
はじめに
「GUCCI」や「LOUIS VUITTON」など、世界的な高級ブランドの店が立ち並び、バルセロナの銀座とも呼ばれるグラシア通り。その大通りから横道へ少し入ったところにあるのが、ジュエリーショップのMAJORAL(マジョラル)です。
店内に並ぶのは、職人の手仕事から生まれた個性豊かなジュエリー。世界中で見かける有名ブランドの商品とは異なり、素材の表情を生かした造形と、どこか温かみを感じさせるデザインが魅力です。
ブランド名にもなっているジュエリー作家、エンリック・マジョラル(Enric Majoral)。日本ではまだあまり知られていませんが、スペインでは長年にわたり多くのファンを持つ作家です。
彼が創作の拠点としているのは、イビサ島の南に浮かぶフォルメンテラ島。美しい海と豊かな自然に囲まれたこの島で、作品を生み出し続けています。
自然の中で見つけた葉や石、海の生き物を思わせる形を取り入れた作品は、芸術的でありながら奇抜すぎず、実際に身に着ける人の体にすっとなじみます。眺めるだけの芸術品ではなく、日々の装いの中で楽しめる「身に着けるアート」。そこにマジョラルのジュエリーならではの魅力があります。
自然をモチーフ

地中海の自然からインスピレーションを得て生まれたジュエリー。海の生き物を思わせるものや、オリーブの樹から舞い落ちる葉をかたどったものなど、どこか私たち日本人の感性にも通じる、繊細で親しみやすい作品がそろっています。
自然の形をそのまま写し取るのではなく、見る人の想像力をかき立てるのもMAJORALの魅力です。身に着ける人の言葉にならない大切な思いを、ジュエリーがそっと代弁してくれるような、不思議な力さえ感じられます。
MAJORALの創設者であり、デザイナー、そして職人でもあるEnric Majoralは、島へ移り住んで以来、40年以上にわたってジュエリーを作り続けてきました。現在は息子のRocも工房に加わり、伝統を受け継ぎながら、これまでにない新しい作品を生み出しています。

作品にはシリーズごとにカタルーニャ語の名前が付けられています。ネックレス、ピアス、ブレスレットを組み合わせて一式でそろえることも、それぞれを単品で購入することもできます。
人気のジュエリー

ゆったりとした店内は、まるで小さなギャラリーのよう。シリーズごとに作品が展示されており、なかでも素焼きの円盤と、きらめくジュエリーを組み合わせたディスプレイが印象に残ります。
店で働くEvaさんに人気の商品を尋ねると、
「皆さん、それぞれのジュエリーにご自分の思いを重ね合わせていらっしゃるので、選ばれる作品も本当にさまざまです」
とのこと。それでも特に人気が高いのが、軽やかな花びらを幾重にも重ねたような「Xips」シリーズの銀製ブレスレットです。価格は税込み620ユーロで、店内でも人気No.1の商品だそうです。

また、現在Enricとともに創作活動を続けている息子、Roc Majoralによる「Marina」シリーズも人気を集めています。
水生植物をモチーフにした作品で、繊細な造形のなかに自然の美しさが表現されています。2015年には、ジュエリー界の「Couture賞」を受賞しました。
写真左の銀製ネックレスは390ユーロ、右のピアスは140ユーロです。
素材とブランドの姿勢

素材には、18金と銀純度925‰のスターリングシルバーが使われています。石はすべて天然石で、革や紐などにも天然素材を採用しています。
さらに特筆したいのが、素材の背景にまで目を向けるMAJORALの姿勢です。近年のコレクションでは、Fairmined認証を受けたゴールドとシルバーを使用。環境や人権に配慮するとともに、職人によるものづくりを次の世代へ受け継いでいくという理念を貫いています。こうしたブランドの姿勢も、多くの人から共感を集める理由の一つです。

Fairminedとは、小規模な手掘り鉱山において、労働者の安全や公正な労働環境、周辺地域への配慮など、一定の基準を満たして採掘された貴金属に与えられる認証です。ジュエリーの美しさだけでなく、その素材がどこから来たのかまで大切に考えられています。
刻まれる物語

「ひとつのジュエリーが生まれる背景には、必ず物語があります。そしてMAJORALのジュエリーが、身に着ける人の物語の一部になれたなら、本当にうれしいことです」
そう話すEvaさんは、さらに言葉を続けます。
「商品を先に考え、画一的に作られたものとは違います。私たちのジュエリーには、人や自然に対する思いが込められているのです」
店を訪れる人の約8割はスペイン人で、何度も足を運ぶリピーターも少なくありません。地元の人々から長く支持されていることは、作品の質の高さと、MAJORALが大切にしてきたものづくりへの姿勢を物語っています。
Evaさんは、観光でバルセロナを訪れる日本人にも、ぜひ地中海の自然から生まれたMAJORALのジュエリーに触れてほしいと話します。
自然の記憶と職人の思いが刻まれたひとつの作品が、やがて身に着ける人自身の物語へとつながっていきます。
まとめ&アドバイス
MAJORALのジュエリーは、単なるバルセロナ土産というよりも、地中海の自然や島の暮らし、そして職人の手仕事を小さな作品に閉じ込めたものです。流行を追った華やかさとは少し異なり、自然の形を生かした素朴さと、身に着けるほどに愛着が増していくような魅力があります。
一方で、作品によっては形が大きく個性的なものもあり、写真で見る印象と実際に身に着けた印象が大きく変わります。気になるものがあれば、遠慮せずにいくつか試着し、顔映りや重さ、普段の服との合わせやすさを確認するのがおすすめです。
また、作品にはそれぞれカタルーニャ語の名前と物語があります。形だけで選ぶのではなく、モチーフや制作の背景についてスタッフに尋ねてみると、自分に合った一品を見つけやすくなるでしょう。ネックレス、ピアス、ブレスレットを同じシリーズでそろえることもできますが、まずは一番気に入ったものを一つ選ぶだけでも十分です。
大量生産品にはない温かみと、地中海らしい静かな力強さを感じられるMAJORAL。少し特別な旅の記念や、大切な人への贈り物を探している人には、一度立ち寄ってみる価値のある店です。
※掲載価格は取材時のものです。現在の価格や在庫は店頭で確認してください。
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お勧め度:10点/20点 |
| 住所 | Carrer del Consell de Cent, 308 【地図はこちら】 |
| URL | http://www.majoral.com/ |
| Tel | 934 677 209 |
| 営業時間 | 月-土10:00-20:30 日祝休 |
| 最寄駅 | 地下鉄3号線Liceu駅から徒歩3分 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.07.13 |
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