。
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【カルドナパラドールのレストラン】 バルセロナのグルメカリスマのジョランダがビシバシ切る食べ歩きブログ! |
フォトムービー
まとめ&アドバイス
フランスを中心にヨーロッパに数ある古城を利用したホテルの中でも、ベスト10にランクされたというこのパラドールは正に宿泊施設と言うより泊まること自体が観光でそれが最大の魅力と言って間違いありません。
バルセロナの市内観光でガウディ建築を見て回るのも良いですが、旅行の日程に余裕があれば滅多にでき無い体験は非常に興味深くお勧めです。
また、バルセロナのあの喧騒の街から来ると殆ど観光客の来ない静けな古城はまるで自分専用、独り占めしたような気分になり疲れた気持ちが癒されます。
と、ここまでお勧めポイントを書きましたが多少のマイナスポイントもあるのも事実で、バルセロナウォーカーだからこそそれにも言及しますと。
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まず、多くの方が勘違いされているのですが古城のホテルだからと言って、決して高級ホテルと言うようなものではありません。
それはこのカルドナに限らず他のパラドールにも言えますが、素晴らしいその箱(建物)に比べると色々な点で高級と言うには隙だらけと言うのが正直なところです。
既に泊まられた方で旅行経験の豊富な方ならお分かりだと思いますが、設備やサービスにイマイチ感が否めません。
例を挙げると、素朴さや人の好さは感じますが館内で働くスタッフは一流とは言い難く。
また、歴史ある古城にも関わらず廊下や客室壁を石膏ボードで覆っているのは実に味っ気ないですし、安っぽいドア、更に廊下の絨毯の選択なんかももこれまたイマイチ。
また部屋の調度品もよく見るとショボく、テレビに至っては量販店で1万円で売っているようなもの、それにも関わらずこれとばかりに天蓋付きベッドと言うのはちょっと感覚を疑います。
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これらは、国営として始まったパラドールの歴史、現在は株式会社組織になったと言ってもその100%をスペイン政府が持ち競争にさらされない日本で言うところのいわゆる親方日の丸経営。
更に、そこに働くのが地元採用の半公務員とくれば客が何を求めているかよく理解していないと言っても、それはしょうがないのかも知れません。
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と言う訳で、高級ホテルやそう言うものを求めるとがっかりしてしまうのがパラドールですが、日本円で1泊2人で1万5千円。
それで中世の古城に泊まれると考えれば非常にお得で、文句の付けるのは全くのお門違いです。
泊まられる方へのアドバイスとしては、パラドールとはいわゆる日本で言うところの 『かんぽの宿』そう思って頂くと非常にしっくり来るはずですしそう理解しご利用頂くのが日本人旅行者にとっても、当のパラドール側にとっても一番なわけで、これがミスマッチングが起きない最善の方法だと言えます。
他にアドバイスとしてはアメニティが少し貧弱で、歯ブラシ、スリッパはありませんので忘れず持参してください。
あと、レストランは地元食材を使った料理と謳っていますが、ただの田舎料理の範囲内。
かと言ってカルドナ村にこれと言ったレストランも無いので、特に夜の食事はここで良いと思います。
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最後に、丘の上にある坂を上るのは結構疲れますので、何度も下の村とを往復することが正直出来ませんので、一度下の村を見て回ると言っても2時間程で全部見れてしまうので、その後はパラドールでゆっくりと時間を過ごすのが利用方法としてはベスト。
もし、観光に来ているのにゆっくり過ごすなんて嫌だと言う人は残念ながらパラドールに泊まる意味に加え、全体の50%も楽しめないような気がします。
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色々と書きましたが、星4つでお勧めで機会があれば、是非貴重な体験をして見て下さい。
あと、これは広告になりますが、バルセロナからカルドナへ送迎サービスも弊社でおこなっています。また行きもしくは帰りの途中に、モンセラット観光を組み入れるという事も可能です。
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【厳選、お勧めオリジナルツアー】 ホテルまでの送迎がついているのでドアツードアで安心、そして楽ちんの欲張りツアー。 |
お勧め度:★★★★☆(4.0) |
名称 | Parador”Duques de Cardona” ★★★★ |
住所 | castell de cardona, s/n, 08261 Cardona, Barcelona 【地図はこちら】 |
URL | http://www.parador.es/es/paradores/parador-de-cardona |
Tel | 938 69 12 75 |
客室 / 内訳 | 54部屋 / シングル2室, ツイン42室, ダブル2室, メゾネット2室, スイート3室 |
チエックイン | 14:00 |
チエックアウト | 11:00 |
クレジットカード | American Express, Diners, VISA, JCB |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2022.11.01 |
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