
ここでは、ダリ劇場美術館の外観と、隣接するガラ・ダリ広場の作品(オブジェを)を簡単に解説していきます。
目次
美術館外観(写真スポット)
建物、また美術館の屋上に置かれたオブジェや、壁に貼り付けてある無数のパン、それぞれ意味があります・
①ガラテアの塔

元は中世17世紀のフィゲラスの町を守っていた城壁の遺跡を含む家と塔(ゴルゴ塔)が、1983年に美術館の一部として組み込まれたものです。
また、その際にダリが妻ガラへの敬意としてガラテア(ガラの塔)と改名し、晩年ダリはこの中に暮らし1989年に84歳でここに亡くなります。
②パン(300個)

一見クロワッサンにも見えますがクロトンと呼ばれるこの地域のパンで、バルセロナには無い物です。ちなみにこのパンは「休ませて、こねて、休ませて、こねて、形を整えなければならない非常に手間暇かけ凝った作りなので、お金持ち向けのパンでした。
街の名士でもあったダリのお父さんが家に客を招いたときによく作らせたこともあり、ダリはこのパンに特にこだわりがありました。
ちなみに、美術館の壁にはなんと合計1300個のパンが貼り付けてあり現在、地元では通称「ダリのパン」とも呼ばれています。
尚、ダリは作品のみならす、頭にパンを乗せていろんな場所に登場するほどパンにこだわりを持っていました。

③卵 16個

ダリにとってタマゴは完璧性や誕生を表すモチーフでした。
また自分の内面の脆さを意識していたダリにとって、卵の殻の硬さも安心と自信を与えてくれた大切な要素でもありました。

自伝には「ガラと私は神聖な2個の卵のうちの1つから生まれた」と綴り、ガラと自分が一卵性双生児のように離れられない関係であること、そして卵への憧れを吐露しています。
ちなみに、美術館の上には合計16個の卵が乗っかっています。
④黄金のマネキン(多数)

美術館の上に並ぶアールヌーヴォー風の黄金マネキン。これは、いわゆるwelcome!ようこそ! と美術館への訪問者、私達を迎えてくれています。
ただ一説には、デ・キリコのマネキンからダリがインスピレーションを得たとも

⑤蠅の目の複眼ドーム

ダリは様々な動物が自然に持つ固有の形に魅了されていました。
その中には対数螺旋の形になる犀の角や正五角形の形を持つヒトデ、ウニの殻、桜の花びら、更にガラが亡くなった1年後に最後の絵として描いたカタストロフィー理論に基づく燕の尾。
ここでは昆虫の持つ複眼を構成する6角形に魅了され、美術館の屋根に複眼ドームを作りました。
ガラ、ダリ広場

美術館の横にあるガラ・ダリ広場にも、ダリ作品がいくつか並んでします。
ここで紹介していくと。
①テレビのオベリスク

テレビのオベリスクは、ドイツの芸術家ヴォルフ・フォステルの作品です。
1978年、ダリとフォステルは互いの美術館のために作品を交換することになり、フォステルはダリ劇場美術館のためにこの作品を制作しました。一方、ダリはフォステルの美術館のために《パルジファル》の構想を提供しました。
このほかにも館内には、当時ダリが評価していた前衛芸術家たちの作品が展示されています。
②テレビのある頭

巨大な人物の頭部にテレビを組み合わせた作品です。顔の下には卵が置かれ、その周囲には白い球状の装飾が並んでいます。
ダリは、人間の身体や日用品、機械など、本来は関係のないものを組み合わせることで、日常的な物を別のイメージへと変化させました

目の中をよく見ると、小さな人形が入っています。ここで驚いたり、思わず笑ってしまう人も多いのですが、実はこうした「人体の一部に別の人物やイメージを入れ込む」という発想は、ダリのほかの作品にも見られます。
一つのものを見ているはずなのに、近づいて見ると別の世界が現れる。こうした視覚的な仕掛けも、いかにもダリらしい表現の一つです。
③メソニエへのオマージュ(敬意)

メソニエは20世紀には「古臭い」と見られることもあった画家ですが、ダリはその緻密な写実技術を高く評価していました。
そして、その尊敬する画家の像を、なんと古いトラクターのタイヤを積み上げた柱の上に載せています。
敬意を示しながら、普通の記念碑にはしない。そんなところもダリらしく、思わず笑ってしまう作品です。
尚、メソニエの代表作はナポレオンを描いた以下「Campagne de France, 1814」

④水素原子

第二次世界大戦中、アメリカに滞在していたダリは、1945年の広島への原爆投下に大きな衝撃を受けます。
これをきっかけに原子や核物理学への関心を深め、その後の作品にも原子をモチーフとして取り入れるようになりました。
以下は《ビキニの3つのスフィンクス》という作品です。人の後頭部と原爆のキノコ雲という、まったく異なるものを重ね合わせ、一つのイメージに見せています。

⑤ニュートンへのオマージュ

ダリが尊敬していた物理学者アイザック・ニュートンに捧げた作品です。
お腹から吊り下げられた金属の球は、ニュートンの万有引力の発見で有名な「落ちるリンゴ」を表しています。
外観の自由見学はここまでです

このあとは一緒に美術館の中へ入り、館内をご案内します。
しばらく美術館前でお待ちください。


