3週間程前にオープンした豚肉料理の店。
名前は、そのまんまの「Pork」
この店の仕掛け人はこの二人。
左が複数のブランドを使い分けてピンチョスバルを多店舗展開する「SAGARDI」グループの社長と
バルセロナ郊外の1つ星レストラン「Els Casals」のオーナーシエフのOriol Rovira。
ちなみにレストラン「SAGAS」に続きこれが、この二人が組んでやるバルセロナの2軒目。
店の中はこんな感じ。
カウンターがスペインにしては随分低いのですが、これって知っていますか?
今バルセロナでは日本式カウンターと呼ばれているんですよ、これ。
店の入ったところ席の上には豚さんが宙づり・・になっていますね
ところで、テーブルがやけに小さい。
店一杯に客席の数を増やそうとテーブルかなり詰め込んだ為か
ゆったり食べれると言う感じはありません。
今日もまずビール軽く1杯. 2€
少し酸味があるビールでした。
お通しのオリーブは、盛り合わせ。 2€(本日は無料とのこと?)
悪くないです。
豚肉を売りにするレストランなんで前菜を幾つか頼んで、最後はガツンと肉で〆ます。
まず最初に頼んだのがこれ、Guisado de pie y oreja de lechon con judia poche 9€
地元伝統料理の” Trinxat”de col 4€
なんだか凄いですね、この緑色。 ・・・・まさかクロレラ入りか?(笑
食べてみると塩が強く、後を引きました。
あと豚肉専門と言うのなら、どうしてパリパリに焼いたベーコンをこのトリンチャットの
中へ入れないのか?その点が大いに疑問・・。
残念ながらインパクトに欠ける物です。
さて、ここでワインを選ぼうとリストを見ると赤ワインの種類は、たったこれだけ!
下2本がマグナムなので実質5種類。
グラス売りのワインは飲みたくないので、結局選んだのは・・
スペインでは珍しいアルゼンチン産ワイン。 35€
葡萄は定番のマルベックはこの値段ですから当たり前ですが、わりと飲めました。
ちなみにワインの種類が少なくてその代わりにスパークリング多く置いてあります。
理由を聞くと、豚肉にはそれが一番合うと言うシエフの考えだそうです。
morcilla de puerro de Tolosaldea 7€
いよいよメインのチュレトン。 375グラム 30€
肉の重さで値段が決まります。100gあたり8€
ちなみに、普通にスーパーでT-ボーンの豚肉は100グラム0.60€程ですから
その原価率の低さに圧倒されます(笑
家庭でも良く食べるチュレターと呼ばれる豚肉のTボーンステーキ。
普通はグリルですが、ここはオーブンで焼いた物です。
付け合わせに頼んだエスカリバーダ。 3€
この中の、にんにくが甘くて絶品でした。
骨周りはこんな感じ
豚肉の生って危ないと言われていたのは遠い過去の話?
2人で食べて
96.00€ (ワイン赤1本、ビール2杯含む)
サービスを仕切るのは女性マネージャー。
何軒もの店を展開するSagardiグループから、この店の立ち上げに送られて来ただけあって
しっかりしたプロフェッショナル、ですが他の若いスタッフ達はまだまだこれからと言うところ。
店の造りに付いては、モダンでオシャレな中に遊び心も感じます。
ただ季節が冬のせいもありますが、何だか寒々しい印象が残りました。
あと席数を稼ぎたいせかテーブルを詰め込み過ぎ、またそのテーブルは小さく
料理が出て来るとワインとグラスを置く場所にも困るありさま。
さて、本題の料理の感想をざっと述べると・・
前菜として食べた煮込みはパンチが乏しく、続くトリンンチャットも特に良さは感じません。
モルシーヨはソフトな味で私好みでしたが、相方は普通と言う事で意見が分かれ
メインのチュレトンはオーブンでサクッと焼け、付け合わせのニンニクも絶品でしたが
原価の10倍以上にもなるステーキ、次回もこれに30€払うかと聞かれると微妙。
店のコンセプトを「豚肉」として、ミシュラン一つ星のOriolシエフがそれなりに
考えた料理だと思いますが、はっきり言って弱い。
このぐらいのコンセプトに、この程度の料理では、客を引き付けるには魅力に欠けます。
もう一軒のレストラン「Sagas」も集客に窮しながら営業を続けていますが
それは資金力豊富なSagardiの社長のバックアップがあってこそ。
この店がこの先も継続出来るとすれば、それにかかっていると言っていいでしょう。
味わい:3.8 食材:4.0 技術:3.9 個性:3.8
雰囲気:3.8 ボリューム:3.9 コスト:3.8 サービス:3.8
満足度:66点