
バルセロナ最大級の陶器ショップ、ART Escudellersを紹介します
はじめに
バルセロナでスペイン陶器を探すなら、まず名前を挙げたいのがART Escudellers(アート・エスクデジェルス)です。
商品の量と種類の豊富さでは、ほかの店を圧倒しています。地上階、地下一階、さらに中二階まで続く広い店内には、皿やカップ、壺、置物、壁飾りなど、色も形も異なる陶器が所狭しと並べられています。
店内に足を踏み入れると、まず目に入るのが入口近くに飾られた大型の作品。その大きさと色使いに圧倒され、単なるお土産店というより、陶器の展示館に入ったような気分になります。
落ち着いた色合いの食器から、いかにもスペインらしい鮮やかな絵付けの作品まで、商品の雰囲気もさまざま。自宅で普段使いできるものを探す人も、旅の記念になる一点物を探す人も、見て回るだけでかなり楽しめるでしょう。
陶器に特別な興味がない人でも、これだけの商品が一堂に並ぶ光景は一見の価値があります。バルセロナで「いかにもスペインらしいもの」を探したい方に、ぜひ一度のぞいてほしいショップです。
陶器から見えるスペインの歴史

壁一面に展示された、スペイン各地の装飾的な大皿。鮮やかな色や複雑な文様を眺めていると、一つひとつの作品の背景に、スペインが歩んできた歴史が透けて見えます。
スペインの陶芸を語るうえで欠かせないのが、イスラム文化の影響です。イスラム世界で発達した釉薬や装飾の技法は、中世のイベリア半島にも伝えられました。なかでも金属のような輝きを生み出すラスター彩は、13世紀ごろにはバレンシア地方へ広がり、その後マニセスなどで盛んに生産されるようになります。
そこで生まれたのが、イスラム的な幾何学文様や植物模様に、キリスト教世界の紋章やゴシック様式が重なった、スペイン独特の陶器です。15世紀には王侯貴族にも珍重され、スペイン国内だけでなく、ヨーロッパ各地へ輸出されました。
その後も、イタリア・ルネサンスをはじめ、時代ごとに周辺地域の様式や新しい技法を取り込みながら、スペイン陶芸は地方ごとに異なる表情を育てていきます。
イスラムとキリスト教、東方と西方、職人の技術と土地ごとの暮らし。異なる文化が消えることなく、幾層にも重なってきたのがスペインという国です。
ここに並ぶ陶器は、単なる色鮮やかな土産物ではありません。皿の文様や色使いをじっくり眺めると、その一枚の中に刻まれた、スペインの長い歴史と文化の奥深さを感じることができます。
壁を彩ったタイル装飾

こちらに並ぶのは、大きな壁面を飾るタイル絵の数々です。
現在では食器や置物の印象が強い陶芸ですが、かつては建物の壁や床を彩る装飾材としても、重要な役割を果たしていました。宮殿や教会、邸宅などに使われたタイルは、建築の一部であると同時に、空間そのものを華やかに見せる美術品でもありました。
店内には、幾何学模様や植物、動物、人物など、さまざまな絵柄のタイルが並んでいます。それぞれ一枚から購入できるため、大きな作品を買うのは難しい旅行者でも、気に入ったものだけを選んで持ち帰れるのが魅力です。
なかには、素朴な色合いと文様を再現した、15世紀のタイルの複製もあります。そのまま飾ってもよいですが、小さな額に入れるだけで、立派なアート作品に変身します。
軽くて比較的持ち帰りやすく、いかにも観光土産という感じもしません。スペイン陶芸の歴史を感じられる、少し気の利いたお土産になりそうです。
スペイン陶器の全て

店内では、スペイン各地の陶器が産地ごとに分けて陳列されています。色使いや絵柄、形、装飾の違いが一目で分かるため、売り場を歩くだけでも、地方ごとに異なるスペイン陶芸の特色を見比べることができます。
鮮やかな絵付けが目を引くアンダルシア地方の陶器、青や緑を基調としたもの、素朴な土の風合いを残したものなど、その表情は実にさまざま。同じスペインの陶器でも、産地によってこれほど違うのかと驚かされます。
スペインを周遊し、旅の最後がバルセロナという方なら、各地で無理に陶器を買い集めず、最後にここで見比べながら選ぶのも一つの方法です。豊富な品ぞろえの中から、旅の途中で訪れた地方のものを改めて探す楽しみもあります。

ただし、陶器は重く、割れやすいのが難点です。購入する際は、帰国便の荷物の重量と、スーツケースに安全に収納できるかを考えて選びましょう。小皿やタイルなど、比較的小さくて持ち帰りやすいものから探すのがおすすめです。
また、店内には陶器だけでなく、アクセサリーやガラス製品、置物なども充実しています。陶器を買う予定がない方でも、スペインらしい色使いやデザインのお土産を探しながら、十分に楽しめるショップです。
地元カタルーニャの陶器

もちろん、ここカタルーニャでも古くから陶器が作られています。
素朴な土の色を生かしたものや、日常使いできる温かみのある器など、その飾り気のない味わいも捨てがたいものがあります。一方で、バルセロナらしい少し大胆なデザインの作品も並んでいます。
なかでも目を引くのが、どこかピカソを思わせる人物や顔が描かれた飾り皿。鮮やかな色使いと自由な線が印象的で、芸術の街バルセロナらしい一品です。壁に飾れば、部屋の雰囲気を大きく変えてくれそうです。
そのほか、黄色と赤の縞模様で知られるカタルーニャの旗「サニェーラ」をデザインしたワイングラスなど、地元色の強い商品もあります。
いかにも観光土産というものから、普段の生活にも取り入れられる器まで種類はさまざま。バルセロナを訪れた記念に、カタルーニャらしい陶器や雑貨を探してみるのもよいでしょう。
お勧めはこれ

この店でお土産としておすすめしたいのが、アルファベットが描かれた陶器のタイルです。
タイルには大小のサイズがあり、大きいものでも一枚5ユーロほど。自分や家族のイニシャルを一枚だけ選んでもよいですし、何枚か組み合わせて名前や好きな言葉を作ることもできます。
さらに、アルファベットタイルを並べて収める専用の鉄製フレームも、一緒に販売されています。苗字や家の名前を組み合わせれば、スペインらしい色鮮やかなオリジナル表札の出来上がりです。
表札に限らず、「WELCOME」や「KITCHEN」など好きな言葉を作り、部屋の壁に飾るのもよいでしょう。自分で文字を選んで作るため、既製品にはない旅の記念になります。
陶器なので割れないように持ち帰る必要はありますが、大きな皿や壺に比べれば荷物にも入れやすく、価格も手頃。実用性とスペインらしさを兼ね備えた、この店ならではのお土産です。
まとめ&アドバイス
店内では英語も通じるため、スペイン語が話せなくても買い物にそれほど困ることはありません。公式サイトはスペイン語のみですが、オンラインショップの商品も充実しており、海外発送にも対応しています。
ただし、この店ならではの難点もあります。
まずは、商品の量がとにかく多いこと。地上階から地下、中二階まで陶器や雑貨がびっしりと並んでいるため、最初は圧倒されますが、じっくり見ていると次第に疲れてきます。探しているものが決まっている場合は、最初に店員さんへ売り場を尋ねた方が効率的です。
また、店員さんの対応は、少々そっけなく感じることがあります。日本のお店のような丁寧で親切な接客を期待すると、少し冷たく感じるかもしれません。
それでも、スペイン各地の陶器を一度に見比べられる店は、バルセロナでもそう多くありません。日常使いの小皿から大きな装飾皿、タイル、ガラス製品、アクセサリーまで、その品ぞろえは圧倒的です。
陶芸が好きな方はもちろん、スペインらしいお土産をじっくり探したい方にも、ぜひ一度足を運んでいただきたい価値のあるお店です。ただし、全部見ようとするとかなり疲れるので、時間と体力に余裕を持って訪れてください。
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お勧め度:★★★★☆(4.0) |
| 住所 | Carrer Escudellers 23 【地図はこちら】 |
| URL | http://artescudellers.com/index.php |
| Tel | 934126801 |
| 営業時間 | 11:00-23:00 年中無休(他店舗は異なります) |
| 最寄駅 | 地下鉄3号線Liceu(リセウ)駅から徒歩4分 |
この主店舗の他に、系列店が2店あります
| 記事は取材時点のものです。現在とは記事の内容が異なる場合もありますのでご了承ください。間違った情報、また有用新情報、分かり難い点や質問等ございましたら情報共有いたしますので、サイト内の「バルセロナ観光情報掲示板」に書き込んでください。 |
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@ | この記事を書いた人:アキモト 日本で社会人を経験後マドリッドへ大人の語学留学。海のあるバルセロナへ移住後、バルセロナウォーカーにて情報を発信しています。最終更新 2026.07.13 |
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