
バルセロナから約100km。
中世の面影をそのまま残す古城に泊まれるホテル、それが パラドール・デ・カルドナ です。
ここでは、バルセロナから少し足を延ばして訪れたい、非日常感たっぷりの古城ホテルを紹介します。
目次
はじめに
スペインには、古城、修道院、貴族の館など、歴史ある建物をホテルとして整備した パラドール という宿泊施設があります。
単なるホテルというより、その建物に泊まること自体が旅の目的になる、スペインならではの観光資源です。
その中でも、カタルーニャ州にある パラドール・デ・カルドナ は、バルセロナから北へ約100km。車で2時間ほどの距離にあり、バルセロナから比較的行きやすい古城ホテルとして知られています。
古城ホテルと聞くと、「でも、料金は高いんでしょう?」と思うかもしれません。
ところが、時期にもよりますが、料金はバルセロナ市内の中級ホテルと同じくらい。2人1室で1泊150ユーロ前後から泊まれることもあり、内容を考えるとかなり魅力的な価格設定です。
中世の城に泊まるという、普段のホテル滞在では味わえない非日常体験ができます。
丘の上にそびえる城塞ホテル

パラドールは、カルドナの村の入口からさらに丘の上へ上った場所にあります。村から古城へは石畳の坂道を歩いて約15分。
普段あまり歩き慣れていない人には、なかなかきつい上り坂です。
ただし、途中で振り返ると、眼下にはカルドナの村や周辺の山並み、岩塩鉱山の風景が広がります。単なる移動と思うと少し大変ですが、古城へ向かう短いトレッキングだと思えば、それもまた旅の一部として楽しめます。
中世の城塞とミニョナの塔

カルドナ城の起源は古く、現在の城塞は9世紀に築かれたものとされています。その後、増改築を重ねながら、代々カルドナ領主の居城、そして軍事上の要塞として使われてきました。
カルドナ城は、中世のカタルーニャにおいて重要な役割を果たした城塞のひとつです。パラドール公式サイトでも、11世紀にわたる歴史の中で一度も落城しなかったという伝説を持つ城として紹介されています。
時代が進むにつれて要塞としての役割は薄れていきましたが、現在は歴史ある城の一部がパラドールとして整備され、宿泊施設として利用されています。
そして、この城を語るうえで欠かせないのが、ミニョナの塔 にまつわる伝説です。
昔、カルドナ城主の娘アダレスが、敵方であるイスラム教徒の王子アブダラと恋に落ちたと言われています。2人の関係を知った父親は娘を引き離すため、城で最も高い塔に彼女を閉じ込めました。それが、現在も城内に残るミニョナの塔です。パラドール公式ブログでも、この悲恋伝説はカルドナ城を代表する物語として紹介されています。
塔の上は展望台になっており、カルドナの村や周辺の山並みを360度見渡すことができます。特に夜は、眼下の村明かりと城の静けさが重なり、古城ホテルらしい幻想的な雰囲気を味わえます。
古城の雰囲気と現代的な客室

古城を改装したパラドール・デ・カルドナは、全部で8つのフロアに分かれており、客室数は54室あります。
客室の内訳は、シングル、ツイン、ダブル、メゾネット、スイートなど。面白いのは、スイートルームが建物の上層階ではなく、一番下の階にあることです。
部屋は近年改装されており、設備面ではバルセロナ市内の一般的なホテルと大きく変わりません。清潔で快適ではありますが、「古城の部屋に泊まる」というイメージを強く期待していると、客室そのものは少し普通に感じるかもしれません。
このホテルの魅力は、部屋の内装よりも、城塞の建物全体、廊下、塔、眺望、そして夜の静けさにあります。
開かずの712号室

歴史ある建物には、なぜか不思議な話が付きものです。そして、このパラドール・デ・カルドナにも、そんな噂があります。
それが、7階の廊下の奥にある 712号室。
この部屋では、夜中に誰も触っていないはずの蛇口から水が流れ出したり、誰もいないはずの室内から人の気配や声が聞こえたりしたと言われています。
また、家具の位置がいつの間にか変わっていた、いわゆるポルターガイスト現象のような出来事があったという話も残っています。
現在、その部屋が実際に使われているのかどうかは分かりませんが、古城ホテルらしい話としては、なかなか雰囲気があります。
おお、怖い。
……と言いたいところですが、こういう話も含めて楽しめるのが、古城ホテルの面白さかもしれません。
城内を歩く楽しみ

元の城を利用したホテルだけあって、館内の造りは一般的な近代ホテルとはまったく違います。廊下や階段、中庭、石造りの壁など、どこを歩いても古城ならではの雰囲気が感じられ、旅慣れた人にとっても興味深い空間です。
また、館内は比較的静かで、他の宿泊客と頻繁にすれ違うことも多くありません。観光地のホテルというより、城の中に滞在しているような落ち着いた時間を過ごせます。
テラスで過ごす時間

このホテルでの過ごし方としておすすめなのが、カフェテリアやテラスでゆっくり過ごすことです。
特に春から秋にかけての気候の良い季節は、古城の眼下に広がる景色を眺めながら、時間を忘れてくつろぐのが最高です。
観光であちこち動き回るのも良いですが、このパラドールでは、城の中で何もしない時間こそ贅沢に感じられます。
石造りのレストランで食事

パラドールの入口を入ると、中庭のパティオがあり、そこから客室やレストランへ向かう造りになっています。
レストランへ向かう途中には、雰囲気のある待合スペースがあり、さらに岩壁のような石造りの通路を抜けて店内へ入ります。このあたりから、普通のホテルのレストランとは違う空気が感じられます。
店内はアーチ状の柱が並び、中世の城内を思わせる落ち着いた雰囲気。古城ホテルに泊まっている実感を、食事の時間にも味わえます。
とはいえ、格式ばった堅苦しさはありません。日本人旅行者でも気後れするような雰囲気ではなく、ゆっくり食事を楽しめます。もちろん、特別なドレスコードを心配する必要もありません。
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【カルドナパラドールのレストラン】 バルセロナのグルメカリスマのジョランダがビシバシ切る食べ歩きブログ! |
フォトムービー
まとめ&アドバイス
ヨーロッパには、古城を利用したホテルがいくつもありますが、その中でもカルドナのパラドールは、古城ホテルとして高く評価されてきた施設のひとつです。
このホテルの魅力は、単なる宿泊施設というより、泊まること自体が観光になる という点にあります。
バルセロナ市内でガウディ建築を見て回るのももちろん良いですが、旅行の日程に余裕があれば、中世の古城に泊まるという体験はかなり興味深いものです。
特に、バルセロナの喧騒から離れてカルドナに来ると、その静けさが印象的です。観光客も多くなく、丘の上に建つ古城に滞在していると、まるで城を自分たちだけで独り占めしているような気分になります。
旅の途中で少し気持ちを休める場所としても、このパラドールはなかなか良い選択です。
ただし、ここで少し現実的な話もしておきます。多くの方が勘違いしやすいのですが、古城ホテルだからといって、いわゆる高級ホテルを想像すると少し違います。
これはカルドナに限らず、他のパラドールにも共通する部分ですが、建物そのものは素晴らしい一方で、設備やサービスは高級ホテルというより、どちらかと言えば素朴です。スタッフも親切ではありますが、一流ホテルのような洗練されたサービスを期待すると、少し物足りなく感じるかもしれません。
また、歴史ある古城でありながら、館内の一部に現代的な改装が入っているため、廊下や客室まわりに少し味気なさを感じる部分もあります。部屋のドア、絨毯、調度品、テレビなども、細かく見ていくと高級感があるとは言いにくいところがあります。
つまり、カルドナのパラドールは、高級ホテルとして泊まる場所ではなく、古城という建物全体を楽しむ場所 です。
部屋の設備やサービスを目的にするのではなく、城塞の雰囲気、塔からの眺め、静かな廊下、夜の空気、そして「本物の城に泊まっている」という体験を味わうホテルだと考えると、満足度はかなり高くなります。
分かりやすく言えば、パラドールは日本でいう高級外資系ホテルではありません。少し乱暴に言えば、歴史ある建物を利用したスペイン版の公共系宿泊施設のようなものです。
日本人に分かりやすく例えるなら、少し昔の 「かんぽの宿」 に近い感覚かもしれません。
建物は圧倒的に魅力的。ただし、サービスや設備は過度に期待しない。そう理解して泊まるのが、パラドールを楽しむ一番良い方法です。
また、アメニティはやや簡素です。歯ブラシやスリッパはありませんので、日本から旅行される方は忘れずに持参してください。
レストランについては、地元食材を使った料理を出していますが、内容としては素朴な田舎料理の範囲です。特別に美食を期待する場所ではありません。ただし、カルドナの村にこれといったレストランが多いわけでもないので、特に夜はパラドール内のレストランを利用するのが現実的です。
もうひとつ注意したいのが、立地です。パラドールは丘の上にあるため、村から上る坂道は意外と疲れます。何度も村とホテルを往復するのはあまり現実的ではありません。
カルドナの村自体は、ゆっくり見て回っても2時間ほどあれば十分です。その後は無理に動き回らず、パラドールの中でゆっくり過ごすのが、このホテルの正しい楽しみ方だと思います。
せっかく古城ホテルに泊まるなら、観光地を次々に回るのではなく、あえて何もしない時間を楽しむ。それができる人には、このパラドールはかなりおすすめできます。
逆に、「せっかく旅行に来たのだから、朝から晩まで動き回りたい」という方には、少し退屈に感じるかもしれません。パラドールの魅力の半分は、城の中で静かに過ごす時間にあります。総合的には、星4つでおすすめです。
高級ホテルとして期待するのではなく、中世の古城に泊まる貴重な体験 として考えれば、十分に価値があります。バルセロナから少し足を延ばして、普段とは違う時間を過ごしたい方には、面白い選択になるはずです。
送迎サービスについて
最後に、弊社のサービスについて少しご案内します。
バルセロナからカルドナのパラドールまでの送迎も承っています。
また、行きまたは帰りの途中に、モンセラット観光を組み合わせることも可能です。
個人では少し行きにくい場所ですので、効率よく訪れたい方には送迎利用も便利です。
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【厳選、お勧めオリジナルツアー】 ホテルまでの送迎がついているのでドアツードアで安心、そして楽ちんの欲張りツアー。 |
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お勧め度:★★★★☆(4.0) |
| 名称 | Parador”Duques de Cardona” ★★★★ |
| 住所 | castell de cardona, s/n, 08261 Cardona, Barcelona 【地図はこちら】 |
| URL | http://www.parador.es/es/paradores/parador-de-cardona |
| Tel | 938 69 12 75 |
| 客室 / 内訳 | 54部屋 / シングル2室, ツイン42室, ダブル2室, メゾネット2室, スイート3室 |
| チエックイン | 14:00 |
| チエックアウト | 11:00 |
| クレジットカード | American Express, Diners, VISA, JCB |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2026 .06.21 |
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