
日本人建築家による、バルセロナ・オリンピックの屋内競技場をここで紹介します。
概要
パラウ・サン・ジョルディは、1992年のバルセロナ・オリンピックに向けて建設され、1990年に完成した多目的屋内アリーナです。設計を担当したのは、日本を代表する建築家の一人、磯崎新です。約1万7,000人を収容できる大規模な施設で、オリンピック期間中には体操競技をはじめ、ハンドボールやバレーボールなどが開催されました。
オリンピック終了後も取り壊されることなく、現在まで現役の施設として使用されています。スポーツ大会だけでなく、世界的な人気歌手のコンサート、ショー、展示会などが開かれ、バルセロナを代表する大型イベント会場となっています。座席や内部設備を催しに合わせて変更できる、柔軟性の高い設計も特徴です。
屋根

建物のシンボルとなっているのが、モンジュイックの丘に大きく広がる曲面屋根です。
この屋根には、日本で考案されたパンタドーム構法が採用されました。巨大な屋根の骨組みを高所で組み立てるのではなく、まず地上に近い位置で構造体を組み上げ、その後、油圧ジャッキを使って徐々に持ち上げ、最終的なドーム形状に仕上げる工法です。
複雑で大規模な屋根を、比較的安全かつ効率的に施工できるのが利点で、完成当時は建築と土木技術を融合した画期的な試みとして注目されました。約4,000本の鋼管と500個ほどの接合部からなる立体的な骨組みが、大空間を覆っています。
屋根2

屋根の骨組みには金属製の立体トラスが使われていますが、その表面を覆っているのは、なんと陶器製の瓦です。近代的な金属構造と、地中海沿岸の伝統的な建築材料である瓦を組み合わせることで、巨大な競技場でありながら、周囲の景観になじむ柔らかな外観に仕上げられています。
世界水泳の舞台となった館内

2003年の世界水泳選手権では、このアリーナの床に50×25メートルの仮設プールが設置され、水泳競技の会場となりました。ここで北島康介選手は、男子100メートルと200メートル平泳ぎの両種目を世界新記録で制し、二冠を達成しました。
正面広場の《うつろひ》

建物正面の広場には、彫刻家・宮脇愛子による《うつろひ(Utsurohi)》が設置されています。
人工石の柱と、空中に張り巡らされた細いステンレスワイヤーによって構成された作品で、見る場所や光の当たり方によって表情が変化します。巨大な競技場の前に繊細な線を描き出し、重厚な建築との対照を生み出しています。
すぐ近くには、スペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバが設計したモンジュイック通信塔も立っています。磯崎新の低く大きく広がる屋根と、空へ伸びる白い塔を同時に眺められるのも、オリンピック地区ならではの見どころです。
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お勧め度:6点/20点 |
| 住所 | Paseo Olimpico, 5 【詳しい行き方 】 【地図はこちら】 |
| URL | 無し |
| 最寄駅 | 地下鉄3,1号線Plaza Espanya(プラサ・エスパーニャ) 駅からバス5分 |
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この記事を書いた人:カミムラ:生まれ京都府。1989年日本を離れバックパックをかついで海外へ。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパを旅し1997年よりバルセロナに在住。 記事最終更新 2026.07.12 |
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