
はじめに
ピカソ美術館と同じモンカダ通りにある「1748 Artesanía i Coses」。石造りの古い建物が並ぶ通りの中に溶け込んでいるため、注意して歩かないと、そのまま通り過ぎてしまいそうな小さなお店です。
店名に付けられた「1748」という数字は、この建物が建てられた年に由来するのだそうです。そう言われて入口をよく見ると、アーチ状になった石壁に、年月を重ねて薄くなった数字が彫られていました。
今から250年以上前に建てられた建物で、現在も店が営まれているというのは、古い建物が日常の中で使い続けられているバルセロナらしい光景です。重厚な石造りの入口をくぐると、外の賑やかな観光通りとは少し違う、落ち着いた空間が広がっています。
店内に並ぶのは、華やかさを前面に出した観光土産というより、昔から家庭で使われてきたような温かみのある陶器や手工芸品。ピカソ美術館のついでに少しのぞくだけでも、カタルーニャの暮らしと手仕事の一端を感じられるお店です。
目印はこのディスプレイ

歴史を感じさせる石造りの入口には、カタルーニャ語で「Càntir(カンティル)」と呼ばれる、注ぎ口の付いた水瓶が並べられています。素朴な形と温かみのある色合いが目を引き、この店を探すときの分かりやすい目印になっています。
Càntirは、かつて家庭や農作業の場で水を保存し、飲むために使われていたカタルーニャの伝統的な生活道具です。今では実用品というより、土地の暮らしや文化を伝える陶器として親しまれています。
現在、店舗として使われている場所は、もともとこの建物の正面玄関だったそうです。高いアーチと厚い石壁を眺めていると、昔はここを馬車が通り、入口のそばには馬がつながれていたのかもしれません。
この扉をくぐって、どのような服装の人々が出入りしていたのか。商人や職人、旅人、あるいはこの建物に暮らしていた家族なのか。今では確かめようもありませんが、店先に立って古い石壁を眺めていると、次々に想像が広がります。
陶器を見る前から、建物そのものがバルセロナの長い歴史を語りかけてくるようです。

石造りの入口から一歩足を踏み入れると、外から見た印象以上に、奥行きのある空間が広がっています。
太い木の梁が高い天井を支え、石壁と組み合わさった店内は、まるで中世の建物に迷い込んだような雰囲気。現在は陶器や工芸品を販売する店ですが、建物そのものにも一見の価値があります。
入口付近だけを見ると小さな店に思えますが、中へ進むと意外なほど奥が深く、天井も高いため、ちょっとした倉庫や工房のようにも見えます。壁や棚には、バルセロナをはじめ、カタルーニャ各地やスペイン国内から集められた陶器や手工芸品がぎっしりと並んでいます。
色鮮やかな皿やカップ、素朴な水差し、タイル、ガラス製品、アクセサリーなど、扱う商品の種類もさまざま。整然と並ぶ大型店とは違い、古い建物の中から宝物を探すような楽しさがあります。
商品を見るだけでなく、頭上の梁や石壁にも目を向けてみてください。店内を歩いていると、昔この空間がどのように使われ、どんな人たちが出入りしていたのか、また想像が膨らんできます。
商品は全て手作り

店内に並ぶ陶器は、どれも職人の手によって作られたもの。同じ種類の商品でも、絵柄の線や色の濃さ、釉薬の仕上がりなどに微妙な違いがあり、工業製品にはない温かみが感じられます。

棚には、色鮮やかな絵皿やボウル、カップ、水差し、保存容器などが所狭しと並びます。花や果物を描いた明るいもの、青と白を基調にした落ち着いたもの、昔の暮らしや人物を描いた装飾皿など、デザインも実にさまざまです。

なかでも目を引くのが、オリーブを食べるために作られた専用の皿。オリーブを盛る部分だけでなく、爪楊枝や食べ終わった種を入れるための小さなスペースまで付いています。日本ではあまり見かけない、いかにもスペインらしい実用品です。
オリーブ柄やレモン柄の小皿、手描きの絵が可愛らしいカップなどは、普段使いしやすく、お土産としても選びやすいでしょう。同じ商品でも一つずつ表情が異なるので、時間があれば何枚か見比べて、自分の気に入ったものを探してみてください。
陶器は割れやすく重さもありますが、小皿やカップなら比較的持ち帰りやすく、旅の思い出として長く使えます。購入時には、持ち帰り用にしっかり包んでもらうと安心です。
絵柄はインテリアとして楽しむ
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手のひらに収まるほどの小さな器も、この店で探してみたい商品の一つです。少し深さのある小鉢ですが、食器として使うだけではなく、絵柄そのものを楽しむインテリアとしても活躍します。
ヨットや魚、花、鳥など、描かれているモチーフは実にさまざま。色使いも一つずつ異なり、棚に並んでいる中から自分の好みに合ったものを探す楽しさがあります。複数の器を壁際や棚の上に並べれば、部屋の小さなアクセントにもなるでしょう。
玄関先で鍵や小銭を入れたり、寝室で指輪やピアスなどのアクセサリーを置いたりと、小物入れとして使うのもおすすめです。食器としての用途にこだわらなければ、旅先で買った陶器を日常のさまざまな場所で楽しめます。
小さく比較的持ち帰りやすいうえ、取材時の価格は5ユーロほど。気軽なお土産としてはもちろん、絵柄の違うものをいくつか選んで並べて飾るのも楽しいでしょう。
まとめ&アドバイス
店内に並ぶ陶器はすべて手作り。工業製品のように形や絵柄が完全にそろっているわけではありませんが、その微妙な違いにこそ職人の手仕事らしい味わいがあります。同じ商品でも色の濃さや筆の運びが少しずつ異なるので、何点か見比べながら気に入った一品を選ぶのも楽しみの一つです。
ただし、品ぞろえは全体的に色鮮やかな装飾陶器が中心です。素朴で落ち着いた日用品ばかりを探している方には、少し派手に感じられる商品もあるでしょう。その一方で、オリーブ皿や小鉢、絵皿など、日本ではあまり見かけないスペインらしい器が多く、旅の記念になるものを探すには向いています。
手作りの工芸品なので、価格だけを見れば一般的な土産物店より高く感じるものもあります。とはいえ、小さな器なら比較的手頃で、荷物にも入れやすいため、お土産として選びやすいでしょう。
最大の魅力は、ピカソ美術館から歩いてすぐという便利な立地です。美術館を見学したあとや、ボルン地区の街歩きの途中に、気軽に立ち寄れます。場所柄、外国人旅行者の来店も多く、店員さんは英語にも慣れているので、スペイン語が話せなくても買い物には困りません。
陶器は割れ物なので、購入する際は日本まで持ち帰ることを伝え、厚めに包んでもらうと安心です。スーツケースでは衣類の間に入れ、動かないようにして持ち帰りましょう。
大きな専門店のような圧倒的な品ぞろえではありませんが、古い建物の雰囲気を楽しみながら、手作りの陶器をゆっくり選べる店です。ピカソ美術館を訪れる予定がある方は、帰りに少しのぞいてみる価値があります。
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お勧め度:★★★★☆(3.8 ) |
| 住所 | Placeta de Montcada, 2 【地図はこちら】 |
| URL | 無し |
| Tel | 93 319 5413 |
| 営業時間 | 10:00〜20:30 年中無休 |
| 最寄駅 | 地下鉄4号線JaumeⅠ(ジャウマ・プリメ)駅から徒歩5分 |
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2027.07.13 |
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