今日やって来たのは、あの「エルブジ」のフェランアドリア氏が弟アルベルト氏を使って展開しているレストランの中の一店です。
ちなみに道を渡った前にはお馴染み、現在バルセロナで一番予約取れない店と言われるレストラン「Tikets」、これが言うなれば本店。
ところでフェラン氏、エルブジ引退後は高級シーフードレストランの「Rias Garicia」のオーナー一族と組み、中心街から遠い市の外れとも言えるこの地区で現在多店舗展開中。
その内容はと言うと、エルブジの遺産料理に手を変え品を変え、更に最近ではペール料理やメキシコといったものまで加えると言う、なんでもありのイケイケ世界。
前置きが長くなりましたが、店の中はこんな感じ。
Bodega(ボデガ)と言うだけあって、天井が低くレストランの様な快適さには程遠い。
ちなみに天井の梁には、来店著名人のポラロイド写真が貼られていてそれは、旧「Inopia」と全く同じ手法。
ところで今日の客層は、地元半分観光客半分といったところでしょうか。
面白いのは注文する物が違って地元は安い料理、外人は値段を気にせず。
ちなみに私はその中間 (笑
私の座った店の奥から入口を見るとこんな感じで、いわゆるうなぎの寝床。
さて、ボデガと言うだけあって、メニューはシンプルですが品数は結構あります。
ワインは赤で大体20€台で、エルブジ絡みの話題店の割にはそんなに高くは無い。
では、今日もいつもの様に始めることにします。
さて最初に、これまたいつもの真っ昼間から一杯、キュッ!
ビールとCAVAそれぞれ 2.10€ 5€
真空パックされた物を、おねえさんがハサミでチョキチョキ切ってくれ
魚には始めから切れ目が入っていましたが、骨と身を目の前で分けると言う凝った演出。
12€とは結構しますが、これは絶品!
皮のプリプリ感は初体験で非常に気に入りました。
さすがエルブジ! なんだか今日は期待できそう!!
ここでパンも頼んでみました。 2.50€。
悪くは無いのですが、それにしてもずいぶん硬いパンです。
さて、先程目の前で分けられたイワシ、骨の部分が下げられた後に
揚げて一品として出されました。
日本の鮨屋をコピーしたのでしょうか?
ちなみに途中、この店の主題歌「ボデガの歌」をお店の人が歌ってくれると言う余興なんかもありました。 (笑
この日は2 人で食べて
総額:82.70ユーロ程 (ビール、CAVA、それぞれ1杯、白2杯、水2本含む)
サービスは店の大きさに比べて過剰とも言えるほどのスタッフの数を揃えています。
ただし、今日は半分ほどの客の入りにも関わらず皿出しが遅く、途中ストレスをかなり感じました。
あと、店名にあるボデガ(立ちの飲み系居酒屋)そのスタイルでやっているのは理解しますが、店内は狭く閉塞感があり、テーブルが小さいのも相まって快適と言うのには程遠い空間です。
さて、いつもの様に料理についてざっと述べると・・・
最初のスモークされたイワシは、味もさることながらその演出はさすがエルブジ系と言わしめるもので大満足。
ただし、日本の鮨屋をヒントにした骨の揚げ物は揚げ弱くパリッとしていな上に塩がきつく食べたあとも舌に残ってイマイチ。
次のエンパナーダは中身がジューシーでまずまずでしたが、イベリコハムを使ったコロッケは平凡で全く印象に残らず。
肉の代わりにイカを使った創作ホットドックは、マヨネーズにキムチソースを安直に組み合わせただけのレベルの低い料理としか言えず
その後のミニハンバーガーにセプス茸の炒め物、そのどちらもエルブジ系列店にしては工夫に乏しくインパクトに欠け、起死回生を狙って頼んだ最後のナバハスに至っては食感こそは完璧でしたが、ソースが昔流行った底の浅いフルーツ柑橘系の物で今時こんな物を出してどうするの!
と言う様な感じ。
結局のところ最初のイワシ以外に殆ど良さを見いだせず、期待して来た反動もあり非常にがっかりする内容でした。
伝説のレストラン「エルブジ」。
そのセカンドとも言える「Tikets」。
この店はさしずめサードとなるのでしょうが、セカンドの下は結局無いのか?
インパクト無い料理に狭い店内、また決して安いとも言えない値段。
残念ながら現時点でリピートする理由、それは全く見当たりません。
味わい:3.7 食材:3.9 技術:3.6 個性:3.9
雰囲気:3.6 ボリューム:3.7 コスト:3.5 サービス:4.0
満足度:59点