
概要
ペドラルベス修道院は、バルセロナ市の北西部、ペドラルベス地区にある歴史ある修道院です。
このあたりは、バルセロナでも屈指の高級住宅街として知られ、一軒家の邸宅や落ち着いた住宅が並ぶ静かなエリアです。旧市街やガウディ建築が集まる中心部とは違い、観光客で混み合う雰囲気はあまりありません。
その落ち着いたペドラルベス地区に建つのが、ペドラルベス修道院です。正式には、サンタ・マリア・デ・ペドラルベス王立修道院とも呼ばれ、1327年にアラゴン王ハイメ2世の支援を受け、王妃エリセンダ・デ・モンカダによって創設されました。
修道院は、クララ会の修道女たちのために建てられたもので、長いあいだ祈りと修道生活の場として使われてきました。建物はカタルーニャ・ゴシック様式を代表する修道院建築のひとつです。中でも特に印象的なのが、中庭を囲む美しい回廊です。
三層に重なるアーチが連続する回廊は、ペドラルベス修道院最大の見どころと言ってよいでしょう。華やかさで圧倒する建築ではありませんが、石造りの回廊と中庭がつくる静かな空間には、他の観光スポットとは違う落ち着きがあります。
現在は博物館として公開されており、修道女たちの暮らしを伝える部屋、礼拝堂、食堂、薬草園などを見学できます。かつてここで続けられていた修道生活の痕跡をたどりながら、中世バルセロナの宗教と王家の関わりを感じることができる場所です。
三層の美しい回廊

ペドラルベス修道院の中へ入ると、まず目に入るのが中庭を囲む美しい回廊です。
三層に重なる細いアーチが連続し、石造りでありながら重苦しさはあまり感じません。むしろ、均整の取れたアーチの並びによって、静かで落ち着いた空間がつくられています。
バルセロナ中心部の観光地とは違い、ここには人の流れに押されるような慌ただしさがありません。回廊を歩いていると、修道院ならではの静けさが感じられ、かつてここで修道女たちが祈りと日々の生活を送っていたことを自然に想像できます。
華やかさで圧倒する場所ではありませんが、この回廊には、長い時間を受け止めてきた建物だけが持つ落ち着きがあります。ペドラルベス修道院を訪れるなら、まずはこの中庭と回廊をゆっくり歩いてみるのがおすすめです。
回廊から見える修道女たちの暮らし

回廊を歩いていると、かつて修道女たちが使っていたさまざまな生活空間を見ることができます。
台所、食堂、貯蔵室、祈りのための部屋などが残されており、ここが単なる美しい建築ではなく、実際に人々が暮らしていた修道院であったことが分かります。
特に印象に残るのは、装飾の華やかさよりも、生活の質素さです。
王家によって創設された由緒ある修道院でありながら、そこでの日々は決して豪華なものではありませんでした。食事を取り、祈り、働き、沈黙の中で一日を過ごす。そうした修道女たちの暮らしが、建物の中に静かに残っています。
回廊の美しさだけを見ていると、つい建築そのものに目が向きます。しかし、その周囲にある部屋を見ていくと、この場所が長いあいだ祈りと共同生活の場だったことが、より具体的に感じられます。
中庭を見下ろす

2階の回廊に上がると、中庭を少し高い位置から見下ろすことができます。
下から見る回廊も美しいのですが、上から眺めると、三層に重なるアーチの構造や、中庭を囲む修道院全体の落ち着いた雰囲気がよりよく分かります。
中庭には大きく育った木々があり、この場所が長い時間をかけて少しずつ今の姿になってきたことを感じさせます。また、修道院内には小さな薬草園もあります。
かつて修道女たちは、ここで育てた植物を食事や薬草として利用していました。中世の修道院では、祈りの場であると同時に、食事、医療、日々の暮らしを自分たちで支える場でもありました。
華やかな観光施設というより、静かな生活の場だったことが、この中庭や薬草園を見るとよく分かります。ペドラルベス修道院を歩いていると、建物の美しさだけでなく、そこで何世代にもわたって続いてきた修道女たちの暮らしの時間が感じられます。
数百年を越えて残る井戸

中庭には、数百年の時を経て今も残る井戸があります。特別に大きなものではありませんが、回廊に囲まれた静かな中庭の中にあると、この場所が長いあいだ修道院として使われてきたことを実感させます。
井戸は、かつてここで暮らしていた修道女たちの日常に欠かせないものでした。祈りの場であると同時に、食事を作り、水を使い、日々の生活を続ける場所でもあったことが分かります。
ペドラルベス修道院を歩いていると、バルセロナ中心部の喧騒とはまったく違う時間が流れているように感じます。観光客で混み合う場所ではなく、声を落として歩きたくなるような静けさがあります。
華やかな装飾で強く印象を残す建物ではありませんが、この静けさこそが、ペドラルベス修道院の大きな魅力だと思います。中庭の井戸や回廊を眺めていると、数百年前から続いてきた祈りと生活の時間が、今も建物の中に静かに残っているように感じられます。
所蔵の美術品

回廊の2階部分には、修道院が所蔵する宗教画や美術品が展示されています。
展示されている作品は、華やかな美術館で見る絵画とは少し違い、修道院という場所と深く結びついたものです。
聖人、聖母マリア、キリストに関する宗教画や、かつての信仰生活に関わる品々を見ていると、この建物が単なる歴史的建築ではなく、長いあいだ祈りの場として使われてきたことが分かります。
時間に余裕があれば、回廊を歩くだけでなく、こうした展示もゆっくり見て回るとよいでしょう。
ただし、ここは大きな美術館のように作品数や迫力で見せる場所ではありません。修道院の空間の中で、静かに宗教美術を見る場所と考える方が自然です。
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お勧め度:10点/20点 |
| 住所 | Baixada del Monestir,9 【地図はこちら】 |
| URL | http://monestirpedralbes.bcn.cat/en/ |
| TEL | 32 56 34 34 |
| 開館時間 | 4~9月 火~金10:00~17:00 土10:00~19:00 日10:00~20:00 10~3月 火~金10:00~14:00 土日10:00~17:00 休館日:月曜、 1/1、5/1、6/24、12/25 ★お得情報:第一日曜日、その他の日曜15:00~は無料 |
| 料金 | 公式サイトにてご確認ください。 |
| 最寄駅 | 地下鉄3号線Maria Cristina(マリア・クリスティーナ) 駅から徒歩24分 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.06.20 |
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