
昔、バルセロナの中央駅として賑わい、今はひっそりと静かな時間が流れるフランサ駅を紹介します。
はじめに
フランサ駅は、19世紀に建てられたバルセロナの歴史ある駅です。かつてはバルセロナの中央駅として重要な役割を担い、長距離列車や国際列車が発着する、街の玄関口のひとつでした。
駅名の「フランサ」とは、地元カタルーニャ語でフランスを意味します。
その名前が示す通り、フランサ駅はもともと隣国フランス方面からの列車が到着する駅として、またカタルーニャ北東部へ向かう路線の起点として整備されました。
現在では、かつてのように多くの長距離列車が発着する駅ではなくなり、主に近郊線や一部の中距離列車が利用する駅となっています。
そのため、一般の旅行者が移動のために利用する機会はあまり多くありません。一方で、駅舎には古き良き時代の面影が色濃く残っており、サンツ駅のような実用本位のターミナル駅とは違う、落ち着いた美しさがあります。
現在のフランサ駅は、列車に乗るためだけの駅というより、バルセロナに残る美しい駅舎を見に行く場所と言ってもよいでしょう。
歴史を語る建物
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| かつては隣国フランスのパリへ、あのピカソもここら旅立って | |
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| 天井のドームがなんとも優雅 | 昔は駅の中に税関 |
フランサ駅は、建物そのものがバルセロナの鉄道の歴史を物語っています。かつては、ここから隣国フランスのパリへ向かう列車が発着していました。若き日のピカソも、この駅からパリへ旅立ったと言われています。
現在の駅舎は、1929年に開かれたバルセロナ万国博覧会に合わせて建て替えられたものです。
内部には、モデルニスモやアールデコの影響を感じさせる装飾が施され、天井の大きなドームや曲線を生かした空間には、今の駅にはない優雅さが残っています。また、かつては駅の中に税関もあり、フランス方面へ向かう国際列車の発着駅だった時代をしのばせます。
中央駅としての役割は、近代的なターミナル駅であるサンツ駅に譲りましたが、駅舎の美しさという点では、今でもバルセロナで最も美しい駅のひとつとされています。
サンツ駅が実用本位の現代的な駅だとすれば、フランサ駅は古き良き時代の空気を残す、バルセロナらしい駅と言えるでしょう。
中はひっそり静か

近代的で実用本位のサンツ駅とは対照的に、フランサ駅の構内にはひっそりと静かな空気が流れています。
かつては国際列車や長距離列車が発着し、多くの人で賑わっていた駅ですが、現在は利用者も少なく、駅全体にどこか時間が止まったような雰囲気があります。
高い天井、広いコンコース、曲線を描く屋根、そして人の少ないホーム。華やかだった時代の名残を感じさせながらも、今は静かにその役割を終えたように佇んでいます。
サンツ駅が「今のバルセロナの実用駅」だとすれば、フランサ駅は「昔のバルセロナの記憶が残る駅」と言えるでしょう。
列車に乗る予定がなくても、近くを通るなら少し中をのぞいてみる価値があります。
ホーム

フランサ駅のホームは、現在では近郊線や一部の中距離列車が発着する、静かな空間になっています。
かつては、ここからイタリアやスイス方面へ向かう夜行列車も運行されていました。国際列車が発着していた時代を思うと、現在のひっそりとしたホームには、どこか時代の移り変わりを感じます。
駅には複数のホームがあり、RENFEの列車が発着しています。
ただし、現在この駅を旅行者が移動のために利用する機会は多くありません。バルセロナ市内や近郊への移動であれば、サンツ駅やパセジ・ダ・グラシア駅、カタルーニャ広場駅などを利用する方が便利な場合がほとんどです。
フランサ駅のホームは、列車に乗るためというより、かつての国際駅の面影を感じる場所として見るとよいでしょう。
大きな屋根に覆われたホーム、ゆったりとした空間、そして人の少なさ。現在のサンツ駅にはない、静かな時間がここには残っています。
照明不要の駅

フランサ駅のホームに立つと、まず感じるのがその明るさです。これほど大きな駅でありながら、ホーム全体には自然光がたっぷりと降り注ぎます。
鉄とガラスで覆われた大きな屋根から光が入り、駅全体をやわらかく照らしているため、人工的な照明に頼らない開放感があります。
バルセロナ市内の駅で、これほど自然光を感じられる駅は多くありません。

また、ホームの端にあるイギリス製の車止めにも、かつての国際駅としての歴史を感じます。
現在では静かな駅になりましたが、細部を見ていくと、フランサ駅がかつて重要なターミナル駅だったことが伝わってきます。
どこもひっそり
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| レストラン | 駅前のタクシー乗り場 |
フランサ駅は、構内だけでなく、レストランや駅前のタクシー乗り場まで、どこかひっそりとした雰囲気があります。サンツ駅のように人が絶えず行き交う駅ではないため、駅全体にゆっくりとした時間が流れています。
駅構内にはレストラン&バルもあり、最近改装されてきれいになりました。観光の途中で少し休憩したり、近くを訪れた際にランチを取ったりするには悪くありません。
ランチタイムには定食メニューが用意されていることもあり、駅の中とは思えないほど落ち着いて過ごせます。
駅前にはタクシー乗り場もありますが、こちらもサンツ駅やカタルーニャ広場周辺のような慌ただしさはありません。なお、駅前のタクシー乗り場から乗車する場合は、通常のメーター料金に加えて駅発着の追加料金がかかります。追加料金は年によって変わるため、数ユーロ程度の目安として考えておくとよいでしょう。
フリーマーケット
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フランサ駅では、駅本来の機能とは別に、時々フリーマーケットなどのイベントが行われることがあります。
規模の大きな駅でありながら、現在は利用者がそれほど多くないため、広い構内を活かしたイベント会場として使われることがあるのです。
普段はひっそりと静かな駅ですが、フリーマーケットが開かれる日は、古い駅舎の雰囲気とイベントのにぎわいが重なり、いつもとは少し違った表情を見ることができます。
開催日は不定期のため、訪問目的で行く場合は、事前にイベント情報を確認しておくとよいでしょう。
最寄り地下鉄から
まとめ&アドバイス
フランサ駅は、一般の観光客が列車に乗るために利用する機会はほとんどない駅です。
現在のバルセロナの鉄道移動の中心はサンツ駅であり、AVEや長距離列車を利用する旅行者の多くも、まずサンツ駅を利用することになります。ただし、オンライン購入や自動券売機での購入が苦手な方にとって、フランサ駅は意外な穴場になることがあります。
というのも、フランサ駅には長距離列車のチケットを購入できる窓口があり、混雑するサンツ駅に比べて空いていることが多いからです。
夏から秋にかけての旅行シーズン中、サンツ駅のチケット売り場は非常に混み合い、長時間待たされることもあります。一方、フランサ駅の窓口は比較的空いていることが多く、タイミングが良ければ短い待ち時間でチケットを購入できます。
駅の正面入口を入って左側に、チケット窓口が並んでいます。手前側が近郊列車など当日券の窓口、奥側が長距離列車の前売りチケットを扱う窓口です。
窓口の右手には順番券を取る機械がありますので、まずそこで番号札を取り、自分の番号が呼ばれるのを待ちます。
スペイン国内の長距離列車、AVE、一部の国際列車などのチケット購入についても、この窓口で相談できます。ただし、列車の種類やチケット条件、窓口の営業時間は変更されることがあります。利用する場合は、当日の駅構内表示やRENFE公式サイトで最新情報を確認してください。
フランサ駅は、観光のためにわざわざ使う駅ではありませんが、サンツ駅の混雑を避けてチケットを購入したい時には、知っておくと役に立つ駅です。
| 住所 | Av. del Marquès de l’Argentera, s/n, 08003 Barcelona 【地図はこちら】 |
| URL | http://www.renfe.com/ |
| TEL | 902 32 03 20 |
| 窓口時間 | 8:00~20:55 (毎日) |
| 最寄駅 | L3 号線 Barceloneta (バルセロネータ)駅から徒歩約5分 |
記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2026.06.22 |
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