行きつけのカフェテリアに行けば、いつも見知った顔がいる。
そんなカフェテリアは、スペイン人にとっての第二の自宅。
ある時は彼らのリビングとして、またある時は社交場を兼ねそなえています。
そこで飲まれているコーヒーは、スペイン語で言うとずばりそのまま「カフェ(Café)」と呼ばれ、日本と違う独特の飲み方注文の仕方があり、前もって知っておくと更に美味しさがアップ。
万事おおらかなスペイン人ですが、コーヒーに決して関して妥協しないそんなこだわりのコーヒー。
注文の仕方、飲み方、そして楽しみ方まで一挙ここでご紹介!
ミルクにこだわる
日本の喫茶店で飲むコーヒーは、「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」など豆の違いによって注文しますが、なぜかここスペインでは特に豆にこ拘る人はほとんどいません。
その代わりミルクの量にこだわり、それがそのままコーヒーの種類となります。
代表的なものを濃い順から挙げてみると左から、
①「カフェ・ソロ」…エスプレッソのこと。
これがスペインのコーヒーの基本形で最も濃厚で苦みを感じます。
②「カフェ・コルタード」…上記のカフェ・ソロに少しだけミルクを足します。
カフェテリアの中では一番飲まれいるコーヒーと言えるのがこれ。
③「カフェ・コン・レチェ」…カフェ・オーレのこと。
カフェ・ソロやコルタードに比べると大ぶりのカップで出てくる、コーヒーとミルクが半々くらい。
主に朝食で飲むことが多く、食事のあとに飲む人は皆無。
ちなみに、更にこだわるスペイン人は同じカフェ・コン・レチェでも、“ちょっとコーヒー少なめ”が好みなら「コルト・デ・カフェ」、逆に“ちょっとコーヒー多め”がよければ「ラルゴ・デ・カフェ」と細かくリクエストするのがスペイン流。
『カフェ・コン・レチェを一杯ください。』をスペイン語でいうとUn café con leche, por favor.(ウン カフェ・コン・レチェ ポルファボール)※Cafe con lecheの部分に「カフェ・コルタード」や「カフェ・ソロ」を入れてくださいね。 |
温度にこだわる
次にこだわるのは温度。
スペイン人は総じて猫舌が多いので、コーヒーに加えるミルクは常温の場合が多く、日本人は微妙にぬるいものが出てきてがっかりすることになります。
ただ、スペイン人の中にもぬるいコーヒーが嫌だと言う人もいて、そんな人はミルクの温度を以下の様に指定します。
・「レチェ・カリエンテ」… ミルクもスチームで沸かして熱々
・「レチェ・ナトゥラル」または、「レチェ・テンプラーダ」…ミルクは常温
日本人の場合はミルク入りのコーヒーを飲む時は、以下のように「カリエンテ!」と一言付け加え注文しましょう。
『カフェ・コン・レチェを一杯、ミルク熱々でお願いします!Un café con leche, leche caliente, por favor.(ウン カフェコンレチェ、レチェカリエンテ ポルファボール) |
カップにこだわる
スペイン人がこだわるのは、ミルクの量や温度だけではありません。
なんと、コーヒーを入れる器まであれこれ指図します。
日本人にしたら驚くことに昔はガラスのコップでコーヒーが出てきました。
最近は多くのカフェやバルが陶器のカップ& ソーサーでコーヒーを出すところがほとんどになってきましたが、スペイン人の中には『俺はコーヒーを飲むならガラスのコップじゃなきゃ嫌なんだよ』という人が未だに結構いるようです。
陶器のカップで出す店でも、そういう人にはちゃんとガラスのコップで対応してくれます。
オーダーするときに、「カフェ・コン・レチェ」のあとに「エン・バソ」 とつけると、ガラスのコップで出てきます。カリエンテの熱々を頼むときは、コップだと熱くて持てませんので注意しましょう
『カフェ・コン・レチェを一杯、グラスでください。』Un café con leche en vaso, por favor. (ウン カフェコンレチェ エンバソ ポルファボール) |
自分でアイスコーヒー
夏に街歩きに疲れたら、カフェのテラスで冷たいアイスコーヒーを一杯飲みたいところです。
ところが、スペインの普通のバルやカフェには作り置きの「アイスコーヒー」はありません。
なんと熱いコーヒーと一緒に氷(hielo:イエロ)を頼み自分で作るのです。
ウェイターがコーヒーと一緒に氷の入ったグラスを持ってくるので、このグラスに自分で熱い コーヒーを注いだらハイ出来上がり!アイスコーヒー用のガムシロップなどもちろんないので、熱いコーヒーにお好みで砂糖を溶かして から氷に入れるようにしましょう。
ところでガムシロップは元々は砂糖の溶けにくい冷たい飲み物用に開発されたそうですが、スペイン人はそれ以前にこの問題をスペイン流とんでも方法で解決していました
『カフェ・ソロと氷をください』Un café solo con hielo, por favor.(ウン カフェソロ コン イエロ ポルファボール) |
食後のコーヒー
スペイン人では食事の最後もコーヒーで締めくくります。
レストランでの食事の最後には必 ずウェイターが「カフェ?」と尋ねてきて、彼らの中ではセットになっています。
尚、食後に飲むのは普通カフェ・ソロやカフェ・コルタードのどちらかになります。
ちなみに、日本人の感覚で不思議なのは食後のデザート とコーヒーが一緒に出てこないこと。
甘いデザートを食べてから、最後にコーヒーで締めて食事を終えるのがスペイン流。
こんなカフェも
「カフェ・マンチャード」…ミルクたっぷりでコーヒーは少な目。
“マンチャード”とは“染みのついた”という意味で、ミルクに染みをつける程度のコーヒーを加えたものです。
日本で一般的に飲まれているようなブラックコーヒーは「カフェ・アメリカーノ」といいます。
またスペインには、カフェ・ソロにアルコールを加えた「カラヒーヨ」という飲み物があります。
ラムやブランデー、ウィスキーなどの好きなアルコールをいれてくれますが人気なのはアイリッシュ・クリームのリキュール、ベイリーズを入れたもの。
個人的には、コアントローを入れたオレンジ風味のカフェがお勧めですよ。
『ベイリーズのカラヒーヨを1杯お願いします。』Un Carajillo de Baileys, por favor.(ウン カラヒーヨ デ ベイリーズ、ポルファボール)※ベイリーズの部分をラムやブランデーに替えてオーダーすればOK。 |
家庭でエスプレッソ
スペインのコーヒーはエスプレッソを基本としていると既に述べましたが、家庭で飲むコーヒーもやはり同じ専用のコーヒーメーカーでいれます。
最近ではネスプレッソなどのコーヒーメーカを使う人も増えましたが、写真の昔ながらコーヒーメーカー通称MOKAと呼ばれるものでいれるのが一般的。
構造はねじ式になって真ん中で上下2つに割れ、その下の部分に水と挽いたコーヒー豆を入れて、コンロに掛けると水が沸騰。
圧力の掛かった蒸気がコーヒー豆を通り上部に出来上がりのコーヒが溜まるという仕組み。
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簡単に家庭でエスプレッソを楽しめるもので、2~3カップ用で20ユーロ程で売っています。
インテリアとしても良く、私の日本の友人も使っていますが買って帰って家庭で試してみてはどうでしょう。
ヨーロッパのカフェ気分が味わえますよ。
まとめ&アドバイス
イタリアと並ぶコーヒー大国スペイン。同じコーヒーでも嗜み方は日本とは驚くほど違います。
一番の違いは、コーヒーは全て専用のエスプレッソマシンでいれてしまうのがミソ。
ところで、私をはじめ長年こちらに住む日本人でスペインのコーヒーに慣れていると、日本へ帰ったときに感じるのが、日本のコーヒーが薄く感じてしまうこと。
確かに豆にこだわっているのかも知れませんが、結局は日本のコーヒーは香りは良くてもコクがありません。
みなさんもバルセロナでの街歩きに疲れたら、バルやカフェでちょっと一息。スペイン流のコーヒーブレイクを楽しんでみて下さい。
尚、コーヒー豆にこだわる人は以下のお店があり、お勧めします。
【Cafe Magnifico】 ボルン地区にあるコーヒーショップ。ここはコーヒー豆に拘りたい人にお勧め! |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2022.10.28 |
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