
前回訪問した「Can Valles」も辺鄙な場所にありましたが、
今日のこの店は更に街外れの冴えない地区にぽつんと。

開店して50年以上と言う老舗は 歴史を感じるレトロのな店内。
ただ、見ての通りレストランと言うよりり場末のバルと言えなくもない。

天井にワイン樽が並んでいますが、それはまるでボデガ(立ち呑み系居酒屋)のノリ。

ちなみに壁にはバルセロナの老舗レストランでお決まりの、有名人の訪問写真の数々。

その一つを良く見ると、近年最も成功した監督の一人、現在は
FCバイエルン・ミュンヘンの監督でもある、あのグラデイオラ氏もここで食べた様です。
ところで、私の年齢がバレてしまいますが・・・ (笑
写真の右端の「白木みのる」に似たおじさんがレストランのオーナーさん です。

さてメニューを見てみると定番以外にも、これだけ今日のお勧めがあります。

頼まないでも出て来たパン・コン・トマテ。
現在の流行りの、あのパリパリ感たっぷりのパンを使っています。

これは、お通しのエンサラデイーヤルーサ(ロシアンサラダ)。
実に美味しい。 今まで食べた中でベストの一つと言って良いでしょう。

では、とりあえずこれらをツマミにして、早速ビールを一杯キュッ!
ムシャムシャ、ゴクゴク ムシャムシャ ゴクゴク・・・
それでは、ここから本番の料理に入ります・・

私が前菜に選んだのはこれ、ムルグラと茸OCAの卵のフリート。 19€
ちなみにOCAとはガチョウのことです。

ニワトリに比べて卵が大きい。

相方はタラのカルパッチョを前菜に選びました。 12€

鱈の上には流行りのマスの卵、こちらでは鱒のキャビアと呼ばれています。
ちなみに以前なら、こんなの気持ち悪い~
と言ってスペイン人は食べませんでしたが、時代は変わりましたね~。

カルパッチョの下にトマトが隠れていました。
老舗と言っても、ただのエスケシャーダにしないでちゃんと工夫しています。

ワインはリベラの赤。 30€
味は、まずまず。

相方のメインは、この店の定番料理のRape 25€

シンプルですが伝統料理とすれば上質。

私のメイン。
これもこの店の定番料理、牛テールと手長エビ 22€

海の幸山の幸と言うところでしょうか。
ところで気のせいか私にはこれ、なんだかガンダム系の戦車に見えるのですが・・・ (笑

デザートは二人でシェアしました。
マトと呼ばれるフレッシュチーズのムース。 7€

いつもの事なのですが、スペインのデザートなので・・
味は・・・ まあ、どうでもイイか (笑

〆はいつもの通りエスプレッソで終わり。 2€

2人で食べて
総額:128.00ユーロ
(ワイン赤1本、水1本、ビール2杯、カフェ2杯含む)

まず場所ですが、よくもこんな所に言う様な街外れの不便な所。
また低所得者層が住民の多数を占めるこの地区で、決して安く無いこの店が
どうして存在するのかが不思議です。
店の造りに関しては、歴史は感じますが小奇麗な場末のバルというところで
レストランとして見ると非常に物足りなさを感じます。、
ただその一方ではサービスに関しては老舗らしくそつが無く、プロフェッショナルで高レベル。
さて、いつもの様に料理についてざっと述べると・・
お通しのロシアンサラダは今まで食べてきた中でも一番と言える出来。
前菜のムルグラ茸とOCAの卵のフリートは、素材以外に全く印象に残らず。
鱈のカルパッチョは伝統料理がウリの店に関わらず工夫がみられて◎
メインのアンコウは、この手の料理としては悪くは無いですが、直球過ぎてつまらない。
もう一つのメイン、この店の定番名物料理の牛テールの煮込み。
煮込みの味は合格点ですが果たして、わざわざ手長海老の組み合わせる意味があるのか?
私には、その点が大いに疑問。
まとめると・・
伝統料理としては、素材もそうですが上質な物を提供しているとは思います。
ただし、場所と店の雰囲気、値段をトータルすると特にこの店に拘ら無くても
バルセロナには他にも選択の余地が幾つもあるのも事実。
私なら、街外れのここまでわざわざ来るぐらいなら「Casa Jordi」で充分。。でしょうか。
味わい:3.9 食材:4.3 技術:3.9 個性:3.7
雰囲気:3.6 ボリューム:3.9 コスト:3.0 サービス:4.2
満足度:64点
