何年か前にこの店で非常に不快な思いをして二度と来まいと思ったのですが、罪を憎んで店を憎まず?・・リベンジです。
前回はここでは無く、変な狭い部屋に一見の外国人客ばかり詰められて食べさせられましたので、初めてこちらに座りました。
感想としては思ったより小さい、全て円卓ですが小さいテーブルが多くてそれは2人掛けにセッテイングされていましたので見たところは合計でも30人程度のキャパです。
窓際にはなんだか訳の分からない人形が多数。
オーナー夫婦の趣味なのでしょうか?
ところで、今日シエフの奥様とお話しして気が付いたのですが・「この声! あの時私の予約の電話を受けたおばはんだ!」
そう、あのオーバーブッキングした張本人です、やはりそうだったのか・・・。
我ながら良く憶えていると言うか、それほどあの時は腹がたったということですね。
さて、その話は終わりにして・料理です。
まずはお通し。
合計7品ありましたがこの中のフォアグラのロアワイヤル小さなカップに入っているのですが、これは絶品。
他のお通しもスナックも含めて非常にレベルが高くて私が今まで食べた中では最高のお通しと言って良いかもしれません。
評4.5/5
一口サイズでペロリなんですが、そのどれも悪くない。
出だしとしては、素晴らしい。
パンは3種類あって、今日はシリアルを選びました。
シエフはフランス人ですが、フレンチお決まりのバターと言う訳で無くスペインらしくオリーブオイルと塩。
パンのお味は普通ですがオリーブオイルはもう一つです。
サラダです。
本当に綺麗に盛りつけられていますね。
年のいったベテランのシエフですが、美的感覚は良いものを持っているということなんでしょうか。
ただ、食べてみると味自体は見た目に比べると普通。
野菜のソースも平凡ですし、一品一品があまり印象的が無く悪く言うとただ並べているだけで、見た目程にはありません。
ホタテとその上にはエビが乗っています。
ソースはフォアグラ。
またその上には天ぷらまで。
さて、食べてすぐに気になったのは火入れ。
しっかりを通り越して焼きすぎです、海老も同様で硬くてイマイチ。
但し、ファオグラのソースは美味しく今まで他の店で食べたソースの中でも抜けていると思います、火入れさえ良ければ・・残念。
評3.9/5
最近は、大したレストランでも無いのに盛り付け皿にソースで絵の様にデザインするのですが、中には呆れるのも多くて素人が描くミロの絵の出来そこないかと笑えるのも多いのですが私的には、こう言う感じのシンプルかつ渋いのが好きです。
さて、お味ですが・・うん!美味しい!
このレベルの肉料理はどこのレストランで食べれると言うものではありません。
トリフもこの料理にマッチして良い感じで、非常に気に入りました。
評価4.3/5
魚はロダバーヨ(だるまガレイ)です。
ここの料理はどれも盛り付けが綺麗ですね。
上にはエスパルデーニャス(ナマコの筋肉)とペルセベス(烏帽子貝)
なんかが乗っかって、野菜の中にはモヤシなんかも入っています。
さて、お味なのですが・・エスパルデーニャスが火の入れ過ぎで硬くて、美味しさを上手く引き出し切れていません。
肉ほどには評価できず点数は全体的に下がります。
評3.8/5
さて、話はそれましたが・・
口の直しのデザートですが・・・
あれ? 何だかおかしい。
こちらが正解。
サービスしてくれた女の子が逆に向けて皿を置いていったわけです。
なってないな~。
シャーベットです。
最近の流行は酸っぱい系が多いのですが昔ながらと言うか保守的な様な気も。
評3.3/5
メートルのお兄さんがデザートのカートを2台ごろごろ引いてきました。
バルセロナの星付きでは今時めずらしい、古典と言えますねこう言うの。
10種類程あった中から私はタルト・タティンを選びました。
盛り付けられて持って来られて・見ての通りいい感じに盛り付けされて、シエフの感性の良さが分かります。
ただ、味はいたって平凡。
評3.2/5
プチフールは、わりと普通。
確かにそれぞれ厳選したとは思うのですが、先日サンパウで食べたものに比べるとありきたりで、もう一工夫ほしいところ。
味見にそれぞれ半分だけ食べてあと残しました。
■一言メモ■
アラカルト派の私ですが今日はデグスタシオンのコース。
理由は前回ひどい目に遭って怒りのあまり料理を殆ど憶えていません。
今回はそのリベンジ、前回はコースだったのであえて同じコースにしました。
ある意味時計の針をあの時に戻して最初からもう一度やり直しです。
また、良く私がお勧めしているレストラン「Lsarte」についての質問でコース料理についての感想を受けるのですが、実際は食べていないので質問に答えきれなく、コースも知っておいた方が良いと思い今回はあえてそうしたと言うのもあります。
さて、私の中では気に入らないレストラン・ランキングの見事トップに位置するこの店ですが今日は、過去は忘れて謙虚に評価してみたいと思います・・。
まず、料理については正直悪くありません。
フォアグラを使った料理はさすがシエフがフランス人、本場の向こうで修行しただけあって特筆すべき物があります。
特に、アミューズの一品フォアグラのロワヤル、前菜のホタテのソースあとそれ以外には肉もかなり満足のいくものでした。
ただ、気になったは全体的に火が入りすぎで素材のおいしさが生かしきれていません。
最近は日本食ブームで殆ど生もしくは半生と言う調理が多くてその中にはイマイチな物がかなりあるのですが、とは言ってもここまで火入れしているのは時代遅れです。
デザートも盛りつけは良いのですが結局はカートに入った作り置き。
これも昔ながらで、そう言う点では今のスペインの料理界の大きな流れに付いて言っていない、もしくはあえて付いて行かないと言うポリーシーなのかも知れませんが、現在のダイナミックな流れのスペイン料理界にあって保守的。
あと一点言い忘れましたが、盛り付けに関して最近流行の奇を狙う様な事もせず大人しいながらセンスの良さを感じさせ好感が持てます。
今日は、ワインをグラスで頼みましたが私が家飲みする時に買ってくるどこにである様な1本5ユーロ程の物でイマイチ。
一杯6.5ユーロ取るならもう少し違う選択は無い物でしょうか?
私に選ばせれば、もっと良いのを選んであげれます(笑
あと、サービスはバルセロナでは最初にミシュランの星が付いた老舗なのにスタッフは若い人ばかりでプロと呼ぶにはまだまだ。
ただ、スペインでは星付きレストランのサービスレベルが低いので文句を言うレベルではありませんが・・・。
ちなみに今日のコースが75ユーロそれにCAVAとワイン白赤それぞれ一杯あとそれに諸々付いて一人116ユーロ。
値段はまあ、こんなものでしょう。
総評として・・
料理は確かに一つ星の実力は十分あります。
ただ、全体的に今の時代の流れに付いて行っていないのでその点が私には満足感に欠けます。
面白い話に、ここバルセロナ地元グルメの間では「ネイチエラー」と言う言葉があるそうなのですが・・宗教みたいですね(笑
このレストラン「ネイチエル」の絶大なファン達と言う意味らしいですがその人達が新しい物じゃない、昔からの物を求めているからある意味ニーズに合わせてそうなっているのかも知れません。
私的に、少し古いと言っては失礼ですが、古典的な料理を食べるなら間違いなくお勧めできる店と言って間違いありません。
そう言う意味では、次回アラカルトでピンポイントにこの店の定番料理を味わってみたいと思います。
評価75点
但し週末の予約は注意が必要です。
オーバーブッキングの悪癖は未だに健在と地元のグルメブローガーから確認済みなので行くなら平日が無難です不快な思いをしたくなければ。