スペインでのショッピングには日本の消費税にあたる付加価値税(VAT)が内税で含まれています。
ただし、旅行者の特権として所定の免税手続きをきちんとおこなえば最大13%が戻ってきます。
ここでは、わずらわしい手続きを誰でも間違いなく簡単にできるよう完全解説していきますので最後までお付き合いください。
目次
税率
大きなお買い物をした場合の13%は、結構な金額になりますので忘れずにしっかり手続してください。
尚、商品によって税率に差がありますので以下でご確認ください。
免税の条件
●EU加盟国以外に在住している者が免税加盟店で対象金額以上の買い物をした場合 | |
●16歳以上であること(日本の高校生以上) | |
●買ったものが未使用であること |
上記以外に、以下も条件になりますが普通に旅行で日本から来られた方は、条件全てを満たすので特に心配する必要はありません。
税関印受領期限: 購入日から3ヶ月以内
払戻申請期限: 購入日から4年以内
必要な税関印: スペイン、またはEU圏最終出国税関
手続きを行う税関(空港)
EU加盟国以外の航空会社を利用する場合 |
|
カタール航空にて ドーハ経由 |
→ バルセロナ空港で 手続き |
エミレーツ航空にて ドバイ経由 |
→ バルセロナ空港で 手続き |
トルコ航空にて イスタンブール経由 |
→ バルセロナ空港で 手続き |
スイス航空にて チューリッヒ経由 |
→ バルセロナ空港で 手続き |
アエロフロート航空にて モスクワ経由 |
→ バルセロナ空港で 手続き |
大韓、アシアナ航空で ソウル経由 |
→ バルセロナ空港で 手続き |
@
EU加盟国の航空会社を利用する場合 | |
フィンランド航空にて ヘルシンキ経由 |
→ ヘルシンキ空港で 手続き |
エールフランス航空にて パリ経由 |
→ パリ空港で 手続き |
英国航空にて ロンドン経由 |
→ ロンドン空港で 手続き |
ルフトハンザ航空にて フランクフルト経由 |
→ フランクフルト空港で 手続き |
KLMオランダ航空にて アムステルダム経由 |
→ アムステルダム空港で 手続き |
アリタリア航空にて ローマ経由 |
→ ローマ空港にて 手続き |
EU加盟国では、EUからの最終出国地の税関で手続きをします。
ヨーロッパの航空会社でバルセロナに来た場合は、基本的に乗り継ぎ地の空港にある税関で手続きをしなければなりません。
しかし、日本へ帰国の際に途中の乗り継ぎ空港での乗り継ぎ時間(3時間以内)が少ない場合は、例外的にバルセロナの空港での手続きが可能です。
実際のところ、上記EU圏内の航空会社の殆どはバルセロナで免税手続きが出来ます。
免税の手順
ここから、ショップでの購入から免税手続きの完了まで一連の流れを順を追って解説していきます。
ショップで書類作成
タックスフリーの加盟店で、その場で免税書類「リファンド・チェック」を作成してもらいますが注意としては以下。
※「タックスフリー」の表示を出していない店もあります。店員に確認しましょう。
※ 書類はこちらから言わないと作ってくれません。「タックスフリー プリーズ」と店員に声をかけてください。(日本人の棒読み片言英語で十分通じますので安心ください)
※ パスポートの提示が必要です。(市内の殆どの店はコピーでOK)
※・免税書類を発行する際、一部不慣れな店員が本来は客に渡すべきではない店舗控えの書類(黄色または薄い水色)を間違えて渡してしまうケースがあり、そのため払い戻しを受け取れないトラブルが報告されています。
免税書類を受け取る時に必ず、間違いないかご確認ください。
【コルテイングレス免税手続き解説】 日本人旅行者にとってのお土産もの探しの殿堂デパート、エルコルテイングレス.. |
用紙に必要事項を記入
書類(リファウンド用紙)の様式は店舗によってさまざまです。
上記のようにレシートのような紙だったり、B4サイズくらいの用紙だったり。でも、必要事項はどのフォームでもだいたい同じですのでご安心ください。
主な記入事項は以下、を全てローマ字で記入してください。
*書類によって使われている英単語は微妙に違ったりしますが意味は同じ。
*上記の還付金の受け取り方法の中でのお勧めは①と③です。
*上の氏名からE-メールアドレスまでを事前にローマ字でメモっておき、お店で免税書類を作ってもらう際に店員さんに見せる様にするとスムーズにいきますので、予め用意しておいて下さい。
*日本住所を英語での書き方が分からない方は、ここで日本語から英語へ自動変換できます。
【レシートの書類は要注意】
免税書類で特にレシート式になっているものは、記入するスペースが非常に小さくなっています。
特に16桁の番号を間違いなく書かなければならないクレジットカードの欄は要注意です。
オレンジ枠内が名前と住所の記入欄。赤枠内のクレジットカード記入欄は、極小スペース。
下手に大きく数字を書いてしまったり、ボールペンで書いて書き損じてしまうと、修正が効かない恐れがあります。な
ので書く前に下書きして、上手く記入欄に収まるか、数字の間違いはないかを確認してください。
また、最近では消せるボールペンが何種類も売られていますので、それで書くのがより安心。
住所は書き切れ無ければ、現金、カード返金を希望するのであれば、住所は適当でもOK問題ありません。
帰国当日に空港にて
帰国日当日の空港での免税手続きは、購入した商品を機内持ち込み手荷物にするか、スーツケースに入れ預け荷物にするかで大きく違います。
まず、ここでは最初に機内持ち込みを基本版として解説、そのあとスーツケースに免税品を入れる場合を変則版とし、2つのパターンをそれぞれ解説します。
機内持ち込み(基本版)
1.まずご自分の利用される航空会社のカウンターでチェックインします。
ここで大事なのは、買い物したものを見せるように言われことがあるので免税手続きを受ける商品は預けるスーツケースに入れてしまわないこと。
2.以下のものを持って、空港内のタックスフリー専用の窓口(24時管営業)に行きます。
●パスポート
●日本までの搭乗券
●すべて記入済みのリファンド・チェックとそのレシート
●購入した商品(未使用のもの)
3.税関オフイスの左横にあるDIVAの認証マシーンが置かれている部屋に入ります。
通常入り口には免税書類に不備は無いかを確認してくれるスタッフが常駐していますのでその指示に従って下さい。尚、早朝などスタッフがいない場合もありますが、簡単な手順なので問題ありません。
4.DIVAの認証マシーンの操作は既にの得た通り非常に簡単。
画面から日本語を選びその指示通りに操作します。基本はDIVAと書かれたお持ちの書類のバーコードを画面の20センチ程下にある読み込み機にかざすだけ。認証が下りたら、これで作業は終わり。
次は還付金を現金で受け取るか、クレジットカードへの返金かにより違って来ますが、詳しくはこの後の手順4で解説していきます。
【もし認証が下りなかった場合】
うまく読み取りができない場合は操作画面に赤色の×サインの表示が出て「書類の認証が出来ません。
消費税カンプカウンターに行って下さい。」と表示されるので、隣の有人窓口へ行き認証スタンプを受けます。
尚、免税書類への必要事項の記入は、できる限りホテルであらかじめ済ませておいて下さい。
もし記入漏れがある場合は免税オフィス前のこのテーブルで記入します。備え付けのボールペンが無いこともあるので、ご自分のペンを用意しておいてください。
*上記4.でDIVAの認証マシーンで認証が完結した場合は、パスポート、搭乗券、購入商品の提示はありませんが不認証の際に行く有人窓口ではそれらの提示が求められます。
*機械による自動認証は購入商品の額が多い場合は下りにくく、またそれ以外にもランダムに不認証が出るシステムになっているようです。
スーツケースに入れて預け荷物にする場合(変則版)
1.まず以下のものを持って空港内のタックスフリー専用の窓口(24時管営業)に行きます。
●パスポート
●日本までの搭乗券(e-チケットでも可)
●すべて記入済みのリファンド・チェックとそのレシート
●購入した商品(未使用のもの)
2.税関オフイスの左横にあるDIVAの認証マシーンが置かれている部屋に入ります。
通常入り口には免税書類に不備は無いかを確認してくれるスタッフが最近は常駐していますのでその指示に従って下さい。尚、早朝などスタッフがいない場合もあります。
4.DIVAの認証マシーンの操作は非常に簡単です。
画面から日本語を選びその指示通りに操作しますが、基本はDIVAと書かれたお持ちの書類のバーコードを画面の20センチ程下にある読み込み機にかざすだけ。認証が下りたら、これで作業は終わり。
次は、還付金を現金で受け取るか、クレジットカードへの返金かにより違って来ますが、詳しくはこの後の手順4で解説していきます。
【認証が下りなかった場合】
うまく読み取りができない場合は赤色の×サインの表示が出て「書類の認証が出来ません。消費税カンプカウンターに行って下さい。」と表示されるので、隣の有人窓口へ行き認証スタンプを受けます。
最後になりますが、免税書類に認証、もしくは認証スタンプを受けた後、スーツケースに購入した商品を入れます。
そして次に、ご自分の利用される航空会社のカウンターでチェックイン。
クレジットカードに返金を受ける方は荷物検査の前に、郵便ポストもしくはグローバルブルー専用ポストそれぞれに投函しておく必要があるので忘れずに。
【航空会社チエックインカウンターと免税オフイスの距離】
加盟アライアンス(航空連合)により免税オフィスまでの距離が大きく変わります。
一番近い免税オフィスの目の前にあるのがワンワールド、続いてスターアライアンス、そして一番遠い空港の端に位置するのがスカイチーム。
特にスカイチームは空港の端から端まで歩くことになるので、スーツケースに免税品を入れる予定の方はタクシーにイベリア航空(ワンワールド)のカウンター前に初めから降ろしてもらうと余計な距離を歩かなくて済みます。
返金受け取り方法
クレジットカードへ
自分のクレジットカードに円で返金してもらうお勧めの方法です。
免税で買い物した後に渡されるのは上記の3つ、左からレシート、免税書類(DIVAの文字入り)、投函用の封筒。
スタンプをもらったら、②DIVAの文字とバーコードが入ったリファンド・チェックを③所定の封筒に入れて、すぐそばにある郵便ポストに投函します。
①のレシートは購入の控えなので入れる必要は無くご自分の買い物の控えとして持っておいて下さい。
要はDIVAの文字とバーコードが入った紙がリファンド・チェックと覚えておいて下さい。
「グローバル・ブルーGlobal Blue」の場合は専用のBOXが、すぐ近くに設置されていますのでそちらに入れて下さい。
どちらも投函の際AMEX以外のVISA、MASTER、JCBは16ケタのカード番号が間違いなく記入してあるか確認。
また、この免税書類はTax Refund業務を提供するいくつかの会社(Global Blue, Global Exchange, Premier TaxFree, Travel Tax Freeなど)のいずれかのものとなりますが、どの会社を使うかはお店により異なるので、自分がどのTax Refund会社が発行した書類を持っているかを認識しておくことも投函の際は重要です。
*最近は免税書類の殆どが「グローバル・ブルーGlobal Blue」になっています。
現金で受け取る
グローバル・ブルーGlobal Blueの場合
「グローバル・ブルーGlobal Blue」のリファンドチエックの場合は、グローバル・ブルーの専用窓口で現金を受け取ることができます。
場所はバルセロナ空港の第1ターミナル内の荷物検査を受けてエスカレーターを下りたところに、グローバル・ブルーの窓口があります(下の地図参照)。
イギリスや中東経由で日本へ帰国される場合はバルセロナで出国手続きとなりその場合、パスポートコントロールを終えた先にあります。営業時間 :8:00 ~ 23:30 6:00 ~ 21:00 (バルセロナで出国手続きとなる場合)
グローバル・ブルーGlobal Blue以外の場合
「グローバル・ブルーGlobal Blue」以外のリファンドチエックの場合は、そのグローバル・ブルーの目の前、反対側に「グローバル・エクスチエンジGlobal Exchange」の窓口があり、そこで円の現金で還付されます。
営業時間: 5:30~00:00
あと3階の出発カウンターのフロアーにあるオフイスは24時間営業ですが、ここは時間が掛かるのでお勧めしません。
ちなみに、この免税会社の両替レートは非常に悪く、出来れば利用せずクレジットカードへの返金にする方がお得です。
【2つにオフィスの位置関係】
荷物検査を終えるエスカレーター’(左の青矢印)から下の出発ロービーに降りてきますが、その降りたすぐの所①に「グローバル・ブルーGlobal Blue」、そして②に「グローバル・エクスチエンジGlobal Exchange」があります。
バルサショップの注意事項
カンプノウスタジアムのバルサショップでの免税は、場合によって(店員による)その場で税金が返金されることがあります。
ただしこれは注意が必要で、重要なのはその場で受け取った免税書類を21日以内にバルセロナ空港から出国、その際に税関へ持っていきスタンプを受け、郵便ポストに投函する必要があります。
もし、それを忘れるとペナルティーが取られて、税金分を得するどころか、それ以上に損をしてしまいます。
左がスタジアムのバルサショップでもらうレシートですが、よく見ると下に注意書きが書いてあります。順に上から説明すると、①購入金額 ②免税額 ③手数料 ④手数料を取られた後の実際の免税額 ⑤21日以内に税関スタンプが必要 ⑥もし手続きを怠ると16.17€がカードから引き落とされ ⑦更にそれに8€の手数料が加算される。
一見、その場で免税のお金が却ってきて便利に思えますが、結局は空港の税関へ行ってスタンプをもらう必要があり何のメリットも無し。
更に悪いことには、もし空港税関でスタンプをもらい忘れると戻って来るはずの免税額8€の3倍にあたる24.17€(⑥+⑦)が理由の無いペナルティとして取られる仕組み。
いわゆる生命保険会社の契約書の極小文字の注意事項裏書と同じ「よく読まなかったアンタが悪い」方式で、一体誰が考えたのかと言う稀に見る悪質商法です。
その場でもらうか、後でもらうかを選べる場合は無用な手間とリスクを取らない意味からも、後でもらうを選択してください。
店員によっては返金した際に、もうこれで何もしなくてOKと言う人もいますが、必ず空港でDIVAの機械で認証を行って下さい。
【バルサ・ショップ】 市内の数あるバルサショップの中でも一番の品ぞろえを誇る… |
空港免税、解説動画
まとめ&アドバイス
買ったものを、免税手続きを済ませてからスーツケースに入れて預けたい。大きな荷物を持って飛行機の乗り継ぎをしたくないという場合は、チェックインの前にタックスフリーの窓口に先に行って、搭乗券の代わりにeチケットを見せてスタンプをもらうことも可能です。*スマホの画面提示でも問題ありません。
早朝の便、例えば朝6時発のような場合は空港には4時ごろには着きますが、スタンプをもらう税関のオフィスは24開いているので問題はありません。
ただし、現金で返金してもらう場合は「グローバル・ブルーGlobal Blue」、「グローバル・エクスチエンジGlobal Exchange」ともに7:00~の営業となるので受け取りができません、その場合はクレジットカードへの返金を選ぶようにしてください。
尚、現金の返金はユーロから円への両替レートが悲しいほど悪く(特にGlobal Exchange)、また時間帯によっては窓口に行列ができているので、よりシンプルなクレジットカードへの返金をお勧めします。
また、2017年より最低金額は廃止されいくらからでもOKになりましたが、お店によっては60ユーロ以上などと金額を設定している場合もあります。
ちなみに、いくらかでもOKといっても、あまり少額だと戻って来る金額も微々たるもので、その手続の手間と比べると割にあわないと言えなくありません。
@
あと、最近は以前に比べかなり少なくなりましたが爆買い観光客達の帰国便に重なると、免税書類を山のように持った彼らの手続きでタックスフリー窓口が混んで非常に時間がかかることもあります。
もし長蛇の列の最後尾で飛行機の出発に間に合わないと思った場合は、諦めて次の乗り継ぎ空港でするようにして下さい。
ただしその場合はスーツケースに入れることは不可、また乗り継ぎ時間が短い場合も不可、ドバイやドーハーなどのヨーロッパ以外の空港での乗り継ぎの際は不可となります。
<重要>
免税手続きがある方はチェックインに遅れないよう焦らないように、最低でも出発の2時間半もしくは3時間前に着くよう時間に余裕を持って空港に行くようにしましょう!
尚、免税手続きが不安の方は当バルセロナウォーカーの空港送迎サービスをご利用して頂ければ、弊社スタッフがホテルから空港までの送りと併せて、免税手続きも完全サポートしますのでよろしければご利用ください。
@
※バルセロナ空港第2ターミナルの免税手続きの場所については以下をご覧ください。 | |
【バルセロナ・エル・プラット空港、第2ターミナル免税手続きの場所】 LCCの発着するバルセロナ空港第2ターミナルの免税手続きの場所の解説です。クレジットカードの… |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2022.10.29 |
ピックアップ記事。
観光記事一覧
基本情報記事一覧
レストラン記事一覧
ショッピング記事一覧
エンターテイメント記事一覧
【サッカー情報】 バルサ。世界屈指の人気チームを中心に解説します。 |
【フラメンコ情報】 本場アンダルシアに負けず劣らずのレベルの高いフラメンコがここでも見れます。 |