バルセロナで犯罪被害多発のレンタカーについて、具体的な手口と対策をまとめました。

近年、バルセロナではレンタカー利用者を狙った盗難被害が相次いでいます。
財布だけでなく、パスポートやクレジットカード、スマートフォンなどが入ったバッグを、丸ごと盗まれるケースも少なくありません。
ここでは、レンタカー利用者が狙われやすい場所や代表的な手口を紹介し、被害を防ぐための注意点を解説します。
被害が続く「パンク盗」
レンタカーを狙った盗難で、特に注意したいのが「パンク盗」と呼ばれる手口です。
犯人が「タイヤがパンクしている」などと運転者に声をかけ、車を停めさせます。そして、運転者が車外へ出てタイヤを確認している間に、仲間が車内からバッグや貴重品を持ち去ります。
在バルセロナ日本国総領事館も、レンタカーへ荷物を積み込んでいる最中や、パンクを指摘されてタイヤを確認している隙に、座席に置いた貴重品を盗まれる事件について注意を呼びかけています。
また、走行中のレンタカーへバイクで近づき、身振りでパンクを知らせて停車させようとする手口もあります。親切に教えてくれているように見えますが、その場ですぐに車を停めるのは危険です。
総領事館へ届けられるのは、パスポートを盗まれたケースなど、被害が深刻な事例が中心です。そのため、公表されている件数だけでは、実際の被害全体を把握することはできません。
空港到着時

空港に到着してレンタカー会社のカウンターで手続きを済ませると、契約書類と車の鍵を渡されます。最近では省人化が進み、その後は利用者自身が指定された駐車場へ行き、案内された番号のスペースから車を受け取る方式が一般的です。
駐車場に係員がいる場合もありますが、基本的には利用者が自分で車を確認し、荷物を積み込んで出発します。常に係員や警備員が近くで見守っているわけではないため、この時間帯を狙った盗難にも注意が必要です。
よくあるのは、荷物を積み終えて出発しようとしたところへ、レンタカー会社の係員を装った人物が近づいてくる手口です。
「書類に不備がある」「車体の下から水やオイルが漏れている」などと言い、利用者を車外へ誘導したり、カウンターへ戻るよう促したりします。犯人が事前に車体の下へ水やオイルをまき、実際に故障しているように見せかけるケースもあります。
運転者が車の下を確認したり、突然のことで慌てたりしている隙に、別の仲間が助手席などに置かれたバッグを持ち去ります。また、駐車場の出口付近で、作業員のような服装をした人物が車を止め、「書類に問題がある」「車両に不具合がある」などと話しかけてくることもあります。
本物の係員のように見えても、その場ですぐに車外へ出たり、貴重品を車内へ残したまま対応したりしてはいけません。疑わしい場合は車を施錠し、レンタカー会社の正式なカウンターや連絡先へ自分で確認するのが安全です。
路上でのパンク盗

空港での被害が目立つようになっていますが、以前から繰り返されている代表的な手口が、路上でのパンク盗です。
犯人は2人乗りのバイクなどで、信号待ちをしている車の後方へ近づき、タイヤを傷つけます。運転者はすぐには気づかず、そのまま走り続けますが、数分後には走行できなくなり、路肩へ車を停めることになります。
運転者がタイヤを確認するために車外へ出ると、どこからともなく「大丈夫ですか」と親切を装った人物が近づいてきます。または、窓や車体をたたいてパンクを知らせ、ドアを開けさせようとすることもあります。
運転者の注意がタイヤや話しかけてきた人物へ向いている間に、仲間が助手席や後部座席から、貴重品の入ったバッグを持ち去ります。
このあと紹介する高速道路のサービスエリアでの盗難も、基本的な仕組みは同じです。まずタイヤをパンクさせて旅行者の動きを止め、そのうえで注意をそらして荷物を盗みます。被害に気づいても、車では追いかけられないようにした二段構えの手口です。
突然パンクを指摘されても、すぐに人気のない場所へ停車したり、貴重品を車内へ残したまま全員が車外へ出たりしないことが重要です。可能であれば、ガソリンスタンドや人目のある場所まで移動してから確認しましょう。
高速道路のサービスエリア

高速道路のサービスエリアやパーキングエリアでも、レンタカーを狙った盗難が発生しています。
犯人は駐車場で旅行者の車を待ち構え、ドライバーがレストランや売店、トイレへ行っている間にタイヤを傷つけます。その後、「タイヤがパンクしている」と親切を装って近づき、確認や修理を手伝うふりをします。
ドライバーの注意がタイヤへ向いている隙に、仲間が助手席や後部座席から、貴重品の入ったバッグを持ち去るという手口です。
上の動画のケースでは、旅行者が車内で休んでいる間に後輪をパンクさせられました。タイヤを確認するため車の後方へ回ったところ、その隙に仲間が車内から貴重品の入ったバッグを盗み去っています。
サービスエリアだから安全とは限りません。短時間でも車内にバッグを見える状態で置かず、車を離れるときは必ず貴重品を持って行くことが大切です。
車上荒らし

海外でレンタカーを利用する際、車内に荷物を残さないことは基本中の基本です。
それでも、「金目の物は入っていないから大丈夫」と考え、バッグや買い物袋を車内に置いたまま離れる人がいます。しかし、泥棒には外から中身まで分かりません。
むき出しのペットボトル1本程度ならともかく、たとえ中身が空であっても、バッグやリュック、ビニール袋などが見えれば、「何か価値のある物が入っているかもしれない」と判断されます。その中身を確かめるためだけに、窓ガラスを割られることもあります。
バルセロナのレンタカー会社の返却駐車場へ行くと、窓ガラスを割られた車を見かけることがあります。特に観光客の多い時期には、こうした被害は決して珍しいものではありません。
もちろん日本でも車上荒らしは起きますが、バルセロナでは「貴重品が入っていなければ大丈夫」ではなく、車内に何か置いてあるだけで狙われる可能性があると考えてください。
トランクの中も完全に安全とはいえません。荷物を積む場合は目的地へ到着してからではなく、出発前の人目のある場所で入れておき、駐車後にトランクを開けて荷物を隠すような動きは見せないことが大切です。
超重要
ここで改めて強調しておきたいのは、泥棒にはバッグの中身が見えないということです。たとえ空のバッグや、土産物しか入っていないビニール袋であっても、外から見れば貴重品が入っている可能性があります。犯人は中身を確かめるためだけに、窓ガラスをためらうことなく割ります。
つまり、「金目の物が入っていないから大丈夫」ではなく、「何か入っていそうな物を車内に見せない」ことが大切です。むき出しのペットボトル1本程度ならともかく、バッグ、リュック、紙袋、ビニール袋などは、たとえ中身が空でも車内に残さないようにしてください。
盗難対策

盗難対策の基本は、バルセロナ市内を歩くときや地下鉄を利用するときと同じです。車の中であっても、パスポートや現金などの貴重品を肌身離さず持つことが、最も確実な対策になります。
セーフティーポーチを利用するほか、バッグを肩からたすき掛けにして常に身につけておく方法もあります。ただし、一般的なバッグを膝の上に置いたまま運転すると、ハンドル操作の邪魔になり危険です。
そこでおすすめなのが、脇の下に収まる薄手のボディバッグです。Amazonなどで購入でき、かさばる物は入りませんが、パスポート、現金、クレジットカード、スマートフォンといった最低限の貴重品を入れるには十分です。
私自身、バルセロナに20年以上暮らし、車を運転する際にはこの方法を実践しています。体から離れないため、突然パンクを指摘されて車外へ出ることになっても、貴重品だけは持ったまま行動できます。
日本から来る方の中には、「そこまでする必要があるのか」と思う人もいるでしょう。しかし、実際の被害では、ほんのわずかな隙にパスポートや財布の入ったバッグを丸ごと持ち去られています。被害を防ぐには、車内だから安全だと考えず、貴重品だけは常に身につけておくことが大切です。
なお、バッグはシートベルトやハンドル操作を妨げない位置に着けてください。以下の動画も参考にしてください。
動画解説
まとめ&アドバイス
まず認識しておきたいのは、バルセロナでのレンタカー利用には、運転以外にも大きなリスクがあるということです。
旅行者は土地勘がなく、言葉も十分に通じないことが多いため、盗難やパンクなどのトラブルに遭った際の負担は非常に大きくなります。警察への届け出やレンタカー会社との連絡、パスポートの再発行などが重なれば、精神的にも時間的にもかなり厳しい状況になります。
そのため、バルセロナ市内の移動が中心なら、本当にレンタカーが必要なのかを最初に考えてください。それでも利用する場合、最も重要なのは、パスポート、現金、クレジットカード、スマートフォンの4点を、車内でも絶対に体から離さないことです。
一般的な海外旅行では、車を降りる際に貴重品を持ち出せば十分と思われがちです。しかし、バルセロナでは空港駐車場や路上で、乗車中や荷物を積み込んでいる最中に狙われることがあります。突然パンクを指摘されたり、係員を装った人物から話しかけられたりすれば、どれほど注意していても冷静に対処するのは簡単ではありません。
そこで、安全ポーチや、運転の邪魔にならない薄手のボディバッグを利用し、最低限の貴重品だけを常に身につけておくことをおすすめします。同乗者も、貴重品の入ったバッグを後部座席や床へ置かず、体から離さないようにしてください。
ただし、大きなバッグを膝の上へ置いたまま運転するのは危険です。ハンドルやシートベルト、エアバッグの働きを妨げないよう、貴重品は小型のポーチにまとめ、正しくシートベルトを着用してください。
走行中にパンクを指摘されても、すぐに人気のない路肩へ停車して全員が車外へ出るのは避けましょう。走行できる状態なら、ガソリンスタンドや料金所、人目のある場所まで移動してから確認します。知らない人物が助けを申し出ても、ドアを開けたままにせず、まず車を施錠して状況を確認することが大切です。
高速道路のサービスエリアでも注意は必要ですが、休憩を我慢して長時間運転を続けるのは、別の事故を招きます。利用する場合は、明るく人の多い場所へ停め、短時間でも車を施錠し、貴重品は必ず持って出てください。
街中では、できるだけ管理された有料駐車場を利用します。そして、バッグ、衣類、紙袋、ビニール袋など、どのような物であっても車内に見える状態で残さないでください。
また、目的地へ到着してからトランクへ荷物を移す行為も避けたほうが安全です。周囲で見ている人物に、トランクの中に荷物があることを知らせることになるからです。必要な物は出発前に取り出し、駐車後はできるだけトランクを開けないようにします。
パンクそのものを完全に防ぐ方法はありません。たとえ盗難を免れても、タイヤ交換やレッカーの手配で数時間を失い、その日の旅程が崩れる可能性があります。人気のない場所では、複数の犯人と向き合う状況になることも考えておかなければなりません。
レンタカーを借りる際は、運転に自信があっても、免責額のない補償を検討してください。第三者の保険会社へ後日請求する方式は、利用者が修理代などをいったん立て替えなければならない場合があります。少々割高でも、レンタカー会社が直接提供する補償のほうが、事故や車両損傷が起きた際の手続きは比較的分かりやすくなります。
補償内容には、窓ガラス、タイヤ、レッカー費用などが含まれない場合もあるため、契約前の確認が必要です。また、緊急時にレンタカー会社へ連絡できるよう、スマートフォンの充電と通信手段も確保しておきましょう。
以上の注意を守れば被害を減らすことはできます。しかし、絶対に安全になるわけではありません。
最後に、バルセロナで長年暮らしてきた私からの率直なアドバイスを一つ。
悪いことは言いません。市内で必要がないのなら、レンタカーの利用はやめておきましょう。
【被害に遭った武井壮さん】
荷物全部盗られたー!!!!
手ぶらで帰る!!!
オレの服誰か大切に着ろよ!高いんだから!!鞄も大事に使えよ!!
靴めちゃいいやつや!履き潰せよせめて!!!!
あと、KENZOも洋服とかお土産全部盗られたから誰か保護してあげて!! pic.twitter.com/PRBt8V8A1D— 武井壮 (@sosotakei) January 4, 2020
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「万が一被害に遭ってしまったら」 もしもの時に軽く一読しておいてください。
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる 場合もありますのでご了承ください。間違った情報、 また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら 情報共有いたしますのでサイト内の 「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れ バックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、 ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2026.07.18 |
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