以前は良く日本のガイドブックや旅行雑誌にも載っていたりしましたが
最近は殆ど聞かなくなったこの店。
「熱しやすく冷めやすい」
話題のレストランばかりを追ってしまうのは、マスコミの常でそれは販売上
しょうがないのかも知れませんが、お勧めとして掲載紹介するそれならそれで、
責任持ち継続して店を見て行かないとダメと思うのは私だけでしょうか?
さて、店に入ると中は小さめなのですがウナギの寝床の様に
奥にも席があり、その先にはテラス席もあります。
そのテラス時期的には快適なはすなのですが、なんと上に幼稚園(託児所)があり
平日のお昼は子供の声がとてもうるさい。
なので、今日は中で食べる事に。
まず、最初はビールを一杯。 3.30€
水(Vichy)は1リットル、追加注文しなくて良いのが嬉しいですが
値段はそこそこします。 4.80€
お通し1
バカラオ(タラ)の練り物が泡の下に
チップスは、近所のネパール料理店で出てくるのと同じ物でした。(笑
パンは3種類でどれも悪くない。2€×2
ケシの実たっぷりのパン。
お通し2
下はカボチャ上はアスパラそれぞれムース、その上の黒い物はトリフじゃなくて
ハワイでお馴染み溶岩塩。
お通しとしてはレベルは高い。
さて、ここから本番。
私が選んだ前菜フルーツのサラダ 22€
フルーツ以外にタコも入っています。
アーモンドと松の実のソースがかけて頂きます。
相方の前菜はエブロ川の河口で獲れた海老を使ったサラダ。
流行りの和の食材、しその葉も載っています。
ちなみに泡はココナッツでソースはカレー味。
いつもボトルで頼みますが、今日は大人しくワインはグラスで 4€
地元カタルーニャ州産のワインにしては珍しく葡萄はテンプラニーヨ。
相方のメインは、コチニージョ(子豚) をハーフポーションで 16€
付け合わせは梨のコンポート。
前回これを食べて感動しました。
まるでフライドチキンの様な感じで揚げたのかと思う外皮の食感なのですが
シエフに聞くと低温調理との事。
私のメインはちょっと地味にバカラオのカジョス。 15€
これもハーフポーションで注文。
ちなみにメニューには、亡くなられた後に店も消滅したあの伝説の三ツ星
「Can Fabes」のSanti Santamariaシエフ考案の料理だそうです。
カジョス、臓物系な訳ですが・・
これって、何なんでしょう?
コラーゲン質でしたが。
いつもの通り〆はカフェ 2.15€
とお茶菓子をつまんで
2人で食べて
総額:104.70ユーロ (ビール2杯、ワイン赤白それぞれ1杯、水1本、カフェ2杯含む)
サービスは、いつも見るベテランのおじさんと奥様が担当。
二人ともそつない動きで、注文付ける事は現時点で特に何もありません。
店の造りに関しては少し閉塞感を感じますが、まあそれなりに高級感も無いわけでは
ないので、これも良しとします。
さていつもの様に料理に付いてざっと述べると・・
お通し2品はどちらも悪くなく、美味しいパンもこれならお金を払う値打ちがあります。
前菜のフルーツのサラダは春らしく、アーモンドと松の実のソースも上品で高評価。
もう一つの海老のサラダは決して悪くはいのですが、ココナッツとカレー味のソース
それは流行りとは理解しますが、発想が単純過ぎて私的にはイマイチピンと来ません。
メインの子豚は他の店に無い食感で、興味のある方は一度は試す価値はあるかと。
もう一つはバカラオの臓物系煮物で地味ですが、焼いただけの魚料理が主流の
スペインにあっては、一ひねりした物で発想も面白い。
さてこの店、カテゴリー的にはミシュラン一つ星の下
と言っても、バルセロナのレストランの中でも星に最も近い位置にある店の一つ。
ところで星を狙っているシエフには、ギラギラとした貪欲さをよく感じますし
また、出している料理にもそれが見てとれるのですが・・・
この店は、それが感じられないところから見るとこれまで通りこの調子で
マイペースでやっていくんでしょう。
最後に・・
毎回料理はしっかりしたもので、決してガッカリする様な事も無く
その点はお勧め出来ます。
ただし、市内の中心からかなり外れた場所なので、
日本から来られた方で時間が無い方には、わざわざお勧めとはしません。
味わい:4.3 食材:4.2 技術:4.4 個性:4.1
雰囲気:4.0 ボリューム:4.3 コスト:3.8 サービス:4.3
満足度:72点