
ここでは、スペインを代表する高級磁器ブランド「リヤドロ(LLADRÓ)」を紹介します。
概要
リヤドロは、スペイン東部バレンシアで生まれた、質の高い磁器製品で知られるブランドです。
1950年代にリヤドロ三兄弟によって創設され、繊細で美しい磁器作品は、日本をはじめ世界中で高い評価を受けています。
今回は、バルセロナ中心部を走るグラシア通り沿い、地下鉄Diagonal駅近くにあるリヤドロの直営店を訪れました。
リヤドロというと、美しく精巧な磁器の人形シリーズを思い浮かべる方が多いかもしれません。
ところが、実際に店内を見てまず驚かされるのは、その作品の幅広さです。
定番の人形作品だけでなく、日本の雛人形をモチーフにしたもの、神話を題材にした大作、さらには古代文明、仏陀、ヒンドゥー教の神々など、さまざまな宗教や文化を題材にした作品まで並んでいます。
それらが単なる置物ではなく、美しい磁器彫刻として昇華されているところに、世界展開するブランドとしての懐の深さを感じます。
また、近年リヤドロが力を入れているのが、シャンデリア、鏡、テーブルウェアなど、モダンで洗練されたインテリア製品です。
伝統的な磁器人形のイメージとは少し違い、現代の住空間に合うデザイン性の高い作品も増えています。
店の顔とも言えるショーウインドウには、スペイン人アーティスト、ハイメ・アジョン(Jaime Hayon)がデザインしたオブジェも展示されており、道行く人の目を引いています。
リヤドロは、単なる高級土産ではなく、スペインのものづくりの技術と芸術性を感じられるブランドです。
グラシア通り周辺で少し上質な買い物をしたい方、スペインらしい美しい工芸品を見てみたい方には、一度のぞいてみる価値のある店と言えるでしょう。
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Jayme Hayonハイメ・アジョン 1974年マドリッド生まれ。家具、店舗、オブジェなど幅広いジャンルを手掛けるコンテンポラリー・アートデザイナー。 |
| フランスの高級クリスタルブランドのバカラを初め、日本では東京表参道のカンペール店のデザインを担当したことでも知られています。 | |
まるで美術館

リヤドロの店内に一歩入ると、外の喧騒とはまったく違う静かな空間が広がっています。
グラシア通り沿いのにぎやかな場所にありながら、店内は落ち着いていて、まるで小さな美術館のような雰囲気です。展示されている作品を一つ一つ見ていくと、磁器に対して抱きがちな「冷たい」「硬い」というイメージが少し変わってきます。
リヤドロの作品には、やわらかさ、愛らしさ、そして物語を感じさせる詩情があります。人物の表情、衣装のひだ、花びらや指先の細かな造形まで丁寧に作り込まれており、見ているうちに時間を忘れてしまうほどです。
中でも圧巻なのが、店内に展示されている大型の彫刻作品です。以前訪れた際には、2階のスペース中央に全長160cmにも及ぶ「ナイルの女王」という大作が展示されていました。
高い技術と、想像を超えるほどの手間をかけて作られた作品で、価格も日本円にして約二千万円という、まさに桁違いの一品でした。
もちろん、展示作品や価格は時期によって変わることがあります。それでも、こうした大作を間近で見られるのは、直営店ならではの楽しみです。
購入目的でなくても、スペインの職人技と芸術性を感じる場所として、ぜひ一度のぞいてみてください。
フラメンコ・コーナー
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リヤドロの店内でぜひ注目したいのが、スペインらしさをテーマにした作品が並ぶフラメンコ・コーナーです。
フラメンコダンサーをモチーフにした作品は、衣装の動きや表情まで細かく作り込まれており、まるで今にも踊り出しそうな躍動感があります。
磁器という素材でありながら、硬さや冷たさを感じさせず、むしろ体の動きや音楽のリズムまで伝わってくるようです。また、リヤドロで根強い人気があるのが、子供たちをモチーフにした作品です。
一人一人の表情がとても豊かで、あどけなさや可愛らしさが丁寧に表現されています。中でも、少女のダンサーをかたどった作品は印象的です。
小さな体で生き生きと踊る姿は、見ているだけでこちらまで楽しい気分にさせてくれます。フラメンコや子供をテーマにした作品は、リヤドロらしい繊細さと、スペインらしい華やかさの両方を感じられるコーナーです。
人気商品

観光客に特に人気があるのが、リヤドロのライトタンブラーです。白い磁器でできた小さなタンブラーに灯りを入れると、サグラダ・ファミリアや「BARCELONA」の文字がやわらかく浮かび上がります。
これは、リヤドロならではの透光性のある磁器を生かした作品です。ろうそくや小さなライトを入れると、白い磁器を通して光がやさしく広がり、昼間に見る時とはまた違った表情を見せてくれます。
リヤドロというと高価な磁器人形のイメージがありますが、こうした小物であれば、バルセロナ旅行の記念品としても選びやすいでしょう。軽くて持ち帰りやすいのも、旅行者にはうれしいポイントです。
サグラダ・ファミリアやバルセロナの文字が入ったものは、いかにも観光土産という感じになりすぎず、上品なインテリア小物として楽しめます。スペインらしい、少し質の良い記念品を探している方にはおすすめです。

リヤドロは日本にも直営店があるブランドですが、やはり本場スペインで購入する楽しさは格別です。
商品によっては日本で買うより割安に感じられるものもあり、さらに免税手続きを利用できれば、旅行者にとってはうれしい買い物になります。
ただし、リヤドロは陶磁器です。美しい反面、壊れやすい商品でもあるため、購入時にはしっかり梱包してもらいましょう。
店では箱入りで丁寧に梱包してくれるので、通常の持ち帰りであれば大きな心配はいりません。それでも、できれば預け荷物ではなく、機内持ち込み手荷物として持ち帰る方が安心です。
免税手続きの面でも、空港で商品確認を求められた場合にすぐ出せるため、機内持ち込みにしておく方がスムーズです。大きな作品を購入する場合は、日本への発送に対応してもらえることもあります。
送料や保険、到着までの日数は商品や時期によって変わるため、購入時に店で確認してください。店内では英語での対応が可能です。
また、タイミングによっては日本語で対応できるスタッフがいることもあります。
支払いはクレジットカードが利用でき、旅行者向けの免税手続きにも対応しています。高価な作品を購入する場合はもちろん、小さな記念品を選ぶ場合でも、梱包、免税、持ち帰り方法について遠慮せず店員さんに確認すると安心です。
緻密な制作工程
リヤドロの磁器作品の価値を支えているものの一つが、その非常に緻密な制作工程です。
完成した作品は丈夫ですが、制作途中の磁器はとても繊細です。少しの衝撃や扱いの違いで損傷してしまうこともあるため、各工程では細心の注意が払われます。
まさに、スペインのものづくりを極めた職人技と言えるでしょう。
まず作品づくりは、彫刻家によるデッサンから始まります。そこからクレイモデルが作られ、そのモデルをもとに作品の形が決められていきます。
一つの作品は、いくつものパーツに分けて制作されます。小さな作品でも十数個のパーツに分割され、大作になると300以上のパーツが必要になることもあります。
その後、それぞれのパーツごとに型を取り、陶土液を流し込んで成形します。成形されたパーツは一つ一つ組み立てられ、表面を丁寧に磨いて形を整えていきます。
次に行われるのが装飾です。型だけでは再現できない花や小物、細かな装飾部分は、職人の手作業で付け加えられます。リヤドロの作品に見られる繊細な花びらや、人物の衣装の細部などは、こうした手作業によって生み出されています。
その後、厳しく管理された環境で乾燥させ、絵付けを行います。色は数千種類にも及ぶ中から選ばれ、作品の雰囲気や表情に合わせて丁寧に施されます。
最後に釉薬をかけ、高温でじっくり焼成します。焼成は約1350℃の高温で、長時間かけて行われます。
この工程を経て、ようやくリヤドロ特有の透明感とやわらかな光沢を持つ磁器作品が完成します。
ただし、焼き上がれば終わりではありません。完成後も細かな部分まで厳しく品質検査され、基準を満たしたものだけが商品として店頭に並びます。
美しく見える一つの作品の裏側には、デザイン、成形、装飾、絵付け、焼成、検査という、気の遠くなるような工程があります。リヤドロの作品が単なる置物ではなく、芸術品として評価される理由は、まさにこの緻密な制作過程にあります。
こんな人もリヤドロのファン

工房で熱心に見入るマイケル
リヤドロの本社があるバレンシア近郊の工房では、制作工程を見学できるツアーが行われていることがあります。
そこでは、デッサン、成形、装飾、絵付け、焼成に至るまで、リヤドロ作品がどのように作られているのかを知ることができます。
実は、リヤドロは世界中にコレクターを持つブランドでもあります。中でも有名なのが、マイケル・ジャクソンさんです。
生前、リヤドロのファンとして知られ、本社工房を訪れたこともあったそうです。工房を熱心に見学する姿は、リヤドロの世界的な人気を物語るエピソードの一つと言えるでしょう。
また、彼をモチーフにしたリヤドロ作品もあり、単なる磁器ブランドにとどまらない、ポップカルチャーとのつながりも感じられます。
バルセロナ店だけでも十分楽しめますが、リヤドロの制作現場まで見てみたい方は、バレンシア方面を訪れる際に工房見学について調べてみるのもよいでしょう。

マイケルも待っていますよ
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お勧め度:14点/20点 |
| 住所 | Passeig de Gràcia, 101 【地図はこちら】 |
| URL | www.lladro.com/home.jhtml |
| Tel | 932 701 253 |
| 営業時間 | 月- 土: 10:00-20:30 日祝休 |
| 最寄駅 | 地下鉄3,5号線Diagonal駅から徒歩1分 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.07.03 |
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